今年は何かと水難にまつわる話題の多い年に
なるのは間違いないだろう。
入梅の頃は、むしろ水不足が懸念されていた。
確か一部のダムでは取水制限をしていたはずだったがな・・・
などと記憶があいまいになるほどだ。
ところが、先月末には、東京をはじめ山口、兵庫など全国各地でゲリラ豪雨が発生し、大きな被害をもたらした。
あっという間に冠水する恐ろしさを何度も体験した
ここ福岡市田島地区では二度に渡り、
住民避難勧告が出るほどの浸水被害に遭い、
連日全国版のニュースで報道された。
福岡は、例年の渇水から水害の街にすっかり変わってしまった。
画像は警報発令翌日の様子で、すでに水位は
下がっていたが、爪痕は生々しく残っていた。
本当に恐ろしい豪雨だった。
先日、海外出張した時に手に入れた新聞の
台湾の記事である。
東方日報
日本でも大きく報道された「八・八水害(8月8日に発生)」の模様である。
まだ600名を超える不明者がいるともいわれるが、台風の多い台湾でも前例が無いほどの凄まじいものだったそうだ。
南部を中心とする山岳・農村地帯が寸断されているようで、とても心配である。
すぐに何人かの友人・知人にお見舞いの連絡を入れたが尋常ではない様子でとても気にかかる。
今、世界では、原油だ、食糧だ、稀土金属だ、とその偏在ぶりや不足が懸念されているが、もっとも深刻なのは水だとも言われている。
老子の言葉「上善は水のごとし。水は善く万物を利して争わず、衆人の悪む所に処る。故に道に幾(ちか)し。」を引用するまでもなく、水という存在は、道(どう)の根源といわれている。
しかし、水というものは夏の渇きを癒し、変幻自在の柔軟さを持つ一方、その大きな勢いや忍耐強い水滴の力は、岩をも砕いてしまうほどの存在でもある。
農林水産業の外周のほんの一端に縁ある者として、これからもこの「水」というテーマは、さまざまな局面で影響を及ぼしてくるであろう。
僕のこれまでの海外体験の中から水にまつわる話題を、これから少しずつ紹介していきたいと思う。