神話崩壊の危機迫る

          
ニュースを通じて、刻々と被災地の様子をみると、
信じられないほどの短期日に
街を復興させるために立ち上がる人々の
たくましい姿を目にするにつけ、
本当に頭の下がる思いで、そして頼もしく誇りに思う。

   

その一方で、いま、
ニッポンが長い年月と国民的努力を払って築き上げた安心、安全、安定の信頼が、同時に刻々と揺らいでいることに戦慄を覚えざるを得ない。

   

国民皆んなが、「今、自分に出来ること」を懸命に動いている中、僕もまた、明日から来月初めまで、ホームグラウンドを離れて行動を起こします。

   

次のエントリのアップは、4月3日過ぎを予定しています。

  
それまで皆さん、お互いに頑張りましょう。
       

復興の胎動

      
福島で被災した仲間のコンサルタントとようやく連絡が取れたが、住居の損傷が酷く、ライフラインも一向に改善されず、加えて放射線による影響も懸念して、家族で一時疎開されるという。
     
    
その時の思いを綴ったメールが送られてきたので
その一部を修正しないで掲載させていただく。

      

          *            *

   
       
(前略)
 貴地からのご支援、バックアップに感謝しています。
 今回の大震災によって、日本の仕組みや経済など、あらゆることが変わるでしょう。まさに大転換期になります。終戦の焼け野が原を迎えたことと同じですから、そこから新たな価値観や産業などあらゆる事物が生まれてくると思います。今までのように日本の良いものを継承するとか、今流行の6次産業化とか、そんなことではないと思います。

 たまたま住んでいる場所で、世界でも未曾有の出来事に直面し、私の中であらゆる意味で覚醒されました。
      

(中略)
 今後、最悪の事態を脱出して生き延びることが出来たら、今までとは全く違った観点からの仕事の仕方を展開したいと考えています。私の中には、どんなことをしても東北を復活させるため、あらゆることをしたいと思います。

 今度の震災で、東北が、東京だけでなく海外も含む様々な地域と連携して、全く新しい改革が実現できたらと思っています。その時はあなたのお力をお借りしたいと思います。宜しくお願いします。
(後略)

    
     

           *           *

          

 
何も解説は付け加えないでおこう。
        

ハッと吾に返り、情報収集

             
今回の震災に対して
海外からも数多くの激励や日本に対する賞賛の声も
多数寄せられていて、大いに励まされている。

   

また、農水産物・食品輸出について
海外各地に連絡を取って初歩的な情報を探っている。

   

香港では昨日から輸入検疫が強化された、とか
一部需要家が新規の船積みや新規契約の一時休止を指示した、

台湾でも都道府県別の原産地証明の添付を義務図けられているとか、まずはエアカーゴに対する検査強化が今日から始まったようだ、という情報が寄せられているが、国や税関によって、また刻々と変化することが予想されるから、必ずその都度確認することが必要である。

  

また報道では、韓国では、日本産の青果物輸入に際して
放射線測定が義務図けられているというものもあって確認が必要だ。

     

    
その後、当方に寄せられた一般情報として、
香港では在庫分の日本製粉ミルクや牛乳が買い占められ始めているという。

  
原発事故の影響によるものと思われるが、
まだ風評のようなものは実際には耳にしていないという。

    
また、円高など為替動向や株安、デフレ進行懸念もあり
政策対応次第では予断を許さない。

     
    
外国からの観光や商談、投資などにも
しばらく影響を受けそうであるが
可能な限り最小限に抑えたり、出来るだけ早く回復できるよう、
思考を緊急事態に切り替えて、
今から対策を練っておく必要がありそうだ。
      

震災での誓い

             
今、東北沖大震災の被災地から遠く離れた場所に住んでいる自分に出来ることは何かを一生懸命に探して、そして私なりに行動しています。

       
    
先月も仙台に行ったばかりで、旧交を温めたり、新たな出会いをしてメールをやり取りしている仲間たち数名と連絡が取れません。
     

皆の無事を信じて、やはり今、出来ることを探します。

      

    
    
僕は、世情を注意深く観察することも仕事の一部ではありますが、
この救済期間中は特に
絶対に、批判、批評、評論、愚痴、軽蔑、悪口などの思いを一切、口にもしないし、耳にもしないと心に決めました。

     

      
命を懸けて、原子炉に水を注入している作業員の方々がいます。
   
余震と津波の再来の恐怖と闘いながら、タイムリミット迫る人命救助に当たる救援隊や自衛隊員の皆さんがいます。
      
自分の家族が不明なのに救助に当たる消防員や役場の職員がいます。
   
事故や渋滞の心配がある中を必死で電車やバス、車を走らせている公共交通機関の乗務員がいます。
      
批判の集中砲火を受けながら、出来るだけ電気を止めてはいけないと、停電計画を練っている東京電力や東北電力の社員がいます。
   
批判の的になりやすい政府関係者や官僚、自治体職員、報道マスコミも、その「大多数」は、それぞれの立場で不眠不休で必死の努力をしているはずです。

      
           
      
今、国内外から励ましの言葉や涙を誘う話など、ニュースやネットで広がっており、共生互助、秩序優先、正直・誠実・優しさなど、日本人、アジア人、地球人としての素晴らしい本領が発揮されています。                              
             

      
今回が世界最大級の大震災なら、
僕らの力で世界最大級の復興を果たしてみせようではありませんか。
         

災害お見舞い

   

このたびの宮城・茨城沖地震で被災された皆様方に

心からお見舞い申し上げます

   

  
昨年の口蹄疫以来、様々な災害・事件続きはまさに国難。

   

私も国民のひとりとして、

ニッポンの一日も早い復興のために

微力を尽くすことを誓います。

   

                               合掌
               

シャトルになる

                   
沖縄から帰還してのち、この2週間、
サトウキビの話題をアップしていたが、
その間、少しばかりハードな国内移動にいそしんでました。

    

金沢-佐賀-埼玉-八代-松江-北九州
東京-大津-東京-福岡-千葉-米子
   
         

と、こうして振り返ってみると、
えらく移動していることに気がついた。

       
基本的には日帰りコースだから結構ハードだ。

   
    
西と東を、織機のシャトルのように行き来しているのが判る。
     

     
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残雪の金沢・兼六園

    
   
まとめて滞在すればよいものだが、
それぞれに事情があるから、そうもいかないのが現実なのだ。

 
     
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緊急対策で農水省主催の輸出商談会には、アジアの主要バイヤーが東京で一堂に介し、全国から売り込む事業者が長い列をなした
   
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中国向け100万トン事業の影響か、コメ輸出指向に弾みがついた!?

          

衣食住プロジェクトあり、ハイテク機器あり。
企画会議あり、ビジネス支援あり。
商談会あり、講演ありでこれ以上の発想転換、経験値向上が適う環境はないはず。

   
悲しいのは、もう少し頭と体が冴えていてくれればありがたいのだが・・・。

   

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大津から観た琵琶湖遠景
   
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やっぱり外来種の到来は日本の生態系を乱すのか 

    
      
初めての出会いも多いが、何度目かの訪問も多く、
各地で知己の皆さんが、てぐすね引いて待っていてくれる。
     
       

この時期、これからの地域戦略や事業戦略を練る会議が多いが、どこも熱心な議論が交わされて、たいへん刺激的である。

   

そこでは理論を振り回したり、どこかと同じ提案なんかしたって、まるで意味が無い。

    
地域ごと、事業者ごとに動機や背景が違うからである。
            
いつも気を緩めるわけにはいかないのだ。
    

    

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島根県・松江城に行ってみたら、韓国からのツアー客で一杯なのに驚いた。
昨年から始まった境港受けの山陰クルーズが人気なのだとか。

   
     

必ずその地域の元気な皆さんと一緒になって
個性あるアクションプランをひねり出す。
否、ひねり出して頂く。

         

出なければ、出るまで走りながら考える。
    

人と同じことは原則的に考えない、やらない。
     

規格化された支援なら、僕でなくてもよいはず。

     

とは言え、ご他聞に漏れず厳しい現実との闘いだ。

    

     
最近、ようやく、
「目からウロコが落ちました。」
と、相談される方からのリアクションが増えてきた。
   

僕にとって一番嬉しい評点である。

   

    
     
でも、内外の経営環境はますます混迷している。

       

定まらない政策、天変地異、世界経済・社会の流動化、多極化する国家間の紛争多発、IT化とグローバル化の功罪、止まらないデフレと資源高騰…。
     

数え上げたらきりが無い。

     

   
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この世は今、妖怪だらけ。 鳥取県境港 水木しげるロード

  
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僕は、巡航軌道状態より混迷の時代ほどファイトが沸くタイプだと自認しているが、いくらなんでも不安定要因が一気に到来した。
     

       
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それでも、北海道から沖縄まで、
元気な挑戦者たちが活発な活動をあちこちで始めているのに触れるにつけ、実に頼もしく、明るい未来を予感させられる。

    
     

超えるべきハードルが高いからこそ、
 結果やゴールが見えないからこそ、
  チャレンジする価値がある
。」
                
答えは探すもんじゃなく、創るもの。」という
    

僕の主張にも耳を傾けてくれる、横並びや組織の常識から離れた「変わり者」が現れている。

     
     
    
答え探しが上手な優等生タイプには見られない、
行動派、実践派の志士たちが増えている。
    

生産者にも、経営者にも、支援者にも、女性にも、

      

        
わが国を取り巻く内外の事態は、すでに取り返しのつかないレベルにまで達しようというほど深刻さを増しているが、ミクロでは、路地裏では、地方では復活の芽も生まれているぞ。

    

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3月の桃の節句というのに、大降りの雪に見舞われた  鳥取県米子で

    

     
今月は、ほとんど連続して海外へ出張する予定だ。
     

つくづくジッとしていられない種族なのだろう。

         

訪問地も南欧を含むハードなものばかりなので、アグレッシブな皆さんとワクワクしながら緊張感も高めて取り組みたい。

     
   

明日から日本脱出なので、
またエントリのアップが滞りますが、しばらくお待ち願います。
      

ザワワ ザワワ (その4)

    
(前回より続く)

    
所は、再び戻って沖縄本島南部。
    

苦労して収穫したサトウキビから黒糖を作るのは、
極めて家内工業的で小規模なものであるが、
粗糖・精製糖(白砂糖ほか)にするには、それなりの規模の製造設備が必要だ。

      

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豊見城市の粗糖工場
   
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TPP参加の論議でも、米や小麦、畜産物と並んで、
砂糖(甘味資源作物)についてもその懸念が指摘されている。

  
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関税収入でなんとか維持している沖縄県の精糖産業も、
いま自由貿易の脅威にさらされている。

   
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サトウキビは沖縄県の全農家の約7割が栽培し、
作付け延べ面積の約6割、農業産出額の約2割を占めており、
沖縄農業における基幹的作物と言われている。(内閣府HPより)
       
       

沖縄のもつ気候や土壌では、簡単に転作など出来るものではないことを考えると、事は単純ではない。

  
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今、大きく知恵を働かせなければならない時が訪れている。

   
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朝早くから黙々と収穫の作業をしている生産者の姿を見て
自ずと頭が下がってしまう。

     
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僕は現場に立ちすくんでしまって、
しばらく動くことが出来なくなってしまっていた。
        

      
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案内していただいた垣花さん、ありがとうございました。

                              (終わり)