夜、仙台空港に降り立った。
あの津波が滑走路をあっという間に呑み込んでいく光景が、ずっと目に焼き付いていただけに、正常に運用されている姿を見ただけで感慨も一際だった。
13日、仙台市で農水省の主催による「輸出オリエンテーションの会 東北地区研修会」が開催された。
今年、東北ブロックは未曽有の震災に見舞われ、
復興を目指して日々努力しているさ中にもかかわらず、
多くの熱心な事業者や支援者の皆さんが集った。
この日は、来年2月に同じ仙台で開催予定の輸出商談会の
事前研修という位置づけでもある農林水産物・食品の輸出セミナーである。
㈱ショーライの井阪社長による
実践講座と愛情ある辛口アドバイスは参加者の皆さんにとって
大いにい参考になったと思う。
日本の農産物輸出のトップランナーである青森リンゴも香港で頑張っている(今月)
山形リンゴも台湾に浸透している(今月)
また、東北農政局の担当官による放射性物質に関わる規制措置など海外各国の最新事情についての報告は、具体的で分りやすく、非常に参考になった。
やはり東北ブロックでは、このテーマが最も切実かつ重要であることを改めて認識した。
この日の交流を通じて僕は、
去年の宮崎県で発生した口蹄疫に次いで、
わが身の無力さ、非力ぶりをつくづくと思い知らされた。
まだ多くの国々では、福島、宮城、茨城、栃木などの商品に対して、輸入規制をかけている所があって、チャレンジしたくてもままならない厳しい現実に直面しているのだ。
それでも多くの事業者の皆さんが
真剣に海外販路開拓に関心を寄せている。
今回、福島県で中小企業の商品開発について
いつも熱い思いでサポートしているSさん、
また、関東で知り合い、
今、宮城県で必死の思いで事業者支援に当たられている
行政官のSさんと再会を果たし、
予想以上に厳しい現場の話を伺って
本当にやるせなく、また皆さんの努力と忍耐に頭が下がる思いだった。
いつも以上に、僕の方が学ばせてもらう機会となった。
わずか一日足らずの滞在だったが、
急速な復興進む仙台の街が、人が、
特別に眩しく、僕の網膜に映った。
JR仙台駅前で
ご当地の「福の神」である仙臺四郎もサンタに扮して、笑顔と幸運を振りまいている
何度もニッポン人であることに誇りに思い、
これからも自分に出来ることは何かを問い続けた一日だった。
田中 豊
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本当に放射線問題では大きな影響を受けています・・・。福島県で製造されている水産加工品を億円単位で台湾へ出していたのですが、出荷できなくなり、三重県産、台湾産の類似商品に取って代わられてしまいました・・・。その水産加工品を製造しているメーカーさんにとって、勿論大損害ですが、我々貿易商社も被害甚大です。ところで、私も今月、月初に仙台~八戸を出張で回りました。すっかり復旧している仙台空港には感銘を受けました(私はここ20年、毎年、年に一二度仙台~石巻を訪問しています)。その折りも寒かったですが、今は更に一層寒いことと存じます。ご苦労様です。
キューピー林さん コメントありがとうございます。世界に誇れる素晴らしいニッポンの商品を海外で販路開拓を実現するためには、生産者の皆さんの努力もさることながら、流通物流の域にあって、様々な販促活動、障害克服、リスク回避などを図ってくださるキューピー林さんのような熱い皆さんの活動と支援があって初めて成り立つことに改めて敬意と感謝をしたいと思います。輸出にはまさに大逆風の今日、これからもぜひ強力なご支援とご指導を頂きますよう、心からお願いいたします。来年もどうぞよろしくお願いします。感謝。