青葉茂れる街で

            
中国・上海に行って来た。

      
    
一日目の23日は、梅雨を思わせるようなジメジメした雨模様。

   

Dsc_5624     上海最初の訪問先 -陸家嘴
   

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“第2の創業精神を発揮して、さらに浦東の開発開放のスピードを上げよう”
 この国はどこまでもスピーディでポジティブ

      

     
でも、小雨模様の南京路は久しぶりだったが、
路面に虹色のネオンが柔らかく反射して、
“元祖繁華街”の趣きを漂わせていた。

     
    

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二日目は、一転して快晴となり、気分爽快。

   

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僕が初めて上海を訪れたのは1978年だから、もう33年にもなるけれど、この季節、初夏の日差しに映える街路のプラタナスの蒼々しさと木陰の爽やかさは、当時とまったく変わっていない。

       
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一全大会跡地

    

    
でも、この間“滄海変じて桑田となる”を地で行くように、
上海は世界で最も短期間で大変貌した街となった。

     

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今回の上海行のテーマは、
一人でも多くの人に逢って、現場の話を聞く、聴く、訊く。

      

そして自分なりに、これからの行方を、
「中国の」ではない、祖国日本の行方を考える、考える、考える。

    

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増え続ける自家用車  その後は?

   
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一気に情報が氾濫し始めている

         
        

上海在住の事業者、駐在者、市民など多くの皆さんから
本当に貴重な情報やお話を伺った。
             

この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。

      

       
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もうこの街でも夏商戦が始まっている

           
        
       
心こもった熱い言葉の節々に、
我々に対する手厳しい指摘や苛立ちの思いの分だけ、
これからの日本に対する期待と希望と夢を感じる上海訪問となった。

     

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カルチェも上海小姐がさらに美しくエレガントになるのを応援する                     

古株香港ファンの嘆き

       
節電、節水、節約、節制・・・。

      
    
1000年に一度という甚大な災害が起こった以上
国民は被災地に思いを寄せながら
当然のことと受け止め、毎日「(かゆ)すする日々」を過ごしている。

   

   
日本では、粥をすするというと
赤貧洗うがごとき暮らし向きや
体調が悪く消化の良い物を摂っているというような
形容に使われる。

     

      
中華圏ではお粥は日常食で
特に香港を中心とする広東地方では
広東粥として鶏出汁や塩味の利いた粥ベースに
正肉や臓物、魚、野菜、皮蛋、ピーナツなど
様々な具や薬味が選べ、立派な庶民派料理としてファンも多い。

   
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でも、僕も好きなこのお粥、
なんとなく香港でも今まで以上に粥をすすりたくなる気分になっているのである。

   

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土鍋の広東粥には白胡椒が良く合う

        

前夜の食事がもたれているせいもあるのだけれど、
以前に比べて物価が大幅に上がっているのだ。

    
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潮州料理の「凍蟹」も以前は普通に食べられていたのに…

      
        
金遣いが荒いのは、どうも中国などからの駐在員や旅行客で
地元の人はあまり浮かれた感じがしていない。
   

つい最近までは日本人の団体客や社用族が幅を利かせていたけど、今は昔の物語。
          
     

住宅街の多いちょっと郊外の飲茶レストランに行くと
客は多いのだけれども、なんとなく景気がいい雰囲気でもない。

    
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香港で食事をするとしみじみとそう感じるようになった。
90年代頃までは、4~500円も払うと結構おなか一杯食べられたものだが、今ではちょっと気を許すとすぐに3000円なんて伝票を突きつけられることがある。

       
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最近は財布の中身と相談しなければ飲茶ランチも摂れない

     
         
240円の牛丼や100円バーガーが出現した我が日本を観ると、
過去のイメージとの内外ギャップに混乱しているのは、
僕のような古株香港ファンだけなんだろうか?

   
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でも、僕の一番お気に入り、
舌が焼けそうなくらいアッツあつ、トロッとろの「豚レバーがゆ(猪肝粥)」の馥郁たる味わいは、30年近くたった今でも変わっていない。

    

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もうこれから高級宴席料理は滅多に口に入らないだろうけど、広東粥だけはいつまでも僕の舌の上を楽しませてくれるに違いない。
                    

世界は動いている

         
昨夜まで、再び香港に行ってきた。

      
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相変わらず中国大陸からの観光客・ビジネスマン、買出しの商売人まで、あらゆる人たちがこの活気ある街にやって来ている。

   
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繁華街の様子を見ると、高級貴金属の新店舗が軒並み新装開店していたり、ブランドショップの活況も日本の比ではない。

   

高級デパートやストアに行っても、家電製品や食品、衣類など
信じられないくらい売れている。
      

これはとんでもない景気の爆発か?? と思えるほどだ。

    

    
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不動産も天井を突き抜けている。

    

その一方で、最低賃金だの、通勤費補助だの、と
かつての自由放任主義(レッセフェール)はどこへやら
もう訳がわからないほど。

   
逆に香港の人が中国に職探しに行ったり、
買い物に行ったり、住む部屋を求めたり、
結婚相手を探したりしている。

   
エエッ!玉の輿に乗るなら中国人??

逆じゃなかったの?

     

ビジネスの話題も投資話ばっかり。

      

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しかし、現地のテレビや新聞のニュースを観たり、
ビジネスパートナーと情報交換するうちに
更に新たな様々なことが見えて来た。

     
    
今や、アメリカ、欧州、日本という三極の経済がどこも危機的な状態の中、新興国の代表的存在である中国に事業も資金も注目も集まっている。異常なくらいに…。

      

香港や中国、台湾を舞台にすさまじいスピードで、すさまじいことが、すさまじい規模で進んでいる。
     

       
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九龍・ネイザンロード

   
   

震災復興真っ只中の日本の報道を通じては、
今世界で何が起こっているのか、絶対に分からない。

       
仕方の無いことだが、これからを生きるビジネスマンならチェックを怠らないよう注目を喚起しておきたい。

 
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従来の延長線上の発想で政治や経済を考えていて良いか
これからの日本や地域、組織をデザインする人はぜひ問い直してみて欲しいと思う。
     

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いま世界は、アジアは、どこに向かおうとしているのか?           
         

サクラと人出(その4)

    
(前回から続く)

     
京都市外から車で30分も離れると、もう郊外の緑に溢れた景観が沿道に広がる。山桜も一際美しい。

   

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京都といえば町屋に寺院、道路が碁盤の目に広がる古都のイメージだが、南北にとても長い、自然溢れる農林水産資源の宝庫であることは、誰も想像しない。
     

京都府が日本海に面していることも知らない人は意外に多いみたいだ。

     
    
      
ここは府中部の京丹波町

    

マツタケや黒豆、栗で有名なこの土地も、挑戦的でユニークな農業への取り組みが進んでいる。

   
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花菜と呼ばれる

  
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全国ワイドの販路をしっかりと確保した上で、消費者ニーズに的確に対応した生産体制が整備されている。

   
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イチゴの高設栽培

    
大手製造メーカーの工場の管理手法を随所に採用した近代的な工程管理は目を奪われる。

   
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種苗から、工具、農薬に至るまで見事に管理されており、整理整頓、清掃整備が行き届いている。

   
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これも管理のほんの一部

      

    
もともと自動車メーカーのカンバン方式は、日本の農業を参考にしたとも言われている。

   

ニッポンの強みは世界に通用する。米豪式だけが国際標準なんかじゃないはず。

    
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また、この農場は人材の育成にとても力を入れており、全国から研修生を受け入れている。

   

農業もまた人なり、である。

         

ヤッパリ「徹底こだわり京都」なんだなぁ、と改めて感心する。

    

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丹後地方の春

       
      

       
更に車で北上して綾部市のナス生産者を訪ねる。

    
   
京都といえば、賀茂ナス

     
      
ハウスの中は苗を定植して2週間目だそうであるが、整然と植えつけられているナスの苗床を見て息を呑む。

   
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V字型に伸びた支柱の据付から畝の管理まで、これが自然物かと疑うほどの整然振りだ。

   
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見た目だけではない。管理手法の話を聞くと更に肝を抜かれる。

    
     
気の遠くなるような手間のかけ方と長年にわたり研鑽を積み上げてきた技術ノウハウと応用力。

   
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ここまで丹精こめて出来上がる賀茂ナスは、ひと玉350円前後で販売されるそうだが、僕は、
     

だから京野菜は高い。」から

    

京野菜は安すぎるッ!!」へと考え方が変わってしまった。

                

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立派な加茂ナスが生長している

     
    
経験豊かな農園主にも若い後継者が出来て、益々頑張っている。

  
京都市内の料亭からも絶対の信頼を受けているから。
        

     
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「さあ、どんな販路開拓作戦が練られるか???」

       

1時間半かけて桜咲く京都の街に戻る帰路、
僕の頭は「近代農産地区-京都」にイメージチェンジがすすんだ。
                                         (シリーズ終わり)
                   

サクラと人出(その3)

     
(前回より続く)

   
今年の春は人出が少ない京都とは言え、
やはりサクラの季節は一見の価値ありだから
仕事が終わるやいなや夕刻、時を惜しんでにわか花見に興じる。
     

数週間タイムスリップしたつもりで、数枚京都の画像をどうぞ。

    
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鴨川沿い

  
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高瀬川沿い

     
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"外人さん”がめっきり減ってしまった・・・

   

Dsc_2833        白川沿い 
       

今年は開花が一週間遅れたので4月中旬でも見事だったが、
散り始めた花びらの絨毯が時の移ろいを感じさせる。

     
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忘れられない複雑で特別な思いの今年のサクラでした。
                                             (次回に続く)

  

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三条大橋の袂で
               
                  

サクラと人出(その2)

         
(前回より続く)

     
クラの季節に京都に行くのは、
観光客が滅法多いから人出に弱い僕には少し億劫な季節。

      

ところが、今年だけは京都駅に着くと、いつもと様子が違う。

   
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JR京都駅コンコース

     

なんとなく行き来する人が少なくて、調子が外れる。

   
    
駅前のバス停に行って、さらに驚く。

   
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去年3月末の京都駅前のバス停はこんな感じだったと言えば、
さらに実感する。

  
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昨年3月末・平日の京都駅前

         

       
   
その日も、夜11時過ぎに白熱した会合もようやく終了。
       

プロジェクトの副会長さんが、
せっかくこの時期なんだから、円山公園のサクラを観に行きましょう。」と
深夜にもかかわらずわざわざ案内していただいた。

  

八坂神社の正門から境内に入ると、京都で生まれて育った氏が
アッと小さな声を上げて驚いた

    

もう何十年も当たり前からそこにあるはずの夜店が出ておらず
閑散としていると言うのだ。
     

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この辺にいつもはお化け屋敷や露天があるばずなのだそうだ。

   
それ以上なにも語らずとも、異常事態であることは僕にも容易に想像がつく。

      
       

れでもさすがにメインの枝垂桜の存在感はものすごい。

    
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こんなに人出を気にせず、じっくりと京都で夜桜を愛でる事ができたのは初めてかもしれない。

  
       
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そのくらい花見客がいないことは初めて。

 
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坂本龍馬も愛でたであろう巨木の側では
ちょうど副会長さんと長年親しい、夜店のベテラン主人がちょうど店じまいをしていた。

   
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今年は、花見客が4割くらい減ってるよ。海外からの団体客はゼロだし、東京以東のお客さんの落ち込みが激しくって…。」

      

かける声も出なかった。
                                                                                                (次回に続く)

      

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サクラと人出(その1)

      
(先回から続かない)

ップが滞ってしまい、申し訳ありませんでした。

         
ゴールデンウィークも終盤、皆さんはいかがお過ごしですか?

    

    
経済紙を見ると、GWの観光地が意外に活況を呈しているという記事を発見して、とてもホッとしている。近場で値ごろ感のあるレジャーに観光客が「押し寄せて」いるらしい。

   

上野動物園や八景島、長崎ハウステンボス、三重ナガシマリゾートなどが好調だとか。

        
広報活動やマスコミを通じて、自粛・萎縮から行動へシフトに切り替わっている兆しかもしれない。

         
         
振り返ってみると、
つい先日まで信じられない観光地での光景を目にしていたから。

    
       
     

・・・去ることひと月前の4月13日。

春の最大の観光地・京都に出張した時のこと。

      
       
3月12日に九州新幹線が開通したが、
「さくら」という名の新幹線があることを知らなかった。

     
     
京都駅に着く。

        

毎年、サクラの季節に仕事で京都に出張に来る時は、結構ストレスになる。
     

何しろ、人出が物凄く、交通機関からホテル、飲食店までとにかく街中がごった返す。

     
     

一年前の3月末もそうだった・・・。

                                      (次回に続く)