北海道のアジアパワーに脱帽(3)

   

朝、朝の散歩とばかりに、
やはり札幌ビギナー定番の二条市場に足を運んだ。

         

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北海道の豪快な物産、山海の珍味が所狭しと並んでいる。

       

Dsc_4923 北海道と言えば、やはりカニ・・・

         
Dsc_4974 見たこともない北海の物産も

         
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野菜だって・・・

        

     
  「見てばっかりいないで、買っていきなよお~ッ。」

     

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店の人も呼び込みに余念がない。

    

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小遣いの少ない僕にはどれも高嶺の花

     
     

  「見るだけでお腹一杯だよッ」
      
  
と軽口をたたいて、スゴスゴと通り過ぎる。

     

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茹で立てのカニの匂いが鼻をくすぐる

      

     
そのうち、またもや中国人ツアー客らしき御一行様がゾロゾロとやって来たではないか・・・

      

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Dsc_4896 ワイワイガヤガヤ、品定めに余念が無い

      

標準的な北京語を話しているから、
きっと中国大陸の北方の人たちだな・・と推測。

    

乾物、珍味などを買う買う。

     
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必ず試食して納得してから、値段交渉もしっかりして買っている。

  
さすが中国人。

      

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中国人グループが一陣の風のように去った後、
お店の人にいろいろ訊いてみた。

    

「日本人よりも沢山買う人も大勢いるよ」

      

「でも台湾の人なんかは、数年前に比べると余り買わなくなったねえ。何度も来ているからなのか、それとも昔は金持ちだけだったのが、今は普通の人たちも来るようになったからかも知れないね。
以前は台湾人や香港人は一杯買ってくれたんだけどねえ。」

      

「最近はねえ、
添乗員がリベートをくれる店にしか連れて行かなくなったから、うちにはあまり寄らなくなったのよ。仕方ないねぇ。」

   

いろいろ事情がありそうだ。

     

    

市場のはずれに観光バスが止めてあった。

   

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表札をよく見てみると、
  
「天津支店代理店様ご一行」。

   

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これはインセンティブツアーではないだろうか?

   

    

そう、企業の社員や代理店のモチベーション(士気)を挙げるための報奨旅行のことで、最近、九州でも中国からのインセンティブツアーが増加している。

    

中国で保険やサービス、製品の販売・営業部門でよく採用されている手法で、結構効果を挙げている。

    
一定期間、会社に貢献した人は、日本への研修旅行のご褒美が付く、と言う訳だ。

     
    

そのうち、たくさんの袋を抱えた、さきほどの中国の人たちが白い息を吐きながら、ドカドカとバスに乗り込んでいった。
            
皆、買い物をして満足そうな表情をしている。

    

これは、日本人も中国人も変わらない・・・。

      

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朝の仕入れ風景

   
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ストーブで瓶牛乳を沸かしている・・・

   

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北海道のアジアパワーに脱帽(2)

        
夕刻、小樽から札幌に戻り、再度仕事して一服、

   

 「面白いものを見に行きましょうか」

   

という誘いを受けて、夜「すすきの」に繰り出した。

      

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 どんなものに出会うのだろうか?
    

期待を胸に、夜の歓楽街に向かった。

      

      

そこは、北海道ビギナーの定番「札幌ラーメン横丁」。
     

細い路地に何軒ものラーメン店が軒を並べている。

      

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狭いその横丁に足を踏み入れた途端、アッと驚いた

      

どの店も中国人の観光客でぎっしりと込み合っているではないか!

    

もう占拠されているという感じだ。

   

路地にもガイドブックを持ったいくつもの女の子たちのグループが、どの店がいいか迷っている。

     

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耳に入ってくる言葉は、広東語、北京語、台湾語、上海語勢ぞろいだ。

   

店の中もぎっしり一杯で、
ワイワイガヤガヤ香港の飲茶楼と同じくいつものとおりの喧騒ぶり。

    

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日本人のカップルが 

「なんだこれは!?」
     

目を白黒させながら、首をすくめて麺をすすっている。

       

店の前には
「香港の**旅行社と提携」「雑誌クーポン使えます」など
中国語で書いてある。

   
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韓国語だって・・・

    

  一体、ここはどこなんだ!?

   

  札幌に中華街なんてあったっけ!?

    

もっともこういう現象は時間帯や季節にもよるそうだが、
ちょうど旧正月シーズン終盤にもかかっていて、
なおさら凄かったみたいだ。

   

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どこにもお調子者は居る・・・

   

おそるべし、アジアンパワー。

    

      

そのあと狸小路という大きな商店街を歩いていたら、
果物屋さんが遅くまで店を開けていた。

    

そのうち香港人らしきカップルがやってきて
一目散にイチゴの前に来て品定め。

    

二人でパックを手に取りながら、あれがいいこれがいい。

  

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 安いねッ!  と広東語で感嘆の声。

    

あっと言う間に4パックもお買い上げ。

    

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ニコニコしながら去っていった。

    

後からのぞいて見てみると、そのお店で売っていたのは
福岡産の「あまおう」と仙台産「とちおとめ」だった・・・。

    

そう、北海道ではあまりイチゴは生産されていないはず。

    

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彼らにとっては、日本に来たら本場のイチゴが食べたかった、ということなのだろう。

     
産地がどこかなんて、こだわる必要は無い。

   

考えてみれば、タラバガニだって、ジンギスカンだって、素材の産地は僕もよく知らないけれど札幌の味、日本の味ですもんね。

    

香港でも今や、高いけど「あまおう」はあちこちで売ってます。

   

間違いなく香港で買うより安いのだけども、産地から届いた時間は、札幌より香港の方が早い可能性が大なのですよッ!!

      

このカップルは香港で一度は日本のイチゴを食べたことがあるのではないだろうか? など余計な想像を膨らませてしまう。

      

お店の人に聞くと、甘柿もよく売れるのだそうだ。

   
   

 「札幌でもお買い上げ、誠にありがとうございますッ。」
   
      

 僕は心の中で、そうつぶやいた・・・。

      

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北海道のアジアパワーに脱帽(1)

             
仕事も順調にすすみ、半日空き時間が出来たので
小樽へ案内していただいた。

      

札幌からも電車で約30分。こんなに近いとは思わなかった。

        

美しい雪景色から、突然北海の大海原が開けたときは感動した。

      

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小樽は最近、観光誘致にも成功していて
レトロな雰囲気漂う石造りの建築物や運河沿いに並ぶ倉庫群は、一度は訪ねてみたい所ではないだろうか。

      

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JR小樽駅から歩いて直線10分余りですぐに運河沿いの通りに至る。

      

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天気も冷たいけど気分上々。
            

ゆっくり見物するか、と思いきや、韓国人のツアー客がいくつも来ていて、耳から入ってくる歓声は韓国語ばかり。
      

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いやー、ビックリした。

     

お喋りなオバさん達から声をかけられたりするが、
何を言っているのかサッパリわからない。

      
でも、皆とにかく楽しそうで、僕もツアーの塊の中に入り込んで
訳もわからずハシャギまくった。

     

それにしても路面が凍っていて危ないことおびただしい。
    

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韓国の人なら母国でも慣れているからいいかもしれないが、台湾や香港の人はどうしているのだろう。
      
まっ、それもいい体験か・・・。

      

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写真撮影スポットで韓国の人たちと写真を撮り合っていたら
突然、吹雪きだして、前も見えないくらいのモノ凄さになった。
    

温度計の数字は、マイナス1℃。

体感温度はもっと低い。

      

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ツアー客の人たちは、すぐに待機していたバスに乗ればい が
私はただただ右往左往するばかり。一瞬で体に雪が積もるほど。
     
      
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タクシーに乗ろうという同行の方の勧めを断って
吹雪の中の小樽観光ロードを歩ききった。

     

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日銀小樽支店
    

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吹雪の中をこんなにはしゃぐ九州人を見て
あきれ果てた事でしょう。
    

ゴメンナサイ。

  

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でも、雪の少ない地方の人間だからこそ、
台湾や香港、中国、東南アジアの人たちが北海道に行きたがり、また感動する気持ちがよくわかるのです。

      

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今、世界的に流行しつつある「Japanese Sushi」でも
ここ小樽は憧れの街。

    

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つくづく発信力のある街だと思った。

     

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その日の夜、札幌に戻り、
さらにアジアパワーに驚かされる事になる。

      

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なのに暖冬!?

      
「さぶ~~ッ!」

   
札幌を訪ねた。

      
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これまで北海道を訪れたのはいずれも夏で、
今回のように真冬の季節は初めての体験だった。

    

初日は比較的穏やかな天候だったとはいえ、
2日目は時折吹雪いたりして、
寒冷地に慣れない私にとって驚きの連続
     

出発地の気温が17℃ということで軽装をして行ったら
札幌の最高気温がマイナス1℃と聞いて、到着してから慌てた。

     

街を歩くと、路面は凍っているわ、
指先は感覚がなくなるほど悴(かじか)んでしまうわで
おそらくその頃の気温はマイナス4~5℃には下がっていたはずで
体感温度はもっと冷たく感じた

    

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吹雪いて前が見えず、慣れない私はプチパニックに・・・

     

私は北京にも駐在した事があるし、
真冬に中国東北部で零下14℃の世界も体験した事はあるが
同じ日本という事で、まったく気を許して無防備だった。

     

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積もった雪を見てはハシャぎ回るし、寒いの冷たいのとわめくはで、とにかく興奮状態だったが、
札幌の人に言わせると、今年はとんでもない暖冬で
雪は異常に少ないし、気温もたいしたことではないそうで
     

「おのぼりさんが何を大騒ぎしているの?」という感じで受け止められてしまった。

      

九州も暖冬と言われ、寒い冬がないことで体験してはいるが、
この冷た寒さが異例の暖冬といわれてもピンとこない。

       

零下5℃くらいと思われる朝の出勤風景でも
皆、何ということなく余裕がある感じだ。

        

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東京だったらもちろんこうはいかない。
寒い寒いのパニックだ。

            

もっとも路面が凍っているから、スタスタと歩くわけには行かず
一歩一歩踏みしめなければならないから、なおさらそう見えるのだろう。

 

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足元がおぼつかない私はツルツル滑って、危ないことはなはだしい。
3日間この調子だったから、足首や膝、腰に無理な負担がかかって筋肉痛だ。
    

地元の方にいろいろ歩き方を教わったのだが、
かたや何十年のキャリアに対して一日二日の初心者には滑稽なだけ。

      

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私が九州で少年時代、校庭に薄っすら雪が積もっただけで
授業を中止して雪合戦や雪だるま作りをした思い出がある。

      

   

これだけ綺麗な雪を見ても札幌の人は珍しくもないし、
雪遊びをするわけでもないだろうと思っていたら
なんとスポーツ雪合戦の試合に遭遇した。
       

しかも大通公園で

      

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結構重装備なのは、凍った雪玉をまともに喰らったら
大ケガをする事もあるらしい。

      
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雪球が当たったら退場し、自陣の旗を取られたら決着
    

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2試合参観して、その迫力と大人の雪合戦の戦略性を見て
意外に面白かったのだが、手袋をしていても指は麻痺するし
芯から冷え切ってしまい、こちらが途中で棄権退場と相成りました。
     

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寒くて、もうたまらん・・・・

   

    
ちょうど、世界スキー選手権が札幌で開催されていることもあり
テレビでしか観戦したことのないジャンプやクロスカントリーなどを
現場で観てみたかったのだが、これでは無理と諦めた。
    

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地元の人に、「だから九州の人間は根性なし」と笑われたが、おそらく僕だけですから悪しからず。

    

それにしても北海道や東北の人は我慢強いことがよく解った。
     

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日本の広さを感じた出張だった。

     

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JR札幌駅のコンコースにもストーブが

    
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歓楽街すすきのでも除雪作業が

    

北海道は夏もいいけど、やはり冬、それも真冬がお勧めだ。

     

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昼と夜の大通公園

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