日本の〝元気”がアジアを席巻する!?

月はスタートの月。

 
多くの人が気分一新して
「元気」に満ちていることだろう。 
 
 
この元気という言葉は、
これまで僕は講演の場で多用してきたキーワードでもある。  
 
 
地域の元気創りや全国の元気人たちの挑戦という風に
あまりアカデミックな言葉では無いけれど
自分らしくていいやと考えたし、
実際多くの人たちの共感を得た。
 
 
元はと言えば、この「」という字に長年興味を
持っていたからでもある。
旧字体では「」と書き、中国語の繁体字圏では
今でも使っている。 
 
 
この氣の字の成り立ちは、
大地を表す「」の部分と
天空と地面の間の空間を表す「」の
部分から構成されるという。
 
 
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まさに大地に作用する眼に見えぬ
エネルギー
を表しているのではないだろうか。
 
 
 
僕の知る限り元気という単語は日本語であり、
中華圏では日常的には使わない。  
     
    
元気の訳語としては、
ニーハオ の好や精神、活力、精力などが普通だ。
 
 
が、台湾では元気ブームがあったのだろうか、
一時期、街のあちこちで元気の文字を見かけた。 
 
 
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台北の朝食スタンドの屋号にも使われている
 
 
 
日本語っぽい流行語としてはやったのでは
ないだろうか。
 
 
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とにかく元気な台湾の人たちにピッタリの表現かも知れない。
 
 
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屋台のどら焼きまで元気の二文字が・・・
 
 
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もしかしたら、この10年ほどの大陸への産業空洞化や
韓国ほかの途上国との経済競争によるお疲れ気味で
「元気だそうよ!」と自ら鼓舞しているのかもというと
勘繰りに過ぎるだろうか。  
 
 
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高雄のファストフード店で
 
 
 
元気ブランドといえば、
もう20年以上も前から香港や東南アジア各国で
成功を収めた日本の元気企業を忘れてはいけない。
 
 
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香港にて
 

日本なしの海外展開、そして驚くほどの改良ぶりに感嘆した

秋節と言えば、

最近ギフト用に日本産のが輸出されるようになった。
 
 
主に台湾と香港向けなのだが、
70年の歴史を持つ鳥取県の二十世紀が
圧倒的な人気だ。
 
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季節になると台北の卸売市場でも鳥取梨の箱がうず高く積まれる
 
 
ほかにも、ここ数年、
大分、熊本、福岡、佐賀、千葉、茨城など
各県の組織が梨の輸出に熱心だ。
 
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ギフトシーズンともなると熊本八代産の大玉梨が飛ぶ様に売れる(台湾で)
ヒットの裏には関係者の努力が
 
 
 
東北大震災の前までは福島のJAも香港で頑張っていた。
 
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2009年10月
 
 
とはいえ、近年は地元台湾産や韓国産・中国産のレベルが上がり、
柿と同様、日本産も安閑としていられなくなっているのだ。
 
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台湾地産の高接梨も人気が高まっている (台北の果物専門店で)
   
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韓国産も品質、価格、対応サービスで急速にレベルを上げており、各市場で日本の強力なライバルとなっている
 
 
 
一方、我が国も不断の努力で
安心、美味、差別化を追及している。
 
 
九州の某県某市のブランド産地の梨園を視察させて頂いた。
 
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丘陵地に整然と梨や桃が植えられていた
 
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米は文字通り、八十八の手間がかかると言われているが、
聞けば、梨も良いものを作るために、気の遠くなるような手間をかけられているのだ。
 
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袋掛けも一回ではなく、複数回行われると聞いてビックリ
 
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若い生産者さんの改革・改良に向けた熱意に触れ感動。
     
農業という職業の無限の可能性と素晴らしさを改めて認識する。
 
 
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日本には「日本なし」「西洋なし」「中国なし」の3種が流通しているが、国内の生産量は圧倒的に日本なしで、二十世紀に代表される青なしと、「幸水」や「新興」など皮が褐色の赤なしに大別される。
 
 
 
分類上はバラ科ナシ属で、
千葉県、茨城県、福島県の生産が多い。
 
 
先日、生産量トップの千葉県の松戸産の梨を送って頂いた。
 
僕は以前、松戸に5年ほど住んでいたことがあるだけに、とても嬉しかった。
 
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豊水という品種で、文字通り水分たっぷりで
前歯が当たった瞬間から甘い果汁が噴出してきてビックリ驚いた。
 
 
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豊富な果糖やリンゴ酸、クエン酸には疲労回復効果があり、
ソルビトールという整腸作用のある成分も含まれているという。
 
 
 
会席料理の品書き(メニュー)の最後によく
水菓子」と書かれているのを見かけるが、
これは果物のことである。
 
中国語でもフルーツのことを「水果」という。
 
 
まさに水分80%以上で占められる梨にこそ相応しい言い方だと実感した。
 
 
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     梨を噛む 霧に見えざる 湖を前
                             福田 蓼汀
          
     
 
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梨に関わる格言はあまり思いつかないが、
若い時に中国語の学習で読んだ
(当時、僕の住む田舎では中国語の教材なんて何も無かった)
毛沢東の「実践論」の一節を思い出した。
 
 
〝知識を得たいならば、現実を変革する実践に参加しなければならない。梨のうまい味を知りたいなら、自分でそれを食べて、梨を変革しなければならない。”
 
 
近代版の知行合一だろうか?
 
いずれにしても中国人にとって
梨は、昔からとてもポピュラーな果物であることには違いない。
 
     
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香港の油麻地街市で売られる中国産南水梨(原産地は長野県で、台湾企業によって中国にもたらされたとも言われている) と青なし
 
 
 
まさに、日本をトップランナーに
各国がしのぎを削って梨の味の変革を実践しているのである…。
              

正月元旦、CHAに魅せられて(その2)

(前回より続く)

 
九份に続く、台湾の2ヶ所めの訪問先は、猫空(mao kong)
 
 
台湾でも鉄観音茶の有名な産地である。
 
そんな所が大都会・台北の中心地から
車で僅か40分程度で行けるなんて
知らない人も意外に多いのではないだろうか。   
 
 
昨年10月に2回、親しい仲間と猫空に行った。
 
 
いずれも仕事が終わってからなので
夜の訪問となった。
 
 
とはいえ、ここは台北の若者の
夜景で有名なドライブデートスポットでもある。
 
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眼下にtaipei101など台北の夜景が拡がり、感動
 
 
何軒も個性を競う茶芸館がある中、
この日の晩は現代カフェ調のお店。
 
 
いつも遠出するとき、不案内のところに行くときに
とても親切にしてくれる僕のドライバーの黄さんが
秘蔵の台湾高山茶の最高級茶葉を持ってきてくれて
お店の茶器を使って自ら烏龍茶を淹れてくれた。
 
 
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急須一杯に溢れるほど茶葉が膨れる。
 
 
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香りを嗅ぐための聞香杯(ぶんこうはい)
淹れたばかりの茶を静かに注ぎ入れる。
 
 
馥郁たる味と香りとの対面だ。
 
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飴色の素晴らしい水色(すいしょく)と拡がる香気。
 
 
これぞ台湾が誇る烏龍茶の真髄。
 
 
一杯、一杯、また一杯。  
 
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こうしてみると、中国茶の作法というのは
美味しく飲むためにあるもの、とさえ思ってしまう。
 
 
そこで、僕が興味を持ったのは
形式美、精神性追及ではない
飲んで美味しい日本茶の淹れ方についての知識。
 
 
ちょうどその後、煎茶道具が手に入ったので
京都に行った折、四条通にある福寿園本店で
日本茶インストラクターの方に
マンツーマンで長時間にわたり、
玉露と煎茶の淹れ方について指導をして頂く機会に恵まれた。
 
 
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専門家の話によると、
茶葉や水質の吟味もさることながら、
         
1.茶葉とお湯の分量比
2.お湯の温度
3.抽出時間
の3つの要件を茶葉の種類によってきちんと守れば、
誰にでも美味しく緑茶を淹れられるということ。
 
 
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僕のために、100g1万円もする玉露を淹れて頂いた。
 
天国にも昇る気持ちだった。グレードに弱い僕。
 
 
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清酒の猪口くらいの小さな小さな茶杯に、
しずくを落としただけのようにして淹れた玉露を口に含むと
ぬるい湯温の液体の甘くて奥深い旨みのエキスが
一気に拡がり、声が出なくなるほどの衝撃を受ける。
 
淹れ方の作法といい、茶器といい
まるで猫空で黄さんが淹れてくれた
高山茶となぜか共通点が多いことに気がついた。
 
 
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さすが免許皆伝のインストラクターさんの淹れた緑茶だと感服。
 
 
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幸い、仕事を通じて
宮崎、京都宇治、和束(わづか)町、京田辺、
福岡八女、熊本、鹿児島などの生産者さんから
丹精込めて作られたお茶を分けて頂くから、
きちんとルール通りに淹れることこそ
製茶の苦労に報いることになると信じて
以来、教えて頂いた方法でほぼ毎日腕を磨いている最中だ。
 
 
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京都・和束町の茶畑風景
 
 
今年は、旨みが凝縮した緑茶で新年を迎えた。
 
 
きっと良い事が起こりそうな予感が・・・。
           

正月元旦、CHAに魅せられて

正月の嗜みといえば、屠蘇をはじめ
清酒が挙げられるが、
今年我が家は珍しくお茶が主役を演じてくれた。

 
 
宮崎の親しい生産者さんから頂いた「賀春茶」と
京都の福寿園さんから頂いた「大福茶」がそれ。
 
 
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元旦の朝、賀春茶を頂き
気持ちを新たにする。
 
清々しい香りが口中に拡がり、
年の初めに、なんとも満ち足りた気分にしてくれる。
 
 
午後は、大福茶(おぶくちゃ)を淹れる。
 
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かりがねと呼ばれる茎茶に、福梅、福昆布をあしらうもので、
1000年以上前に起源があるとされる、
京都では元旦に、新しい年の幸福を願って飲まれるそうである。  
 
 
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やはり、おめでたい気分になるから不思議だ。
 
 
日本茶で正月。  また一興。
 
 
 
振り返って観れば、
去年、仕事ではなく、プライベートに
台湾でお茶を楽しむ機会に恵まれたんだっけ。 
 
 
 
台北郊外の九份と猫空
 
 
どちらも数年ぶりの訪問だったが
10月はなぜかひと月で
それぞれ2回ずつ行く機会があったのだ。 
 
 
 
まずは、九份。
 
 
この数年、台湾のホットな観光地として
ここを訪れる日本人も随分と多くなった。
 
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映画のロケ地や、延々と続く復古調の土産店もいいが、
僕のお気に入りは、登りきった高台にある
九份茶坊(九份芸術館)」という台湾式の茶芸館だ。
 
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見晴らしのいい露天のテーブルで
薫り高い台湾茶を楽しむもよし、
 
 
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展示即売してある茶器や工芸品を眺めているだけでも
1時間でも2時間でも僕は退屈しない。
 
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どんなにストレスフルな台湾の活動でも
ここに来ると、すっかりと心が和む。  
 
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台湾、中国のお茶の文化は、確かに奥が深い。
 
お茶を愉しむために、その場の空気
すなわち空間から設(しつら)えるのだから。
 
 
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酒を飲んで談論風発もいいけど
清茶談話も、とても素晴らしいと思う。
 
 
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(次回に続く)
       

臺灣 面白すぎ

ふと何気なく撮ったスナップ写真をよ~~く観ると
台湾ってホント面白すぎ…。

 
 
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「弊店ではタクシー迎車サービスあります」 飲酒運転はここでも社会問題
 
 
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ほお!そうなんですか
 
 
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おいおい、そんなにまでして外出して大丈夫!?
   
   
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寒天のデザートらしい
 
  
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新種のペンダント?
 
  
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「ヨ・ロ・シ・ク  アイ・ラブ・ユー」  しばらく中国語の新語かと思ってた
 
 
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とかくこの世は男と女
 
 
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一度飲んでみたかった…
 
  
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よぉ~く見たら、工事現場の防塵シートだった
 
    
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カー用品店だって 汽車は自動車の意味
 
 
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(僕の方に向き直って)「ゆるキャラを従えて、悪い怪獣をやっつけてやるう~ッ!」「しんちゃんって台湾にいたのか!(蝋筆小新クレヨンしんちゃん)
 
 
 
仕事の出張とはいえ、こんなものにも目が届く余裕が欲しいもんですね。

食品に関する話題で沸騰する台湾

先週、約一週間、また台湾に行ってきた。
     
ひと月の間に3回通っていることになる。

    

 
滞在中、曇天、小雨続きであいにくのコンディションだったが
様々な実績、情報、アイデアの収穫があった出張となった。
 
 
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商業圏では、週年慶と呼ばれる創業祭と銘打って
大バーゲンセールを行なう量販店、デパートが集中する季節に突入。
      
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多くの買い物客でごった返す中、
しっかりと販路を開拓する日本の農産物、食品も、あちこちで
地元に根付いた対応力を発揮するプロモーション活動を
行なう自治体も増えてきた。
 
私の支援する地域も、単に価格を合わせて並べるだけでなく
シーズンに即した効果的な投入、パッケージの工夫、
強みを活かした販売手法、様々な訴求の挑戦など
事業者、支援者自らが考案し、行動する段階を迎えている。
 
 
 
ちょうど日本の高級ホテルやデパートなどでの
産地偽装問題を台湾でも報じていたら
当地でも食用油、乾麺、米酒などで
偽装問題が相次ぎ、大問題に発展している。
  
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東森ニュース
 
 
どのマーケットでも、
食品安全に対する消費者の関心は
高いというより、とてもシビアであると言った方が正しそうだ。
 
   
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日本と台湾はもはや
流行も、課題も、同時進行かも知れない。
 
 
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秋色に染まる台北で研鑽に励む日本の農業支援者と出会い、大いに刺激を受ける

日本で大きな被害をもたらした台風26号の影響で
台北も終日雨に見舞われた後、この日は気温が下がった。
 
寒さに弱い台北の人は、冬の出で立ちのように厚着をして
街を歩いている。
 
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もっとも僕は半袖のポロシャツのままなんだけど。
 
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郊外の基隆山もすっかり秋の気配だ。
 
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台北では、九州を拠点に農業支援活動に従事している
Sさん、Tさん、Hさんと合流。
 
この3人は、農業・農産物流通支援のプロフェッショナルで
海外展開支援についてもかれこれ10年に及ぶ経験を積んでいる。
 
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その上に立ち、これからは単なる一方的輸出ではない、
日台双方の農業生産者に共にメリットが生まれる
競合ではない共働・共生のモデル構想を実現すべく、
そのためには自分の言葉でのコミュニケーションが不可欠と一大決意。
 
10日間の時間とコストを投資して
中国語習得と台湾の文化や流通理解のために台北に滞在している。
 
 
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台南・関仔嶺産のポンカンがお目見えした
 
 
自らで定めた夢や目標を持ち、
常識セオリーという名のおのれの壁を破って
学生時代に戻って缶詰勉強したり、見聞を広めるその表情は
イキイキ、ワクワクそのもの!
 
やる事が目の前に次々と拡がってきて
時間があっという間に過ぎて行くのが見て取れる。
 
 
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台湾でも秋の味覚の代表のひとつ 柿。 かつては日本からも盛んに輸入されていたが、今では台中和平区にある摩天嶺産のブランド柿の登場で苦戦を強いられている
 
 
僕は、このハングリー精神のような活力元気を
これまではアジアの人たちから感じていたのだが、今は逆転。
 
 
どっこい日本人も、アジア新興国の人たちと変わらない
自分で考え、行動する、強力なチャレンジャーたちが輩出している。
 
 
Dsc05227台北の乾物問屋街のニンニク専門卸の店頭で
 

宣伝部長 台湾に現る!!

中秋節によく売れる日本の農産物と言えば
がすぐ頭に浮かぶ。
 
 
満月に見立てた大きな梨は、
化粧箱に入れられて、中元のように
贈答品としてもとても喜ばれている。
 
なかでも鳥取県の二十世紀ナシは
香港や台湾でも特に人気が高い。
       
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台北の青果市場でももうすっかりお馴染みの鳥取梨
 
 
長年に渡る関係者の努力が実を結んだもので
現地の人たちは心待ちにしているし
またかつて日本でも
そのみずみずしさが光り輝いていたこの品種は
海外市場は、なくてはならない重要な存在なのである。
 
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最近の韓国勢の売り込みは激しい
    
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地元台湾の高接梨(台中・東勢産)も侮れない 
 
 
他にも大分県の日田梨も近年台湾などの販路拡大に熱心だ。
 
 
今年、特に目立ったのが、熊本県JAやつしろの吉野梨だ。
 
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青果卸売市場で最上顧客向けにギフト
 
 
高級デパートだけでなく、青果市場や街の大きな果物屋にも並んでいて、あちこちで見かけることが出来た。
 
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ギフト用にパッケージも一新され、目の肥えたプロたちも
お気に入りのようだ。
 
 
 
と、
台北の中心部で週末、大勢の人が集まっていて
たいへんな騒ぎになっていた。
 
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どこかで見たことがあるような…。
 
 
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そう。くまもんだ。
 
 
もうあちこちで大フィーバーである。
 
 
 
小さな子供はもとより、若い女性やお年寄りまで
大変な人気ぶり。
 
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“ゆるキャラ”のことを吉祥動物なんて訳してた
 
 
あまりの熱狂ぶりに近寄ることも出来ない始末だった。
 
 
そして傍らには、サツマイモをはじめ10種類を超える
熊本県の秋の青果物がしっかりと販売されいて
地元の消費者が手に取って、試食して、買い物を楽しんでいた。
 
 
よくこのようなイベント傾向を良しとしないと唱える人もいるが、
ただイベントで終わらせるか、これを活用して動きを創るかであって、
それは当事者の取り組み意識と知恵の問題だ。
 
くまもんの追い風を背景に
これだけ多様なチャネルに、拠点も台北だけでなく
しかも中秋のギフトシーズンに合わせた
商品の作りこみと販売先を多様化し緊密化を図り、
しっかりと継続的な販売に向けて一歩を踏み出している。
 
 
 
熊本県の宣伝部長も大いに貢献してくれている。
 
 
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観光夜市にも突然現れた!!  この数十秒後にはあっという間に人垣が…
 
 

中秋の楽しみ方 IN 台湾

もうひとつ中秋節の話題を。
 
 
中秋節は、中国大陸をはじめ、香港、台湾、韓国、東南アジアで
広く祝われるが、その中でなぜか台湾だけで行われている楽しみがある。
 
 
それは屋外バーベキュー(烤肉)をすること。
 
 
僕が滞在中、中秋当日ではなかったが、
庭先やガードの下、河川敷などで楽しそうに
バーベキューをする様子を目撃した。
 
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この時期スーパーでは、バーベキュー材料の特設コーナーを設けて販売している
     
 
 
なぜ台湾だけ中秋節にバーベキューをする習慣があるのか
現地の人にいろいろ訊いてみたが、
諸説あるらしく定かにならなかった。
 
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鮮魚コーナーもエビやホタテなど大売出しだ
 
 
中秋の晩にたまたま戸外バーベキューをしていた。
 
それを真似て近所でもバーベキューをするようになった。
 
 
そこまでは諸説だいたい同じ。
 
 
あちこちでチラホラ見かけるようになったところで
 
ある説では、醤油メーカーが仕掛けて
焼肉のたれを売るのに
中秋にバーベキューしよう!
と宣伝したというもの。
 
 
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大手メーカーのバーベキューソース    写真と文は関係ありません
 
 
別の人に訊いたら、
日本の某ビールメーカー
プロモーションの一環として
中秋のバーベキューをイメージして
ビールの宣伝攻勢をかけて
広まったという説なんかもあり、なかなか面白い。
 
 
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ビールが山のように積まれている    写真と文は関係ありません
 
 
誰か真相を知っていたら教えて頂きたいものだが、
いずれにしても広告代理店の上手い仕掛けのような気がする。
 
海外で常に販路開拓に余念のない僕にとってはとても参考になる。
 
 
実はこの時期、日本から台湾向けに輸出が伸びるバーベキュー素材となる農水産物や冷凍食品があり、シーズン前に提案することをアドバイスしている。
 
 
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中華風餅や臭豆腐もバーベキュー素材なのか  ※上記の画像はすべて店舗責任者の立ち会いの上で撮影しています
 
 
実は、商品を売る仕掛けにも参考になる考え方で、
身近にもバレンタインデーのチョコレートだとか
節分に巻き寿司を丸かじりするという恵方巻きなんて
最近のヒット作だ。
 
 
食を尊ぶ中華系の人たちにもさまざまな習慣があるが
現代の食でも応用できそうだ。

中秋の名月二題

旧暦の8月15日は、日本ではお月見(観月)
中華圏では中秋節といって日本以上に盛大に祝う。
 
今年は9月19日がちょうど中秋にあたる。
 
 
香港では公休日が1日ある。
 
広東式の月餅を贈る習慣がある。
 
 
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広州の蓮香楼という老舗レストランのものが特に有名で、
このシーズンに広州や香港に出張すると
缶入りの月餅をあちこちから頂くことになる。
 
 
これがまた、持って重たいし、
食べると日本人には喉につかえるほどずっしりとヘビーで
正直いくつか溜まると処分に困る代物だ。
 
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皮にも餡にもラード(豚脂)や砂糖が入っているからね。
 
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夜空にぽっかり浮かんだ満月に見立てて
 
 
それでも香港にいた16日には
半島酒店(ペニンシュラホテル)の月餅は、すでに売り切れていたし、
兄弟ホテルの九龍酒店(カオルーンホテル)でも
引換券を持っている人優先の人気ぶりだった。
 
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(この二店は確かに日本人でもファンの多い月餅だ)
 
 
 
翻って台湾。
 
 
今年は前週の土曜日を振替出勤にして
中秋から4連休にするほど盛大に祝う。
 
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台湾式の月餅は広東式と異なり
皮がサクサクした感じで、
緑豆や肉みそのような餡が入っている。
 
 
この日も商談の場で台湾式月餅が登場した。
 
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皮がポロポロこぼれて食べにくいのが難点だが
これも香港同様、お節句の大事な食文化だ。
 
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露店でもあちこちで売られている
 
 
ちなみに、台湾では、中秋節にはもうひとつ欠かせない果物
文旦(ザボン)がある。
 
 
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特に台南の麻豆産や新北市の八里産、花蓮の鶴岡産などが
よく知られている。
 
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八里の文旦農園で 2012年5月
 
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僕は中秋前日の18日に香港台湾を離れたが
巨大台風が接近していた。
 
 
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みんな満月を愛でることが出来たのだろうか?