ついたち(一日)に想う

   
今日は7月1日。

 

2007年もはや半年が過ぎ、下半期が始まることになる。

   

忙しかったかのようにも思えるが、その結果
いったいどれだけ人様のお役に立てたのだろうか?

    

あっという間の時の流れに、不安と後悔ばかりが心をよぎる。

   

    
最近、ある方の紹介で
毎月一日の午前零時を過ぎ夜明けにかけての時間に
自宅から車で1時間ほどの神社で行われる朔日(ついたち)参りに参加するようになった。

   
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ここは1600年前に創建された商売繁盛と開運祈願で広く有名な神社だ。

    
無事に過ぎた1ヶ月を感謝し、新しい月の無事を祈る習慣「朔日参り」は伊勢神宮が有名だ。
   
初詣で同様、誰でも参拝可能な年中行事。

   

月の末日の午後11時半を過ぎると、
この神社の境内に次々と人が集まってくる。

   

家族連れあり、カップルあり、商売人と思われる人あり・・・。

    
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深夜ということもあるからだろうか、年配の人より若い人がとても多いのに驚かされる。

   

一日の午前零時と共に合図の太鼓が打たれ、一斉に賽銭が投げられて拍手(かしわで)の音が鳴り響く。

   
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頭上の注連縄(しめなわ)は日本一だとか

   

気持ちが凛とする一瞬だ。

   

「先月も頑張りました。ありがとうございます。
今月もまたよろしくお守りください。」
と皆さん念じているに違いない。

  

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神様とのご縁が結べる様にと五円玉を結ぶ

    
   
境内には季節によっていろいろ演出も施されて、参拝信心の晴れやかさと共に日本の伝統文化を再認識する機会にもなり、改めて日本の素晴らしさを体感するのだ。

    
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先月6月1日は花ショウブが境内一面に飾られたが、今月は七夕飾りだ。

   
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願い事を短冊にしたためる。

     
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参拝を終えると、待ちに待ったお楽しみ―朔日餅(ついたちもち)を手に入れること。

   
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毎月趣向を凝らし、季節に合わせたここでしか手に入らないプレミアムな和菓子を頂く。

   

実は、この有り難いお菓子を納品している会社の社長さんとご子息にこの朔日祭を教えていただいたのだ。

   

昨年3月、台湾の台北で福岡県産イチゴ「あまおう」のプロモーションを行った時に、あまおうを使ったイチゴ大福の実演をお願いしたところ一週間の計画で準備していたのが、3日で売切れてしまうといったレコードを作られた時からのお付き合いでいろいろ教えを乞うている方なのだ。

   
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てんてこ舞いの忙しさ  台北にて

   
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台湾でも高級イチゴとしての博多あまおうの認知度は抜群

   

自社ばかりでなく、近い将来、九州中の志ある多くの和菓子を世界に広めたいと大きな夢を持っておられることにとても敬服している。

       
とにかく、私は毎月この朔日餅が楽しみなのだ。

         
先月は葛で寄せられた菖蒲餅だったが、今月は特製ワラビ餅だそうだ。

    
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接待所でも無料でお茶と共に頂けるのだが、必ず数箱買い求め、近所の甘党のお年寄りなどに配っている。

  

    

    
そういえば、先月24日、日本産のコメの中国向け輸出が4年ぶりに再開された。

    

わずか24トンのごく少量の第一便ではあるが、これが意味することは予想以上に大きな契機になるだろうと考えている。
   

様々なマスコミ関係者からもコメントを求められた。

   
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北京の大手スーパーのコメ売場

   
   

攻めの農業の本格的な行動開始とも、また新たな摩擦の始まりとも賛否渦巻くニュースではあるが、政府の外交交渉支援の下で、難度高いと言われる中国での販売事業に果敢に挑戦する人がいるということは事実だ。

    

この機会を生かすも殺すも我々の考えと行動次第。

   

折りしも、昨夜の経済新聞では、10年ぶりにコメの国際価格が上昇したと言う記事が目に留まった。

     

もっとも上昇したのは世界の9割を占める長粒種のことであって、日本の短粒種ではないのだけれど、世界的に資源保護、環境破壊、同時好況を背景に穀物相場がエネルギーと同じ運命にはならないとはもう言えないだろう。

    

時間を後戻しして分析することは比較的簡単だ。

    

今後半年、3年後、5年後、10年後の変化を読んで対応することこそ我々日本人に最も求められることだと思う。

    

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ぽっかり浮き出た満月がとても印象的

    

      

一日(ついたち)零時の心のけじめは、私にとって、時の流れを再認識する絶好の機会にもなっている。

     

    

さあ、朔日餅を頂こう!!

     

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。

“ついたち(一日)に想う” への4件の返信

  1. 宮地嶽神社には僕も正月、桜の季節、菖蒲の季節などよく出かけています。
    朔日(ついたち)参り祈祷祭には行っていませんが、商売をやられている方にとっては凛とする瞬間でしょう。努力あっての神頼みではありますが、やはり神様にいつも見てもらいたいという心理はよくわかりますよね。

  2. ラツさん コメントありがとうございます。東京の伯母の家では毎月一日に赤飯を炊いていました。特にめでたい事がある訳ではないのにです。月日が経つのが早い、季節感がなくなったと言われますが、初参りなどと同じく節目にけじめをつけるところが昔の知恵だったのでしょうか。7月一日と言えば山笠。ラツさんの季節到来です。やはりお櫛田さまですよね。

  3. いいとこですね~、宮地嶽神社ですね!夜だから若者が多いのでしょう。朝6時だったら年寄りばかりでしょうね。(笑)夜中の徘徊習慣、続行中のマーケティング男でした。

  4. じーこむらさん コメントありがとうございます。深夜徘徊のプロのじーこむらさんとぜひ一度朔日参りにお誘いしたいです。

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