日本の〝元気”がアジアを席巻する!?

月はスタートの月。

 
多くの人が気分一新して
「元気」に満ちていることだろう。 
 
 
この元気という言葉は、
これまで僕は講演の場で多用してきたキーワードでもある。  
 
 
地域の元気創りや全国の元気人たちの挑戦という風に
あまりアカデミックな言葉では無いけれど
自分らしくていいやと考えたし、
実際多くの人たちの共感を得た。
 
 
元はと言えば、この「」という字に長年興味を
持っていたからでもある。
旧字体では「」と書き、中国語の繁体字圏では
今でも使っている。 
 
 
この氣の字の成り立ちは、
大地を表す「」の部分と
天空と地面の間の空間を表す「」の
部分から構成されるという。
 
 
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まさに大地に作用する眼に見えぬ
エネルギー
を表しているのではないだろうか。
 
 
 
僕の知る限り元気という単語は日本語であり、
中華圏では日常的には使わない。  
     
    
元気の訳語としては、
ニーハオ の好や精神、活力、精力などが普通だ。
 
 
が、台湾では元気ブームがあったのだろうか、
一時期、街のあちこちで元気の文字を見かけた。 
 
 
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台北の朝食スタンドの屋号にも使われている
 
 
 
日本語っぽい流行語としてはやったのでは
ないだろうか。
 
 
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とにかく元気な台湾の人たちにピッタリの表現かも知れない。
 
 
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屋台のどら焼きまで元気の二文字が・・・
 
 
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もしかしたら、この10年ほどの大陸への産業空洞化や
韓国ほかの途上国との経済競争によるお疲れ気味で
「元気だそうよ!」と自ら鼓舞しているのかもというと
勘繰りに過ぎるだろうか。  
 
 
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高雄のファストフード店で
 
 
 
元気ブランドといえば、
もう20年以上も前から香港や東南アジア各国で
成功を収めた日本の元気企業を忘れてはいけない。
 
 
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香港にて
 

海外で、仕事以前に大切な心がけを再確認する

今、巷間騒がれている話題の一つに
デング熱の全国的な流行がある。

 

   
11日の厚労省の発表によると
15の都道府県で計105人の感染者が
報告されているという。 (時事通信社)

 

 

このデング熱、僕らのようにもう30年も前から
頻繁に東南アジアに出張する者にとっては
基礎知識として誰でもが知っているべき熱帯感染症の一つである。

 

香港でもずっと以前から街中のいたるところで
デング熱や日本脳炎に注意するよう呼びかける
横断幕やポスターが貼られている。
      

                                                        
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都心の街市(マーケット)の壁面にも、このように大きな横断幕が。  -香港

 

  
登革熱がデング熱のことだ。日本脳炎もここでは患者が発生する。
共に蚊が媒体になって伝染するのだ。

 

  
日本では、インフルエンザのA香港型なんていうが、
香港の方では、日本脳炎が伝染病として恐れられている。
別に反日とは関係がない。

 

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シンガポールの街頭でもデング熱の注意喚起が  (今年2月)

                                              
                    

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蚊が発生する溜まり水をつくらないこと  罰金もあるとか

        

2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)
何度か発生した鳥インフルエンザの時は
香港や台湾、中国、ベトナムでは死者も出た。

 

僕はその時、決死の覚悟をして現地に行ったが、
未知の伝染病と命がけで闘う医師や看護師が
野戦病院と化した屋外で、
必死の形相をして治療にあたっていた光景は、
今でも脳裏に焼き付いている。

 

幸いデング熱は、きちんと知識を持っていれば
パニックに陥ることはない。

 

   
どんな症状があり、どんな経過をたどるのか?
特効薬やワクチンは?免疫はどうなるのかなど
情報を仕入れておくことは大切だ。

 

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九龍公園で

 

蚊に刺されないようにすること。
                      

疲れ過ぎないようにして、免疫力や抵抗力、体力などが落ちないよう注意すること。

 

暴飲暴食や冷たく冷えたものを食べすぎないこと。

 

生水、生卵や
生煮えの貝類や甲殻類は口にしない。

 

   
睡眠をよくとること。

 

 

少なくとも仕事で渡航している以上、
体調管理には気を付けることを本能的に対応する力を持っていなくてはプロフェッショナルとは言えない。

 

 

            
2004年に中国衛生部(厚労省に相当する)大臣と面会した時も
当局の情報として、わかっているだけで約200近くの風土病が各地にあるという。

 

その中には狂犬病やコレラなども含まれる。
            

 

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大都会ではネズミの媒介する伝染病も恐ろしい     香港にて

 

ほかにアジアでは広く性病や流行性肝炎なども本当に怖い。
   

専門の医師の話によると、
抗生物質が効かない新たな耐性菌が次々と出てきているそうなのだ。

 

              
これだけ日本人も頻繁に東南アジアや中国大陸に行き来する時代になったが、僕は毎回随行する際は、出発時にメンバーには、犯罪治安とともに自己責任で身を守ることを警告することにしている。

                                   
      

これは仕事以前の命にかかわる大事だからである。

 

        
表面上は日本と変わらない都会でも、見えない悪魔が潜んでいることを強く肝に銘じてもらいたい。 

 

             
日本人は商談だけでなく、多くのことであまりにも無防備な人が多すぎる。

日本なしの海外展開、そして驚くほどの改良ぶりに感嘆した

秋節と言えば、

最近ギフト用に日本産のが輸出されるようになった。
 
 
主に台湾と香港向けなのだが、
70年の歴史を持つ鳥取県の二十世紀が
圧倒的な人気だ。
 
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季節になると台北の卸売市場でも鳥取梨の箱がうず高く積まれる
 
 
ほかにも、ここ数年、
大分、熊本、福岡、佐賀、千葉、茨城など
各県の組織が梨の輸出に熱心だ。
 
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ギフトシーズンともなると熊本八代産の大玉梨が飛ぶ様に売れる(台湾で)
ヒットの裏には関係者の努力が
 
 
 
東北大震災の前までは福島のJAも香港で頑張っていた。
 
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2009年10月
 
 
とはいえ、近年は地元台湾産や韓国産・中国産のレベルが上がり、
柿と同様、日本産も安閑としていられなくなっているのだ。
 
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台湾地産の高接梨も人気が高まっている (台北の果物専門店で)
   
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韓国産も品質、価格、対応サービスで急速にレベルを上げており、各市場で日本の強力なライバルとなっている
 
 
 
一方、我が国も不断の努力で
安心、美味、差別化を追及している。
 
 
九州の某県某市のブランド産地の梨園を視察させて頂いた。
 
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丘陵地に整然と梨や桃が植えられていた
 
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米は文字通り、八十八の手間がかかると言われているが、
聞けば、梨も良いものを作るために、気の遠くなるような手間をかけられているのだ。
 
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袋掛けも一回ではなく、複数回行われると聞いてビックリ
 
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若い生産者さんの改革・改良に向けた熱意に触れ感動。
     
農業という職業の無限の可能性と素晴らしさを改めて認識する。
 
 
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日本には「日本なし」「西洋なし」「中国なし」の3種が流通しているが、国内の生産量は圧倒的に日本なしで、二十世紀に代表される青なしと、「幸水」や「新興」など皮が褐色の赤なしに大別される。
 
 
 
分類上はバラ科ナシ属で、
千葉県、茨城県、福島県の生産が多い。
 
 
先日、生産量トップの千葉県の松戸産の梨を送って頂いた。
 
僕は以前、松戸に5年ほど住んでいたことがあるだけに、とても嬉しかった。
 
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豊水という品種で、文字通り水分たっぷりで
前歯が当たった瞬間から甘い果汁が噴出してきてビックリ驚いた。
 
 
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豊富な果糖やリンゴ酸、クエン酸には疲労回復効果があり、
ソルビトールという整腸作用のある成分も含まれているという。
 
 
 
会席料理の品書き(メニュー)の最後によく
水菓子」と書かれているのを見かけるが、
これは果物のことである。
 
中国語でもフルーツのことを「水果」という。
 
 
まさに水分80%以上で占められる梨にこそ相応しい言い方だと実感した。
 
 
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     梨を噛む 霧に見えざる 湖を前
                             福田 蓼汀
          
     
 
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梨に関わる格言はあまり思いつかないが、
若い時に中国語の学習で読んだ
(当時、僕の住む田舎では中国語の教材なんて何も無かった)
毛沢東の「実践論」の一節を思い出した。
 
 
〝知識を得たいならば、現実を変革する実践に参加しなければならない。梨のうまい味を知りたいなら、自分でそれを食べて、梨を変革しなければならない。”
 
 
近代版の知行合一だろうか?
 
いずれにしても中国人にとって
梨は、昔からとてもポピュラーな果物であることには違いない。
 
     
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香港の油麻地街市で売られる中国産南水梨(原産地は長野県で、台湾企業によって中国にもたらされたとも言われている) と青なし
 
 
 
まさに、日本をトップランナーに
各国がしのぎを削って梨の味の変革を実践しているのである…。
              

中秋に想う

今日は旧暦8月15日で中秋である。

       

   
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9月8日とこんなに早い中秋ってあったっけ?と
不思議に思って調べたら、
なんと1976年以来の38年ぶりなんだそうである。
              
           
ちなみに今後、今年の記録を破る早い中秋は、
やはり38年後の2052年に、9月7日が中秋になるという。

    
    
こんなに早い中秋では、
台湾や香港で定番になりかけている日本産の大型梨の供給
困難を極めたのではないかと想像する。
    
  
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香港ビクトリア公園での中秋イベント (2010年撮影)
    
    
ちなみに来年の中秋は、9月27日だそうである。
       
    
この中秋、文字通り旧暦で秋の真ん中の日を表し、

十五夜として日本、中国、韓国、ベトナムなどアジアの国では

月を愛でる習慣があるのは広く知られている。
 
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我が国では地方によっては、
十五夜のことを芋名月と呼んで

ススキやお団子と共に、里芋を供える地方もある。
   
    
最近、あまり食べなくなった里芋だけに

冬至カボチャのように、この日のイベントアイテムとして

広く知れ渡るといいな。
 
  
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また、今日9月8日は、二十四節気の「白露」である。
      
    
暦の上では、草木に朝露が宿る頃とされ、

日一日と秋の気配が深まっていくと言われる。

           
         
秋なのに白というのは、
日本人の感覚から観たら少々違和感もあるけれど

中国の陰陽五行説では、白は秋の色とされている。

          
北原白秋の名もそうなのだろうか。

        
ちなみに春は青(緑)、夏は紅(赤)、冬は玄(黒)である。
 
 
旧暦は月齢に基づく暦なので、太陽の運行と無関係なため

季節の周期とズレが生じてしまう。

      
農作業などでは春夏秋冬の季節を正しく知る必要があるため、

中国の戦国時代に「二十四節気」が考案されたと言う。

今に生きる知恵である。
 
 
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本来なら五穀豊穣を祝うこの時も

30年ぶりだと言われる異常気象により

農産物の流通が広く混乱しており、

生産者も消費者も大変な被害を被っている。
  

           
             
今日の十五夜、そして明日のスーパームーンに

気象の安寧と収穫の加護を願わざるを得ない。

      
       
 
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  月月に 月見る月は 多けれど

  月見る月は この月の月
        
                           詠み人知らず

      

これは良く知られた歌ですよね。
      
毎月毎月,月を見ることができる月は多いけれど,

月を見る価値がある名月は,やはり今月のこの月だ。

ということでしょうか。
 
        
     
ちなみに

英語では天体の日と一日の日を"sun"と"day"に分けていますが、

日本語はどちらも「日」を使います。

    
空の月と一ヶ月の月も、英語では"moon"と"month"ですが、

日本語ではどちらも「月」といいます。

面白いですよね。
 
 
 
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香港・ノースポイントで
 

19年ぶりの“ハート”と“マル”のシンクロ

Happy Valentine’s Day!!

 
バレンタインデーを祝うのは
もちろん日本だけではない。
 
 
画像は去年の香港。
 
農暦の正月が明けて間もなかったので
この年は少し屠蘇気分だったな。
 
 
夕刻、九龍・尖沙嘴(チムサチョイ)の繁華街に出ると
いるわ、いるわカップルだらけ。
       
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女性が彼氏からもらった花束を抱えて
得意げな表情をしているのが印象的だ。
 
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ここでは、男性が女性にプレゼントをする。
      
    
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有名ブランドショップは遅くまで長蛇の列だった
 
 
もう7~8年前になるだろうか。
日本のイチゴの販促キャンペーンをしたことを思い出す。
 
当時、邦貨換算で6000円を超すギフトケースの
イチゴが飛ぶ様に売れて、本当に驚いたのを覚えている。
 
 
企画したら、花だって、フルーツだって、小物だって
ニッポングッズはまだまだ売れるぞ。
 
 
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レストランだって、この日はロマンチック路線だ。
 
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セットメニューが10%ディスカウント。
おまけに女性客にはもれなくプレゼント付きとある。
        
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中国の風水では、桃の花は恋愛運を呼ぶという・・・。
 
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今年は、19年ぶりにバレンタインデーと
元宵節(農暦1月15日の小正月のこと)が重なった。
 
新暦と農暦両方を使う地方ならではのこと。
 
 
あちこちでランタンが飾られ、
家庭では湯圓(タンユアン)を食べる。
日本で七草粥を食べるようなもの。
 
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もち米で作った団子で、
中にはゴマや小豆、クルミなどの甘い餡が入っていて
ショウガや砂糖、酒麹などの入ったスープで食べることもある。
 
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”は丸いという意味。
 
農歴新年最初の満月の日であり、また
家庭円満を願う意味で丸い団子を食べるらしい。
 
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円卓に代表されるように
角張ったものより丸いものを好み、
円満を尊ぶ中国人も
最近、少しとげとげしくなったような気もする。
 
日本人の絆、中国人の円満
丸くて甘いものを食べてハートを通じ合えないものだろうか。
 
  
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実は、インドネシア編をアップしていた
旧暦正月元旦の1月31日を挟んで
僕は、約2週間、台湾と香港に行っていた・・・。
 
       
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ところ変われば、人はどう感じるか? 香港のレストランで実験してみた

香港での日曜日。少しだけ遅い朝。
 
 
仕事が無ければ、行くところは決まって飲茶レストラン。
 
 
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九龍にあるホテル近くの飲茶楼は、すでに地元の人で満席。
観光客なんて絶対にいない場所。
 
 
飲茶(Yam cha)は、広東人の文化そのもの。
 
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香港ローカルの人たちに完全に埋もれて、
僕もお茶を楽しみながら点心をつまむ。
 
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シウマイって広東語からきている
 
 
でも今日はちょっとした実験を試みた。
 
 
 
レストランに持参したのは
日本の自宅でも愛用している煎茶のティーバッグ
 
 
抹茶も入っていて色も鮮やかで香りも高い、
仕事中などでも手軽で美味しい僕のお気に入り。
 
 
香港でも楽しもう。きっと癒されるはず…。
 
 
いつもは烏龍茶やプーアル(普洱)茶を淹れる
分厚い急須に魔法瓶の湯を先に入れ、
少し湯温を冷ます。
僕は緑茶には少々うるさいのだ(W)
 
お気に入りのティーバッグを入れ、
しばらくじっと待つ。
 
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ああ、至福の時間・・・。
 
このお茶を作ってくださっている生産者の家族
ひとりひとりの笑顔を思い浮かべる。
 
 
広東語が耳元を飛び交う喧騒の中だけども
しばしの憩いのひと時。
 
 
習慣にしている少し長めの時間を見計らって
武骨な茶杯に、茶を注ぐ。
 
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「これでいいはず。」
      
と口に含んで驚いた。
 
 
 
 
アレレレレレレレレレレレっ!
 
 
何度やり変えても、香りはしない上に、味も薄い。
       
水色(すいしょく)も濁っていて
全体的になんとも物足りない。
 
 
淹れ方を忘れてしまったのかな?
と思うほど、正直、味もそっけもない
 
 
これほど、ぬるくてメリハリのない味では、
点心をつまみながら飲む気がしない。
 
 
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せっかくのアイデアが肩透かしに終わって
拍子抜けな感じ。
 
 
同じ茶葉を使って、同じ淹れ方をしても
水質が違い、茶器が違い、空気も違い、
そして取り合わせも雰囲気も違う。
 
 
果物や他の食品に比べて、
お茶の海外展開は普通にやっては難しいことを
改めて体験した。
 
 
酒類や調味料などの一部も
これと似たケースがあることが知られている。
 
 
 
やはり同じく日本から持参した柚子こしょう
好物の蒸し蝦餃子につけて食べてみる。
 
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これは、僕としては、イケると判断。
   
でも正直、これまで慣れた辣椒醤(唐辛子ペースト)でもいいのかな、と。
 
 
あくまで人の感じ方とはいえ
計数化が出来ないので、
売り込むには知恵と工夫が必要なのかも知れない。
 
 
 
別の急須に、飲茶の定番プーアル茶を入れて飲んでみる。
 
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しっかりと熱くて、どこまでも深い珈琲色をして、
濃くて重厚なコクと香りの
中国雲南を故郷とするこの液体が喉を通り過ぎる。
 
 
「外国人」の僕も、気を失うほどの虜になってしまう。
 
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飲茶には、やっぱりコレだ!
 
 
 
入郷随俗(郷に入れば郷に従え)という成語を
つい想い浮かべるのをあやうく思い止まって
日本茶の海外販路開拓の策を練り直すことにした…。
 
 
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飲茶の精算カード。いくらの点心をどれだけ食べたかを記録する
 
 
 
ちなみに日本茶の海外輸出はこの数年
関係者の努力もあって着実に伸長している。
 
 
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晩秋の香港で季節の変化だけでなく、社会の無言の転節のようなものを感じた海外出張だった

の一週間、香港台湾に行ってきました。
           

いつの間にか、暑くもなく寒くもないちょうどいい季節に入っているようだ。

   
          
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夕暮れ時のビクトリア湾
        

 

翌日からまた国内出張に出ていますから
今回はスナップ画像のみアップします。

   
HONG KONGの街頭の雰囲気が伝わりますかどうか・・・。

 

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日本人に替わって中国大陸からの観光客で今夜も一杯。でもひと頃より高額消費が減っているという

   
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鮮やかすぎるほどカラフルな街頭も、慣れるとしっくりと目に入るもの
             

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街なかの喧騒から、地域の鎮守廟に駆け込み、ひと時の静寂に心を癒す
             

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香港式飲茶も、最近は財布の中身を確認してからでないと行けないほど値段が高い店が多くなった
          

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涼しい気候になって、なんとなく緑鮮やかな葉物野菜が多く出回るようになった気がする
         

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香港では以前から高級レストランやホテルでは生牡蠣がよく食べられており、根強いファンが多い
          

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毎夜、白人系の酔客を集める蘭桂坊もハロウィンの飾り付けだ
        

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セントラル地区の石板街(ポッティンガーストリート)もこの時期は、ハロウィングッズの屋台街に変身する
          

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高層建築の工事でも、香港では足場は竹。しなやかな伝統技術
           

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辺り一面に甘い薫りが漂う港式叉焼(香港式チャーシュー)
            

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大量の中国大陸からの観光客や移民を受け入れながら、どことなく大人の振る舞いになった香港人社会の無言の変化を感じ取った数日間だった。
            

これが意味するところは、
今後の香港マーケット分析、チャイナウォッチングをする上で、注目すべき転換点のような気さえした。

 

 

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中秋の名月二題

旧暦の8月15日は、日本ではお月見(観月)
中華圏では中秋節といって日本以上に盛大に祝う。
 
今年は9月19日がちょうど中秋にあたる。
 
 
香港では公休日が1日ある。
 
広東式の月餅を贈る習慣がある。
 
 
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広州の蓮香楼という老舗レストランのものが特に有名で、
このシーズンに広州や香港に出張すると
缶入りの月餅をあちこちから頂くことになる。
 
 
これがまた、持って重たいし、
食べると日本人には喉につかえるほどずっしりとヘビーで
正直いくつか溜まると処分に困る代物だ。
 
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皮にも餡にもラード(豚脂)や砂糖が入っているからね。
 
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夜空にぽっかり浮かんだ満月に見立てて
 
 
それでも香港にいた16日には
半島酒店(ペニンシュラホテル)の月餅は、すでに売り切れていたし、
兄弟ホテルの九龍酒店(カオルーンホテル)でも
引換券を持っている人優先の人気ぶりだった。
 
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(この二店は確かに日本人でもファンの多い月餅だ)
 
 
 
翻って台湾。
 
 
今年は前週の土曜日を振替出勤にして
中秋から4連休にするほど盛大に祝う。
 
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台湾式の月餅は広東式と異なり
皮がサクサクした感じで、
緑豆や肉みそのような餡が入っている。
 
 
この日も商談の場で台湾式月餅が登場した。
 
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皮がポロポロこぼれて食べにくいのが難点だが
これも香港同様、お節句の大事な食文化だ。
 
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露店でもあちこちで売られている
 
 
ちなみに、台湾では、中秋節にはもうひとつ欠かせない果物
文旦(ザボン)がある。
 
 
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特に台南の麻豆産や新北市の八里産、花蓮の鶴岡産などが
よく知られている。
 
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八里の文旦農園で 2012年5月
 
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僕は中秋前日の18日に香港台湾を離れたが
巨大台風が接近していた。
 
 
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みんな満月を愛でることが出来たのだろうか?
 

彼岸を旅して廻る

ご無沙汰している間、
台湾の嘉義、台中、彰化、台北、そして香港、八代(熊本県)、宮崎、熊本と廻ってました。
 
 
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台湾新幹線(高鐡)嘉義駅ホーム
 
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台北中心街の風景
 
 
ちょうどお彼岸(中秋節)を挟んでのシーズンで、
どの出張先でも、ひと頃の酷暑から、涼しい風が吹いて来たり
朝晩が凌ぎ易くなり、ホッとしている。
 
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少し涼しくなったとはいえ、台北の秋の日差しは猛虎に例えられるように強い
 
 
台湾の中部でも実りの秋を迎えようとしていた。
 
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嘉義県にある国立の農業試験場
 
 
その後、大きな台風が通過したというから、
出逢った関係者の皆さんの仕事や生活に影響はなかったか心配だ。
 
 
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台北の青果市場で。この日葉物野菜は入荷していなかった。価格も通常の10倍以上もするものもあるという
 
 
台北では、日本のあの人気者と遭遇。
 
大フィーバーを巻き起こしていた。後日紹介しよう。
 
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台北で僕が好きな寧夏夜市で、なじみのフルーツ屋台に顔を出した。
ひと月前に来た時と商品がすっかり変わっていた。台湾でも果物が季節の移ろいを教えてくれる。
 
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香港では、日本総領事館を皮切りに
主要大企業、メガバンクなどの香港支店、
香港地場起業家や欧米のファンドマネジャーなど
過密スケジュールで訪問した。
 
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100万ドルの夜景は未だ輝き続けている
 
現下の中国の経済・社会の動向や投資環境、
中国化の動きを見せ始める香港社会の動揺、
香港から観た日中関係など精力的に情報収集してきた。
 
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「カントリーリスクときちんと向き合いながら、輸出志向型から内需重視型に移行する中国のこれからの変化と可能性を取り込むことこそビジネスチャンス。多くの日本人が見過ごしている」と、立場や業態は違っていても香港や上海に長く常駐する
皆さんは異口同音に強調する
 
 
やはり日本のメディア報道と現場のビジネス感覚とは
まったく様相が異なっていることが改めて確認された。
 
 
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上海やシンガポール、プサンなどとの激しい競争にあり、正念場を迎える香港経済
 
Dsc06905危機感すら漂う香港のこれからが注目される    
 
 
帰国して留まることなく、九州南部を行き来した。
 
 
本当に落ち着きのない性分が、
たまに自分で面倒に思う時がある。
 
 
でも、いつもいつも刺激を受け、
命のパワーに点火してくれる地域の元気な人たちと出逢う感激を味わえるから…。
 
 
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宮崎で次々と新機軸を打ち出し、海外事業もステージアップする若き農業経営者。逢うたびに進化を遂げている
 
 
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伝統かめ壺造りの醸造中の黒酢が秋空に映えて黄金色に輝いている。匠の技が現代に生かされ、そして海外に羽ばたいていく
 
 
前向き元気な皆さんは、ますますパワーアップしていて
やることが有り過ぎて目を回している。
 
 
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東京からの強力な支援者を囲んで、早朝から若き農業経営者の精鋭が集まってくれた。次々と日頃温めてきたアイデアがぶつけられる
 
 
 
今、ニッポンの地方が元気だ !!
 
 
そう自信をもって宣言できる。
 
世界に向けても、自信を持っていい。
 
 
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宮崎空港で。
口蹄疫、鳥インフルエンザ、新燃岳噴火など度重なる試練を乗り越えて一歩ずつ前進している
 
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熊本県八代市で予想を超える沢山の若い経営者の皆さんと交流した。僕はこの街特産のある産品をどんなことをしてでも中国に輸出を果たしたいという、強い執念を心密かに燃やし続けている…
 
 
 
家の小さな庭に、数本だけど
白と紅の彼岸花(曼珠沙華)が咲き、ススキが穂を出した。
 
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身近に、小さい秋を感じることが出来た。
 
 
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香港、台湾の人たちの縁起担ぎ(その3)

日本でお正月の食べ物といえば
真っ先に思い浮かべるのは「お餅」と
答える人は多いだろう。 
 
 
中華系の人たちも、旧正月には
年糕(ニェンガオ)と呼ばれる
もち米から作ったお餅を食べる習慣がある。 
 
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台北の南門市場にて
 
 
僕らは、お餅を食べるのは、
長~く伸びることから、長寿や成績が延びる
粘り強い人間になるなんて、子供の頃に暗示をかけられた記憶がある。
 
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中国でも「年年高昇」の年高と年糕が同じ発音であることから
やはりおめでたい縁起担ぎの食べ物として正月にもよく食べられる。
 
 
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台北の食材販売の老舗で見かけた台湾年糕
 
 
日本では丸餅、角餅、鏡餅程度しか形状の違いはないが、
中国では地方によって形も色も違うから面白い。
 
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中国には、寧波年糕や広東年糕、江南年糕など実に様々な形状をした餅がある
 
 
また一般には、野菜や肉などと一緒に油で炒めることが多く
あまり焼いたり、茹でたりして食べるのに出会ったことが無い。
 
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香港で食べた年糕を使った炒め物
 
 
文献によると、なんでも餅は3000年前のの時代からあるらしく
主に祭事の供物に用いられていたらしい。
 
 
そういえば、かつて雲南省や広東省で
餅つき用の臼と杵を観たことがある。
 
 
やはり米作と共に、西南中国から伝わった食べ物なのだろうか?
 
 
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歳末の福岡の風景