そう言えば・・・ (その6)

先回まで何度となく、バイクと

アオザイ姿と 変わりゆく現代女性の一コマを紹介してきた。
 
 
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目にした若い女性のアオザイ姿は
スタイルもよく、優美で華やかなんだけど
なんか街角では浮いた存在のような気がしてた。
 
 
確かに、ベトナムの女性は美しい
 
 
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でも、そう言えば、
 
実は僕が美しいと感じていたのは、
あちらこちらで働くお姐さん、おばさんたちのことだったんだと、改めて気が付いたのだった。
 
 
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何をすかした事言ってんだと思われようが、
ベトナムのどの街でもいい、一度でも
街角を歩いた諸兄なら、この感覚は共鳴してくれると思う。
 
 
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食堂の仕込み作業を黙々と、ただ黙々と
 
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移動なんでも屋さん
 
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男性だって確かに働いてはいるんだけど
女性のひたむきで一生懸命働く姿に、つい心を奪われてしまう。
 
 
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スコールが来たって何のその
 
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どしゃ降りだって平気の平左。でもお客さんも雨宿りで通らない…
 
 
かといって、あまり悲痛で過酷な労働だっていう感じもしない。
 
 
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僕らが豊かさと便利さを手に入れたのと引き換えに
なんか置き忘れてきた大切なもの
まだここには残っているっていう感じなんだ。
 
 
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今後、この国も経済成長という過程を歩むのだろうけど
大らかに頑張るお母さんたちの働く姿は、アオザイと共に
これからも失わないでほしいと心から願う。
 
 
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僕の無言の会釈に対して、笑顔で答えてくれた凛とした姿は忘れられない。苦労を重ねた末に平安をつかんだ世代だろうか。
 
 
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働いていても、やっぱり美しさへの関心が・・・
 
 
 
近い将来、この働き者で明るい女性たちをお客様として
今度は僕たちが、ニッポンのきらりと輝く逸品を
売り込む時がまもなくやって来るだろう。
 
いや、もうすでに始まっている・・・。
 
 
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重ねて言う、
 
僕はきっとこの人たちの笑顔が観たくて
またベトナムに来たいと思っているに違いない。
 
 
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                                     (シリーズ終わり)

そう言えば・・・ (その5)

僕が初めてベトナムに行ったのは

確か1992年(平成4年)のこと。

 
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2008年  写真と文は関係ありません
 
 
当時、日本人ビジネスマンの訪問は、
ベトナム商工会議所という組織が
入国ビザから現地手配、アテンドなどを
一元的に管理していた。
 
 
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2007年
 
 
日本からはまだ直行便もなく、
タイのバンコクからしか入国できなかった。
 
ハノイの入国管理事務所では、長時間いやというほど待たされ
荷物も隅々までチェックされたあげく、
パスポートは最後の出国までどこかに預けさせられたのである。
 
 
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全線通訳ガイドと各都市でのガイドがずっと同行して
僕らの世話や安全を守ってくれながら、一方で
変な動きをしないよう監視する役目もあったのだろうか。
 
70年代までの中国と同じシステムだった。
 
 
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2006年
 
 
その時のミッションが
京都の絹関係の訪越団の事務長として
まったく要領を得ない土地でのコーディネート業務だった。
 
西陣をはじめとする京都の和装関係のトップばかりで
ただでさえ気を遣うミッションだったにもかかわらず
素晴らしい団員諸氏のおかげで有意義なビジネストリップになった。
 
 
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2006年
 
 
当時、日本の和装の手加工は中国が主流だったが、
シルクを産するベトナムでも生産拠点移転の動きが始まったころである。
 
 
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政府機関や貿易会社を訪問したほかは
ハノイの郊外にあるシルクの産地や
ホーチミンの刺繍工場を視察して契約に臨んだのを記憶している。
 
 
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2008年
 
 
当時はまだハイパーインフレに悩まされ
社会も平静でありこそすれ、
まだ夜明け前の様相を見せているだけだった。 
 
お土産といえば、戦争の傷跡生々しい
米軍のジッポーライターやソ連軍のミリタリー用品ばかりだった。
 
 
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2006年
 
 
アオザイといえばシルク素材が正式なのだろうか?
 
一般には、人絹レーヨンなどが多いのかもしれないが
 
こうして観てみると、
アオザイの魅力は裾がはためく躍動感
僕には一際美しく感じられる。
 
 
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女性のたおやかさに、裾の動感が加わって
世界に誇れる、凛とした魅力を発する衣装である。
 
 
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シルクという素材にもう一度関心をもってみたくなった。
            

そういえば・・・ (その4)

もうひとつバイクとアオザイ。

 
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2006年
 
当時は、本当に頻繁にアオザイ姿が
目に飛び込んできて、
こんなに民族衣装を大切にするベトナム女性って素敵だなあ、
なんて感心してた記憶がある。
 
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2008年  ガソリンスタンドで
 
 
それが普段着としてなのか、あるいは
特別なお出かけなのか、はたまた
職場の制服なのかはわからないけど。
 
 
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カラフルあり、シンプルあり。
 
誠に美しい。
 
 
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わき腹に見え隠れするわずかの空間がアクセント
 
 
 
そういえば、アオザイと共に
今回あまり見かけなかったのが、
ホテル周りのシクロ。
 
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2006年
 
 
値段の仕組みがよく分からないのと、
移動の手段にはあまりならないので
ぼくはむしろバイクタクシーを使ってた。
 
 
「ねえ、乗らない?」と
しつこく追いかけまわされたオジサンたちがいなくなるのは、
ちと寂しい想いも脳裏を横切った。
 
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2007年
 
 
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2007年
                           

そういえば・・・ (その3)

訳あってパソコンに向かえないので

5~7年前にホーチミンで撮った
アオザイ姿の画像を自動アップします。
 
 
まずは、バイクつながりから。
 
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2006年
 
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2008年
  
道路に出てみても
結構普通にアオザイを着てバイクに乗った人を
見ることが出来てた。
 
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2009年
 
 
今回は全くと言ってもよいほど
アオザイ姿には出会えなかった。
 
  
時の経過、社会の変化を垣間見る。
 
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今年6月  紫外線対策に大きなマスク。健康志向が高まっているのだろうか? 
 
 
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2006年  7年前のホーチミン。変わるベトナム 変わらぬベトナム
              

そういえば・・・ (その2)

ベトナムでは

バイクより注目したいものがあった。

 
 
それは、
 
アオザイ姿のベトナム女性
 
 
なんとまあ、俗なことですこと…。
 
 
 
ところがであります、
仕事に夢中だったためか
それとも心に余裕が無かったためか、
何千枚と撮った写真の中で
アオザイ姿が写っていたのは
たったの2枚!
 
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ホーチミンの路上にて
 
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マジェスティックホテルの玄関で観た初老のアオザイ姿の婦人。キリッと引き締まった表情の立ち姿は、それはそれは印象的だった。ホテルの従業員だろうか、それとも車待ちのゲストだったのだろうか?
 
 
 
その美しい姿と出会えなかったのは
なんとも、残念だ。
 
 
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バイクもファッショナブルになっていたが、
それに乗っている若者たちも
活動的で、センスの良い洋風ファッションが
すっかり板についた様子だった。
 
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新世代とか、新人類なんて呼ばれていないのだろうか?
 
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市場でも洋服選びに余念がない若い女性が
 
 
 
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一方、繁華街のアオザイ専門店。
 
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特別な時に着る民族衣装になってしまうのだろうか?
 
 
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ドレスの域の素晴らしさ
 
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裏に廻って覗いてしまった・・・
 
 
よそ者オヤジのノスタルジーと揶揄されるのを
敢えて吐露すれば、
街角でこの美しい衣装を見れないのは何とも寂しすぎる。
 
 
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ベトナム南部ではアオヤイと呼ぶらしい
 
 
 
バイクと同じく5~6年前の写真を紐解けば
あちらこちらでアオザイ姿を見かけることが出来た。
 
 
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2007年 ホーチミン
 
 
                                  (次回に続く)
         

そういえば・・・ (その1)

ベトナムではバイクばかりに目がいってしまうことは、

前のエントリで紹介した。
 
 
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どことなく川の流れを見つめているようで
いつまで経っても飽きることが無い。
 
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で、無意識のうちに
ガシャガシャとシャッターを切り続け
いつの間にか数百枚に膨れ上がる。
 
 
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でもって、よ~く観てみると
ホーチミン市民のバイクが
いつの間にかスタイリッシュで個性的なものばかりに
すっかり変わっていることに気が付いた。
 
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そういえば・・・
 
 
 
僕の頭のイメージにあるベトナムの洪水のごとき
バイクのフォルムは、あの伝説の「カブ号」の姿。
 
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こんな感じ。
 
で、5年くらいにさかのぼって、
同じホーチミンの画像を観てみたら
やっぱりカブ号が多かったように見受ける。
 
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2008年
 
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2008年
 
 
比べてみるのに何の意味がるのか分からないが
当時の画像を紹介する。
 
 
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2008年
 
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2008年
 
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2008年
 
当時はバイクだけで道路が渋滞していたような。
 
 
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2007年
 
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2008年
 
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2008年
 
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HONDAはバイクの代名詞  バイクのことをホンダと呼ぶほど  2008年
 
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2008年
 
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2008年
 
 
5年前も十分に街の躍動感を感じていた。
 
 
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2008年
          
 
若い世代が多いベトナムのことをうらやましいと思う日本になった。
 

ベトナム・バイク百態

ベトナム国民の多くの足となっている バイク

 
 
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だからであろうか、
色々な顔を持ち、日本ではおよそ見られないような光景に出合い、
眼を疑ったり、驚いたり、微笑ましかったり・・・。
 
 
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ガソリンスタンドで
 
 
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当然、運搬の道具としても活躍する。
 
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これでもかっ!
 
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移動住宅 きちんと靴を脱いで上がってる
 
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紫外線対策完全防備? 気温30℃
 
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眼鏡がチトずれてません?
 
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ベトナム3世代同居 二題
 
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ゆったりのんびりベトナム大好き!
 
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大人はヘルメット義務化。赤ちゃんは不安定な抱っこで大丈夫?
 
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しかも花束まで持ってた! 急発進したらホントに怖いよ
 
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裾が巻き込まないかなあ??
 
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バイクに乗っている人も危険と隣り合わせなんだけど
歩行者も命がけ。
 
夜、大通りを横切ろうとしたら、
ドンドン突っ込んできて立ち往生。
 
ベトナムを冷や汗で体感する。
 
 
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美しい建造物にも不思議とバイクはよく似合う
 
 
蒸し暑くて、だるしくて、めまいのするようなこの街で
それでもなぜか活気を感じるのは、
疾走するバイクの光景も多分に寄与しているのは間違いない。
 
 
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ベトナムの新興宗教であるカオダイ教寺院の前で   
 

不思議な共通点

このひと月は、ベトナムと台湾ばかり何度も通い、
あたかも中国を避けているかのようで
まるで安倍政権の外交みたい(W)。
 
 
ベトナムと台湾
 
 
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ベトナム・ホーチミンシティー
 

     

 
僕らは同じ東南アジアという荒っぽい括り方をするけれど
実はこの両者、とっても遠くて、
文化も伝統も全く違うことぐらいは誰でも知っている。
 
 
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台湾・台北
 
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ホーチミンシティー
 
 
でも、よく考えてみると、この台越、
どちらも親日的な人が多いこと、
まあまあの景気の時でも、活気と元気を僕らに与えてくれるところ、
大らかで、懐が深くて、開放的な気分を感じる所など
共通点が多い事にも気づく。
 
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台北
 
この点では、中国や香港、タイやマレーシアなど
他の国とは微妙に異なる感じがする。
 
 
 
そして僕が最も強く
台湾とベトナムで注目「させられて」いる共通点というのは
 
バイク
 
 
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台北
 
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ホーチミンシティー
 
 
なぜか無意識にバイクにばかり
カメラを向けているから不思議なんだなあ。
 
だから僕の画像のストックは、バイクを写したものばかり。
   
       
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台湾・台南
     
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後ろのが4人、前のが1,2,3,4、エエッ、5人!?  ホーチミンシティー
 
 
バイクを通じて、街の、人のエネルギーを感じているのだろうか?
 
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台北
 
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ホーチミンシティー
 
 
まき散らす排気ガスもなんのその。
   
街頭に突っ立って、
ただただその躍動と、けたたましい爆音に酔いしれる…。
 
 
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ホーチミンシティー
 
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台北   
 
 
自分では乗らないのだが、
台湾とベトナムでは妙に心惹かれる乗り物なのだ。
 
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ホーチミンシティー
 

ニッポン農業の無限大の可能性を探る旅

ベトナム編を自動アップしているこの一週間、
宮崎の元気な生産者の皆さんたちと
再び台湾の台南へ行っていた。
 
事務局の方に呼びかけて頂いたところ、
20名近くの経営者の皆さんが
一年で最も忙しいこの時期にツアーに参加して頂いた。
 
感激そして感謝です。
 
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僕にとっては、2週間ぶりの再訪で、
台南には今年、都合4回目になる。
 
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玉井区のマンゴー集荷市場で
 
もう10年を超える付き合いになる農業法人経営者の仲間で
先代からの付き合いも多く、
知己の関係を超えた同志のような頼もしい存在。
 
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検疫処理、選果選別の最先端の現場を視察する
 
 
彼らにとっては
農産物の輸出は、きっかけの序章に過ぎない。
 
「世界を相手にするニッポン農業の可能性は無限にある。」
 
という理念のもとに、次の時代を見据えて
国内外で様々な活動をしている。
 
 
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日本人技師・八田與一が企画した烏山頭ダムで
 
アジア各地の生産現場を観て、事業・交流を展開するのもそのひとつで、今回は、僕が通った台南でのマンゴーの主産地を訪ね、台南市政府の農業局長や農協に当たる組織の秘書長や現場責任者と関係構築をした。
 
同時に、参加者の中で自社の製品を
台湾向けに実証輸出を希望する全員の成約も勝ち取り、
今後の日台農業交流に弾みをつけることが出来たと思う。
 
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収穫しやすいように低木化させたパパイヤの樹
 
 
今回の訪台ミッションは、
団長に活躍目覚ましい女性の高峰由美氏を据え、また、
僕の15年来の農業、そしてブログの師匠である
やまけんこと山本謙治氏と、
京都から流通の専門家である内田貴文氏にも
同行して頂いた。
 
やまけん氏にアジアの農業現場を案内するのは
僕の長年の夢であったが
やはりいつものように僕の方が啓示をうけるばかりであった。
 
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念願の台北で魯肉飯(ローバープン)を頬張るやまけん氏
 
 
氏の日本および海外の農業生産者に対する応援の思いは
ますます熱を帯びている。
 
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僕の行動の原動力は、このような
前向き、広い視野、常に挑戦のスピリットを持つ
全国生産者・支援者の仲間からチャージされているのである。