秋色に染まる台北で研鑽に励む日本の農業支援者と出会い、大いに刺激を受ける

日本で大きな被害をもたらした台風26号の影響で
台北も終日雨に見舞われた後、この日は気温が下がった。
 
寒さに弱い台北の人は、冬の出で立ちのように厚着をして
街を歩いている。
 
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もっとも僕は半袖のポロシャツのままなんだけど。
 
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郊外の基隆山もすっかり秋の気配だ。
 
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台北では、九州を拠点に農業支援活動に従事している
Sさん、Tさん、Hさんと合流。
 
この3人は、農業・農産物流通支援のプロフェッショナルで
海外展開支援についてもかれこれ10年に及ぶ経験を積んでいる。
 
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その上に立ち、これからは単なる一方的輸出ではない、
日台双方の農業生産者に共にメリットが生まれる
競合ではない共働・共生のモデル構想を実現すべく、
そのためには自分の言葉でのコミュニケーションが不可欠と一大決意。
 
10日間の時間とコストを投資して
中国語習得と台湾の文化や流通理解のために台北に滞在している。
 
 
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台南・関仔嶺産のポンカンがお目見えした
 
 
自らで定めた夢や目標を持ち、
常識セオリーという名のおのれの壁を破って
学生時代に戻って缶詰勉強したり、見聞を広めるその表情は
イキイキ、ワクワクそのもの!
 
やる事が目の前に次々と拡がってきて
時間があっという間に過ぎて行くのが見て取れる。
 
 
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台湾でも秋の味覚の代表のひとつ 柿。 かつては日本からも盛んに輸入されていたが、今では台中和平区にある摩天嶺産のブランド柿の登場で苦戦を強いられている
 
 
僕は、このハングリー精神のような活力元気を
これまではアジアの人たちから感じていたのだが、今は逆転。
 
 
どっこい日本人も、アジア新興国の人たちと変わらない
自分で考え、行動する、強力なチャレンジャーたちが輩出している。
 
 
Dsc05227台北の乾物問屋街のニンニク専門卸の店頭で
 

晩秋の香港で季節の変化だけでなく、社会の無言の転節のようなものを感じた海外出張だった

の一週間、香港台湾に行ってきました。
           

いつの間にか、暑くもなく寒くもないちょうどいい季節に入っているようだ。

   
          
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夕暮れ時のビクトリア湾
        

 

翌日からまた国内出張に出ていますから
今回はスナップ画像のみアップします。

   
HONG KONGの街頭の雰囲気が伝わりますかどうか・・・。

 

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日本人に替わって中国大陸からの観光客で今夜も一杯。でもひと頃より高額消費が減っているという

   
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鮮やかすぎるほどカラフルな街頭も、慣れるとしっくりと目に入るもの
             

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街なかの喧騒から、地域の鎮守廟に駆け込み、ひと時の静寂に心を癒す
             

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香港式飲茶も、最近は財布の中身を確認してからでないと行けないほど値段が高い店が多くなった
          

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涼しい気候になって、なんとなく緑鮮やかな葉物野菜が多く出回るようになった気がする
         

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香港では以前から高級レストランやホテルでは生牡蠣がよく食べられており、根強いファンが多い
          

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毎夜、白人系の酔客を集める蘭桂坊もハロウィンの飾り付けだ
        

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セントラル地区の石板街(ポッティンガーストリート)もこの時期は、ハロウィングッズの屋台街に変身する
          

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高層建築の工事でも、香港では足場は竹。しなやかな伝統技術
           

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辺り一面に甘い薫りが漂う港式叉焼(香港式チャーシュー)
            

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大量の中国大陸からの観光客や移民を受け入れながら、どことなく大人の振る舞いになった香港人社会の無言の変化を感じ取った数日間だった。
            

これが意味するところは、
今後の香港マーケット分析、チャイナウォッチングをする上で、注目すべき転換点のような気さえした。

 

 

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TOKYO autumn. 2013

   

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climax series
 
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beer
 
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Ocha-no-mizu
 
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yuru-chara
 
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nihon-bashi
 
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family
 
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robot restaurant
 
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sky
 
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a・n・shi・n
 
 
 
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東京都心でも元気な中小企業経営者との出逢いに心ときめかせた日

東京都荒川区
企業と専門家のマッチングフォーラムが開かれた。
 
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僕はこの3年間、
荒川区産業経済部のすすめる産業クラスター事業
MACCプロジェクトに縁あって交流を続けている。
 
 
MACCとは、ものづくり荒川シティークラスターの頭文字をとったもので、区下の広範な中小企業に対する支援活動を積極的に進めていている。
 
区長をはじめ、事務局スタッフ、企業家の皆さんの積極的な活動は出色で、その向上心に満ちた連携ぶりと新たな出逢いはいつも新鮮な驚きに満ちている。
 
 
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フォーラム席上で力強い挨拶をする西川太一郎荒川区長
 
 
この日もたくさんの企業や支援関係者が集まり、
法務や税務、デザイン、IT、省エネ関係の専門家との
マッチッングがあちこちのブースで展開された。
 
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10名単位のグループに分かれた企業家の皆さんの前で、専門家の方がプレゼンを行い、質疑応答や今後のサポートのきっかけを創るユニークな形式だ
 
 
僕もビジネス支援というカテゴリーで
多くの元気な企業家の皆さんと交流した。
 
 
大東京首都経済圏とはいえ、地方と変わらず販路の閉塞感、事業や技術の継承問題など中小企業の経営環境は益々厳しさを増している。
 
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でも、すでに中国や東南アジアでビジネスを展開している元気な会社もあるし、海外の世界的メーカーから技術供与の打診を受けている企業もあるから、ニッポンの中小企業の存在感も、世界に目を向ければまだまだ価値あるものが多いと頼もしく感じた。
 
 
荒川区の熱心なクラスター活動は必ず実を結ぶと確信している。
 
 
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花開いたクラスターの姿のように目に映る
 

京都市から3時間のちりめんの里で、前のめりの人たちと熱い出会いがかなった

この間、関西と関東に出張していました。
県名で言えば、京都、東京、神奈川です。
 
 
はじめに訪れたのは、京都府の京丹後市
 
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日本海側に面している風光明媚なところで
西隣りはもう兵庫県境。
 
城崎温泉と言えば知っている人も多いだろう。
 
 
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京丹後市 峰山付近
 
 
京都市からは、まだ高速道路が貫通していないので
車で3時間以上もかかる。
 
この街にも今年もう2度目である。
 
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際立つ山海の景観もさることながら
ここで生産に励む人たちの気質、人情が
とても素晴らしいのだ。
 
新しいことにチャレンジする精神、
広い好奇心、そしてとても楽観的な人が多い。
 
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この日は、そんな地元京丹後市や与謝野町、綾部市などから
台風襲来間近だというのに生産者や支援者の方が集まってくださり
情報交換をさせて頂いた。
 
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会場となった吉翠苑
 
 
丹後と言えば、高級絹織物の丹後ちりめんがあまりにも有名だが、
食味優れる米、梨、京野菜、畜産乳製品、農産加工品、豊かな水産物などに携わる元気な生産者の皆さんと交流が実現した。
 
 
 
夕刻の帰路、与謝野町、天橋立のある宮津市、京丹後市を通って
京都の町に戻った。
 
 
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僕は素材としてのシルクに、今とても興味を持っている
 
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高速道路がまだ完成していない区間の
京丹波にある道の駅では、秋の産物がたくさん。
 
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地域ブランドの先駆けとしての存在感。
 
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京丹後の顔の見える生産者の皆さんの前のめりの表情、そして
甘辛い味付けのサバのそぼろが散りばめられた
丹後バラ寿司のお弁当のふくよかな味が忘れられない。
 
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宣伝部長 台湾に現る!!

中秋節によく売れる日本の農産物と言えば
がすぐ頭に浮かぶ。
 
 
満月に見立てた大きな梨は、
化粧箱に入れられて、中元のように
贈答品としてもとても喜ばれている。
 
なかでも鳥取県の二十世紀ナシは
香港や台湾でも特に人気が高い。
       
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台北の青果市場でももうすっかりお馴染みの鳥取梨
 
 
長年に渡る関係者の努力が実を結んだもので
現地の人たちは心待ちにしているし
またかつて日本でも
そのみずみずしさが光り輝いていたこの品種は
海外市場は、なくてはならない重要な存在なのである。
 
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最近の韓国勢の売り込みは激しい
    
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地元台湾の高接梨(台中・東勢産)も侮れない 
 
 
他にも大分県の日田梨も近年台湾などの販路拡大に熱心だ。
 
 
今年、特に目立ったのが、熊本県JAやつしろの吉野梨だ。
 
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青果卸売市場で最上顧客向けにギフト
 
 
高級デパートだけでなく、青果市場や街の大きな果物屋にも並んでいて、あちこちで見かけることが出来た。
 
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ギフト用にパッケージも一新され、目の肥えたプロたちも
お気に入りのようだ。
 
 
 
と、
台北の中心部で週末、大勢の人が集まっていて
たいへんな騒ぎになっていた。
 
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どこかで見たことがあるような…。
 
 
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そう。くまもんだ。
 
 
もうあちこちで大フィーバーである。
 
 
 
小さな子供はもとより、若い女性やお年寄りまで
大変な人気ぶり。
 
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“ゆるキャラ”のことを吉祥動物なんて訳してた
 
 
あまりの熱狂ぶりに近寄ることも出来ない始末だった。
 
 
そして傍らには、サツマイモをはじめ10種類を超える
熊本県の秋の青果物がしっかりと販売されいて
地元の消費者が手に取って、試食して、買い物を楽しんでいた。
 
 
よくこのようなイベント傾向を良しとしないと唱える人もいるが、
ただイベントで終わらせるか、これを活用して動きを創るかであって、
それは当事者の取り組み意識と知恵の問題だ。
 
くまもんの追い風を背景に
これだけ多様なチャネルに、拠点も台北だけでなく
しかも中秋のギフトシーズンに合わせた
商品の作りこみと販売先を多様化し緊密化を図り、
しっかりと継続的な販売に向けて一歩を踏み出している。
 
 
 
熊本県の宣伝部長も大いに貢献してくれている。
 
 
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観光夜市にも突然現れた!!  この数十秒後にはあっという間に人垣が…
 
 

中秋の楽しみ方 IN 台湾

もうひとつ中秋節の話題を。
 
 
中秋節は、中国大陸をはじめ、香港、台湾、韓国、東南アジアで
広く祝われるが、その中でなぜか台湾だけで行われている楽しみがある。
 
 
それは屋外バーベキュー(烤肉)をすること。
 
 
僕が滞在中、中秋当日ではなかったが、
庭先やガードの下、河川敷などで楽しそうに
バーベキューをする様子を目撃した。
 
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この時期スーパーでは、バーベキュー材料の特設コーナーを設けて販売している
     
 
 
なぜ台湾だけ中秋節にバーベキューをする習慣があるのか
現地の人にいろいろ訊いてみたが、
諸説あるらしく定かにならなかった。
 
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鮮魚コーナーもエビやホタテなど大売出しだ
 
 
中秋の晩にたまたま戸外バーベキューをしていた。
 
それを真似て近所でもバーベキューをするようになった。
 
 
そこまでは諸説だいたい同じ。
 
 
あちこちでチラホラ見かけるようになったところで
 
ある説では、醤油メーカーが仕掛けて
焼肉のたれを売るのに
中秋にバーベキューしよう!
と宣伝したというもの。
 
 
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大手メーカーのバーベキューソース    写真と文は関係ありません
 
 
別の人に訊いたら、
日本の某ビールメーカー
プロモーションの一環として
中秋のバーベキューをイメージして
ビールの宣伝攻勢をかけて
広まったという説なんかもあり、なかなか面白い。
 
 
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ビールが山のように積まれている    写真と文は関係ありません
 
 
誰か真相を知っていたら教えて頂きたいものだが、
いずれにしても広告代理店の上手い仕掛けのような気がする。
 
海外で常に販路開拓に余念のない僕にとってはとても参考になる。
 
 
実はこの時期、日本から台湾向けに輸出が伸びるバーベキュー素材となる農水産物や冷凍食品があり、シーズン前に提案することをアドバイスしている。
 
 
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中華風餅や臭豆腐もバーベキュー素材なのか  ※上記の画像はすべて店舗責任者の立ち会いの上で撮影しています
 
 
実は、商品を売る仕掛けにも参考になる考え方で、
身近にもバレンタインデーのチョコレートだとか
節分に巻き寿司を丸かじりするという恵方巻きなんて
最近のヒット作だ。
 
 
食を尊ぶ中華系の人たちにもさまざまな習慣があるが
現代の食でも応用できそうだ。

中秋の名月二題

旧暦の8月15日は、日本ではお月見(観月)
中華圏では中秋節といって日本以上に盛大に祝う。
 
今年は9月19日がちょうど中秋にあたる。
 
 
香港では公休日が1日ある。
 
広東式の月餅を贈る習慣がある。
 
 
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広州の蓮香楼という老舗レストランのものが特に有名で、
このシーズンに広州や香港に出張すると
缶入りの月餅をあちこちから頂くことになる。
 
 
これがまた、持って重たいし、
食べると日本人には喉につかえるほどずっしりとヘビーで
正直いくつか溜まると処分に困る代物だ。
 
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皮にも餡にもラード(豚脂)や砂糖が入っているからね。
 
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夜空にぽっかり浮かんだ満月に見立てて
 
 
それでも香港にいた16日には
半島酒店(ペニンシュラホテル)の月餅は、すでに売り切れていたし、
兄弟ホテルの九龍酒店(カオルーンホテル)でも
引換券を持っている人優先の人気ぶりだった。
 
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(この二店は確かに日本人でもファンの多い月餅だ)
 
 
 
翻って台湾。
 
 
今年は前週の土曜日を振替出勤にして
中秋から4連休にするほど盛大に祝う。
 
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台湾式の月餅は広東式と異なり
皮がサクサクした感じで、
緑豆や肉みそのような餡が入っている。
 
 
この日も商談の場で台湾式月餅が登場した。
 
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皮がポロポロこぼれて食べにくいのが難点だが
これも香港同様、お節句の大事な食文化だ。
 
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露店でもあちこちで売られている
 
 
ちなみに、台湾では、中秋節にはもうひとつ欠かせない果物
文旦(ザボン)がある。
 
 
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特に台南の麻豆産や新北市の八里産、花蓮の鶴岡産などが
よく知られている。
 
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八里の文旦農園で 2012年5月
 
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僕は中秋前日の18日に香港台湾を離れたが
巨大台風が接近していた。
 
 
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みんな満月を愛でることが出来たのだろうか?