日本ではとっくに終わった正月だが、
アジアでの多くの国が昔の陰暦(農暦)を用いた旧正月を祝うところが多い。
中国をはじめ、台湾、韓国、シンガポール、ベトナムなど数多い。
中華圏ではこの旧正月を春節、韓国ではソル、ベトナムではテトと呼ぶ。
(中国の正月飾り)
月の満ち欠けを基準にする太陰暦だから、いわゆる太陽暦の一年とずれが生じるので、毎年カレンダー上では元旦が変わることになる。
今年の旧暦元旦は、新暦では1月29日となり、この前後が正月休みとなる訳だ。
(中国の南方では、日本の門松のように、めでたい金柑を飾る)
この正月休みに合わせて、ボーナスや祝い金などがでるから
旧正月前のひと月位がいわゆる歳末商戦となり、
一年で一番、消費者の購買意欲が刺激される期間となる。
(会社でも金柑やポチ袋が飾られる-台湾のオフィスで)
家庭や職場の正月準備はもとより、贈答の習慣もあるため
高額なギフト商品もこの時期良く売れる。
香港・台湾をはじめ、東南アジアの大都市でも
当然、日本食品は好んで選ばれるから、
どうしても高価になりがちな日本製の輸出食品は、この時期に販売するのが得策でもある。
日常売られている商品なら押しなべて何でも良く売れるが、
この時期に特に良く売れるものがいくつかある。
でも、これは輸出に真剣にチャレンジする人が得られるノウハウでもあるから、残念ながら、ここでは紹介できない。
また、パッケージの色やデザインの工夫をすると売り上げが変わる。
買ってそのままギフトとして使える凝った包装の商品は人気が高い。
パッケージのデザインについては、現地の嗜好に合わせて改良すると売れる場合と日本のものをそのまま用いた方が、いわゆる「舶来信仰」を刺激してよく売れる場合があるから、一概にどちらが良いとは言えないのである。あまり精巧に現地化したパッケージにすると、折角の日本直輸入のテイストが失われる場合があるから注意が必要だ。
ある食品などは、この春節商戦で一年のほとんどの売り上げを稼ぐから、バレンタインデーのチョコレートやクリスマスケーキよろしく、売る方は当然真剣勝負なのである。
今年は、アジアが全般的に景気回復基調にあり、各都市で例年になく売り上げが伸びているようである。