風向きの変化を感じた五都歴訪

             
この間、台湾、香港、四川省、浙江省、上海を廻ってきた。
     
    

10日間でこれだけだから、文字通り駆け足の出張だったが、
僕にとって極めておおきな意味を持つ旅だった。
          

  
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台湾ではいよいよ総統選・立法委員選挙戦が本格化してきた 様々な課題が炙り出される

    

ひとつは、前半後半と別々の仲間とそれぞれの目的で
今後5年を見据えた事業戦略を構築することが目的だったが、
これまでと全く異なる新たな発想の海外販路開拓のチャレンジが実現できそうな勢いであること。
  
ここに来て、日本の生産者・事業者の底力を見た思いだ。

       
     
また、もうひとつに、訪れた5都市とも
来年にかけて社会経済が大きく舵を切るほどの変化を見せるだろうという様相を垣間見ることが出来たことだ。

     

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香港のブランド店では、終日、中国大陸からの観光客で長蛇の列が
    

     

報道だけではわからない、路地裏・現場での予兆のシグナルだと感じている。  

   

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今、中国の都市近郊農村では想像以上の事が起こっている…

    
      

欧州ソブリン債務危機やアメリカの経済失速、中東ドミノ、日本の大震災など、アジアを取り巻く世界では、まさに「想定外」の事が想定外のスピードで連続的に起きている。

   

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香港・尖沙嘴イーストの繁華街の夜景
      

香港も、恒例のクリスマスの電飾が始まり、
商戦もリーマン以前を彷彿とさせるこれまで以上に過熱気味ではあるが、イギリスをはじめとする欧州と縁の深い香港の金融界の今後は不透明である。
       

      

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四川省では、農村のとんでもない光景を目の当たりにし、
ドンドンと、刻々と、変化変容していることを実感。

   
       
ニッポンにとってピンチでもあり、大チャンスも着想できる。

    
     
今こそ、外から目をそらしてはならない!

       

       
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台北では我らがユニクロが旋風を巻き起こしている

   
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台湾某県のLED農業のショールーム。これだけ低コスト投資で作れれば…

  
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早朝の幹線道路 -台北    IT・電子産業の外需の冷え込みで、懸念もぬぐえない台湾経済

   
     

どの国、どの街もそれぞれの事情と構造的な課題を抱え、今まさに国全体で克服しようと動き出している点では日本と同じ。

       

    

どこの国民も
自然災害や格差社会、既得権益などと闘いながら、
来年こそはと、希望の光を求めて、

みんなみんな頑張ってる

       
     

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香港の夜景にしばしうっとり

         

            

今日からまた一週間、東北、そして北海道をほぼ横断する。

  
どんな元気人との出会いがあるんだろうか。
                     

過熱と冷却と

                      
中国南部の広東省からマカオを経由して香港を廻ってきた。
   

台風が東部をかすめて、土砂降りと猛暑を繰り返し、
連日34℃に達するなど、なんとも凌ぎにくい数日間だった。

   
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「過熱にはとにかく冷やすしかない!!」
      

福島原発事故のことじゃない。

      
   

お隣の中国や香港では、旺盛な景気でうらやましい状態の一方で
経済がオーバーヒートしていて、当局はどこも火消しに躍起の状態だ。

       

おりしも3日連続して広東では暴動騒ぎが発生した。
         

潮州、増城といった町での事件だ。

                

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広東には様々な人たちがいて騒ぎ出すと結構荒っぽいし、
中央とは意識が異なるからここでの騒動は要チェックとなる。

    

日本では信じられないほどのインフレ、月ごとに値上げが続いている。

    
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特に食住関連の物価高は庶民の生活を直撃している。
    

   
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豚肉だって値上りするし、公共交通機関の運賃も。  
そして香港の公務員の給与も6~7%強引き上げられる。

       
    

不動産価格は大陸も香港も天井知らずになりつつあって
様々な沈静化策が打ち出されているが、完全にはコントロール出来ていない。

    
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株価も連日下げ止まらず、香港市民も気が気でならない   

   

また、所得の格差や差別、それに取締りの薄れる政権交代前に表面化しやすい汚職と腐敗の横行は常軌を逸している。

    

まさに火種さえあれば、一気に燃え盛る雰囲気に満ちている。

    
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広州増城での騒乱を伝える13日の香港紙

    

中東民主化のドミノがアジアにも迫っているという見方もある。

    

でも、僕は中国の事態を見ながら、これを他人事のように冷ややかな目で見続ける気にはならない。

     
   

今や日米欧の「かつてのリード国」も自らの経済崩壊の建て直しでほかには手が回らない状況で、新興大国である中国の経済や社会のメルトダウンは世界経済にも影響を及ぼすだろう。

       

さらにもうひとつ、日本人は対岸の火事と冷ややかかもしれないが
僕は、日本にだってドミノが伝播して何らかの騒ぎが今後起こらないと言えるだろうかという疑問が湧いているのだ。
     

誰もまともに信じてはくれないだろうが…。

   
     

無為な政局騒動に対して、冷静な日本国民は呆れている。
      

一方で、内向きには誇りと美談が充満しているが、
海外から観た日本は、すっかりたそがれていて
マスコミや世論がこき下ろす政治家の言動や原発処理に対する下品な論調がそのままアジアでも伝えられていて、もう情けないことなんとも耐え難い。

  
Dsc_2192      また交替の総理とスキャンダル記事が新聞の片隅に    
    
     

それら政治家を拝したのは、民主選挙なる方法で国民が選んだはずのリーダーたちのはずが、この20年間、そしてこれだけの国難が襲っているにも関わらず、未だ厳しい自己変革に向き合おうとしていてない。益々ソフトランディングの可能性は乏しくなっているというのに。

   
    

「まともに」自分の頭で考えて行動する国民なら、
暴動とまで言わないがこれから何が起こっても不思議ではなくなる「臨界点」に知らず知らずのうちに近づいているかもしれない、と中国にいてそう感じた。
      

ドミノ現象がどこかの国で止まると言い切れるだろうか?

   
   

暴動や政治転覆だけじゃなく、
健全程度の活力を失った廃墟という名の深刻停滞もまた同じ。

   

    
現状分析や情報収集ばかりでなく、今こそ過去の歴史に学び、未来のビジョンを構築する視座をもっておきたいと思う。

     

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上海新天地

                  
このエントリがアップされる頃、
僕は海外にいます。

   
指定時間になるとアップするようセットしているんです。

   

   
上海新天地といえば

もう知っている人も多いことだろう。
   

   
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もう10年になるんだ。

    

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この新天地プロジェクトは、近代史跡という上海の特別の土地に
香港のデベロッパーが地元の政府と契約を交わし、
時限付きの開発プロジェクトが始まった時から
僕の20年来の香港のビジネスパートナーが、
ここ新天地の対日投資誘致マネージャーを請け負い
この仕組みについて熱い口調で説明してくれて
本当にユニークなプロジェクトだなあ、と感心したものだった。

       
      
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今や世界一のビール消費大国に

      

新天地というと
どうしてもハイセンスな商業施設やショップ群に目を奪われ
そういう商業プロジェクトと思われがちだが、
真の目的は超高級不動産開発なのだ。

    
周囲の住宅やホテルの広さは、
比べようも無いくらいデカイよ。

    
   

だから僕らが散策できる商業施設の役割は
いわばその付加価値を上げるためのツールである訳だ。

       
   

ゼロがいくつ並ぶか分からない物件が目白押しで
香港や東南アジアの超セレブ御用達のお部屋がズラリ。

  
だから投資用として実際に住んでいないなどとも揶揄されている。

      

どんな物件の売り出し方をしたか、とか
誰が住んでいるかなどの話を聞くと
それはそれで面白い。  
 

   
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今回は、画像をさらにお楽しみください。
     

    

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ちょうど韓国からの修学旅行生の一団を発見

     
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未来の韓国を背負う人材たちが、学生のうちから中国の発展ぶりを体感する

       
     

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併設のシネコンでは、カリブの海賊やウルトラマンも登場だ

    

   
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ファッション、グルメ、ビューティー  中国人のライフスタイルの変化を観る

     

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ちょっと休息  

        

   
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中国ビジネスのニューカマー

                                  
上海の泰康路に面した一角に「田子坊」と呼ばれる路地裏エリアがある。

   

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路地裏が好きな僕が注目しているのだが、
比較的名所旧跡の少ない上海の街でも、今や
一大観光拠点に成長しつつあるホットスポットである。

    
    
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聞けば10数年前に、中国人画家のグループがこの一角にアトリエを開いたのが始まりとされ、その後、アートショップやカフェ、ブティック、雑貨店、バー、レストランなどが次々と開店し、今も増え続けているという。
     

      
          
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今中国で過剰・乱立ともいえる企画で設計された大規模集積ショッピングセンターとは異なり、住宅街に自然発生的に「増殖」しているのが特長である。
     

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周りはこんな感じ
    
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一般の住宅街が隣接する
    
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四合院式など中国建築様式も触れることが出来る
   
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上海建築のシンボル“石庫門”
   
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上海には女性ブロガーだろうか、一眼レフを持った娘がとても多い
    
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情報伝達・発信は、政治問題よりも日本と同じ流行コンテンツ。こっちの方がすごい武器
      
      
      

ニューヨークのSOHOやパリの一角のようなものだろうか。

     

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モバイルPC、スマートフォン、iパッド・・・ 新しいもの好きの上海人が集まる
    
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もしかしたら将来、代官山や自由が丘のような場所になるのかな

      
    

この日も昼間から多くの若者、観光客、一般市民、外国人など多くの人で賑わっていた。
    

   
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いくら生活観の演出だからといって、少しやりすぎじゃあ??
でもその写真を撮る僕もヘンだよね
     

      
     
僕が注目しているのは、単に路地裏好きだからだけじゃない。

       

これらの店舗を経営しているのは、中国人だけじゃなくて結構外国人もいる

    
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日本人が経営している店舗もかなりあった。

   

     
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おお~っ! 京都だ
    
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最近、日本でも再び中国ビジネスに関心が集まっているが、そのほとんどが経営資源に恵まれる大手企業やアグレッシブな中小企業が中心だけども、いずれもすでに中国は、労賃から不動産、原材料などあらゆる物価が上昇しており、製造業の低コストモデルは益々難しくなっている。

       

その上、日本企業の中国でのプレゼンスが、
資金でも市場でも技術でも商品力でも、
いずれも中国から観て必ずしも優位に働かなくなっているという現実がある。
 
        

企業の進出にとって大きな懸念材料だが、
僕はまさに、ここ田子坊で頑張る日本や世界の若者、あるいは彼らのセンスを活用する経営者の動きは、これから中国ビジネスをする上で、ひとつのモデルになるかも知れないと直感し、注目しているのである。

     

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僕は「中国ビジネスのニューカマー」と呼びたい。

     

    
これまで中国は、世界中から莫大な資金も技術も市場も取り込んできた。

          
   

今やこの田子坊のように、中国は徒手空拳の行動力にあふれた世界の若者のパワーまで取り込む国になり始めているのだ。 

     
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若い人のセンス、行動力、ネットワーク力、コミュニケーション力は、いつの時代もそうだが、新鮮であり、元気であり、ワクワクする。

    

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また、そんなセンスを上海の人たちが大いに受け入れ始めているのだ。

   
    
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しかも海外で頑張る日本の青年たちは、たくましいし、個性的で魅力的だし、行動的で勤勉で、優しくもあり、能力もあり、とても頼もしい。

    
その彼らだって僕らと変わらぬ普通の日本人なんだろうが、中国でチャレンジすると決めた瞬間、一歩行動に出た瞬間に、すっかり逞しくなったに違いない。

   
その一瞬が人生を変えていくんだよね。

   
     
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この国際コスモポリタン都市・上海にあっても立派に伍している

     
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サンマの塩焼き定食も、ここ上海ではカッコいいカフェめし!?
いいじゃない。

            
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それに日本式のサービスやセンス、商品企画は、キラキラと光り輝いている。僕にも大いに自信を感じさせてくれた

     

FTA論議など、とかく日本は開放すれば全て外国勢に負けてしまうと内向きな論調も多いが、少なくともスポーツの世界やこのような海外での「ビジネスワールドカップ」のような舞台で、日本の若者は頼もしく、たくましく、世界と伍して、また世界に和して、そして中国とも対等元気に頑張っている。
      

      
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上海でのビジネスはさながらワールドカップ

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これら40代以下の日本やアジア・世界の青年たちが、新時代を切り拓くパワーエンジンとして大いに活躍していくだろうと得心し、僕も心から勉強させてもらった。

       
    
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この田子坊という迷宮エリアには、
東洋と西洋、過去と未来、資本主義と社会経済が交錯している・・・。

    

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チャイナドレスとジーパン小姐と
      
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60年代文革宣伝アート
   
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40年代上海ノスタルジー
   
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青葉茂れる街で

            
中国・上海に行って来た。

      
    
一日目の23日は、梅雨を思わせるようなジメジメした雨模様。

   

Dsc_5624     上海最初の訪問先 -陸家嘴
   

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“第2の創業精神を発揮して、さらに浦東の開発開放のスピードを上げよう”
 この国はどこまでもスピーディでポジティブ

      

     
でも、小雨模様の南京路は久しぶりだったが、
路面に虹色のネオンが柔らかく反射して、
“元祖繁華街”の趣きを漂わせていた。

     
    

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二日目は、一転して快晴となり、気分爽快。

   

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僕が初めて上海を訪れたのは1978年だから、もう33年にもなるけれど、この季節、初夏の日差しに映える街路のプラタナスの蒼々しさと木陰の爽やかさは、当時とまったく変わっていない。

       
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一全大会跡地

    

    
でも、この間“滄海変じて桑田となる”を地で行くように、
上海は世界で最も短期間で大変貌した街となった。

     

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今回の上海行のテーマは、
一人でも多くの人に逢って、現場の話を聞く、聴く、訊く。

      

そして自分なりに、これからの行方を、
「中国の」ではない、祖国日本の行方を考える、考える、考える。

    

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増え続ける自家用車  その後は?

   
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一気に情報が氾濫し始めている

         
        

上海在住の事業者、駐在者、市民など多くの皆さんから
本当に貴重な情報やお話を伺った。
             

この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。

      

       
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もうこの街でも夏商戦が始まっている

           
        
       
心こもった熱い言葉の節々に、
我々に対する手厳しい指摘や苛立ちの思いの分だけ、
これからの日本に対する期待と希望と夢を感じる上海訪問となった。

     

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カルチェも上海小姐がさらに美しくエレガントになるのを応援する                     

日程進行中・・・

   
予定通り、スケジュールを淡々と、そして熱っぽく進めています。

  
腰と肩をかばいながら・・・。

      

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北京の街で  渋滞で全く動かない!!!

   
      

国内外、どこを訪ねても元気な人たちばかり。

   
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農商工連携のマッチング事業  全国を廻っているが、スゴい進歩。
ここ大阪会場では、連携事業者・バイヤーが予想を超える商談を展開した。

   
    

海外開拓、新規事業開発という
チャレンジング(挑戦的)な支援の仕事をしていて
大勢の元気な人たち、常識破りの人たちと出会えることに
つくづく充実感に満ち、またパワーを頂いています。

   
感謝!

    

Dscn3631香港の飲茶楼にて  「洗椀」 自分で念入りに食器を洗うのも習慣
香港も元気の良いビジネスが続いている。食欲も旺盛!

      
   

TPPやFTAに参加してもしなくても、
これからのニッポンは、フロンティア(開拓者)精神に富んだ人たちの時代になります。
      

いや、もうなっています。

     
後戻りは出来ません。

    

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中国で若い人が運転する乗用車の中で、現地の青年記者3人と熱い日中関係論を本音で語り合った。お互いの理解がまだまだ不足している・・・。

      
          

今日からまた中国大陸へ入りますが、

来月2日までノンストップの弾丸出張です。

   
次のブログのアップは、12月10日ごろを予定しています。  

    

もうしばらくお待ちくださいね。

   

コメントへのお返事も必ずいたします。

        

変わるアジアと  替わる日本?

           

この空 ど~こだッ?   
        

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もう一枚ネッ。

    
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港のはしけのクレーンが見えてる。

   

           
  

そう香港です。

   
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滝のような土砂降りが3日間続いたかと思うと
今度はうって変わって、ピーカンの天気。

   
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建物の中は、クーラーが利き過ぎていて
寒さと乾燥でブルブル。

   

外に出ると、気温は30℃、湿度は95%を超える
ムッと息が詰まりそうな外気だから、
極端な変化で体調がおかしくなりそう。

    

それでも香港は元気。

     
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文ワイ報 6月25日付け

   
   
輸出が7ヶ月連続して増加しているなど、今後EU懸念は残るが、
好調中国の景気につれて、回復基調は本格的。

  
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欧州ブランドの正規店には、夜遅くも外の通りにまで行列が・・・

    
      

ショッピングモールはどこも大変な賑わいだ。

   
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ニッポンブランドの回転寿司も長蛇の列

         
     

    
話題と言えば、
台湾と中国がECFA(経済協力枠組み協定)締結にこぎつけ
香港のCAFAに続いて自由貿易圏がまた実現することになった。

    

Dsc_0166           ECFA締結を伝える星島日報 6月30日付け

         

もっとも香港にとっては中継貿易先が減ることになるし、
台湾内部でも国論を割るような議論が未だに続いているのだが。

   

間違いなくアジアは、大変化を遂げている・・・。

      
   

    

一方、わが国と言えば、
      

 また変わった(替わった)そうですねぇ・・・。

    
   

香港の親しい友人から皮肉られる。

   

そう、総理大臣のこと。

   

 走馬灯のように替わるけど、大丈夫なの???

     

        
   
もう、日本の情勢なんてほぼ眼下に無い感じ。

     

総理大臣だけでなく、アジアの盟主の座も入れ替わり?
     
           

以前はあれだけ日本事情に精通していた人たちが
まるで他人事のような見方に変わってきているようで
世の移ろいを肌で感じる瞬間だ。
     

      
    

     

露地を歩くと、ワールドカップ

    
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ここ香港でもサッカーは大人気スポーツだ。

    
     

 
「本日、日本対パラグアイ戦のライブ中継やります。」

    
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路地裏の多くの食堂やバーに張り紙がしている。

       
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今日の朝刊には、残念ながら日本がベスト8に勝ち残れなかった記事が大きく掲載されていた。

     

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    明報 6月30日付け

    
      
アジア勢が無くなった…。  無念。

   

 
でも、国際舞台に挑戦して、本当に良く頑張った。

   

厳しい国内世論を跳ね返して結果を残した
監督そして若きサムライたちに心から健闘を称えたい。

       

海外に挑むニッポン青年たちも、

人に頼らず、泣きごと言わず、やはり自分が変わってるんだ。

      
      
     

そう、あした7月1日は、
香港の中国返還13周年の記念日に当たる。

   
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世界連鎖の荒波に翻弄されて

         
すっかりご無沙汰してしまいました。
               

こんなにアップの間隔が長くなったのは初めてではないでしょうか。

本当にごめんなさい。
      

    

あんまりブログをアップしていないので
最近、多くの方から、
         
身に何か起こったんじゃないか
            
体調でも壊したの?

   
と心配してくれる方が増えてきて
本当にご心配をおかけしました。
       

毎日元気でやっております!

       
     
3月後半の年度末には、全国各地の皆さんと交流の機会も多く、、
初めて訪ねる街が多かったので、とても勉強に、そして刺激になりました。
      

当時、声がかすれて、咳き込むことが多くて
話が聞き辛かったでしょう。
心からお詫びします。

       
     
4月の新年度に入り、例年なら少し落ち着く時期に
今年は海外出張が重なってしまいました。
      

アジアは第一四半期の経済指標が、どこも年率換算で6~13%も成長しており、すっかり回復モードです。
      

販売の現場でもしっかりとしたものになりつつある様子でした。
         

           
統計上でも、3月のわが国の農林水産物の輸出額は、
対前年同月比+25.7%の440億円となっています。
                        (財務省貿易統計の速報値)

       
                            
そして5月の連休。
       

本来なら若葉のリフレッシュの季節なのですが、
今年に入ってからの低温、日照不足、多雨などの影響で農作物は大打撃。
         

軒並み野菜は高騰し、また花付きが悪いとか
新芽が傷むなど異常気象が原因で
夏秋の果実や茶葉に影響が出るのは必至の情勢です。

        
     
また、遠くギリシャの財政破綻に端を発するユーロ危機は、
結果として円高と世界的な株安の連鎖をもたらし、
「ニッポンを売る!」アクションに大きな影を投げかけています。

      

そして、タイのバンコクで発生した大規模な政治運動は、
市街地での暴動騒ぎに発展してしまい、
多くの死者まで出る惨事となりました。
      

つい最近までニッポン商品を扱ってくださった百貨店や
高級ショッピングモールが一部焼失、破壊されるなど、
報道を看るたびに、本当に心の痛む事件となってしまいました。

       
     
さらに追い討ちをかけるように、
4月に宮崎県で発生した口蹄疫は、とんでもない広がりを見せ、
いまや宮崎県の経済だけでなく、日本の畜産業にも深刻な打撃を与えるかの様相です。

       
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一緒に海外販路開拓に汗を流した宮崎県の生産者や
サポーターたちが、連休前から声を張り上げて、
窮状を訴えていました。
      

普段ならほほえましいつぶやきがのぞけるツイッターが
悲鳴にも似た惨状を伝える媒体と化していました。

          
     
僕も帰国後、協議のために、
宮崎市や都農町に行って来ました。
     

人も感染を媒介するので、軽々に動いてはいけないので
もちろん現場には近づきません。

   
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畜舎の近くには、どこも石灰が撒かれている。

   
     

都濃や川南の農業の生産者の皆さんも、
一様に心を痛めておられました。
     

彼らでさえ、畜産の仲間たちになんと声をかけて良いのか分からないのだそうです。  

     
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県下のあちこちで消毒作業が行われている

          

現場の話を聞けば聞くほど、もう僕にはこの問題について
何も語れなくなってしまいました。
       

なぜなら問題が余りに根深く、複雑すぎて、
また視点によって事実関係がまったく異なってくるからです。

           
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最前線で活動する県庁や国の出先の皆さんは本当に苦労されている
        
     

農業・畜産業は、製造業ほか他の産業と同様、
多岐にわたる要素で成り立っている産業なんだと改めて認識しました。     

       
         
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各地で予定されていたイベントや運動会はすべて中止

    
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畜産業だけでなく、観光、外食、金融、物流、流通ほかあらゆる産業に深刻な影響を及ぼしていることにも気付かねばならない…
            

               
          
では今、僕らに出来ることと言えば、
もちろん義捐金のカンパもあるでしょう。
     

そのほかには、
やはり出来る限り宮崎産の農産物や食品を心がけて買い求めることじゃないでしょうか。

   
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僕は縁あって、仕事で地場産品の販売支援もしているので、
当然、今後の復活に向けたアクションについて
今から手を打つこと
でもあります。

     
    
嬉しいことに、
これまでお付き合いをしてくださった
海外の関係者の皆さんから義捐金や励ましの言葉、
そしてガンバレ宮崎の意を込めて、
追加発注を頂いています。

    

そこで僕は、明日からまた宮崎の応援のために
10日間ほどアジアを廻って来ます。

     

これまでは、いつでもどこでも、“ニッポンを売る!”という意識で頑張ってきましたが、今回だけはMIYAZAKIを売る!」という熱い思いを、海外の現場で訴えかけてきたいと考えています。
          
         

また少しの間、活動に専念するかもしれませんが、
近いうちに、本ブログは必ず復帰しますから、
そのときはまた応援よろしくお願いします。

              
         
日本各地、海外各地の皆さん、

ご支援本当にありがとうございます。

          
  
望まない海外連鎖もあれば、善意、協力、共生の連鎖もありますね。

    
もう海外とは遮断できないわが国が、

世界とどう向き合うのか、何をなすべきか、

本当に冷静に、真剣に考え、行動する段階に入ったのです。

         

還暦なるも思春期の

      
今、水シリーズのドバイ編を紹介中だが、
ちょっと中断して、時事海外レポートをひとつ。

    

   
急用で数日間、中国広東省と香港を駆け足で廻ってきた。

   
     
おりしも10月1日は中国の建国記念日、

いわゆる「国慶節」である。

    

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香港の目抜き通りで

    

    
今年はちょうど建国60周年ということで、
人で言えば還暦を迎えたことになる。

  

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還暦といえば、日本のように「高度に」成熟し、
異常なほどに分別も利くが、一方でなんとなく夢や志しを持てなくなり、自己改革も進まないまま外部環境の変化にも疎くなってしまい、
もう耳でも遠くなったかのような内向き論議がお盛んである。

     
   

他方、中国は1950年代末から70年末にかけて、
内戦に近いほどのとんでもない遠回りをしてしまったため、
近代的な発展という意味では、ようやく思春期を迎えたような段階にある。

 
それを自ら「小康」状態と呼んでいる。

     
でも、世界に向けて公約した改革開放政策の初期目標をおおむね実現したことになる。

    

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去年オリンピックも無事開催し、来年は万博だ。

     

    

もっとも成長期には、体も心も異常なほどアンバランスなもの。
あちこちが歪(ひず)んでくる。

    

日本だってそうだった。

    

今でこそ、平穏・均一・清潔な先進社会にいるような気分だが、
五輪と万博の狭間の1960年代末後半に国内はどういう状況であったか思い起こしてみるといい。

   

1960年代の出来事
http://ja.wikipedia.org/wiki/1960%E5%B9%B4%E4%BB%A3

    

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今、CO2削減だ、高度民主化だ、などと新興国に求めるが、
自分たちも長年のプロセスで築いてきた価値観をそのまま押し付けてもなかなか事は進まないだろう。

      

僕らだってつい20年くらい前はバブル一直線で豊かさを追い求め、欧米先進国の人権や環境意識、動物愛護精神、循環型農業などを垣間見て、ただただよその国のことと感じていたような気がするのだが、自分だけだろうか?

    

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長い間、英国の影響を受けてきた香港

        
         

だからといって思春期の若者には、
周囲の理解と冷静・適切な対応が必要なことはいうまでもない。

   

     
興奮してまともにガチンコで対峙しても
きっとよい結果は生まれないだろう。

   

   
今、世界では皮肉にも米欧日に替わる新たな元気のよい
若者を探している
のも事実。

    

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翌日の香港の大陸系新聞「大公報」の一面

    
    

天安門前の壮大な軍事パレードを中国国営テレビのライブ中継で観ても、国力の誇示、威信の発揚、統率感などを全面に感じ、
リーゼントに革ジャンの若者がバイクを空ぶかししている感もないわけではないが、
    
僕も小学生くらいの頃から数えて約40年近く注目してきたこの国の経緯を見つつ、今後も時間経過という軸を据えて、冷静に、大局的に注目していきたい。

    

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世界を視野に「中国は世界に貢献できる」と自信をのぞかせる

    
     

      

本音を言おう。

   
   
還暦を迎えたこの国の今後を心配する向きもある。

さらにそのお隣の国もそうだ。

     

しかし、僕は「成熟しきった」わが祖国の行く末の方が、
何倍も何十倍も心配である。

     

     
今こそ、明るくいこう、ニッポンらしくいこう!!

    
   
   
分別の利いた大人たちが目をしかめるほどの非常識行動派の人々、若者、女性、シルバーの突破力こそが日本の宝だ、
と僕は思う。

    
           

一枚の看板が示すドラスティックな変化

     
今年に入って5回台湾に行っているから、
毎月1回のペースということになる。

    

さかのぼること、1月に今年初めて台湾に行ったときのこと。

   
    

空港に降り立った後、いつものとおりパスポートのチェックを済ませ
入国管理(イミグレーション)を過ぎた直後、
なんと言うことのない一枚の看板を見つけて
僕はアッと息を飲み込んだ。

      
    

ああああああああああああああああっ!!

     

    
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同行の日本人の方が不思議そうに僕の驚いた顔を見つめる。
      

「一体どうしたんですかァ??」

      

      

そう、中国の民間航空会社の広告だ。

    

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台湾の民用空港に大陸の航空会社の看板が掛かっている。

        

     

     
一昔前のことを知っている人には信じられない驚愕の事実

       

      

そう、昨年3月国民党の馬英九氏が総統選を制し、
8年ぶりに政権交代が実現した結果、
12月に大三通が実現したのであった。

    

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大三通とは、それまで断絶されていた台湾本島と中国大陸との間の通信、通商、通航の3つの分野での直接往来が解禁になったのだ。

    

(一部金門島などの離島との直接交流は2000年に解禁されていて、
これを小三通と呼ぶのに対して「大三通」と呼んでいる)

    
    

1949年以来の断絶からだから、長年の案件となっていたのである。

     

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空き室、貸家も目立つ台北の繁華街
大陸との経済交流復活に期待を寄せる・・・

       

         

私が最初に台湾を訪問したのが1980年だったが、
その頃はまだ台湾は戒厳令下で一触即発の可能性も残っていて、
中国へ渡航するのにパスポートに台湾の入国スタンプが押してあると、中国側では入国を拒否されるとの理由から、当時は特別に
別途、一次パスポートを取り直してから、そこに台湾のスタンプを押してもらっていたくらいである。

    
     

また、香港経由で中国大陸の人が台北の空港に降り立っただけで(降機しなくても!)、中国では大問題になり政治犯になってしまうというので、とても気を遣った記憶もある。

    

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この日も台北の街はバイクであふれ返っていた

    

    
    
そのくらい、つい最近まで大陸と台湾との間は緊張していたのに、
あっという間に交流解禁となったのだ。

    

だからこの空港での一枚の看板の意味するところは、
知っている人にとってはとても衝撃的な出来事のだ。

      

   
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相変わらず寿司の人気は変わらない・・・

    

     
   
海外では、予想外のことやかつての常識だったことだって
ドラスティックに変わり得る
ことをまたひとつ体験した。

     

     
   
静かに変わる日本とは様相が大きく違うことをまた学んだのだった。

         

 
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台湾は本当に軌道修正をしたのだろうか?