震災直後、仕事ですぐに何も出来なかった僕は、
多くの皆さんと同様、自分にも何か出来る事はないかと、
福島、宮城、岩手、東京のキーマンの人たちからの要請を確認した上で
無い知恵を絞りつつ、幾度か救援物資を送ってみた。
今日もまた、その配送先からお礼状が届いた。
この便りは、特に就学児の皆さんに文房具などを送って欲しいという要請に基づいて送った荷物に対する、宮城県女川町の中学生からの便りである。
「このたびは女川****校にたくさんの学用品を送っていただきありがとうございました。
いつも何気なく使っている文ぼう具がこの災害を経験してから、今の私たちにはなくてはならないものだんだということを教えられました。どこの誰とも知らない私たちに「何が必要だろう」とたくさん頭を悩ませていただいて本当に感謝しています。いただいたものは大切に使わせていただきます。みなさんのあたたかい気持ちを忘れずに過ごしていただきたいと思います。」
一文字一文字丁寧に書いているのが伝わる。
いったいこの生徒さんはどれだけ思いやり深く、
想像力を働かせることができる人なんだろうかと
頭が下がってしまう。
それに彼女の両親は、学校は
一体どんな教えを施しているのだろうか?
友達は、地域は、どんなコミュニティーなんだろうか?
もう一枚、
「このたびは、たくさんの学用品を送っていただきありがとうございます。私たちの町は、たくさんの被害にあいました。そして、たくさんの思い出や物などが流されてとても悲しいです。でも、その中、たくさんの方々がきたり、いろいろな物を送られて笑顔になりました。みなさんのあたたかい気持ちを忘れず、私も一生懸命がんばりたいと思います。今回は本当にありがとうございました。」
胸が締め付けられるほどの辛い思いと底知れぬ温かな心根が伝わってくる。
日本で一番、物の大切さを知り、人の心の温もりを感じ取れる人に違いない。
いつもだけれど、僕の方が学ばされる。
現地で絶え間なく支援活動を続け、呼びかけてくださる加藤先生、白石先生、本当にありがとうございます。
また、一緒に物心両面にわたりご支援いただいた宮崎県川南町の「お茶の大塚園」の大塚様、河野農園の河野様、貴重な情報を下さった柴田様に心から厚くお礼申し上げます。
また、明日19日から海外へ1週間出張します。
礼状を送ってくれた、このまだ逢ったことのない女学生さん達には、海外から返事を出すことにしよう。
一通の葉書 15×10センチ大が、こんなに広く大きく見えたことはなかった・・・。