秋の風物詩 香港編

 
今頃の季節を形容して
天高く馬肥ゆる秋 なんていう言葉がある。
 
出典は中国の漢書であるが、私たちにもなじみ深い。
 
 
 
ところが、立秋を超えて
香港や広東の街中を歩いていると
こんな看板が目に入ってくる。
   
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秋風立てば 三蛇肥ゆる
 
馬と蛇では大違いだが、
そうなんだから仕方がない。
 
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街頭のレストランでこんな看板を見て、
秋の出で立ちに変わった若いOLたちや女子学生たちが
「わあ、おいしそう!」とワクワクするのである。
   
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どの店も一番のお勧めは、蛇羹(セーカン)という3種類のヘビ肉の細切りをシイタケやキクラゲなどと一緒に煮込んだとろみのあるスープだ。
 
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三種類のひとつアマガサヘビなんて
ずっと前、広東で生きているのを見たことがある。
   
Bandedkrait
ネットから引用
 
 
確か金脚帯と呼び、黒と黄色の段だら模様の毒蛇で
ちょうど踏切の遮断機のような感じなのだ。
 
ほかに、コブラも三蛇のひとつである。
    
    
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毒が強いほど強壮に役立つなんて聞いたことがあるが
真偽のほどは定かでない。
 
 
 
さて、この日もレストランは満席。
 
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出てきた、出てきたっ。
これを目当てに来たんだもの。
 
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外見では何のスープか分からないけれども
上に載っている菊の花びらやレモン葉の細切り、
薄脆(ボッちょい)という薄揚げのクラッカーが載っていれば
誰もが蛇スープだと「安心して」口に運ぶのだ。
     
     
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このお店では、三蛇じゃなくて五蛇の豪華版! しかもアワビ入り
 
 
蛇の肉は見た目も食感も、ほとんど鶏肉と変わらないから
気にさえしなければ普通に食べられる。
 
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香港の人たちは、寒い季節にこれを食べると体が温まるといい、
また秋口に食べておくと風邪をひかないと信じている人も多い。
 
 
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今夜も若い女性で大賑わい
 
   
   
どこの国にも生活や気候に即した食文化がある。
 
 
 
外の安価な屋台や露店では、ヘビ肉の代わりに鶏肉を使って蛇羹だと称し、ずるい商売をしている輩もあるから注意が必要だ。
 
 
 
えっ⁉ 誰ですか?
 
 
コピーの方で勘弁してくれ、なんて言ってるひとは!!
 
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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。