大地のキャンパスに立って(その4)

                             
ひと集まるところ、そこには旨いものあり。

     

富良野料理の「くまげら」さんに案内していただいた。

  
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ここは知る人ぞ知る地元の名店で、
ドラマ「北の国から」にも登場している。

    

著名人や文化芸能人も良く訪れるということで
最近は、韓国現代グループの総帥や台湾副総統の奥様がお忍びで訪れたなど枚挙に暇がない。

       
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当店特製“チーズ豆腐” 確かにチーズでもあり豆腐でもあり。
製法は秘伝。

   
      

僕をご案内いただいた方が、お店の御ひいき筋だったので
夜の忙しい時間だったにもかかわらず、最後までご主人にお付き合いいただいて、楽しい話が延々と弾んだ。
      

       
最近は中国からのお客さんが増えましてねえ。
3割から4割ぐらいなんですよ
。」

とご主人が紹介するから、
     

外国人客の中で4割にまでなったんですねえ、などと感心したら、
       

なんと来店客全体の4割というから二度驚いた。

    

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アイヌネギこと 行者にんにくの醤油漬け

   
    

このようなお店だから団体ツアー客なんて当然扱わない。
    

中国人客が自分たちでわざわざ訪ねてやって来るのだ。

    

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上下はタマネギとニンジンの粕漬け。
歯ごたえと口いっぱいに広がる風味は未体験の味。
野菜に新たな命が吹き込まれる。      
            

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香港や上海のテレビ番組やグルメ・旅行雑誌にも何度も紹介されているのだという。
      

彼らの注文はやはり富良野和牛のすき焼きやしゃぶしゃぶが多く、
客単価でも日本人に負けていないそうだ。

   

ご主人いわく、中国からのお客様が増えることは大歓迎

      

      
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大皿に盛られたスルメイカの沖漬け。これぞホンモノ!という存在感。
釣り上げられたその場の船上で漬け込まれたというコクと深みが忘れられない

        
      

メニューや名刺も数カ国数種類の外国語版にするほか、
台湾と韓国人の店員を雇用するほどの力の入れよう。

    
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予約を受け付けられずに外に行列が出来るほどの有名店になると
普通、外国人客はお断りする店も多いが、こちらのご当主の発想はまるで反対。次々と新たなアイデアを仕掛けていく。
   

僕は、このご主人の経営着想を多くの中小製造メーカーの経営者にも聞いてもらいたいとすら思った。脱帽だ。

         

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山ぞく鍋  エゾ鹿肉、鴨、鶏の野趣溢れる滋味を味噌仕立てで頂く。
北海道で味わえる至福の味。入手すれば熊肉も味わえるという。

      

町の景観を守り、自然を尊びながら、世界に情報発信。

    

富良野ブランド、北海道ブランド、ジャパンブランドの真髄を見た思いがした。

     

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町なかに熊が出てきた話しなどを可笑しく紹介するから、
客はその魅力に一気に引き込まれる。
きっとこれも言葉のわからない外人客も含めたコミュニケーションのひとつに違いない。

    

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当店看板メニューのひとつ。「和牛のさしみ丼」。
富良野牛の刺身がこれでもかと口中でトロけ出し、 悶絶、絶句してしまう芸術品。

    
          

富良野を訪れる多くの観光客が、ホテルも来年のためにと、
リピーターとして一年後の予約をしてしまうほど感激するのと同じく、
ここくまげらのご主人にも、僕は、また来ますから、とつい口走ってしまった。
                                    (次回に続く)