最近、たまに一泊二日の海外出張をすることがある。
国際航空路線ほかアジアの交通インフラが発達した賜物だ。
先日もまた中国上海に一泊二日の弾丸出張を敢行した。
しかも今回は、上海だけでなく、浙江省杭州、江蘇省某市の
長江デルタ3都市を実質34時間で駆け巡る
超ウルトラハード強行スケジュールとなった。
福岡から上海まではわずか90分あまり。
そのまま上海虹橋新幹線駅に直行。
とてつもない広さの待合コンコースに、
とてつもない数の乗客が列車を待っている。
巨大中国。
脅威と映るか、後進と映るか、
それとも市場と映るか、チャンスと映るか?
あの事故からちょうど一年の新幹線(高速鉄道)に乗車し
わずか一時間足らずで杭州に到着。
1980年代初めにプロジェクトで杭州に通っていた頃、
確か3~4時間かかっていたことを思うと
ほっぺたをつねりたくなるような信じられない速さだ。
しかし、駅に降りたら、雨模様も手伝って
タクシースタンドは長蛇の列。
100人以上は並んでいた。
これも昔では考えられなかった光景。
世界文化遺産に指定され、万里長城クラスの
中国を代表する観光資源である西湖を横目に
ビジネスは時間との闘い。
この日も水墨画のごとき絶景 -西湖
その名も高き名料亭で打合せ。発祥とされる東坡肉(トンポーロー)など杭州名菜を一口も食することなく後にした…
ここで最も有名なレストラン「楼外楼」、
かつては杭州飯店と呼ばれた有名ホテル「シャングリ・ラ」で面談して
とんぼ返りで上海に戻る。
新旧織りなす上海の外景
慣れた街とはいえ、毎日変わる外観にいつも戸惑うメガシティー。
常態化した上海の交通渋滞
翌朝、専用車で江蘇省へ。
場所も、目的も明かせないが、
今、世界で最も注目されているハイテク機器の成約調印に立ち会う。
上海ガニで余りにも有名な地域ブランド「陽澄湖(ようちょうこ)」を通り過ぎる
生産も消費も、そして技術レベルも中国が世界一という
まさに世界中が注目している分野の最前線事情について
どうして日本人は、マスコミを含め理解を深めようとしないのか?
領土問題も当然重要だが、
世界やアジアがどんどん変わっている現実から目を背けることの方が
もっともっと脅威である。
調印を終え、これから日本が望むも望まぬとも関わらず
漕ぎ出さねばならないグローバルビジネスの厳しさを噛み締める間もなく、上海経由で忍者のごとく帰国した。
日本との往復を含め、わずか2日間で
これだけの行程を走破し、
これだけの案件を処理する時代となった。
ニッポンは、日帰りでさえ行ける伸張アジアの真っ只中にいる。
この現実も忘れてはいけない。