「こんなもの、あっても無くてもいいんだけどなぁ…。」
悪いけど
ドラゴンフルーツに対する
これまでの僕の率直な感想だった。
海外発の国際線の機内食によく供される。パイナップル、スイカと並んで一番手前の白い果肉がドラゴンフルーツ
取り立てて甘いわけでなく、サッパリしている訳でもなく
食感だって、色だって、
これと言ってソソられる存在ではなかった。
ファンティエット旧市街で偶然見つけた市場で
ところが、
ここベトナムの産地で一口かじると
程よい甘さが広がり、
ジューシーな食感が口中を爽やかに魅了するではないか!
では、「これまで食べていたのは、いったい
何だったんだろうか?」と疑いたくなるような別物だ。
皮は同じ色をしていても
上のように果肉が白いものと下のように赤いものがある。
赤い方が甘い気がした。
他にも果皮が金色のゴールデン種もあるそうだ。
現地の方の話によれば
完熟するとバナナのようにすぐに傷んでしまうので
まだ未熟のうちに若ちぎりをしなくてはいけないのだが
他のフルーツと違って、収穫後に追熟しないので
甘さが載らないのだそうである。
どうりで物足りない味だった訳だ。
ベトナムの産地で出会ったことで、
おかげさまで、またひとつ
先入観が改まり、好物が増えることになった。
ファンティエットのホテルでもフルーツの主役はやっぱりドラゴンだ!!
この赤くてずっしりと重い果実を味わうたびに
ベトナムの青空とどこまでも続く緑の回廊を
思い起こすだろう。