ザワワ ザワワ(その3)

         
(前回より続く)
         

ここは、サンパウロ郊外。

   
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ブラジルはサトウキビでも世界一の生産国である。

     
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さらに、この会社はブラジル最大の一大コングロマリット。
     
       
    
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バイオエタノールや砂糖を作り出すサトウキビの栽培は、
規模にしても機械化にしても同じ土俵ではとても試合にならない。

        
      
詳しいレポートは、3年前のエントリを参照していただきたい。
http://asianet.cocolog-nifty.com/nippon/2008/10/post-cb21.html

      
      
世界最大の生産基地でも、巨大ハーベスタ(収穫機)だけで収穫しているわけではなく、伝統的に手作業で収穫をすることを職業とし生計を立てている人たちが少なくなく、一挙の機械化が出来ないとも言っていた。

    
   
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そうそう、思い出した。
       

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ブラジルでも手作業で収穫する時は、
葉や穂先を取り除くために、ここでは火をつけて焼き払っているのだが、あまりにも広大なのでCO2発生や作業者の健康被害が深刻なのだそうだ。

          

それだけ過酷な労働でもあるということだ。

   
       
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食糧確保の観点からも自給力向上だけでなく、
調達先を世界に分散するのも当然必要ではあるが、
世界のどの地域でも様々な問題やリスクを抱えていることを考えれば、国内生産の伝統や実績のある地域がある以上、単純なグローバル分業合理化論ではなく、国民的にしっかりと生産を守る視点も重要だ。

      

その意味で、関税や貿易制度のもつ背景や意味についても、私たち国民も品目別に学ばなければ、真に冷静な判断は出来ないと考える。

   

常に現場に足を運んで、見る、聞く、考えてみる。
                             (次回に続く)
                  

ザワワ ザワワ(その2)

                     
(前回より続く)
     

何でわざわざ茎だけ残しているの?

  
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話を聞いて驚いた。

   
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サトウキビを収穫するのに、まず穂先と葉の部分を落とした後、
収穫物である茎の部分を刈り取ってから束ねるのだそうだ。
    

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なんと収穫のために2度手間がかかっているのだ。
   

しかも、このうっそうとした畑に入るのに
触れただけでスパッと切れそうな鋭い葉が手足や顔に当たってきて、危ないことこの上ない。猛毒のハブも出るそうだ。
   

防護のために体を覆い尽くしておいた上、
炎天下にでもなろうものならどうするのか?
    
    
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ひ弱な都会人なら、一発で音を上げるだろう。

    
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しかも、4年に一度、このように耕作整地して苗を植え替えなければならないのだ…。
     
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なんという手間のかかる重労働。

  
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気が遠くなりそうだ。
       

自然に任せて自生しているのをただ機械で一発刈り取るだけと思っていた僕は、大きな勘違いをしていたのだ。
  

それでも十分な収入が見込めるのであればともかく・・・。

  
    

この時、僕は、3年前ブラジルのサンパウロで目撃した
サトウキビの大規模栽培を見て度肝を抜かされたことを思い出した。

   
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見渡す限りサトウキビの畑だった  2008年8月撮影

                                      (次回に続く)
           

ザワワ ザワワ(その1)

                                      
県庁や国際通りのある那覇市は立派な大都会であるが、
車で少し行くと、すぐに沖縄郊外の農村風景が広がってくる。

    
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那覇市から東に向かい、本島南東部の南条市の農場に向かった。

   
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やはり島だけあって、丘陵が広がり、傾斜地も思いのほか多い。

    
    
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農業強化のために、いとも簡単に大規模化とか集約化と言うけれど、このような光景を目の当たりにすると、いかに現実は厳しいものかが想像される。

   
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一年のうちでも比較的涼しい今の季節は、様々な園芸作物が生産されているが、どうしても沖縄独特の品目に関心を寄せてしまう。

   
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ドラゴンフルーツだそうだ。夜中にグローブ大の白い花が咲くという

     
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左が島バナナ  右はパパイア

   
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海の向こうは太平洋だ

   
    

さらに、旧知念町にまで足を運ぶと、いたるところにサトウキビ畑が広がっている。

   

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海からの強い風にあおられて、サトウキビの葉や穂先が、本当にザワワ、ザワワとなびいているように聞こえるから不思議だ。
        

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昨年も、南部や中部を幾度となく訪ねているから、
このサトウキビ畑の様子は、特段珍しくは感じない。

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気候に任せて、自然のままに自生しているサトウキビの栽培は、牧歌風でいかにも南国・沖縄らしいなあ、なんてのんびりした気持ちになっていたら、初めて訪れたこの収穫の時期に見られる奇妙な姿に眼を奪われた。                      
                                     (次回に続く)

攻めるOKINAWA

                               
今、沖縄県の海外販路開拓活動が熱い。

     

    
1月2月と香港に行ったが、
街のいたるところで沖縄のプロモーション広告が目に付いた。

   

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香港空港駅でも沖縄の全面広告が  1月23日撮影

      

他にも2階建て電車(トラム)や、テレビ・雑誌などでも
さながら沖縄一色の感じだった。
      

同じシティーセールスをするなら、
このくらい徹底的にやると、さぞや効果は大きいだろうな、と思う。

       

      

ところでこの日、那覇市内のホテルで、内閣府沖縄総合事務局主催の「輸出オリエンテーションの会」が開催された。

    

アジア各地から有力バイヤーが多数招聘され、
県内全域からも多くの出展者が商談に訪れた。

   

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午前は、シンガポール、上海、香港の3大都市のベテランバイヤーによるパネルディスカッションが行われ、最新のマーケット事情や販路開拓のノウハウについて詳細な紹介をされた。

    
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また国の支援で沖縄県と全日空による那覇空港ハブ国際貨物基地事業も足掛け3年目を向かえ、着々と実績を挙げつつある様子も紹介された。

   
    
会場一杯の参加者もこのパネルディスカッションを真剣に聞き込んでおり、この日の内容は、わざわざ聴きに来る価値のある、絶対にお得なノウハウ満載だった。

    

     
午後の商談や試食会も活発に行われ、私にも相談のあった農業法人さんが、見ている前で、見事オーダーを勝ち取り、大いに感激しておられた。

    
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今の順調に甘んじることなく、5年後の
更なる飛躍を目指す農業法人の社長さん!
   
あなたが勇気を持って、今日この会場に来て、
積極的に売り込んだ行動の結果です。
   
    

おめでとうございます!!

    
    
この時代の販路開拓とは、人に訊いて探すものではなく、自らの行動で創りだすものという私の提案を体験していただいたことと思います。

       
素晴らしいプレゼンをされていましたね。これを弾みに国内での営業力向上にも役立つのではないかと信じています。      

      

   
夕方は、すでに3年目のお付き合いになる地元支援機関や各国バイヤーの皆さん方との交流会。
     

元気沖縄と成長アジアのパワーをもらって、大いに盛り上がった。

   
     
今後も厳しい農業経営環境の荒波の中、大いに攻めていこう、と、サポーターの皆さんと共に心を新たにする。

     

      

夜、国際通りに出てみると、いるいる、アジアからの観光客が。

    
    
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沖縄の家庭料理あります。どうぞお入りください

     

Dsc_5269       ひとりが買う量が日本人とは違うんだよね~

      

      

宿泊したホテルも香港や台湾からの団体さんが多く、
フロント前に中国正月らしきディスプレーが施されていた。

    
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この青年たちは、台湾から来たのだという

    

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香港の有名旅行社の団体ツアーだ   

   
   
これも先月の香港での観光プロモーションの成果なのかも知れない。

    

    
おもてなしのノウハウでは全国でもトップクラスの沖縄の皆さんの手にかかれば、きっと多くのアジアの観光客も沖縄ファンになっていくに違いない。

      
  

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コーエンにて

             
午後4時すぎ、那覇空港に降り立つとやはり南国、ポカポカと暖かい。

       

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「めんそーれ」とは、「参り候らえ」がもとになっていると聞いたことがある

     
    

空港のロビーは、
家族連れやシルバー、修学旅行・卒業旅行生で賑やか。

       

皆一様に、解放感に満ちた表情をしていて、とてもうらやましい。

     
    
     

ホテルに向かう道すがら、袖振り合った地元のおばあさんと会話する。

    

僕: 「暖かいですねぇ
    

おばぁ:「いいや、それでもおとといまで寒い日が続いたんだよぉ。」
    

僕:「へぇ、信じられないなあ。」

    
     

おばぁ:「今日はとてもアタタカイねえ。桜が満開だよ。」 

           

僕: 「エエ~ッ! もう桜が咲いてるの???

      
おばぁ:「そうさ~。観に行ってくるといいよぉ。
     この辺ならヨギコーエンで観れるからさぁ
。」

        
     
あの独特な沖縄のイントネーションが耳に心地いい。

     

     
ホテルにチェックインして、日の入りまで少しだけ時間がありそうなので、明るいうちに散歩がてらヨギコーエンに行こうと思ってフロントに場所を聞いたら、歩いて行けば日が暮れてしまうほど遠いと言われてビックリ。

        

僕はどうも「この辺」という言葉を勘違いしてしまったようだ。

      

明日の準備もあることだし、いくら早咲きとはいえ桜の花をわざわざ観に行くのも少々億劫だなあと思いつつ、もう後へは引けなくなっちゃった。

       
       

やむなく車で向かったのが、「与儀公園」だった。

   

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後で知ったのだが、ここは那覇での桜の名所だった    

    
    
アアっ 咲いてる!

        

ゆるやかな曲線を描く川に沿って、見事な枝振りを魅せる緋寒ザクラがほぼ満開の綺麗な花を咲かせているではないか。

       
      
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その美しさに触れて、一瞬でメロメロの虜になる。

   
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本土でなじみのソメイヨシノとは違う濃いピンク色の花が少しうつむき加減に咲いているのが印象的。

   
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一見、桜というより桃の花に近いが、幹や枝を見ているとやはり桜である。

     
   
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日曜日ということもあって、公園では大勢の人たちが芝生の上に腰掛けて思い思いのアウトドアを楽しんでいる。

    

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家族や職場の仲間風のグループがビールやワインで花見酒、将棋や囲碁を楽しむおじさんたち、デートを楽しむカップル、カメラ片手に上ばかり見つめる僕…。
      

       
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ゆっくりとした時間が流れる。

    

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去年は同じ沖縄で4月に日本一早い海水浴をして、
今年は日本一早く桜の花見をしたことになる。

    

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桜前線のスタートに立ち会うことが出来たということかな。

      

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ここから桜前線も本土に向かって北上する
       

                   

コーエンはコーエンでも、明日は、
アジア三大都市のベテランバイヤーの講演が予定されているのだった。

      

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ありがとう! ヨギコーエンを教えてくれたオバァ!!

      
    

おかげで気持ちにゆとりが出来ました。  

      
      
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恭喜發財!

      
サムニン・ファイロッ! (新年快楽)
     

コンヘイ・ファッチョイ! (恭喜發財)

     
      

明けましておめでとう!!

        

今年も儲かりますように!

   

   

ここ数年、僕は北京語(普通話)より広東語での年始挨拶の方が馴染みいいのは何故だろう???
           
      

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2月3日は、農暦の元旦。

        

中華圏では、この日に新年が明けた。

     

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僕も昨年に引き続き、ここ香港で旧正月を迎えた。
       

    
去年はとにかく寒くて、雨まで降って散々だったが、
今年は、特に正月2日めは20℃まで上がり、とても暖かく
本当に春が来た、と感じるくらい。

       

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香港でもすさまじいことになっている。

           

ビジネスもだ。

              

           

この勢いを取り込むことを目指して日本の元気な地域や生産者の皆さんも大勢、香港入りして活発なプロモーションを展開している。 

     

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皆で料理を取り箸でかき混ぜ持ち上げる中国南部の正月料理。
これから共同プロジェクトに挑む香港と中国の飲食業界・ホテル業界のトップリーダーの仲間たちと大盛り上がりした。この料理の意味するものは? 

       
       

現地資本のの流通・物流・需要家を巻き込んで、
これまでの輸出戦術とは視点を変えた凄いプロジェクトが始まった。

      

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新たなビジネスモデルの立ち上げと春節の興奮冷めやらぬまま、昨夜帰国したが、今回の春節プロモーションで最も力を入れた地域のひとつである沖縄県に向けてこれから出発です。

          

  

取り急ぎ、画像でレポートまで

          

         
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多様モザイクTOHOKU

                               
アレレっ?? 雪が無い!!

    
    
毎日豪雪報道を見ていたから、宮城県仙台も
さぞや深い雪に閉ざされているだろうと思いきや、
ところどころに滑りやすいような固まった白い氷のじゅうたんが歩道を覆っていた程度だった。

     
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仙台市街を一望する

             

日頃雪になれていない僕はホッとするやいなや、
しばらく外を歩いていると、5分も経たないうちに
頭が締め付けられるような乾き切った冷たさに思わず立ちすくんだ。

     

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こりゃ、太平洋側の冷たさは半端じゃない!

  
体感温度が著しく低く感じられ、体の芯から冷え切ってしまう。

     

      
またひとつ体験の引き出しが増えた。

      

      
1日朝は、それでも今冬初めての本格的な降雪、と
地元の皆さんが盛んに話題にしているくらいだから、
真偽のほどは信じていただけよう。

    

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先入観や報道だけで、国や地域をひと括りに観てはいけないという教訓でもある。

      

     
この日、中心地の大型ホテルで、農商工連携で開発された東北ブロック各地の食品をプレゼンする大規模な商談会が開催された。

     

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開会の挨拶をする東北農政局小野寺食品課長

   

     

午前は、百貨店、高級スーパー、通販会社のベテランバイヤーをパネリストに迎え、販路開拓のポイントについてパネルディスカッションが開かれた。

        

厳しい寒さの中、地元をはじめ青森、秋田、福島など東北各地から
100名近くの参加者が集まり、熱心に耳を傾けていただいた。

     
会場からの質問もとても積極的で、農商工連携や6次産業化に対する事業者の皆さんの関心の高さを証明した。

   
   

  
午後からは、いよいよ商談会。

    

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全国から80社を超える各界からのバイヤーを招き
2日間に渡って白熱の商談が繰り広げられる。

        

       
東北ブロックも言わずと知れた食材王国

   
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新鮮で、バラエティーに富み、冴える技術も数ある逸品揃い。

      

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すでに全国版として有名なものもあれば、
食べ方から珍しい未発掘の原石もまだまだ沢山眠っている。

    
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食べたことが無いものも多い。
全国の消費者も機会があればきっと食べてみたいはず

        
            
どちらかと言うと、巧言令色少なき東北の生産者や事業者の更なる発信力にも期待したい。

       
   

      
地元の報道によると、
東北6県に北海道と新潟県を加えた地方広域連合に関する初めての会合が宮城県庁で開かれたそうだ。
       

北日本にも地方自立への受け皿が、またひとつ登場したのだろうか。

   

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北東日本の拠点都市 -仙台
    
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僕にとっては、知れば知るほど興味わく、
奥深い「東北」ブロックである。

     
     

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JR仙台駅で

    

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伊達の血を引く進取の土地柄に期待   -伊達政宗騎馬像

      

     

     

ところで今日、2日は旧暦の大晦日。

  
中国の北方では、今頃家族総動員で餃子を包んでいることだろう。

     

     

先週に続き、明日から中国南部に行って来ます。

    

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越年食材が並ぶ香港・上環問屋街   1月26日撮影  

  
  
   
躍動CHINAの正月風景に出会えるだろうか?