“チュッちん ヤッてぃん”

            
1982年に初めて香港に行った時、
ある何気ない日本食品が、この街で圧倒的なブランドを確立しているのに度肝を抜かされたことを覚えている。
         
     
それが“チュッちん ヤッてぃん”。
 
 
パッケージを見ると日本人なら誰でも知っている、おなじみのアレ。
   
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いや、香港人の方がずっとよく知っているともいえる。
          
 
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このかわいいキャラクターを香港では「チェンちゃい(清仔)」と呼んでいる     
 
 
当時、このことを香港の友人に話題にする度に
「これはいったいどういう意味か?」と聞かれ
閉口した思い出がある。
 
そう、この漢字のままでは中国人には意味不明なのだが、
みんなそのまま知っているのだ。
    
 
ニッポンブランド強し!!
 
 
香港の七不思議の一つに
あれだけグルメの香港人が朝食にインスタントラーメンを
外の食堂でも普通に食べるのだ。
 
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その上、目玉焼きやプレスハムなどをトッピングして、なぜか洋皿にフォークで食べるから傑作
 
 
しかも、メニューには、出前一丁を特別に指定する場合は
プラス2元なんてプレミアムになってるんだ。
      
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ちゃんと出前一丁であることを証明するために、必ず添付のごまラー油を添えてくるってのが傑作じゃないか
     
    
日本では1968年最初に発売され、翌年には香港にも輸入されていたそうで、あまりの売れ行きにまもなく工場まで設立されたのである。
 
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いまや袋ラーメンの5割以上のシェアを持っているとも言われ、そのレパートリーも十数種類を数える大ヒット食品に成長している。
   
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今年の香港フードエキスポ2012会場で
    
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神戸照り焼きビーフ風味なんてある
    
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ビーフンタイプも
                
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XO醤シーフード味 想像もつかないが、実はここに「ニッポンを売る!」ためのいくつもの秘密が隠されている
    
 
バラエティーに富んだラーメンは
今や立派な日本の国民食ともいえるのだが、
麺文化発祥の中国でこれだけ健闘しているのだから
ニッポンも大したものなのだ。
    
         
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フードエキスポ2012で
    
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今日も街のいたるところで
チュッちん ヤッてぃんが売られている…。
    
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秋の風物詩 香港編

 
今頃の季節を形容して
天高く馬肥ゆる秋 なんていう言葉がある。
 
出典は中国の漢書であるが、私たちにもなじみ深い。
 
 
 
ところが、立秋を超えて
香港や広東の街中を歩いていると
こんな看板が目に入ってくる。
   
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秋風立てば 三蛇肥ゆる
 
馬と蛇では大違いだが、
そうなんだから仕方がない。
 
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街頭のレストランでこんな看板を見て、
秋の出で立ちに変わった若いOLたちや女子学生たちが
「わあ、おいしそう!」とワクワクするのである。
   
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どの店も一番のお勧めは、蛇羹(セーカン)という3種類のヘビ肉の細切りをシイタケやキクラゲなどと一緒に煮込んだとろみのあるスープだ。
 
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三種類のひとつアマガサヘビなんて
ずっと前、広東で生きているのを見たことがある。
   
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ネットから引用
 
 
確か金脚帯と呼び、黒と黄色の段だら模様の毒蛇で
ちょうど踏切の遮断機のような感じなのだ。
 
ほかに、コブラも三蛇のひとつである。
    
    
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毒が強いほど強壮に役立つなんて聞いたことがあるが
真偽のほどは定かでない。
 
 
 
さて、この日もレストランは満席。
 
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出てきた、出てきたっ。
これを目当てに来たんだもの。
 
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外見では何のスープか分からないけれども
上に載っている菊の花びらやレモン葉の細切り、
薄脆(ボッちょい)という薄揚げのクラッカーが載っていれば
誰もが蛇スープだと「安心して」口に運ぶのだ。
     
     
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このお店では、三蛇じゃなくて五蛇の豪華版! しかもアワビ入り
 
 
蛇の肉は見た目も食感も、ほとんど鶏肉と変わらないから
気にさえしなければ普通に食べられる。
 
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香港の人たちは、寒い季節にこれを食べると体が温まるといい、
また秋口に食べておくと風邪をひかないと信じている人も多い。
 
 
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今夜も若い女性で大賑わい
 
   
   
どこの国にも生活や気候に即した食文化がある。
 
 
 
外の安価な屋台や露店では、ヘビ肉の代わりに鶏肉を使って蛇羹だと称し、ずるい商売をしている輩もあるから注意が必要だ。
 
 
 
えっ⁉ 誰ですか?
 
 
コピーの方で勘弁してくれ、なんて言ってるひとは!!
 

それは秋の空から始まった

      

ふと頭上を見上げると、

あんまり秋空が美しかったので、
大分県日田市まで足を運んだ。
 
     
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うろこ雲いっぱい
       
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下半分が水面(みなも)に見える
     
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いよいよ収穫の季節。
 
モダン案山子(かかし)が出迎えてくれる。
 
   
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マイケル案山子?
     
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実りの秋を実感する
    
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ちょうど、小鹿田(おんた)焼の窯元で
民陶祭(陶器市)が開かれていた。
 
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登り窯と うろこ雲
     
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穏やかな心を取り戻すと
穏やかな日本の風景が見えてくる・・・
 
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厳しさを増す海外情勢だからこそ「原点に帰ろう」と、さらに海外展開をパワーアップさせる宮崎の生産者に力を与えられた

                  
半年ぶり以上になるだろうか。

宮崎を訪れた。

 

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大淀川河畔
     
     
朝晩は涼しくなったというが、昼間はまだ夏と変わらぬ暑さに汗をぬぐう。
そんな宮崎らしさを感じて、なぜかホっとする。

       
      
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宮崎空港到着ロビーにも
        
      
午前と午後の2回、県内の事業者、支援者の皆さんの研修会に参加した。
       
参加した初対面の人からは全員名刺交換を求められ時間が大幅超過するし、もう面識7年目、二世代に渡る付き合いになる法人協会の皆さんたちとは「原点回帰」という、とてつもなく嬉しいコンセプトで招いて頂き、海外・隣国とどう向き合うかというテーマで、参加者ひとり一人が熱く心中を語ってくれた。
      
断っておくが、このメンバーたちは、普段、農業に携わっている青年たちであるが、海外に関する情報や知識、認識力、頻繁な視察歴など、申し訳ないけれど東京大阪のビジネスマンをはるかに上回っている。

 

穏やかな性格の多い県民性の中にあって
ニッポンの元気な地域、農業創生を目指すこの仲間の皆さんたちは、全国に比しても5年以上も先を歩んでいると断言できる。
            

僕のパワー充電源となる
強力な自然エネルギー発電所!!
       

一日の終わりは、たまたま宮崎を訪れていた
僕の農業、ブログの師匠、やまけんこと山本謙治氏を囲んで宮崎応援談義に花を咲かせた。

http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/
「やまけんの出張食い倒れ日記」

         
       
その後、東北大震災、豪雨など大きな災害が続き、
多くの人の記憶から遠ざかりかけている口蹄疫
ちょうど2年を超えたが、この地ではまだ現在進行形である。
                  

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日本最大の支援体制

              
先週末、東京赤坂のジェトロ日本貿易振興機構)本部で
日本全国のジェトロ所長および農産物・食品輸出担当者が集まる情報交換会に参加させて頂いた。

           
会合では、農水省の専門担当官から
「海外における残留農薬の規制や課題について」
「米の生産状況と輸出について」
その他最新の施策や関連情報が交換された。
       

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毎回かなり専門的・ハイレベルなやり取りが行われており、
輸出の最前線では、科学的見地、政治政策的見地、経営実務見地等から、農産物食品輸出の現実は多岐にわたって展開されていることを実感した。

      
      
       
ジェトロでは、今年1月から新たに
農林水産物・食品輸出促進本部」が設置され、
全国の事業者を対象に支援体制が大幅に強化されている。

http://www.jetro.go.jp/news/announcement/20120201622-news

 

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まだまだ暗中模索の輸出事業であるが、
ジェトロの内外のネットワークと情報蓄積は
間違いなく日本一だといえる。

 

ほぼ全国の県庁所在地に「ジェトロ貿易情報センター」が窓口を開設しているので
輸出に挑戦する意向ある事業者は、ぜひ一度ここに相談されることをお勧めしたい。

                
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虎の門・霞が関オフィス街
          
                  

もうすぐ・・・(その2)

(前回より続く)

        
台湾では、月餅と並ぶ中秋節のもうひとつの定番と言えば
文旦(ザボンの一種)がある。

       
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中国語で「柚子(ヨウズ)」といい、
同じく中国語で子供に加護があるという意味の「佑子(ヨウズ)」と同音なのだ。
          

この文旦の皮をバナナのように縦にむき、
子供たちの頭にかぶせると、縁起がいいとされているとか。

 

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台南の麻豆鎮産が有名ブランドだが、
他にも雲林、花蓮産も近年ブランド化に力を入れている。

      
       

今年の6月に、日本の生産者の皆さんと台北西北部の八里という、丘陵広がる産地に交流に行った時も、ブランド文旦が栽培されていた。

         
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これも中秋節用ということだったから
きっと今頃出荷されていることだろう。

     
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青い果実も収穫してしばらく貯蔵しておき
表皮が黄変したら食べごろ。

   
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酸味は抜け、爽やかな香りととても甘い果肉が心地よい。
             

あま~い月餅に少々ゲッペイしてた口中がサッパリとして
思わず「これはいい」と心の中でつぶやいた。
           

領土問題で主張しあうのも必要だが
相手の文化を学び、自国の文化を発信するのも
同じくらい重要だと考える。

        
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八里の観光農園で。これなら子供連れがリピーターになる。 アイデア!