晦日締句

       
今年、あまりの艱難が続いたニッポン人なら誰でもそうだったと思うのだが、僕も
いまは立ち止まってはいけない、と
何かに背中を押されるように飛び回っていたら
あっという間に大晦日になってしまった。

       
     

一体、今年僕は地域のためにどれだけの事が出来たんだろう?

     

少し振り返ってみれば、
昨年は宮崎県で発生した口蹄疫に多くの仲間の苦悩を垣間見、
今年に入っては、同じ宮崎の新燃岳噴火に始まって、
東日本大震災の、あの永遠に忘れられない
同時代で、しかも袖振り合った幾多の仲間達の艱難辛苦に触れ、
この600日を超す間、僕はこれほどまで自分の無力感にさいなまれたことは無かった。

 
それまで、ピンチをチャンスに変える発想と実践を信条にしていた僕がだ。
     

     

もう一度問う。

一体、自分にどれだけの事が出来たんだろう?
               

          

残念ながら、自分を納得させる答えは何処にも見つからない。

          

       
あと一日、静かに考え、そして魂を新たにして2012年を迎えよう。

      

     

     
今年も、本ブログに多くの皆さんに立ち寄っていただき
心から厚くお礼申し上げます。

        

来年もどうぞよろしくお願いします。

    

       

年末ぎりぎりまで出張が続き
すべての皆さんに、年末年始のご挨拶、ならびに賀状・メール等を欠礼しますことをどうかお許しください。

      

       
皆様のご多幸とご健康を心からお祈り申し上げます。

            
ありがとうございました。

                        敬礼
               

動き続けます

   
暮れもいよいよ押し詰まりましたね。

   
      
2011年は、私たち日本人にとって永遠に忘れることが出来ない一年となりました。

   

そんな今年もあと一週間を残すのみ。

   

僕は、今日24日から、今年最後の海外出張に出かけます。

 
一年を締めくくる意味でも、しっかりと「アジアの今」を観察し、少しでも多くの現場の皆さんの声に耳を傾けてこようと考えています。

   

慌ただしい年の瀬ですが、
どうか皆さん、風邪などには十分気を付けて下さいね。
              

帰国したら、またアップします。
       

今を以て尚、厳しい現実に向き合い続ける東北の元気人の皆さんから喝を入れられた日

                         
夜、仙台空港に降り立った。

  
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あの津波が滑走路をあっという間に呑み込んでいく光景が、ずっと目に焼き付いていただけに、正常に運用されている姿を見ただけで感慨も一際だった。

         

 

13日、仙台市で農水省の主催による「輸出オリエンテーションの会 東北地区研修会」が開催された。

  
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今年、東北ブロックは未曽有の震災に見舞われ、
復興を目指して日々努力しているさ中にもかかわらず、
多くの熱心な事業者や支援者の皆さんが集った。

     
    
この日は、来年2月に同じ仙台で開催予定の輸出商談会の
事前研修という位置づけでもある農林水産物・食品の輸出セミナーである。

         

㈱ショーライの井阪社長による
実践講座と愛情ある辛口アドバイスは参加者の皆さんにとって
大いにい参考になったと思う。

    
   
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日本の農産物輸出のトップランナーである青森リンゴも香港で頑張っている(今月)
   
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山形リンゴも台湾に浸透している(今月)

     
      

また、東北農政局の担当官による放射性物質に関わる規制措置など海外各国の最新事情についての報告は、具体的で分りやすく、非常に参考になった。

            
やはり東北ブロックでは、このテーマが最も切実かつ重要であることを改めて認識した。

      

この日の交流を通じて僕は、
去年の宮崎県で発生した口蹄疫に次いで、
わが身の無力さ、非力ぶりをつくづくと思い知らされた。

     

まだ多くの国々では、福島、宮城、茨城、栃木などの商品に対して、輸入規制をかけている所があって、チャレンジしたくてもままならない厳しい現実に直面しているのだ。

     

      
それでも多くの事業者の皆さんが
真剣に海外販路開拓に関心を寄せている。

      

    

今回、福島県で中小企業の商品開発について
いつも熱い思いでサポートしているSさん、

また、関東で知り合い、
今、宮城県で必死の思いで事業者支援に当たられている
行政官のSさんと再会を果たし、
予想以上に厳しい現場の話を伺って
本当にやるせなく、また皆さんの努力と忍耐に頭が下がる思いだった。

    

いつも以上に、僕の方が学ばせてもらう機会となった。
      

   
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わずか一日足らずの滞在だったが、
急速な復興進む仙台の街が、人が、
特別に眩しく、僕の網膜に映った。

   

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JR仙台駅前で

  
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ご当地の「福の神」である仙臺四郎もサンタに扮して、笑顔と幸運を振りまいている

  
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何度もニッポン人であることに誇りに思い、
これからも自分に出来ることは何かを問い続けた一日だった。   

            
                  
                    
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風向きの変化を感じた五都歴訪

             
この間、台湾、香港、四川省、浙江省、上海を廻ってきた。
     
    

10日間でこれだけだから、文字通り駆け足の出張だったが、
僕にとって極めておおきな意味を持つ旅だった。
          

  
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台湾ではいよいよ総統選・立法委員選挙戦が本格化してきた 様々な課題が炙り出される

    

ひとつは、前半後半と別々の仲間とそれぞれの目的で
今後5年を見据えた事業戦略を構築することが目的だったが、
これまでと全く異なる新たな発想の海外販路開拓のチャレンジが実現できそうな勢いであること。
  
ここに来て、日本の生産者・事業者の底力を見た思いだ。

       
     
また、もうひとつに、訪れた5都市とも
来年にかけて社会経済が大きく舵を切るほどの変化を見せるだろうという様相を垣間見ることが出来たことだ。

     

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香港のブランド店では、終日、中国大陸からの観光客で長蛇の列が
    

     

報道だけではわからない、路地裏・現場での予兆のシグナルだと感じている。  

   

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今、中国の都市近郊農村では想像以上の事が起こっている…

    
      

欧州ソブリン債務危機やアメリカの経済失速、中東ドミノ、日本の大震災など、アジアを取り巻く世界では、まさに「想定外」の事が想定外のスピードで連続的に起きている。

   

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香港・尖沙嘴イーストの繁華街の夜景
      

香港も、恒例のクリスマスの電飾が始まり、
商戦もリーマン以前を彷彿とさせるこれまで以上に過熱気味ではあるが、イギリスをはじめとする欧州と縁の深い香港の金融界の今後は不透明である。
       

      

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四川省では、農村のとんでもない光景を目の当たりにし、
ドンドンと、刻々と、変化変容していることを実感。

   
       
ニッポンにとってピンチでもあり、大チャンスも着想できる。

    
     
今こそ、外から目をそらしてはならない!

       

       
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台北では我らがユニクロが旋風を巻き起こしている

   
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台湾某県のLED農業のショールーム。これだけ低コスト投資で作れれば…

  
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早朝の幹線道路 -台北    IT・電子産業の外需の冷え込みで、懸念もぬぐえない台湾経済

   
     

どの国、どの街もそれぞれの事情と構造的な課題を抱え、今まさに国全体で克服しようと動き出している点では日本と同じ。

       

    

どこの国民も
自然災害や格差社会、既得権益などと闘いながら、
来年こそはと、希望の光を求めて、

みんなみんな頑張ってる

       
     

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香港の夜景にしばしうっとり

         

            

今日からまた一週間、東北、そして北海道をほぼ横断する。

  
どんな元気人との出会いがあるんだろうか。
                     

素顔も化粧姿もどちらも美しい

         
札幌に来た。
        

数えてみたら、北海道に来るのは今年6回目のようだ。
    

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この日は気温3℃で、いつもより暖かったのだそうだ
         

今月もう一回あるから、隔月超で通っている計算になる。

  
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おかげさまで、会合では再会を喜ぶ生産者や経営者の皆さんが複数いるし、今年海外で共に汗を流したり、苦労に顔をゆがめた「同志」もいるので、もう北の大地が単なる白い恋人ではなく、白く良きパートナーに変わっている。

  
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ちなみに札幌でこんなモノを見つけた

        

今、北海道、東北、関東、北陸、関西、中四国、九州、沖縄の各地に
様々な分野で、一緒に汗を流す同志の皆さんがいて、

例えば、海外で「ニッポンを売る!」アクションを起こす時だって、
それぞれの戦略戦術が違うのは当然だが、もとより、動機も背景も異なる訳だから、どのプロジェクトをとってみても、手法もプロセスもゴールも全部オリジナルであり、他の地域の事例はそのまま通じることはほとんどないと言っていい。
       

とかく海外マーケットの比較リサーチやプロモーションにばかり
みんな精を出しているが、それは作業の半ばである。
    

原点・軸足・自己認識を定める作業が足りていない。

     
    
もっとも僕だって、まだまだ開発途上。
     

でも、各地の皆さんと共に汗を流すことで
おかげで貴重な経験法則とデータベースは充実しつつある。

       

コンサルタントがよくやる
過去の成功体験やノウハウの使いまわしなんかやっても
奥深く進歩激しい農業や流通サービス、製造業のどれをとっても
そんなに簡単に成功するほど現実は甘くない。

        
その分、大変だけれども、
ゼロベースで手探りのプロジェクトを起こすと、
行動につながり、何らかの結果が生まれるからやりがいがある。

        

       *          *
                   

さて、
この日も札幌の地で夜遅くまで充実した会合となった。

        
      
翌朝、目を覚ましてみると、外はすっかり雪景色。

  
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天空から途切れることなくパウダースノーが降り注ぐ。

  
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しかも気温は零下1℃ということらしい。  

  
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子供はいつだって元気だよなぁ

    

寒波が下りてきたのだそうだ。

   
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考えてみたら、明日から師走だもんね。

    
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街はすっかり、白い雪化粧。

 
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昨日の夕方の情景が一変している。

   
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昨日の夕方はこうだったのに
  
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わずか一泊の滞在で、こんなこともあるんだ、とビックリ。

    

   
北宋時代の大詩人・蘇東坡が詠んだ詩の一節を思い出した。
     

  
欲把西湖比西子  淡粧濃抹総相宜

(西湖をとりて西子に比せんと欲すれば  淡粧濃抹 総て相宜し)
       

「西湖の美しさを美女西施に例えて言うならば、
薄化粧も厚化粧も、どちらも美しいように
西湖は晴れている時も、また雨に霞んでいる時も
どちらも捨てがたいほど素晴らしい」 というような意味である。

     

札幌の街を美人に例えると
大都会の素顔の風景も美しいし、
雪化粧した白い街頭もまた格別。…である。

  
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時計台は若葉も似合うし、雪景色もまた宜し、である
       
    

今日から、来月10日まで
また亜熱帯の国2カ所と久々に内陸を訪ねます。

    
   
正直、体が本当におかしくなってしまいそうだ。