海を渡っていった日本人  僕らはもっと自信を持っていい!(その2)

(前回より続く)

って現代。
戦前戦後を通じて思い出される日本人町では
なんといってもブラジルの日本人町と
アメリカのリトルトーキョーではないだろうか。
そのどちらにも、ニッポンを売り込むために
市場調査、販売支援活動に訪ねたことがある。
先ずは、ブラジル・サンパウロにある
日本人町(リベルターデ)
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日系移民100周年の2008年にここを訪れた。
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       第一回移民781名を載せて、1908年に神戸港より出航した
最近は中国韓国の経済発展に伴い、
商店や会社のオーナーが日本人と入れ替わるところもあり、
日本人町ではなく、東洋人街と言われるようになっているとも聞いた。
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日本的な設えのなかにもいつの間にか・・・

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とはいえ、街は活気があり、
人の往来も賑やかだ。
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日本の多様な文化も発信されている
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地球の真裏でも、情報発信することに意義がある
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地元で活躍している日系人の皆さんたちと交流もしたが、
日系人は代々、ただ開拓してビジネスするだけではなく、
子供を医者や教育者にして、地元ブラジルのために
大きく貢献するなどの積み重ねが高く評価され、
“ニッケイジン”は絶大な信用を得ているという。
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町のあちこちに銅像が
農業や土木技術などの現場でも第一線で活躍しているそうだ。
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地域に根付き、共生する先人たちの労苦に思いを寄せる
同じ民族として、自分も褒められているかのように誇らしかった。
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ここ日本人町でもかなりのニッポンの食材食品が
販売されている。
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日本のストアと遜色ない
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寿司・弁当はここでも売れ筋商品に成長
 
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国民食も海を渡る・・・
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100年前から農業技術こそが日本の武器だったはず
再び日系コミュニティーが復権する日も遠くないかも知れない。
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僕等の魂に眠るブラジル開拓の精神を
今こそ地域創生に発揮すべきである。
重ねて訴える、僕ら本人はもっと自信を持っていい!!
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リベルターデ・大阪橋のたもとにて    2008年8月

見通せない時代に立ち止まって考える(その3)

れからは、世界の警察官であり続けることは出来ない。」

 
 
アメリカの次期大統領がこう宣言したことで、
わが国も冷や水を浴びせられたかのごとく
自主防衛論の是非についてにわかに騒がしくなってきた。
 
 
これまで社会や経済活動に無我夢中になって取り組んできた日本も、
改めて「アメリカの傘の下」という環境下で成り立っていたんだと
再認識させられた人も少なくないだろう。
 
 
まさにこの現実に向き合って
真の平和主義とはどうあるべきか、
今からこそ真価を問われることになろう。
 
 
 
このニュースを聞いて、まったく関係無いのだが
ふと連想したことがある。
 
 
今、地方の経済活動で、霞が関が突然、
「これからはもう政府は、金も知恵も出し続けることは出来ない。」
と宣言したらどうなるだろうか、と。
 
 
議員の要請に基づき、
政府の機関が最高度の知恵を絞って政策を練り、
それに沿った事業に名乗りを上げた事業者が
補助金を受け、専門家やサポータ―の知恵を授かり、
忠実に再現することが、全国津々浦々で当たり前のように行われている。
 
これが結構至れり尽くせりのサービス合戦になっており
何をすべきかのアイデアから、資金経費の提供、
専門家の派遣や情報、サポートまでレールを引いてくれる上、
実績を作るために、こんなおいしい話を出前で持ってきてくれるようなケースまで散見されるようになった。
 
 
みんな地域のためにと大真面目で熱心である。
 
と、いつの間にか事業者は、これが当たり前の経済活動だと感じて、これを待ち望んでいるかのようになり、行政側もさらに知恵を絞ってこれに応えようとする。さらに議員さんたちが張り切る・・・。
 
 
 
結果、地方は武士の商法のような事業も一部蔓延し始め、無駄な地域間競争もはびこってしまう。日本を代表する大都市の英知をもってしても、最新のアウトプットが、東京・札幌オリンピックに大阪万博だったりする。経済が縮小しているのに。過去の事例や他国の事例を「検索」するのを得意とするエリートが起案するからかな。
 
一歩日本の外から眺めてみると、
どこか変で、ガラパゴス化しているように映る。
すくなくともこれでは国際試合では勝つことは出来ない。
 
 
 
などと、行政側に対して批判批評ばかりしたり、不満だけを膨らませ、過度のサービスを要求する私たちにこそ根本の原因があると、ここは改めて一度、自立の道を探るべく、まず意識を切り替える時と考える。
 
 
もちろん国や自治体の支援策は大いに活用していい。ただ主体性と自立の精神をもって、自らが知恵を出し、行動するを基本としてもらいたい。当たり前のことである。行政もそれを望んでサポートしているのだから・・・。
 
 
 
わが国にもトランプショックが起こらないとは限らない。
 
否、ゆっくりではあるが、すでに始まっていると僕は観ている。
 

見通せない時代に立ち止まって考える(その2)

英国のEU離脱といい、トランプショックといい、
圧倒的な事前予想を越える結果となった。

 

現地の高名な専門家も、調査機関も、またメディアまでもが
大方の予測を外してしまった。

 

しかも、フェアでルールに忠実な国民が

一度でた結果を受け入れることが出来ず、
反対派が騒ぎ出すという光景にも驚いた。
   
  
世界の耳目を集めるこれだけの大事を、
最新の科学的、現場的分析をもってしても
国民大衆の変化を読みきれなかったということについて、
様々な事を考えさせられた。

 
 
自由と民主、多様性を最高の価値観と尊ぶ成熟した欧米で、
国益優先主義が台頭している。
 
 
それは、拡がり過ぎた、行き過ぎた経済現象に対する揺り戻しなのか?それとも、新たなステージへ移行する、夜明け前の序章なのか? 注視していこうと思う。
 
 
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NYCウォール街にて(2008年)
 
   
一般的には格差社会、移民問題、グローバル化、IT化等の原因が挙げられているが、底流ではもっと大きな大きな地殻変動が起こっているのかもしれない。
 
 
 
地殻変動と言えば、今年は全国で
本当に大きな災害に見舞われた一年だった。
地震、火山、台風、竜巻、豪雨。
全国安全なところは、どこにもないかのよう…
 
 
まさに明日、何が起こるか誰も予測できない不連続な時間を私たちは過ごしている。
 
 
立っている足元の地面が、 今、陥没するかもしれない・・・。
 
 
うであっても、突然怒り狂う大自然相手に、
共生の道を求めて頑張っている大勢のヒーロー、ヒロインたちがいる。
 

見通せない時代に立ち止まって考える(その1)

国のEU離脱に続き、

アメリカでトランプ現象が起こった。
 
 
途上国ではなく、あの「欧米」で
いわば反グローバル的な現象が、
あたかも何の前触れもなかったかのように
大きな流れが起った。
 
 
「不可逆的」で、「新世紀の趨勢」だから
乗り遅れてはいけないと思われていたグローバル化とIT化。
 
共にその計り知れない功罪は議論されてはいるが、
こんな形で表面化するとは・・・。
これも一種の市民革命なのかもしれない。    
 
 
産業革命以来、欧米列強は世界にその覇権を広げ、
戦後日本も国土が狭く、資源が乏しい国の生きる道は、
貿易立国だと信じ、世界に羽ばたいてきた。
 
 
長い不況とデフレにあえぐ日本が選択した処方箋が
FTAやTPPに代表される更なるグローバル化への深化のはずだった。
 
 
「オルタナティヴ(既存に替わる)でサスティナブル(持続可能)な社会を」なんて、滑稽なほどの言葉の変化にも必死で付いていこうとまでして・・・。
 
 
 
いずれにせよ、これまで世界が体験したことのない更なるステージを迎え、これからしばらくの間、このグローバル化と反グローバル化の狭間で、地方の元気な皆さんと共に乗り切っていこう。
 
 
ブレる必要なんてない。
  
柔らかな発想と高いアンテナを張り続けて
信念や夢を貫き通せばいい。
 
 
 
変化はチャンス」だ。
 
 
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ニューヨークにて

赤くて甘いもの

今日は彼岸の中日。

 
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二十四節気ではもちろん秋分である。
 
 
春分と共に、国民の休日にもなっていて
最も人口に膾炙している節気である。
    
      
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今年も庭に紅白の彼岸花が咲き誇る。寸分ずれることなく・・・
 
 
太陽が真東から昇って真西に沈み、
昼と夜の長さがほぼ同じになることは
誰でも知っていることだろう。
      

太陽が極楽浄土があるという真西に沈むことから、
亡くなった人をしのぶ日とされている。

  
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彼岸という日本固有の仏教信仰について
改めて思いを馳せる。

 

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また、彼岸と言えば、おはぎが付きもの。

 

 

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ぼた餅ともいうが、もちろん同一の食べ物である。

    
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厳密に言えば、御萩、牡丹餅と書き、
おはぎは萩の花にちなんで秋の彼岸に粒あんで、
ぼた餅は同じく、牡丹が咲く春の彼岸にこしあんで、
となるそうである。

 

       
確かに、萩も牡丹も赤い花が印象的。
      
      
小豆の赤色は、邪気払いとして先祖に供えられるという。
                

 

いつもは餡として、中に隠れている小豆も
この日だけは外に包まれ、主役でもあるかのようだ。
     

 

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暑さ寒さも彼岸までというが、
今年は果たしてそうなるだろうか?

 
    
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47番目がトップに躍り出る時

本で47番目に有名な県

 
 

島根は日本の領土です
 
 
人はいませんが・・・神様はたくさんいますよ
 
 
などと自虐的なフレーズでカレンダーを作った
島根県が、今、元気がいい。
 
 
その1
出雲大社の平成の大遷宮効果で、昨年の
観光入込客延べ数が3474万人と前年比755万人と大幅に増加。
日銀松江支店によると、
経済波及効果が344億円と予想値を大幅に上回った。
 
 
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その2
皇室の高円宮典子さまと出雲大社禰宜の千家国麿氏が
正式に婚約された。
 
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先日島根を訪ねた時も松江駅には大きな看板が
 
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その3
先日の全米オープンテニスで松江出身の錦織選手が準優勝して日本中を沸かせたことは未だ記憶に新しい。
 
 
 
などなど、今、島根県には追い風が吹いているかのよう・・・。
 
 
 
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確かに、今年4月1日現在の島根県の人口が
初めて70万人を下回るという厳しい数字が出て、
危機感も広がっている。
 
 
 
でも、僕も足かけ5年、島根に通い
全県を巡回させて頂いているが、
確かにここ数年、とても元気がいいような気がする。
 
 
 
海外販路展開でも、
ボタンの花、コメ、日本酒、瓦などは
早くから全国のモデルとなる程の積極的な展開を見せている。
 
 
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松江で観た見事なボタンの花にウットリしてしまう
 
  
また、西日本では珍しくロシアやEU向けの海外展開意欲が強い事業者が多く、すそ野も広がっている。
 
 
 
知れば知るほど奥深い魅力を見せてくれる島根は、その歴史や自然と共に、心地良い距離感で迎えてくれる島根県人の温かさも加わり、どこまでも興味が尽きることはない。
     
 
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海外で、仕事以前に大切な心がけを再確認する

今、巷間騒がれている話題の一つに
デング熱の全国的な流行がある。

 

   
11日の厚労省の発表によると
15の都道府県で計105人の感染者が
報告されているという。 (時事通信社)

 

 

このデング熱、僕らのようにもう30年も前から
頻繁に東南アジアに出張する者にとっては
基礎知識として誰でもが知っているべき熱帯感染症の一つである。

 

香港でもずっと以前から街中のいたるところで
デング熱や日本脳炎に注意するよう呼びかける
横断幕やポスターが貼られている。
      

                                                        
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都心の街市(マーケット)の壁面にも、このように大きな横断幕が。  -香港

 

  
登革熱がデング熱のことだ。日本脳炎もここでは患者が発生する。
共に蚊が媒体になって伝染するのだ。

 

  
日本では、インフルエンザのA香港型なんていうが、
香港の方では、日本脳炎が伝染病として恐れられている。
別に反日とは関係がない。

 

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シンガポールの街頭でもデング熱の注意喚起が  (今年2月)

                                              
                    

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蚊が発生する溜まり水をつくらないこと  罰金もあるとか

        

2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)
何度か発生した鳥インフルエンザの時は
香港や台湾、中国、ベトナムでは死者も出た。

 

僕はその時、決死の覚悟をして現地に行ったが、
未知の伝染病と命がけで闘う医師や看護師が
野戦病院と化した屋外で、
必死の形相をして治療にあたっていた光景は、
今でも脳裏に焼き付いている。

 

幸いデング熱は、きちんと知識を持っていれば
パニックに陥ることはない。

 

   
どんな症状があり、どんな経過をたどるのか?
特効薬やワクチンは?免疫はどうなるのかなど
情報を仕入れておくことは大切だ。

 

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九龍公園で

 

蚊に刺されないようにすること。
                      

疲れ過ぎないようにして、免疫力や抵抗力、体力などが落ちないよう注意すること。

 

暴飲暴食や冷たく冷えたものを食べすぎないこと。

 

生水、生卵や
生煮えの貝類や甲殻類は口にしない。

 

   
睡眠をよくとること。

 

 

少なくとも仕事で渡航している以上、
体調管理には気を付けることを本能的に対応する力を持っていなくてはプロフェッショナルとは言えない。

 

 

            
2004年に中国衛生部(厚労省に相当する)大臣と面会した時も
当局の情報として、わかっているだけで約200近くの風土病が各地にあるという。

 

その中には狂犬病やコレラなども含まれる。
            

 

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大都会ではネズミの媒介する伝染病も恐ろしい     香港にて

 

ほかにアジアでは広く性病や流行性肝炎なども本当に怖い。
   

専門の医師の話によると、
抗生物質が効かない新たな耐性菌が次々と出てきているそうなのだ。

 

              
これだけ日本人も頻繁に東南アジアや中国大陸に行き来する時代になったが、僕は毎回随行する際は、出発時にメンバーには、犯罪治安とともに自己責任で身を守ることを警告することにしている。

                                   
      

これは仕事以前の命にかかわる大事だからである。

 

        
表面上は日本と変わらない都会でも、見えない悪魔が潜んでいることを強く肝に銘じてもらいたい。 

 

             
日本人は商談だけでなく、多くのことであまりにも無防備な人が多すぎる。

未来志向の産業として

公益財団法人 九州経済調査協会から

今年も「九州経済白書」が刊行された。
 
1967年に創刊され、今年で47回目を迎えるという。
 
 
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常に九州の産業経済の指針である同白書であるが
その年に採用されるテーマは、
地域を展望するにあたっての有効な「切り口」であり、
いつも高い関心をもって注目している。
 
これまでも僕の専門である
「アジア・中国」や「フードアイランド」といったテーマになった時は
自分の観点・視点にお墨付きをもらったような気分がして
とても心強い存在であった。
 
 
今年のテーマは、ずばり農業である。
 
アグリプレナーが拓く農業新時代」とあり、
農業と企業家(アントレプレナー)を合成したものを
アグリプレナーと定義し、僕の好きな
「挑戦」、「開拓」という思想が全面に展開されており、
未来産業として農業が位置づけれられている。
 
 
九州の産業経済に最も深い知見を持つエリート集団である
調査協会が今回初めて農業に着目したことは、
感慨深いものがあり、同時に
単なる伸びしろのある成長分野というだけでなく、
将来、社会の価値観が変わる可能性をも含むのでは?などと、僕は勝手に解釈している。
 
 
7つの県を合わせたひとつの「島」としての九州では
その農業産出額は全国の2割を超えており(2011年)
関東とほぼ同水準の全国2位のブロックである。
 
 
この多様で特徴ある農業を内向きに捉えず、
戦略的に活かすことで
もっともっと元気で豊かな地域が各地で復活することだろう。
 
 
白書では、新たに挑戦する数々の農業事例が盛り沢山で
海外に向けた農産物輸出についても章を設けられており
体系的に理解したいのであれば、ぜひとも一読を薦めたい。
 

19年ぶりの“ハート”と“マル”のシンクロ

Happy Valentine’s Day!!

 
バレンタインデーを祝うのは
もちろん日本だけではない。
 
 
画像は去年の香港。
 
農暦の正月が明けて間もなかったので
この年は少し屠蘇気分だったな。
 
 
夕刻、九龍・尖沙嘴(チムサチョイ)の繁華街に出ると
いるわ、いるわカップルだらけ。
       
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女性が彼氏からもらった花束を抱えて
得意げな表情をしているのが印象的だ。
 
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ここでは、男性が女性にプレゼントをする。
      
    
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有名ブランドショップは遅くまで長蛇の列だった
 
 
もう7~8年前になるだろうか。
日本のイチゴの販促キャンペーンをしたことを思い出す。
 
当時、邦貨換算で6000円を超すギフトケースの
イチゴが飛ぶ様に売れて、本当に驚いたのを覚えている。
 
 
企画したら、花だって、フルーツだって、小物だって
ニッポングッズはまだまだ売れるぞ。
 
 
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レストランだって、この日はロマンチック路線だ。
 
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セットメニューが10%ディスカウント。
おまけに女性客にはもれなくプレゼント付きとある。
        
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中国の風水では、桃の花は恋愛運を呼ぶという・・・。
 
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今年は、19年ぶりにバレンタインデーと
元宵節(農暦1月15日の小正月のこと)が重なった。
 
新暦と農暦両方を使う地方ならではのこと。
 
 
あちこちでランタンが飾られ、
家庭では湯圓(タンユアン)を食べる。
日本で七草粥を食べるようなもの。
 
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もち米で作った団子で、
中にはゴマや小豆、クルミなどの甘い餡が入っていて
ショウガや砂糖、酒麹などの入ったスープで食べることもある。
 
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”は丸いという意味。
 
農歴新年最初の満月の日であり、また
家庭円満を願う意味で丸い団子を食べるらしい。
 
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円卓に代表されるように
角張ったものより丸いものを好み、
円満を尊ぶ中国人も
最近、少しとげとげしくなったような気もする。
 
日本人の絆、中国人の円満
丸くて甘いものを食べてハートを通じ合えないものだろうか。
 
  
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実は、インドネシア編をアップしていた
旧暦正月元旦の1月31日を挟んで
僕は、約2週間、台湾と香港に行っていた・・・。
 
       
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正月元旦、CHAに魅せられて(その2)

(前回より続く)

 
九份に続く、台湾の2ヶ所めの訪問先は、猫空(mao kong)
 
 
台湾でも鉄観音茶の有名な産地である。
 
そんな所が大都会・台北の中心地から
車で僅か40分程度で行けるなんて
知らない人も意外に多いのではないだろうか。   
 
 
昨年10月に2回、親しい仲間と猫空に行った。
 
 
いずれも仕事が終わってからなので
夜の訪問となった。
 
 
とはいえ、ここは台北の若者の
夜景で有名なドライブデートスポットでもある。
 
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眼下にtaipei101など台北の夜景が拡がり、感動
 
 
何軒も個性を競う茶芸館がある中、
この日の晩は現代カフェ調のお店。
 
 
いつも遠出するとき、不案内のところに行くときに
とても親切にしてくれる僕のドライバーの黄さんが
秘蔵の台湾高山茶の最高級茶葉を持ってきてくれて
お店の茶器を使って自ら烏龍茶を淹れてくれた。
 
 
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急須一杯に溢れるほど茶葉が膨れる。
 
 
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香りを嗅ぐための聞香杯(ぶんこうはい)
淹れたばかりの茶を静かに注ぎ入れる。
 
 
馥郁たる味と香りとの対面だ。
 
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飴色の素晴らしい水色(すいしょく)と拡がる香気。
 
 
これぞ台湾が誇る烏龍茶の真髄。
 
 
一杯、一杯、また一杯。  
 
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こうしてみると、中国茶の作法というのは
美味しく飲むためにあるもの、とさえ思ってしまう。
 
 
そこで、僕が興味を持ったのは
形式美、精神性追及ではない
飲んで美味しい日本茶の淹れ方についての知識。
 
 
ちょうどその後、煎茶道具が手に入ったので
京都に行った折、四条通にある福寿園本店で
日本茶インストラクターの方に
マンツーマンで長時間にわたり、
玉露と煎茶の淹れ方について指導をして頂く機会に恵まれた。
 
 
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専門家の話によると、
茶葉や水質の吟味もさることながら、
         
1.茶葉とお湯の分量比
2.お湯の温度
3.抽出時間
の3つの要件を茶葉の種類によってきちんと守れば、
誰にでも美味しく緑茶を淹れられるということ。
 
 
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僕のために、100g1万円もする玉露を淹れて頂いた。
 
天国にも昇る気持ちだった。グレードに弱い僕。
 
 
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清酒の猪口くらいの小さな小さな茶杯に、
しずくを落としただけのようにして淹れた玉露を口に含むと
ぬるい湯温の液体の甘くて奥深い旨みのエキスが
一気に拡がり、声が出なくなるほどの衝撃を受ける。
 
淹れ方の作法といい、茶器といい
まるで猫空で黄さんが淹れてくれた
高山茶となぜか共通点が多いことに気がついた。
 
 
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さすが免許皆伝のインストラクターさんの淹れた緑茶だと感服。
 
 
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幸い、仕事を通じて
宮崎、京都宇治、和束(わづか)町、京田辺、
福岡八女、熊本、鹿児島などの生産者さんから
丹精込めて作られたお茶を分けて頂くから、
きちんとルール通りに淹れることこそ
製茶の苦労に報いることになると信じて
以来、教えて頂いた方法でほぼ毎日腕を磨いている最中だ。
 
 
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京都・和束町の茶畑風景
 
 
今年は、旨みが凝縮した緑茶で新年を迎えた。
 
 
きっと良い事が起こりそうな予感が・・・。