古都恋情(その8)

(前回より続く)

         
台南が古都であることの証左のひとつに
寺廟が多いことが挙げられる。

   
Dsc_6763
街の中心にある武廟  朱赤の壁が一際映える
  
Dsc_8420     
Dsc_7021
後方の扁額「大丈夫」は台湾4大扁額のひとつ。「人倫之至」も台湾を代表する名額でこれを観るたび、パワーをもらう。
   
             
       
僕が戌(イヌ)年だからじゃあるまいが、
ホテルの周りでもちょっと歩くとすぐにお寺に突き当たる。

    
      
Dsc_6808
   
Dsc_6838
“台湾精神”の拠りどころ
   
Dsc_6824
あの世でもご先祖様がお金に困りませんように・・・
   
Dsc_6867
お賽銭を上げて、「平安米」を一袋頂いて帰り、家で一緒に炊いて食べる。厄除け・お守りの意味があるらしい。昔は貴重だったお米を大切にする土地柄からか。 

          

お寺と言っても、立派な構えをしている寺社もあれば
アーケードの一角にポツリと仏壇のように祠が建っているものまで様々だ。

  
Dsc_8430
とにかく数十メートルおきにお寺があるような感じ
   
Dsc_8421
簡素だけど台湾らしいお供え物
   
Dsc_6856
大きな寺廟にもなると、こんなお供え物も
    

Dsc_0012       土地の収穫物は、何よりの宝

       
     

それにしても、台南の人の信心深さは並大抵のものじゃないことは、すぐに分かった。

   
Dsc_6876
媽祖像に心を込めて祈る
  
 

今、日本でも仏像や仏画などが、一部の若い人たちの間で密かにブームになっていると聞く。

   
Dsc_6772_2      若い人もお寺の門前に差し掛かると、ちゃんと拝んでいく

       
    

僕も一時期、中国道教や中国仏教に興味を持ったことがあり、
いろいろ知識を仕入れたことがあったが、
また時間が出来たら改めて学び直してみたい、
そう思わせる古都の情景だった。

   
     
Dsc_7088
順風耳将軍   神様もピアスしてたんだ
  

  
台南には、また孔子廟もある。
     

Dsc_0661
Dsc_0673
「聖域」って、ここから来た言葉だったのか

   
     

歴史と習慣、そして精神性が、今も台南人の生活に深く根を下ろしている。
         
   
どこの国もそれぞれに素晴らしい伝統と文化を持っている。

     
   

Dsc_7034       武廟の門前で芳香漂う花を売る老婆

      
    
Dsc_8413_2   
            

古都恋情(その7)

(前回より続く)

       
七股塩山

台南の中心街からどのくらい車で走っただろうか、
ここならではの様々な施設や風景を見ながら車で進む。

     
郊外に出ると道の両側は池だらけ。

  
Dsc_8339
これはきっとサバヒの養殖場に違いない。 サバヒについては後日紹介する
      
Dsc_8279
台南科学技術工業区  ここもビジネスで訪れたエリア
   
Dsc_8273
かつて中国大陸と緊張状態にあったころ、宣伝放送をしていたという電波塔群
   
Dsc_8290
台湾最大の津波の実験場がある大学施設だそうだ
   
Dsc_8264
外気はとにかく暑い。揺れる蜃気楼が蒸し暑さを増幅させる

         
 

たどり着いたところは、七股(チーグー)と呼ばれ、
つい2002年まで台湾最大の塩田で栄えた町である。

  
Dsc_8363
   
      
今はほとんどが輸入で占められるようになり、
台湾ではコスト高が原因で、塩は生産されなくなったらしい。

    

Dsc_8400
台南県と台南市が合併して、今は台南市になっている。   

       

ここ七股も「塩の博物館」などが建設され、
ちょっとしたテーマパークのようになっており、往時を忍ぶことができる。

   
Dsc_8351
塩で出来た高さ20メートルの塩の山がそびえている。
そこにある以上、登らなければ・・・。気温は35℃にも達しようというのに

 
        

車から降りて外へ一歩出ると、その異様ほどの暑さに加え、
とにかく直射日光が強くてかなわなかった。

    
Dsc_8372
  
Dsc_8382      
Dsc_8396

     

一面に広がる塩の結晶の白さが反射して
まぶしくて目も開けていられない。

    
Dsc_8405
塩山の頂きから見た景色

     

まさに“塩々と”広がる海抜ゼロメートルの土地。   

   
Dsc_8413
右奥に立つのが塩の博物館
   
Dsc_8415

   
     

そうか日照が強くて雨が少ないから製塩に向いているのか!
     

なんて小学生レベルの発見をする。
     

       
Dsc_8423
    
Dsc_8465
往時の塩田を再現するコーナー

Dsc_8483

    

    

名物「塩アイスキャンデー」。

  
Dsc_8433

      
明確な塩味がするわけではないが、
甘くなくサッパリしていて、意外にいける。

      
     
ここにしばらくいるだけで、
なんとなく血圧が10くらい上がった気分だった。

  
     
Dsc_8472
塩塊で作った塑像
                 

古都恋情(その6)

(前回より続く)

                
徳記洋行
    
オランダ、鄭氏、清朝と台湾の統治が移る中、
清朝の力が衰えるとアヘン戦争を機に勢力を拡大させたイギリスが、門戸開放(開港)を台湾にも迫ったのである。

      
Dsc_7521
   

ここ徳記洋行は、1867年に安平に最も早く進出したイギリス商社の一つで、海路を通じて、台湾茶の輸出や保険業務で莫大な利益を上げたのだという。
       

  
Dsc_7286 

     

その建物が今、史料館として保存されている。
   
      
Dsc_7479       

      

いにしえの海外交易の繁栄ぶり、華やかさが時を超えて僕の心の奥にもビンビンと響き伝わってくる。

      

Dsc_7474     神戸や長崎の洋館を思い起こさせる

    
           

国際ビジネスのプロデュースを、
ここ台南の地で行っているのも何かの縁があるのかな。

    
Dsc_7512        
       

エネルギー・フルチャージ!! 
                   

古都恋情(その5)

(前回より続く)
     

安平樹屋
      
安平(台南市安平区)の街道には、枝から長いひげのような褐色の気根が垂れ下がるガジュマルの樹があちこちに目について、いかにも南方に来た感覚を呼び覚ましてくれる。

 
Dsc_0430

   

ここに安平樹屋と呼ばれる摩訶不思議な建物がある。    
   
Dsc_7281

    

廃墟になった倉庫らしき建物とガジュマルの樹が異様に絡み合って
一心同体のようになっている。

   

Dsc_7308   
Dsc_7328
           
Dsc_7322

          
      

以前、カンボジアのアンコールワット遺跡群のひとつの
タ・プローム」と呼ばれる寺院に行ったことがあって
同じくガジュマルに絡まりあった遺跡の神秘的な姿に驚いた記憶がある。
   

Dsc_2311
カンボジア・タプローム 2006年9月撮影
   
Dsc_2420     タプローム遺跡で  2006年9月撮影  

     

     

壁を這い、塀や屋根を突き破っている様子は、
あたかもシュールな前衛芸術を鑑賞しているようにも思えてくる。

    
また、自然の力を見せつけられるし、時の経過の妙を体感できるしで
やっぱり僕にとってのパワースポットだろうか。
       

       
Dsc_7367
   
Dsc_7410
屋根の上にもこんなに

Dsc_7349_2

    
  
幻想的なアニメなんかに出てくるみたいで、
今にもこの無数の枝が動き出しそうな雰囲気を漂わせている。

      
Dsc_7452
   
            
       
ここでもまた時間切れで、全部を観きれなかった。
     
    

Dsc_7458

       
               

エネルギーチャージ不足。 残念!!
            

古都恋情(その4)

(前回より続く)
       
   

延平老街
       
 
先回の安平古堡からほどなく、
安平の中心街に一際賑やかな通りにさしかかるが、
ここが延平老街といってオランダが最初に造った店舗道で
「開台第一街」とも称され、台湾で最初の街路とも言われている。

   
Dsc_7612
         
Dsc_7629
     

ショッピング好きにはたまらないであろう、
お土産屋や日用雑貨店が今でも軒を連ね、
週末ともなると観光客・買い物客でごった返すのだそうだ。

   
Dsc_0134
   
Dsc_0127
ここが海の近くだってことを改めて知る
    
Dsc_0122
こんな感じのモノ好きな子たちいるよね
   
Dsc_0132
パロディー商品出てました

        

路地裏学派の僕としては、ぜひディープな探検をしたかったのだが、
残念ながら、お仕事あって、ほんの街道口をちょっとのぞいてみただけのご挨拶程度だった。

        
Dsc_0156
   
Dsc_0302
1・2・3・・・・  ん? ん、ん、ん???
   
Dsc_7625
台南にも「デンデン太鼓」があるんだ
   
Dsc_7620

     

ここでは時間切れで、エネルギーチャージ無し。 無念!!

   

Dsc_7609    
Dsc_0111_2
            

古都恋情(その3)

(前回より続く)

          
赤崁楼だけでなく、台南には
約300年前までタイムスリップ出来る史跡があちらこちらに点在している。

    

まるで町全体が歴史文物館のよう。
   

いつかプライベートで、ぜひじっくり散策したい街なのだ。

   

それぞれ駆け足でプロジェクトのメンバーと一緒に訪ねた史跡を解説していたら、ガイドブックになってしまいそうなので、数枚の画像とコメントを加えてみますね。

     

    
安平古堡(こほ)

安平(アンピン)という地区に、1934年にオランダ人によって建てられた台湾最古の城塁だ。

     
Dsc_0539
   
Dsc_0468
    

ゼーランディア城(熱蘭遮城)とも呼ばれていたそうだ。

   

オランダにはゼーラント州ってあったよね。

   

解説によると、
ニュージーランドも最初に発見したのはイギリスではなく、オランダ人だったそうで、
「ノヴァ・ゼーラント(新しいゼーラント)」と名付けたところから、
のちの英語のニュージーランドとなったそうである。(「台南」日経BP企画より)

     

    
この史跡も那覇の首里城のように、
僕にとってはパワースポット。

   
Dsc_0419    
Dsc_0425

   

日本統治時代に、残った城壁もほとんど取り壊されてしまった。

    
Dsc_0497
   
Dsc_7541
ここにも“あのお方”がいらっしゃった

   

   
でも、時代を超えてこの地に存在し続ける、秘めたパワーを
足全体を通じて大地から、
手のひら全体を通じて触れた史跡の遺物から
エネルギーをチャージしている感覚なのだ。

  
Dsc_0438
        

でも夕暮れ間近かとはいえ、外気温は32℃を超え蒸し暑いんだけどね。