変人が2008年を振り返る

      
確かに今年は、ず~っと変だった

 
   

年が明けて1月、
冷凍餃子事件が発覚し、
原油が初めて一バレル100ドルという値をつけた。

   
   
異変の始まりだった…。

   
   
    
その後もずっと、
社会も、経済も、政治も、そして生活までもが、
これまでの常識を超えるような異常に変な事が起こり続けた

    

   
お隣の中国でも、
去年は金猪年といって、あれだけの高成長を遂げ順風満帆だったのに、旧正月の南部の大寒波を皮切りに毎月のように信じられないような大変化が襲った。

   
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中国だけでなく世界を引っ張る使命を帯びて    -中国・上海

   
   

北京オリンピックの成功で一時溜飲を下げたが、多くの国民が早くこの年が過ぎてくれればいい、と願うほどの一年だったのではないだろうか。

   

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みんな同じ夢を見た・・・                   中国・青島
       

    

       
もちろん、9月のアメリカに端を発する世界同時の金融危機は、
百年に一度の大津波」と金融の神様とまで呼ばれたグリーンスパンに言わせしめるほどの歴史的激震が始まっている。

   
   
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“あの”一週間前にいた   -ニューヨーク ウォール街
       

       

       

一方、私の活動も、今年はすっかり変化した。

    
   

確かに、相変わらず海外出張は多かった。

    

   
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もう一度行ってみたい大人の街  -アルゼンチン・ブエノスアイレス

    

    

が、農林水産物の「ニッポンを売る!」海外販路開拓活動に加え、中小企業庁の「地域資源活用プログラム」と「農商工連携」のふたつの看板プロジェクトのメンバーとして、全国各地の農林畜水産、中小地場産業の現場を数多く訪問させていただいた。

   
   
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農商工ブランド作りの天才     ― 三重県・津

    
    

それに伴い、今年ほど何百、もしかしたら千人を越える皆さんと新らたに知己を得ることが出来たし、以前から仕事を通じてお付き合いしてきた方々とは、さらに密着した協働作業を行なってきた。

   
    
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元気人イッパイの梁山泊      ―愛媛県・西条

    
   

でも、その大半が、答えの見えない新たな挑戦を始めたばかりで、まだまだゴールが見えるプロジェクトはほとんどない…。

   
      

変といえば、

年末恒例の今年を表す漢字一文字が「」だったそうだ。

   
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                       共同通信社

      

       
まさに、ほんとうに変な一年でもあり、
そして変化を求められた一年でもあった。

     
         
私は、5年以上前から、「ニッポンを売る!」テーマの講演や会合で事あるごとに、現場で頑張る皆さんに対して、
       
この難局をピンチと観るか、それともチャンスと観るか?
      
ピンチをチャンスに変えよう!」  と訴え続けてきた。

       
   
もちろん今でもその気持ちは少しも変わらない。

    

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開拓者精神の先進地  -北海道・札幌

   

      
ひとつ事を生涯貫き通すこと、極め尽くすこと、変わらぬ信念を持ち続けることを至上の美徳だと称える日本人にとって、変わること、変化させること、変貌してしまうことにためらいを持つ人は少なくない

    

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これからアジアのハブになる予感    -沖縄県・コザ

   

      

けれども、私は、社会にも、組織にも、商品にも、個人にも、
「絶対に変えてはいけない事」と「大胆に変えていかなければならないこと」の両面があると常々思っている。

    
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ここぞ極東に開かれた日本海の西の玄関      -島根県・浜田

      

伝統や文化、地域の素晴らしさや環境をしっかりと守ることにおいてさえも例外はない、と思っている。
      

       
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あったかい とにかくすべてが暖かい       秋田県・秋田

    
    

今、世界が大変化を起こしている時代だからこそ、我々が絶対に守り抜かなければならない事と、もっと大胆に変えていく行動に出ることがあると考える。

       
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報道だけでは伝わらない伝統と変化の街       タイ・バンコク

   
    

歴史的に観ても、長い年月にわたり持続していること、
継続・継承されてきたことは押しなべてそうなっている。

   
    

既得権や成功事例として固定化し、その後の環境変化に適切に対応できなかったものは、ほとんどが淘汰されている。

      

しかも、予想を超えるスピードで。
    

       
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戦前から続く“粘り腰の伝統”は今も力強いぞ     -香港

     
        

    

モノポール(一極)支配から滑りおちた落日の大国とは言え、
かの国の新大統領は「CHANGE」 「Yes! We Can」というスローガンを掲げて当選した。

    

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今こそ明るく、若さで   -ニューヨーク・タイムズスクエア

         
             

マルチポール(多極化)あるいはノーポール(無極化)、フラット化するだろうと言われる今後の世界において、日本国内でも多くの分野で一極集中は終わりを告げようとしている。

    

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よそ者だから感じることのできるこの街の素晴らしさ  -山形県・山形

         

          
であるならば、まず変化(チェンジ)を求めるべきは
政権交代でも、役所や大企業でも、社長や部長でもなく、
自分自身である、ということがおのずと分かるはずだ。

    

     
自分が変われば、本当に世界は変わる…。

   
       

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Yes, We can !!           -ニューヨーク・セントラルパーク

      

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    東洋にだって “なせば成る!”がある     台湾・台北

         
           
どう考えてみても、
自ら志を掲げて一歩踏み出す元気人たちにとって、
来年は、まさに「百年に一度の大チャンス」がやってくるとは思えないだろうか!!   ねッ 皆さんッ!
    

      

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忘れかけてた元気を奮い立たせてくれた   -カンボジア・プノンペン

       
       

なぜなら、
固定化された秩序での成長下では困難だったこれまでと異なり、ローカルはセントラルに対し、中小規模は大規模に、マイナー商品はナショナルブランドに、市井の個人は既成セレブに対して、知恵と行動次第では立派に存在感を示すことが出来るチャンスがやって来るという訳だ。

      

      
作られた多様化なんぞに惑わされず、
真に自分のやりたい事、信念を、今こそ現実の形にしよう!

     
      

自分が動けば、多くの支援者だって集まりだすという
元気で明るく、面白い一年にしていこうではないか。

     

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惚れた熱い街   -ブラジル・リオデジャネイロ  コパカバーナ海岸

         
        

       
という漢字。 私はとっても大好きです

     

ヤッパリ変かしら???

    

     
皆さんは、やっぱりよそ見なんぞはせず、
一意専心、岩をも突き通す、ですか?

      

それもまた大切。

      
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僕の心の隙間を埋めてくれた     -岩手県・盛岡

      
ただし、流れゆく水のように、
外部の変化に応じて、
柔軟に自らの形を変えていくことも肝要ではないだろうか。

         
      

          *               *

        

           
この一年間、本ブログにお付き合いいただき、
心から厚くお礼申し上げます。

     
    
来年もまたよろしくお願いします。

         
      

皆さん、良いお年をお迎えください。
    

否、良いお年にしてください

      

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精神(文)と身体(武)のバランスこそ        -香港・文武廟

                 
       
               

本当に、ほんとうに
ありがとうございました。

                          「ニッポンを売る!」啓上

           
       

頑張るニッポン

        
上海で最も読まれている日本語情報誌のひとつである
最新12月号の表紙タイトルがこれ。

   
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どこかで見たような・・・。

       

偶然なんだろうか?

      

「ニッポンを売る!」スピリットがこのような形で取り上げられるようになった事は、内心チョッピリ嬉しい。

    
    

      
上海で最大級の規模を誇る国際食品商談会

FHC CHINA"を視察した。

   
           Fhc2008

  
       
もう形容しようが無いほど広大な会場は、幕張メッセや東京ビックサイトと比べても遜色ない。

   
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入場受付には朝からこの人だかり

    
     

ここに世界中からの食品サプライヤーたちが集結して、中国人バイヤー相手に強烈な売り込み合戦を繰り広げることになった。

   
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中国各地はもちろんのこと、世界各国がブースを出展し、盛んに試食やデモンストレーションを行なっている。

    
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このようなキッチン・デモ形態が多い  シンガポールブースで

    
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さながら食材販売のワールドカップ

         

       

しかも、各国とも相当の熱の入れようである。
        
     

特に目立ったスペイン、イタリア、アメリカなどは、かなりの広さのブースを確保して販促を展開。

     
   
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スペインの力の入れようはモノ凄かった

     

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食材の宝庫イタリアのプロモーションは本当に勉強になった

    

    
とりわけ目を引いた商品は、ワイ・、・・・、・・・、・・・・。

      

      

それらに共通する、最近、中国で受ける商品の特性は、
     
○△●×◎□なもの。

    

     

止めておこう。

     

      
はるばる上海にやって来て、この商談会に参加した人たちが知り得る情報でもあることだし・・・。

    

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メキシコやチリなど中南米勢も健闘していた

        

ほかにも、プロモーションの仕方、アピールの方法論、受けるブース設計、などなど様々な勉強をさせてもらった。

   
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世界各地で逆風の中国食品も確実にレベルを上げている
                        …絶対に侮ってはいけない

    

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あなたは“全羅南道”と言われて何かイメージするだろうか?

    
   
県名でのアピール戦略をもう一度検証してみよう。

      
     

       
さて、我らがニッポンはどうであったか?

   
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私の率直な感想を言えば、

他国に負けず劣らず予想をはるかに越えて奮闘し、頑張っていた

      
快いショックを受けた。

     

        
オープンセレモニーには、農水省、ジェトロの主管部門の責任者、報道陣も駆けつけ、気合が入っており、まず意気込みを感じた。
   

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日本ブースも結構スペースを確保しており、装飾にもこだわりを見せていた。

       

地域的には九州、中四国、東北などの積極性が目立っている。

    

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上海進出に力を入れる福島県は今回も積極的

   
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二十世紀梨の輸出で頑張る鳥取県も

    

九州は、全県で構成される九州貿易振興協議会が取りまとめて出展しているからでもある。

    
   
県名でなく九州をアピールしているのが特徴的だった。

      
    
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なんとも頼もしい。 

      

アジアに近いという意識がチャレンジ精神を醸成しているのだろうか。

    

     
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中国市場にはすでに150銘柄ほどの焼酎が輸出されているらしい

    

日頃、海外でご一緒したり、お手伝いさせていただいている企業の皆さんも大勢参加しておられ、異国の地でお互いに強いエールを送り合った。

   
    
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福岡県は5年に及ぶ赤梨の輸出実績に加えて、
今回、数年企画を温めてきた新兵器を投入した。

              
    
     
また、参加企業もお付き合い参加や単なる情報収集というような雰囲気は無く、積極的に売り込む姿勢をみせている様子だった。

     

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ひとたび海外へ出れば、単なる地域代表だけでなく、
あなたもJAPAN代表” 侍ジャパンになるのだ。

    

中国市場開拓活動も短期間で随分と変わったもんだ、と驚いた。

    

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日本ブースでも様々な仕掛けやイベントが盛り沢山

       

             

2003年にSARSが流行した年に、僕は日本人単独一人でFHCに乗り込み、世界はおろか中国企業もほとんど参加しておらず、閑散としていた様子をレポートにして農水省とジェトロに送った時の事がうそのような光景だ。

      

      
障害多い中国市場の開拓と言われて久しいが、今後の大きく予想される成長を見込んで果敢にチャレンジする日本の元気人たちが声を張り上げ、少しでもアピールしようと頑張っていた。

     
      
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真剣に商材を探す中国人バイヤーたち

        
   
日本の各地のみならず、世界のサプライヤーのこの熱気に触れると、

すでにアジアにおけるマーケットの中心は東京から上海に移りつつある、とも言えそうなくらいの勢いを感じた。

     

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世界のシェフたちによる創作競演風景
将来、NYに並び上海が食文化の発信地にもなる可能性が・・・

          

        

 13億人の胃袋を狙えッ!!

     
    
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試食にもよく反応する中国人 

   
        

不確実な時代を迎え、常に未開の市場を目指して行動する世界の食品、および関連産業の意気込みをまざまざと感じ取った一日だった。

     

     

負けるなッ ニッポン!!
      

ローカル・ニッポン!!

  

寒波に震える街で

      
西日本でも雪が降るほどの寒さに凍えたが、
5日、上海でも一日早く寒波が来襲した。

    
    
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黄浦江沿いビル23階からの上海の眺め

      
    

外では立っているだけで芯から冷えて、手がかじかんでしまうほどの冷たさ。

    
      
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北京や大連などでは当たり前のことでも、
上海で冷たく乾燥した寒さはあまり体験したことがない。

      
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上海市民の装いもまたさまざま。

    
           

   
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上海のハイクラスエリア“新天地”でもクリスマスの装いだ。

   
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それでも、世界不況の足音がここ上海にも忍び寄ろうとしている。

    

    
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バーゲン(特売会?)作戦も延期される・・・

    

   
対米輸出メーカーが集積する広東省ほどではなくても、
じわりとその影響が出てきているらしい。

     
   
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中国政府は内需刺激のために大胆な財政出動を行なうという…。

  
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世界の工場から市場へ転換するだけでなく、世界市場を牽引する使命まで自覚しているかのような動きに、私たちニッポンもスピード感を持って新しい扉を切り開いていかなければならない。

       
    

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ホテルの窓からのぞむ

            
      
朝日に見えますか?それとも夕陽に見えますか?

      
   
中国市場をどう観るかは人さまざまだ。

                                        
                                  (続く)

 

Bの時代(その2)

           
(前回より続く)
       

今回のB-1グランプリの会場となった久留米市は、

人口約30万人の中核都市。

   
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西鉄久留米駅前

     

東芝発祥の地やブリジストン、旧月星化成などの本社があることでも有名。

     

      
あの九州とんこつラーメン発祥の地としても知られており、人口当たりの焼き鳥屋の軒数が日本一だとか。

     

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B-1グランプリ会場でも九州とんこつ発祥の屋台が参戦

    

    

だから最近はラーメンや焼き鳥などB級グルメでの町おこしなどでも頑張っている。

       

             
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地元の熱い応援を受けて一際目立っていた“久留米やきとり”
      

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正味肉だけでなく、いろんな部位を焼くのが久留米の特長だとか

       

全国グランプリ会場としても、とてもふさわしい街だ。

       
    
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この街に2日間で10万人を越える来場者が集まったというからすごい事だったんだ。
      

      
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結局、神奈川県厚木市の“厚木シロコロ・ホルモン”が、栄えあるグランプリに輝いたそうだ。

        
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おめでとうございます!

       
         

ころで、あまりに研究熱心だった僕たちは、結局何も口にすることが出来ず、地元に詳しいメンバーの社長さんに、久留米の超B級メニューの店に連れて行ってもらった。
         
      

その名も「中華うどん」。

        

       
エエッ!? 

     
     
中華ラーメンや中華そばは聞いたことあるけど、中華うどんなんて聞いた事ない。

        
     
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第一、可笑しすぎるじゃあないか。胡散臭すぎる。

   

        
   
ところが、どんぶりに入れられた中華うどんサマを一口すすったら、

     

アアッ!! と妙に納得してしまった。

     

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                 百聞は一食にしかず

      

多くは語るまい。  ぜひ体験してみてください。

     

きっと、ほのぼのした気分に浸れます。

       

     

これこそB級グルメ、地元名物の醍醐味。

      

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実はここ久留米・筑後地区は、日本酒や醤油の蔵元の数が
全国でもトップクラスであることはあまり広く知られていない・・・。

     

     

B級バンザイ!! 

                         

                          (シリーズ終わり)