反転攻勢に出る“元祖”経済特区の生みの親を訪ねる

ようやく連休に入り、少し腰を据えて
ブログのアップに励もうかと思った矢先、
明日から台湾の台北と台中を訪問することになった。

 

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台北の路地裏で  今年2月

      
まる2か月ぶりになる麗しの島。

 

GWで日本人観光客が、メーデー連休で中国人観光客が
押し寄せているだろうか?
            

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台北・双連の露天商街
    

         
経済紙の報道によると
今年1-3月の実質GDPは前年比1.54%増
予想より下回った。
     

     
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京都の事業者さん達と台湾の文化遺産ともいえる茶芸館で一服する

                      
               

消費も低迷し、IT関連の輸出も伸び悩んでおり、
成長アジアの中にあって、台湾は少々元気がない。
            
     

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それでも2月には、台湾元と中国人民元がドルを介さずに
直接取引できるようになったり、
            
出遅れたFTAなどの締結促進のために特区を設け、
医療や農業の規制緩和を先行的に実施するなど
攻めの姿勢が目立ってきた。

 

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多くの日本の元気企業が投資もしている
      

 
経済特区といえば、中国が広く知られているが
実は1966年に台湾が輸出加工区と称する特区を
世界でいち早く開設し、
これがモデルになったといわれている。

 

農業の高付加価値化についても
政策の主要テーマと位置づけられており
今後ますます競争が激化することが予想される。

    
      
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連休で骨休みしたい気持ちもあるが、
せっかくの機会なので、新たな動きについても
現地でウォッチしてきたいと思う。
         
      

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歩きながら食べる台湾バナナは最高。それでも近年価格が暴落して生産者は苦境に陥っている

    
      

   
次のアップは5日頃を予定しています。

 

   
皆さん、良い連休をお過ごしください!

熱い開拓者精神を持つ北国で農水産物輸出のサポート体制が強化される

ジェトロ(日本貿易振興機構)北海道パワーアップした。
 
   
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秋まき小麦の芽が、緑色の絨毯のように美しい   帯広市郊外
 
 
従来の札幌オフィスが強化された上に
旭川、帯広、函館の3か所
農水産物・食品専門のアドバイザーが着任して
相談窓口が今月より開設されたのである。
 
 
その相談窓口開設を記念して
当3都市でビジネスセミナーが盛大に取り行なわれた。
 
 
このセミナーには石毛博行ジェトロ理事長をはじめ、
東京本部・札幌からも幹部職員が参加した。
 
 
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石毛ジェトロ理事長による挨拶
 
 
セミナーに前後して、高橋北海道知事、および
三都市の市長や商工会議所会頭、農業団体、メディアと会見。
 
 
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米沢則寿 帯広市長
 
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西川将人 旭川市長
 
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工藤壽樹 函館市長
 
 
知事、市長、商議所会頭はじめ、
地域の官民によるリーダーからは、
今後のアジアを中心とする有望な海外市場に
攻めに出て行く戦略について、大きな可能性と強い期待が表明された。
 
 
 
帯広、旭川、函館の3会場とも100名を超える参加者を集め
ジェトロの強化された支援プログラムや着任したアドバイザーの紹介
そして講演と盛り沢山の内容であった。
 
 
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旭川会場には150名近い参加者が集まり、熱心に耳を傾けて頂いた
     
   
各会場はどこも熱気を帯びていたが
やはりTPP交渉参加承認直後だっただけに
参加者から発せられる緊張感を
体全身で受け止めるような
これまで以上に真剣なセミナーとなった。
      
      
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春の作業が始まっている    帯広市郊外
 
 
 
北海道は、耕地面積も広く、生産額も大きく、生産性・専業化率も高いので、自由貿易の条件下では、唯一競争力を持つ地域かと うらやましく思っていたら、穀物、酪農、畑作どれも海外の農業国とまともに競合する品目が多く、第一次産業、食品加工業が経済の柱になっているだけに、北海道各地は大変な危機感を持っていることを改めて認識することになった。
       
     
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水産業の主要基地   函館
 
 
それでも海外販路開拓に関する話題には、
とても冷静に、熱心に耳を傾けて頂いた。
 
 
日本を代表する農林水産物の生産基地であり、
また海外輸出のトップランナーの一翼を担うここ北海道。
       
より現場に近い3拠点における新たな挑戦に対して
ジェトロ北海道貿易情報センターの果たす役割に
大きな期待が寄せられている。
 
 
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函館でも桜のつぼみが膨らんできた  5月3日頃が開花予想
 

香港、台湾の人たちの縁起担ぎ(その3)

日本でお正月の食べ物といえば
真っ先に思い浮かべるのは「お餅」と
答える人は多いだろう。 
 
 
中華系の人たちも、旧正月には
年糕(ニェンガオ)と呼ばれる
もち米から作ったお餅を食べる習慣がある。 
 
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台北の南門市場にて
 
 
僕らは、お餅を食べるのは、
長~く伸びることから、長寿や成績が延びる
粘り強い人間になるなんて、子供の頃に暗示をかけられた記憶がある。
 
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中国でも「年年高昇」の年高と年糕が同じ発音であることから
やはりおめでたい縁起担ぎの食べ物として正月にもよく食べられる。
 
 
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台北の食材販売の老舗で見かけた台湾年糕
 
 
日本では丸餅、角餅、鏡餅程度しか形状の違いはないが、
中国では地方によって形も色も違うから面白い。
 
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中国には、寧波年糕や広東年糕、江南年糕など実に様々な形状をした餅がある
 
 
また一般には、野菜や肉などと一緒に油で炒めることが多く
あまり焼いたり、茹でたりして食べるのに出会ったことが無い。
 
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香港で食べた年糕を使った炒め物
 
 
文献によると、なんでも餅は3000年前のの時代からあるらしく
主に祭事の供物に用いられていたらしい。
 
 
そういえば、かつて雲南省や広東省で
餅つき用の臼と杵を観たことがある。
 
 
やはり米作と共に、西南中国から伝わった食べ物なのだろうか?
 
 
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歳末の福岡の風景
          

台湾の縁起担ぎ(その2)

続いては、パイナップル
 
 
台湾では金運や幸運を運んでくる食べ物のシンボルとして知られている。
 
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パインの事を台湾語では「オンライ(Ong-lai)」と呼び
繁盛する、繁栄するという意味の「旺来(オンライ)」と似た発音だからだそうだ。
   
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ちなみに、台湾の中国語(国語)では鳳梨(Feng-li)という。
大陸の中国語(普通話)では菠蘿(Bo-luo)というから少々ややこしい。
 
 
1~2月の春節の頃は、まだパイナップルの季節ではないが
ハウス栽培か輸入品が、縁起物として買い求められている。
 
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パイナップルの数え方は、台湾では一粒だったと改めて知る
 
 
旬のパイナップルは、ちょうど今頃4月から5月にかけて
市場に出回ってくるはずだ。
(過去の台湾パイナップルの紹介記事)
 
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その甘くてジューシーな美味しさは
現地台湾で食べなければ分らないが
最近は東京や関西でも台湾産プレミアムパイナップルが売られるようになった。
 
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街の市場でパイナップル葉の置物を見つけた。店の人に訊いたら、吉祥の象徴である鳳凰の尻尾に似ているから縁起物なんだと言う。
 
 
街で見かけたら、一度ご賞味あれ。
 
金運もアップするかも…。
 
 
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信心深い商人が毎月2日と16日(旧暦)に行う「牙祭」にもパイナップルが供えられている
 
 
ちなみに台湾名物でお土産の定番パイナップルケーキ(鳳梨酥)の芯に入っているパインジャム餡のシャキシャキ果肉はパイナップルではなくて、実は冬瓜(トウガン)だって知ってました?
 

台湾の縁起担ぎ(その1)

台湾の人たちにとって大根という野菜は
どうも年じゅう欠かすことの出来ない食材のひとつらしい。
       
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春節前の台北の青果市場にて
 
 
とりわけ春節(旧正月)前の青果店では
心なしか大根の売れ行きがいいようだ。
 
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地元産の大根は少しずんぐりした形状をしている
 
 
 
そう、シリーズのトップバッターの大根は
台湾では縁起の良い野菜だと言われている。
 
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小ぶりの大根もあるぞ
 
 
台湾語では大根の事を「菜頭(tshai-thau)」と呼び、
これは、幸先が良いという意味の「彩頭」と
発音が似ているためだ。
 
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大根のイミテーションにさらに縁起の良い赤色に染めて置物にしている
    
   
正月にはさらに縁起がいいように
好菜頭」と呼ばれることもある。
 
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近年は、日本からも大根は輸入されており、
台湾の食卓にもかなり馴染んできている。
 
守秘義務があるので明かせないが
日本のある地方産の高級大根(日本人なら誰でも知っているブランド品種)
歳末商戦で持ち込んだ分すべてが完売したのには僕も驚いた。
日本でも考えられない単価だったのに…。
 
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高級宴席料理にもステーキに大根が添えられていた   
 
 
台湾人のお客さんに尋ねたら、
普段よく作っている家庭料理の食材として
春節の縁起物だから思い切って買ったということらしい。
 
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本ブログでの紹介したことのある大根と豚スペアリブのスープ  絶品!
 
 
売るタイミングも重要だということになる。
 
 
 
幸先良い(好彩頭)スタートになったかな?
 

香港台湾の人たちの縁起担ぎ

今年2月10日に元旦を迎えた旧正月(春節)の前後に
偶然、台湾と香港に半月間ずつ滞在する機会に恵まれた。
 
 
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新年を迎えてごった返す香港元朗の街頭
 
 
中国大陸を含めた中華圏の人々(華人)は、
日本人以上に縁起を担ぐと言っても過言ではない。
 
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初詣客で賑わう香港紅磡の観音廟
 
もっとも縁起担ぎやげんかつぎという概念自身
中国から日本へ仏教文化と共に伝わったものかもしれない。
 
 
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台北・中倫で
 
 
年が改まる正月は、言わば縁起担ぎのオンパレード。
 
 
良き一年を願う華人たちの生活の中から
僕がカメラを通じて出逢った縁起担ぎを
今後エントリ記事の合間に紹介しますね。
   
   
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香港の客家系住宅街で
 
 
アジア各地で始まった「ニッポンを売る!(地域の素晴らしい逸品の海外販路開拓のこと)活動でも、
春節商戦に展開する皆さんも多いが、何かの役にたつ、
 
 
・・・かも知れない。
 
 
 
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早春の名古屋で元気な農業に触れる(その2)

愛知県の担当者のご厚意で
近郊の農産物販売拠点を紹介して頂いた。
 
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愛知県大府市。
 
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健康支援とスポーツでその名は全国レベル。
 
 
大府高校野球部の槙原投手や赤星選手くらいは知っていたが
柔道の吉田秀彦、谷本歩、
至学館大学レスリング部の吉田沙保里、伊調姉妹という世界トップアスリートを輩出し、バトミントンも盛んだと教えてくれた。
 
 
 
訪ねたのは、JAあいち知多が運営する
JAあぐりタウン げんきの郷”。
 
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ここは愛知県はもとより日本でも最大級の産地直売所である。
 
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知多半島一円の農産・水産物や加工品を扱う巨大な売り場に加え、
個性あるレストランや温泉、体験農園など複合施設となり
2000年の設立以来、いまだに進化し続けている。
 
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時代を先取りする様々な試みやチャレンジする気風が伝わる
    
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昨年もまた新たな施設がオープンしたという
 
とかく自動車や精密工業、繊維ほか製造業のイメージ強い愛知県だが、改めて農水産業の実力を垣間見た思いだ。
 
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豊かな知多半島と名古屋商圏を結ぶ拠点
     
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農工商業のバランスとれた幸せな地域ではないだろうか。
 

早春の名古屋で元気な農業に触れる(その1)

先日名古屋に行き、愛知、岐阜、三重の東海地域の皆さんと
海外における知的財産権について学んだ。
   
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セミナー会場となったジェトロ名古屋貿易情報センター
   
   
海外でニッポンを売る!ことが日常化してきた今、
知財権の重要性は益々高まっている
 
 
今回のセミナーでも多くの新たなチャレンジャーの皆さんと知り合い、また海外でも栽培に事業に頑張っているイチゴ生産の加藤君も収穫に忙しいのに会場に駆けつけてくれて、またまた進化した姿をみせてくれた。
 
 
 
久しぶりの名古屋の街は、まだ肌寒さが残っていた(3月)
住みきった空に精緻な都市空間が心地よく目に飛び込んできた。
 
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いつもながら、じっくりと滞在する時間なく寂しい想い。
 
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JR名古屋駅で  
 
 
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この日は小雪がちらつく寒い一日だったが
アツアツの味噌煮込みうどんが心も体も温めてくれた。
 
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あまりに熱いから、フタを取り皿にして一度冷まして食べるのが名古屋流。それでフタには蒸気穴が開いていないとも。
 
 
愛知県の担当者のご厚意で
近郊の農産物販売拠点を紹介して頂いた。
                             (次回に続く)
 
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名古屋市栄で
         

春の突風も国境を越えて

昨日、花が散る話題をしたら

今日福島の友から、桜はこれからだってメールが入り、
少し話題が勇み足だったと恐縮することしきり。
 
 
花散らしの風といえば、
今年は西日本は、黄砂や花粉、
それに有害物質まで飛散しているから、
おちおち外にも出られない。
 
 
黄砂といえば本家は中国。
 
僕が1984年に北京に駐在していた時にも
この黄砂の洗礼を受けて
とても戸惑ったことを鮮明に覚えている。
 
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2010年撮影
 
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2006年撮影
 
大型台風並みの強風が吹きつけ、一瞬で視界を失い、呼吸も出来ず、立っていることすら出来ないのだ。 日本では到底体験できない。
      
 
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天津の街頭で   2010年撮影
 
 
黄砂は砂と書いても
その粒子は、ホコリ並みの細かさで
サラサラなんてもんじゃなく、
一度舞い上がったら天高く昇ってしまう勢いなのだ。
   
日本の常識や物差しでは、
ここでも正しく中国を観ることは出来ない。
     
 
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2009年天津
 
中国北部の春の風物詩。
女性が通気性のある色とりどりの布をスッポリと頭から被る。 
  
男女同権が強調された人民服の時代では、
唯一許されたかのような女性のオシャレ表現だった気がする。
 
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今の中国は厳しい自然に加え、
経済成長のツケも加わっている。
 
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各地で慢性的に起こる交通渋滞
 
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日中間でももっと大局観に立ち、
この吹き荒れる暴風を食い止める英知と勇気が求められる。
 
  
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真っ赤に染まるはずの東方紅も霞み始めた  踊り場の隣国