東風がアジアを圧す?

    
  東風圧倒西風 !!

    (東風は西風を圧す)

    

これは中国近代政治史を知っている人には有名なフレーズで、1957年(昭和32年)に毛沢東がモスクワで演説した時の一節だ。

   

東風とは社会主義陣営を指し、西風は資本主義陣営のことを指すのはお分かりのとおりで、当時、社会主義の優位性を内外に向けて訴えたものである。

    
でも、今日の話題は中国ではない。

     

宮崎へ出張した。

     
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今をときめく宮崎県は、東風が吹き荒れていた

    

75年前に建てられたという県庁舎も、ひときわ異彩を放っているように見えるから不思議だ。

     
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いま、県庁視察ツアーもあるらしいが、今回は隣にある「宮崎物産館に立ち寄ってみると、入り口にはなんとあの有名な東国原知事の等身大のパネルが!!

     

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道行く人は皆、カメラでパチリッ。

     
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店内に入ってみると、多くの人が買い物を楽しんでいる。
         

特に、東国原知事のイラストロゴが入った商品はすごい人気のようだ。

    

恐るべし、東旋風!!

  

間違いなく何かが動き始めている・・・。

      
   

中心街に行くと、県内各地の物産屋台が集まる大きなイベントが開催中だった。

      
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折りしも統一地方選挙運動中で、さらに街中が盛り上がっていた。

    

知事の知恵と行動力により、鳥インフルエンザで大騒ぎになったのを逆手にとって、全国に向けてキャンペーンに成功した宮崎地鶏の屋台がいくつも出店していて、長い行列が出来ている。

     
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信じられない。

   

「東国原知事が推薦の宮崎地鶏だよ~ッ!」

     

「そのまんま食べられる炭火焼はいかがぁ~ッ!」

      

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威勢のいい掛け声の地鶏焼き屋台の前には行列が

      
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鼻をくすぐるこの香ばし~い匂い、たまりません
          
     

ほかにも、様々な農林水産品が売られている。

      
    
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宮崎特産の干し椎茸にもお客さんが殺到

    
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今や高級フルーツのブランドを確立した宮崎マンゴー   

     
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日本で一番先に初鰹が味わえる 

       
   

その種類の豊富さに改めて驚いてしまう。

  
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3月なのに、カキ氷に殺到。 やはり南国・・・

     
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それにしても、商品を売る人たち、屋台めぐりをする家族連れなど市民の元気さ、活気がビンビン伝わってくるじゃないか。

     
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売る人も買う人も活気に溢れている

      
元気なリーダーの出現で、こうも変わるものなのか不思議でもあり、また嬉しくもなってくる。

     
    
    
偶然、催しステージで東国原知事ご本人がスピーチしているところに出くわした
    

すごい人が集まっている。

    
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やっぱりシャープな体型。 見習わなくちゃ。
             

ものすごい元気を振りまいている。声にも言葉にも力がある。
         

聴衆の目が輝いていた・・・。

     

      
ところ変わって、
   

先月、台湾・タイペイの高級百貨店では
宮崎の物産展が行われていた。

    
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農業法人の皆さんが頑張ってプロモーションをしているのだ。

     
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数日で完売してしまった農産物もあり、台湾でも現地消費者の強い手応え感じているようだった。

    
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台湾のお客さんも買う、また買う、さらに買う !!!

    

とにかく、宮崎の農業者の皆さんは元気のかたまり

    
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今後、スピードと行動力でアジア市場を開拓していく計画だ。

      

     
海外・アジアにまで、東風は吹き荒れていたのである。

         

台湾映画のロケ地を訪ねる

         
GWを前に、台湾へ行く人もおられるかも知れないので、今回は、ちょっと観光案内をひとつ。

     
台北の北東郊外に九份という街がある。
    

台北市の中心街から路線バスで約1時間あまり。

     
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路線バスの旅は、なんとなくワクワク感がたまらない

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車内で菓子パンを喰らう。
「ニッポンを売る」ならなんでも体験・・・

    

北部の港町である基隆までの道を途中から分かれて海岸沿いの急な山道をしばらく登っていくと九份に着く。

  
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山腹の展望台から遠くに観る入り江の景観は、とても印象的で素晴らしかった。

     
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曇りだったが、遠くの入り江が絶景

   

もともと金鉱があった所で、一時は大変な賑わいをみせた街だったそうだ。

  
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金鉱入口の跡

   

往時を偲ぶ旧市街をリニューアルさせ、今では有名な観光地となっている。

    

この日も若い人を中心に多くの訪問客で賑わっていた。

   
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日本の門前町のように、小物や雑貨、伝統菓子などのお土産屋が軒を連ね、一つひとつ立ち止まっていたらとても時間が足りない。

    
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「作っているところも観てってくれよッ」と案内される

   
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「黒糖は体にいいわよッ!」と買気をそそる

   
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レトロな漢方薬局  観ているだけで楽しくなる

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昔の日本とソックリの駄菓子屋さん
     

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地元の名産なのだろうか、いろいろな食べ物屋も多く、すぐに食指が動き出しそうにそそられてしまう。

    
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長い行列が出来ていたお汁粉屋台

       
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プルプルジュワ~ッの肉圓(バーワン)は鋏で切って食べる

    
    
ここを訪れる観光客はひとり残らずみ~んな食べ歩きだ。

   
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買い食い体験こそ九份観光の醍醐味なのだが、
僕は最近過食気味で、今日はミネラルウォーターで我慢我慢。

     
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台湾全土で食べられる魚のつみれスープ(魚丸湯)は九份名物なのだろうか。
    
店内はご覧のとおり、大勢の客でごった返している。
     
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またここ九份は、本国だけでなく日本でも注目を浴びた「非情城市」という台湾映画のロケ地でもあり、多くの日本人観光客も訪れる。

     
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なんか見覚えがあるぞ!!
     
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一帯が映画のセットのような街並みで、みんな記念撮影をしている。

          
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昇平映画館跡 レトロ建造物としてリニューアル中

    
     

そんな人工的なロケ現場跡もいいが、観光客が引き返し、誰も足を踏み入れない奥の居留地に迷い込むように入っていくと、まさに古い台湾の民家群に僕は感動した。

      
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一遍にタイムスリップしたようだ。きっと黄金時代の雰囲気も残しているのだろう。

     
不思議と生活感がないのだが、またそれが良いのだ。

      
どこか懐かしい感情に浸りながら、急な坂道をひたすら上り下りした。

    
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観光スポットよりも、こっちの方がよほど画になる風景だ

     
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僕が少年時代、長崎県の壱岐島で夏を過ごした時のすっかり忘れていた光景がフラッシュバックのように思い出された。なぜかススキの穂がとても綺麗だった。 

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日本人、台湾人誰もが持っているような本当に懐かしいレトロな情緒漂う、昔還りする町だった。

   
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ここに来る時は、観光客が集まる定番ポイントも良いが、少し外れた横道を散策するのがお勧めだ。

    
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文物でもなんでもない。触ることが出来るのだ

     
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一度、栄枯盛衰を極めた町ならではの含蓄ある対句
     
(金鉱脈はいずれ採り尽す時もあるが、人脈は絶えることはないの意)

        
      
台湾リピーターの方には
ぜひ一度、訪ねてみることをお勧めするスポットだ。

     
      

氷を融かす旅

    
中国の温家宝首相が来日した。

12日の国会での演説でも

「我希望我的這次訪問能成為一次“融氷之旅”」

(今回の訪日が、氷をとかす旅になることを願っています)

と発言した。

       

漢字の国らしい表現で、私たち日本人にも非常に分かりやすいフレーズだ。

      

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上下の写真は、2004年に橋本訪中団に団員として参加し、北京・人民大会堂で接見したとき撮影したものである。

    
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とても親しみやすく、飾らない理知的な印象だった。

      
    
温首相が今回の訪日前に北京でNHK記者のインタビューに答えて(新華網記事による)

「もし、昨年の安倍首相の訪中が氷を割る旅(破氷之旅)だとすれば、4月の私の訪日はその氷をとかす旅となることを願っている」
    

という発言に続いている。

  

氷と言えば、この5年間ほどの政治セクターの冷めた関係のことを指すのは周知の事実。
    

日本国民の対中感情も大きく変わった。

      
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北京の街角で

      

しかし、今回の両国首相の相互訪問で、日中関係も新たな展開に移ひとつの契機になることは間違いない。

     

そのひとつの成果として、正式に日本米の中国向け輸出が今夏にも復活することになった。

  

もっとも、戦略的互恵関係と言うくらいだから、当然、わが国も何らかの門戸を開けるはず。

     

冷めても問題だが、熱くなるとまた摩擦も起こすはずだから、気が休まることはない。

   

でもこれは隣国としてはむしろ当たり前のこと。

  

氷が融けるといろいろな事も起こってくるのもまた道理。

    

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日中間の氷が融けるのを待っているビジネスマンも多い

    

チャンスの側面にも目を注ぎたい。

     

私が中国にかかわった30年の間にも日中関係は何度も大きく揺れた

  

中国の格言にもあるが、「人間万事、塞翁が馬」。

   

「人間」とは正しくは「じんかん」と読み、中国語では世の中、世間と言う意味だ。
   
にんげんという意味はない。
    
   
ちなみに中国では「塞翁失馬」と使う。

    
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現代の名馬? 上海・南京路にて

     

とかくこの世の禍福は、万事、あざなえる縄のごとし」という感じだろうか。

         
いちいち必要以上に一喜一憂することの無意味さを私は体感している。

        
    
Dsc_9986 上海の街角にて

    

この読者の皆さんは、中国に対して好き・嫌い、友好・不信の想いもあると思うが、私は一応、この国を含めたアジアを舞台にビジネス支援をする仕事人として、中国の事はもちろん嫌いではないが、好きだ、骨まで愛してるという感情なども特段ない

   
淡々とした想いで臨んでいる。 

    

中国ビジネスにかかわって2年目の24歳の時にこれを自覚した。

    

    
物事は常に変性流転し、相対的である。無為自然で臨め」とは、
20年前、私の中国人の老師匠にコンコンと諭された処世訓だ。

    
     
Dsc02479 江蘇省で

     

彼は戦前戦後、そして文革、改革開放をたくましく生き抜いていったネアカな鉄人である。

      
中国も中国人も奥が深い。
     

いつまでも果てることなく興味が湧く。

       

ウラジオストクの露天市場にて

       
極東ロシアでも、こんなに物資が豊富だったのかッ!

    
     

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海外で初めて訪れる街の場合、
必ず足を向けるのが地元の食材などを扱う庶民の市場を見学することにしている人は結構多いのではないだろうか。

    

かくいう私も必ず市場に足を運ぶ。

どんなにタイトな日程でも、隙間時間を狙って。

    

ウラジオストクを訪れた時も、無理に手配をお願いして、数箇所の青空市場や近代スーパーマーケットなどを視察することができた。

     

    
沿海州政府前の広場でも、ちょうどこの日は青空市場が開かれており、多くの買い物客で賑わっていた。

     

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馬鈴薯やタマネギやビーツ(砂糖大根・赤甜菜)などの根菜類も豊富で、葉野菜や菌茸(キノコ)類、果物もとても種類が多い。

   
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最近、中国からかなりの量の農産物が輸入されているということで、ますます種類も充実しているということだ。

  

Dsc_8764パッケージを見れば中国産らしいことが判る

    

中国東北部の吉林省や黒龍江省、遼寧省などから生鮮野菜類が流通しているようだ。

    
Dsc_1409 瓜やスイカなども中国産なのだろう   

    

これにより、ウラジオストクの市民は急にいろいろな種類の農産物や食品、雑貨を手にすることが出来るようだ。

   

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しかし、ウラジオストク日本センターの所長さんの話では、

2005年11月に吉林省の化学工場で爆発事故が起こり、大量のベンゼンが松花江からアムール川に流れ込んだ。

ハバロフスク市が緊急事態宣言を発令し、付近一帯が大パニックになった事件をきっかけに、中国産農産物の安全性についても、ネガティブな情報が市民の間で飛び交うようになり、富裕層を中心に少々高額でも安全な食品を手に入れようとする傾向が続いているという。

   

安全といえば、日本産では・・・。

   

Dsc_8706ロシアでも口コミは重要な情報交換の場

    

それにしても、市場を散策してみると、青果物のほかにも、名産の蜂蜜や水産物、肉類、木の実などもたくさん出回っており、市民の豊かな生活をうかがい知ることが出来る。

  
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この赤い実はなんだろう?ジュースで飲んだがとても美味しかった

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ヒマワリの花? どう使うんだろうか。
    

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ウラジオの特産と言われるハチミツ

   
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とにかく種類が豊富      

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訪問先でも、極東ロシア最大の日本食品輸入商社や関連企業と面談し、最新の食品流通事情を知り、多くの情報を集めることが出来た。

   
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インスタント食品や製菓、調味料など、日本ブランドの食品も売られている

    

そして、新潟、青森、秋田、島根など日本各地の農産物もロシアに向けて輸出にチャレンジしているところがいくつもあることも知って、期待に胸が沸いた。

      

一定比率の高額所得者を中心に需要が起こり始めているのだという。

   
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もうすぐ日本産も・・・
     
      

もともと親日的で、船員の多くが日本の港に寄港しており、自動車や電気製品など日本ブランドの価値を多くの市民が認知していることも、チャンスの背景にあるかも知れない。
    

     
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こんなレベルの商品の横に、もし日本のブドウやモモを並べたら・・・

    

市場を歩き、現地在住の方のお話を注意深く聞いていると、本当に多くの情報を得ることができる。

     

   
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ソ連時代の残り香が・・・

    
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<(画像はいずれも昨年9月に撮影)

      

3度目の節目

   

今日から四月

  

新しい年度を迎えた。

   

関東以西は各地で桜の花が満開で
視覚的にも気分一新にひと役買っている。
   

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結局はこの時期に無事、満開の桜を愛でる事ができたが、
今年は桜の開花予想では、直前になって不安になったりもした。

   

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ずっと記録的な暖冬で、
3月半ばになり、開花予想が出た後になって
厳しい寒さに見舞われるなど、
本当に気象変化の複雑さにはかなわない。

      

Dsc_8156佐世保・中央公園

      

開花予想ですらそうだから、実際に自然に働きかけて従事する一次産業の難しさを感ぜざるを得ない。

    

とはいえ、この時期に帳尻が合うことの不思議さも感じながら、春の到来を喜んでいる。

    

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Huis ten bosch

    

年の初めの正月と
仕事柄で縁の深い旧暦正月(中国春節)に加え、
4月の新年度の3回もリスタートを切れるのは、何事も三日坊主に終わる私にとって、とっても有り難い節目だ。

    

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何かと億劫な寒さもなく
ただただ前だけを向いて新たな一歩を踏み出せそうだ。

   

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この時期、入社、転勤、転任などで文字通り新たなスタートを切った方も大勢おられることだろう。

   

日本、いや日本人は、昨年ごろから明らかに変わってきている。

    

新しいことに挑戦することをワクワクしながら行動している人たちが急増していると感じているからだ。

   

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これからの10年がとても楽しみになってきたのは、ひとり私だけではないと思う。

      

Dsc_8666 My small garden