こんなに早くから

      
朝九時前。宮崎。

   

仕事の予定にはまだ随分時間があるので、
ミーハーで物好きな僕は、
連日全国版のテレビ番組で紹介されている県庁を一目見ようと足を運んでみた。

我ながら少々あきれてしまう・・・。

    

          
そうこうしていると、なんと県庁の正門から大型観光バスが3台も入っていくではないか!!

         
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まもなく開いたドアからゾクゾクと家族連れ、子供、年配のオジサマ・オバサマ方が降りてくるではないか。

   
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心なしか庁舎前が華やかに整備されている

      
       

バスを降りたご一行様方は一目散に、テレビですっかり見慣れた正門玄関の「」のあの一枚のボードの前で列をなして記念撮影を始めた。

   
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信じられないッ。
            

まだ出勤時間中のこんなに早くから!

    
正面玄関は大勢の観光客で占拠状態だ。
   
    
普通県庁の玄関でこんなことしてたら追い返されるに違いないが、ここでは守衛さんも温かく見守ってくれている。

            

ここはもう立派な観光資源・地域資源である。

            
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名刹同様、ガイドさんが説明するスポットでもあるのだろうか

             

しかも、なんと玄関横にはオープンカフェまで新設されているではないか。

       
     
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県庁玄関前の敷地内に、である。

    
開放感タップリなロケーションがなんだか複雑

         
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気鋭のコンセプターだって、こんな企画は出せないだろう。

      

        
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カフェ内にこんなコピーが。ジュース飲むと僕の頭にも効くかな?

      
     
さらに、庁舎の隣にあるみやざき物産館という県産品のアンテナショップ前を通ってみた。

    
           
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目を疑った。

なんと開店前というのに百人以上の人たちが待っているではないか!!
       

             

「そんなバカなっ!」

     
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つい、半年前までは、誰も気にも留めなかったような施設が、だ。

        

「ん~ッ!」

僕は頭を抱え込んでしまった。

        

いや、地元宮崎の人たちはもっとビックリしているのだ。

       
    
タクシーの運転手さんに聞いたら県外からの来訪観光客が最もよく行きたがるのが県庁なのだそうである。

    
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今や日本のホットスポット!?

         

かつての観光王国にとってありがたいことなのかどうなのか首をひねりたくなるが、とにかく大変貌である。

           

      
地元宮崎の元気仲間が紹介してくれた最高の「チキン南蛮」を頬張りながら、とにかく様々なビジネス現場の変化について教えてもらった。

       
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地元仲間推薦のチキン南蛮は格別ッ!
     
    

ここではマーケティングなど理屈なんか越えている

経済分析同様、もう後追い解説にすぎない。

       
      

空港までの沿道には、黄金色に頭(こうべ)をたれ始めた稲穂が敷き詰めたじゅうたんのようだ。
    

4号台風が直撃したにもかかわらず、稲が倒れなかったのが幸いだ。

     
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聞けば、なんと来週から稲刈りが始まるそうだ。

 

こんなに早くから!! 

        

日本一早い新米の収穫だ。

      
             
台風銀座である宮崎の知恵でもあり、出荷のタイミングの速さが1キロ1000円という付加価値をつけるのである。

         
        
宮崎のシンボルである太陽ハマユウが今日はひときわ目に映る。

   
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県花 はまゆう

     

それにしても「」は、あちこちにいる。

   
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新たなシンボルに定着だ。

    

こんなに早くから!!

     

インドシナへの冒険行

   

ベトナムカンボジアを訪ねた。

          

ベトナムは1991年以来15年ぶりの訪問
カンボジアは初めてだ。

          

人件費上昇、規制強化、反日運動など新たな要因が台頭している中国のリスク回避先として、タイやマレーシアなどと並び、日本のビジネスマンからもにわかに注目されている地域だ。

             

チャイナプラス・ワン戦略などと呼ばれている。
        

      
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伝統から成長路線への過渡期を思わせる・・・

       

今回は、最新の経済事情把握と金融ビジネスの視察が目的だが、
実はインドシナ内陸部への冒険の旅。 

      

今回の行程の最大の呼び物は、
ベトナムホーチミン市から国際バスに乗って国境を越え
カンボジアの首都プノンペンに向かうというもので
期待と不安が交錯するスケジュールだ。

         
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プノンペンの王宮前広場にて

      
プノンペンでは日本の製造業最前線に触れ、また農水産物市場の予想以上の活気を体験した。

         
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また戦後アジア史に刻まれるカンボジアの悲劇の現場にも足を踏み入れ、観光資源としての未整備ゆえの生々しい光景にショックを受けた。

     

続いてプノンペンから飛行機でシェムリアップへ。
あの世界遺産アンコールワットをじかに手に触れ、足に感じ、空気を我が物にしてきた。

           
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日の出直前のアンコールワット

   
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神秘的なアンコールトム

    

       

行程の後半はベトナム・ホーチミン市に5日間滞在して
躍進するインドシナの拠点にどっぷりと浸ってきた。

 
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もちろんホーチミン最大の食品スーパーも探訪

         

そのほんの一端をこれから時折、本ブログで紹介していこうと思う。

        

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維新回天の地で

   
山口市を訪ねた。

   
県主催の経済セミナーに参加するためである。
   

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会場となった山口・湯田温泉の翠山荘

   

         
食品・水産物の海外輸出がテーマということで
50名の予定が大幅に上回る60余名の参加者を集め、熱心に話を聞いていただいた。

    

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東京からジェトロ農水産調査課から専門官の方も参加して
最新の輸出事情について紹介を受けた。

   

やはりジェトロは多角的なデータを持っている。大変参考になった。
これらの情報を利用しない手はない。

   

もちろん得た情報をどう生かすかは我々の主体的な意識と判断によるけれど。

   

    
山口県は、水産物の集積・加工の拠点であり、
昔から朝鮮半島や大陸の窓口でもある下関を擁し、
魚肉練り製品メーカーや醤油、味噌、日本酒蔵元、和菓子など伝統的な産物も多い土地だ。

   
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豊かな山口の物産

   

       
私が興味ある幕末維新の歴史では言うまでもなく表舞台となったところでもあり、山口出身宰相の8人目となる安倍総理も日本食品の海外輸出には極めて意欲的だ。

    
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地元でも人気!!

    

    

今、静かではあるが、わが国が閉塞感から脱却しようとしている大きな転換点を迎えているとすれば、維新回天のDNAを持った山口の若い人たちが行動を起こすことを願っている。

     
     
  
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伊藤博文や井上馨ら長州ファイブ(五傑)のレリーフ

      
     
梅雨空のもと、清流・椹野川(ふしのがわ)の優美な流れは今日も変わらず街の風景を潤していた。

   

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西の京と呼ばれる山口  ― 椹野川と姫山(右)

       
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新山口駅で中原中也を思わせる後姿の青年に思わず・・・

       
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学生時代に傾倒した詩人中原中也の記念館

     

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心動かされた女流詩人―金子みすずも山口県長門の出身だ

      

七夕の習慣

      
私の自宅には、まさに猫の額ほどの小さな竹やぶがある。
   

昔ここ一帯は広大な竹林だったのだが、すっかり住宅地に変わってしまい、いつの間にか我が家の一角だけになってしまった。

   

毎年七夕の数日前に、団地サイズに竹の枝を切って、欲しい方に持ち帰っていって頂いている。

       
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近所には子供のいる家庭も多く、今年もこの日を待っている人も増えたのだろうか、20本ほど立て掛けておくと1時間足らずで無くなってしまう。

     
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来年以降も当分止められないだろうなあ。

     

    
七夕と言えば、中国の日系量販店で七夕のディスプレイを発見した。
    

この会社の総経理の方のお話では、
七夕と言えば中国の伝説なので、ごく自然に装飾を施したのだが、中国の人たちは意外に七夕のことを知らず、また祝う習慣もないことを知ってビックリしたのだと言う。

    
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中国北京にて  七夕祭の縁起が説明されている

   

日本では節句や季節のイベントを販売促進に積極的に活用することは普通のことだが、海外では必ずしもそのような工夫を凝らすことは多くないようだ。
   

ここに日本のノウハウがある
   

中国で言えば、もちろん中秋節や清明節は大々的に祝うのだが、最近では母の日やクリスマス、バレンタインなども生活の中に浸透し始めている。西洋の習慣も取り入れられるようだ。

   

日本の商品を海外で販売する時も、ただ売り込むだけではなく、日本の文化、習慣、食べ方・使い方などと共に提案することも重要である。

   

もちろんその国の消費者の生活に溶け込むような演出が必要だ。
   

今後、中国での七夕は、願い事をするお祭りになるのか、それとも男女の逢瀬の日となるのか?これから楽しみだ。

    
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日本の神社で見かけた彦星と織姫の人形  

    

まさか中国でも日本の浴衣が売れるようになるのだろうか・・・

    

ついたち(一日)に想う

   
今日は7月1日。

 

2007年もはや半年が過ぎ、下半期が始まることになる。

   

忙しかったかのようにも思えるが、その結果
いったいどれだけ人様のお役に立てたのだろうか?

    

あっという間の時の流れに、不安と後悔ばかりが心をよぎる。

   

    
最近、ある方の紹介で
毎月一日の午前零時を過ぎ夜明けにかけての時間に
自宅から車で1時間ほどの神社で行われる朔日(ついたち)参りに参加するようになった。

   
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ここは1600年前に創建された商売繁盛と開運祈願で広く有名な神社だ。

    
無事に過ぎた1ヶ月を感謝し、新しい月の無事を祈る習慣「朔日参り」は伊勢神宮が有名だ。
   
初詣で同様、誰でも参拝可能な年中行事。

   

月の末日の午後11時半を過ぎると、
この神社の境内に次々と人が集まってくる。

   

家族連れあり、カップルあり、商売人と思われる人あり・・・。

    
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深夜ということもあるからだろうか、年配の人より若い人がとても多いのに驚かされる。

   

一日の午前零時と共に合図の太鼓が打たれ、一斉に賽銭が投げられて拍手(かしわで)の音が鳴り響く。

   
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頭上の注連縄(しめなわ)は日本一だとか

   

気持ちが凛とする一瞬だ。

   

「先月も頑張りました。ありがとうございます。
今月もまたよろしくお守りください。」
と皆さん念じているに違いない。

  

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神様とのご縁が結べる様にと五円玉を結ぶ

    
   
境内には季節によっていろいろ演出も施されて、参拝信心の晴れやかさと共に日本の伝統文化を再認識する機会にもなり、改めて日本の素晴らしさを体感するのだ。

    
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先月6月1日は花ショウブが境内一面に飾られたが、今月は七夕飾りだ。

   
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願い事を短冊にしたためる。

     
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参拝を終えると、待ちに待ったお楽しみ―朔日餅(ついたちもち)を手に入れること。

   
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毎月趣向を凝らし、季節に合わせたここでしか手に入らないプレミアムな和菓子を頂く。

   

実は、この有り難いお菓子を納品している会社の社長さんとご子息にこの朔日祭を教えていただいたのだ。

   

昨年3月、台湾の台北で福岡県産イチゴ「あまおう」のプロモーションを行った時に、あまおうを使ったイチゴ大福の実演をお願いしたところ一週間の計画で準備していたのが、3日で売切れてしまうといったレコードを作られた時からのお付き合いでいろいろ教えを乞うている方なのだ。

   
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てんてこ舞いの忙しさ  台北にて

   
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台湾でも高級イチゴとしての博多あまおうの認知度は抜群

   

自社ばかりでなく、近い将来、九州中の志ある多くの和菓子を世界に広めたいと大きな夢を持っておられることにとても敬服している。

       
とにかく、私は毎月この朔日餅が楽しみなのだ。

         
先月は葛で寄せられた菖蒲餅だったが、今月は特製ワラビ餅だそうだ。

    
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接待所でも無料でお茶と共に頂けるのだが、必ず数箱買い求め、近所の甘党のお年寄りなどに配っている。

  

    

    
そういえば、先月24日、日本産のコメの中国向け輸出が4年ぶりに再開された。

    

わずか24トンのごく少量の第一便ではあるが、これが意味することは予想以上に大きな契機になるだろうと考えている。
   

様々なマスコミ関係者からもコメントを求められた。

   
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北京の大手スーパーのコメ売場

   
   

攻めの農業の本格的な行動開始とも、また新たな摩擦の始まりとも賛否渦巻くニュースではあるが、政府の外交交渉支援の下で、難度高いと言われる中国での販売事業に果敢に挑戦する人がいるということは事実だ。

    

この機会を生かすも殺すも我々の考えと行動次第。

   

折りしも、昨夜の経済新聞では、10年ぶりにコメの国際価格が上昇したと言う記事が目に留まった。

     

もっとも上昇したのは世界の9割を占める長粒種のことであって、日本の短粒種ではないのだけれど、世界的に資源保護、環境破壊、同時好況を背景に穀物相場がエネルギーと同じ運命にはならないとはもう言えないだろう。

    

時間を後戻しして分析することは比較的簡単だ。

    

今後半年、3年後、5年後、10年後の変化を読んで対応することこそ我々日本人に最も求められることだと思う。

    

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ぽっかり浮き出た満月がとても印象的

    

      

一日(ついたち)零時の心のけじめは、私にとって、時の流れを再認識する絶好の機会にもなっている。

     

    

さあ、朔日餅を頂こう!!