人生で一番高いところに登った日(その1)

中国の有機食品の認証団体に招待されて雲南省に行った時の事。
予定通り有機農場の見学などを終え、帰国の途に就こうかという時突然受け入れ団体のほうから明日サプライズを準備してるからとせわしない。

翌日、普段着の薄いジャンパーにシャツとスニーカーという普通の格好をして出かけた。行先も告げずに。マイクロバスに乗って、深い谷底から数時間山道を登っていく。お決まりのエンストをしながら。

急峻な山道が続いたかと思いきやいつの間にか切り立った崖の上にいた。そこは断崖絶壁で崖の下は1000m以上もあり、ガードレールもないから離合するたびに生きた心地がしなかった。

一歩間違えると奈落の底。車とすれ違うたびに、車内に「おお~っ」とどよめきが起きる。

精も根も着いた付き果てて着いたところはなんと標高3300mを超える地点だった。

これから玉龍雪山に登るのだという。「こんな軽装であんな高い山に?!」驚愕した。山小屋でジャケットと巨大な枕型の酸素バッグを借りてロープウェーに乗りこむ。

私たちの乗ったロープウェーは、わずか十分足らずの遊覧飛行だったが、その間、現地ガイドが言うには、山頂は5,580mでまだ誰も登頂したことのない処女峰であり、そこに横たわっているのはなんと10億年前の氷河であるとのこと、であった。

(シリーズ続く)

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。