甘あ~い香りのイチゴ畑で

      

福岡のイチゴと言えば、「あまおう」というブランドが全国的にも浸透してきている。

   

福岡県産イチゴの主力産地のひとつである八女市を訪ねた。

  

折りしも偶然立ち寄った観光農園にお邪魔した。

    

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ちょうど園の担当者の方が、忙しい作業の合間を縫って、何棟ものハウスを案内して頂いた。
    

ここでは、いろいろな種類のイチゴ狩りが楽しめるという趣向だ。

  

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「観てください。あまおうだけ真っ白でしょう? 熟れたものが全く無いんですよッ。」

    

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見てみると、確かにあまおうだけ実が赤いものが無い。

  

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先週の週末、イチゴ狩りを楽しむ観光客でごった返したそうだが、やはりあまおうの人気は抜群で、みんなあまおうばかりを摘んだもんだから、熟したものが無くなってしまったんだそうだ。

  

あまおうのブランド力は本当にスゴイ。

  

消費者は、価値が高いということを知っていて、集中攻撃を仕掛けたみたいだ。

    

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もちろん他の品種も、ほとんど完熟待ちの状態だったが、改めてそれぞれの品種特性について知ることが出来た。

     

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さちのかは、特に実付きが良い品種だそうで、ご覧の通り鈴なりだ。

     

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今日頂いたイチゴの中では、さがほのかが美味しかった。

   

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この品種は、もう少し暖かくなるとさらに甘みが載ってくるのだそうだ。

    

季節によって美味しい時期が違うそうだから、チョッとした知識があるとお買い得かもしれない。

   

     

とよのかは、かつての福岡イチゴの主力品種だったのだ。

    

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今はあまおうに主役の座を取って代わられているが、
その甘い香りは健在で、新品種の掛け合わせに必ず使われるらしい。

      
     

紅ほっぺは静岡で開発された品種だそうだが、名前がなんともかわいらしい。

   

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それぞれの品種に食味の特徴があり、また栽培上の違いもあるらしい。
収益力にも差があるので、生産者もその見極めが重要なのだそうだ。

    

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なんと三段の高設栽培

    

今は、高設栽培が普及しており、露地栽培に比べ、効率が上がるだけでなく、作業が格段に楽になったそうだ。

     

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突然の乱入にもかかわらず、熱心に教えてくださった中山さん、本当にありがとうございました。

      

     

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貯水槽だろうか? 子供客が喜ぶだろうなあ

      
     

年を越してからも、香港や台湾、シンガポールを中心にアジア各地から、あまおうの注文が相次いで、嬉しい悲鳴が続いている。

   
一説によると、
2005年の日本のイチゴ全輸出量の約8割が福岡産で、昨年2006年も約7割を福岡産が占めたと言われている。
     

これも、生産者、JA、福岡県の数年の努力の結果である。

    

でも、まだまだ海外販路開拓の事業は始まったばかり。

  

来月からは、いよいよアメリカに向けてあまおうの試験輸出も始まる。

    
    
イチゴの大産地アメリカ市場でアジア代表のひとつであるあまおうが果たしてどこまで通用するか?

  

関係者の努力と信念にかかっている。

   

松坂大輔と並んで、頑張れあまおう!!

    

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あまおうの花

     

     

フレーッフレーッ宮崎!

        

昨年末から、
にわかに全国的に話題を独占しているかのような宮崎県

    

近所のデパートで、面白い商品を見つけた。
    

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撮影したのは、あの東国原知事が当選した翌日だから、
偶然の産物であって、
受けを狙って作られたものではないだろう。

   

そのまんま食べられる金柑

  

実は、私も一年前、宮崎・日南市を訪ねて、
そのまんま口に放り込める完熟キンカン「たまたま」の存在を知り、
いっぺんにその虜になったのだ。
   

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キンカンの樹

   

一本の木に2%しか出来ないといわれる
直径3.3センチ以上で、糖度が16度以上あるものを厳選したものだけが「たまたま」と呼べるのだ。

   

余りに貴重なので普段私の口には入りません。

   

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キンカンのハウスの中

   

すでに香港や台湾の高級店や卸売市場では
宮崎産の完熟キンカンが売られていた。

   

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台湾の市場で売られていた宮崎キンカン

   

台湾では、やはり咳止めや喉に良いと言われており、
これからの時期、たくさん市中に出回る。

   

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台湾の夜市でキンカン茶を注文。「ホットにする?それともアイス?」
      

また、「金」や「吉」という字が当てられるので、縁起物としても広く珍重されている。

       

それにしても、安心して「そのまんま」生で口に放り込める
宮崎のキンカンは素晴らしい。

  

最近、有名になった夏の宮崎マンゴーもいいが、
真冬の宮崎キンカンもスゴイと思う。

    

2月が最も美味しいとされるそうだが、
今から楽しみだ。
   

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あと40日ほどで完熟する・・・

     

もうひとつ、これから3月にかけての季節、美味しくなるフルーツと言えば、「日向夏」がある。
   

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白い皮をつけたまま切って食べるのは結構有名だが、甘い刺身醤油をかけて食べるとイケることを知っている人は少ないのではないだろうか。

     

このような食べ方、海外でも通用するかなあ?

        

また、宮崎と言えば、「切り干し大根」。

美味しいですよね。

寒干しの風景は有名だ。

    

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夏は葉タバコの畑が、冬は大根畑となるそうだ。
     

延々と続く、干し大根の風景は
農業県宮崎の風物詩。

    

見事と言うほかない。感動ものだ。

   

そう言えば、台湾では、
切り干し大根を硬く戻したものに卵にとじて焼いた卵焼きが
とてもポピュラーな家庭料理だったはずというのを思い出した。

  

早速、台湾で売ってみてはどうだろうか・・・
      

    

道中、カブを集荷している現場に遭遇。

    

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寒いのに冷たい水でしっかりと洗っているので、大変だなあと思っていたのだが、話を聞けば、結構汗だくなんだそうだ。

   
それはそれで大変な作業だ。

    

今、宮崎県は、清武町と日向市で鳥インフルエンザが発生し、大変なことになっている。

    

全国的にも有名な宮崎鶏が、このような被害に遭うなんて信じられない。

   

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清武町付近の道路には県警のパトカーが出入りの車をチェックしている

    

風評被害が無く、一日も早く元の状態に戻ることを祈っている。

    

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早速、新知事の手腕が試される時が来たが、現場では多くの方々が、県民・国民の安全のために奮闘している。

       

がんばれ宮崎! 
     

そして海外にも、太陽に様に明るく元気な宮崎を売り込んで欲しい。

      

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いつ行っても陽光降りそそぐ宮崎空港

      

      

米どころで輸出解禁協議のニュース

    
新潟を訪れた。

       
積雪どころか雨が降り、拍子抜けするくらい寒さが気にならなかった。

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雪かきの道具もまだ出番は無いようだ…

      

     
新潟でも今年は暖冬傾向らしい。

     

新潟市が主催する新潟貿易塾という勉強会に参加させていただいた。
     

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熱心な参加者が集まり、満員の会場は終始熱気に包まれた。

         

     
新潟市は、7月には新たに政令指定都市としてスタートを切る。
      

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先の広域合併もあり、日本一の農業生産高を誇る政令市ということになり、「田園調和都市」というキャッチフレーズがついているそうだ。
   

    
なんて新鮮でお洒落なコンセプトだろう!

       

   

新・新潟市の食料自給率はなんと67%

   

全国14の政令市の中で、新潟を除くトップは仙台市の7%なんだそうだ。

0%の都市だってあるのだ。

香港やシンガポールと同じだ。
  

いかに大都市が外部に食料を依存しているかがわかる。

     

これまでの政令都市といえば、
ミニ東京よろしく、地下鉄や商業流通・物流など近代施設の整備を目指すことが多いようだが、自然景観や農業園芸との調和を謳うというのはこれから時代を先取りしていると思う。

     

また、国際交流の方面では、ロシア(旧ソ連)極東地域や中国東北部との交流にも早くから熱心で、昨年初めて訪ねたウラジオストクでも新潟の知名度は抜群だった。

     

市の幹部や職員の方の中にもロシアのエキスパートが何人もおられ、その経験・認識の深さには驚いた。

      

将来、北朝鮮との関係が改善された暁には、日本海をめぐる両岸交流の一大拠点となるのは間違いないことだろう。

   

        

また、新潟にはコシヒカリに代表される米や日本酒、豊富な水産物、調味料や菓子など日本を代表する食品が多いことでも有名だ。

    

ここ数年、上海や台湾、ロシアなどでも新潟産の農産物や食品を見かけることが多くなった。活発な輸出促進活動が展開中なのだそうだ。

日本語はもとより、英語、中国語のほかロシア語の農産物カタログを見せてもらった時は驚いた。

    

台北でも各地の日本米のテストマーケティングが行なわれているが、現地の複数の取り扱い業者は、新潟越光(コシヒカリ)の生産者、支援組織の働きかけが最も熱心だと口をそろえて言う。

     
現に、台湾では新潟の米が高級ブランドとして浸透し始めているそうだ。
      

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日本トップブランドの地位を固めつつある新潟米(台北にて)

       

ほかにも台湾では、秋田県、佐賀県、千葉県産の高級米も奮闘していた。

     

    
折りしも、17日の報道では、先のセブ島での日中首脳会談で日本米の対中国輸出解禁へ動き始め、松岡農相が急きょ北京入りしたと伝えられた。

   

米は価格等の競争力が加われば、わが国の戦略輸出商品となりえるアイテムだけに大きな関心がもたれている。

    

実務の現実はそう簡単ではないだろうと予測されるが、熱心な挑戦者たちの行動があれば、大きな扉を開ける事も夢ではなくなるはずだ。

    

もちろん外交交渉ごとである以上、ギブ&テイク

       

米どころ新潟の皆さんは、これをどうとらえるのだろうか?

       

      
また、新潟市は数年前から、中国など海外企業の誘致にも熱心で、すでに数社の誘致に成功している。

     

今回出会った皆さんがそうだったが、
とてもホスピタリティーに富む新潟の人たちだから、海外のビジネスマンにしても観光客も、今後さらにこの地を訪れる人は増えるだろう。

      

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美しい旧新潟税関庁舎(史跡)

    

製造業の海外進出において、
ポスト中国の動は、ベトナム―インドの軸と並び、
中国東北部―極東ロシアの軸が見えてきた今、私は
日本海側に位置する沿海拠点都市の可能性に注目している。

      

その意味でも新潟のもつポテンシャルはとても高いのではないだろうか。

     

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台北でクリスマスと地震に遭遇

            
昨年末、ちょうどクリスマスの期間中に台湾を訪れた。
     
      

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最近はアジアの国はどこでもクリスマスを祝う習慣が出来て
商業・サービス業の方も一層熱が上がる。

    

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ドラッグストアもXmasセールが

      

ここ台湾では、どうも年代で認識差があるようで
やはり若い人たちを中心に盛り上がるようだ。

     

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世界一ののっぽビル「101」でもクリスマス一色  

    

        
24日のイブの午後ともなると、繁華街は人や車で一杯だ。
    

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特にカフェや洋食関連の店はどこも満員。
     

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家族連れやカップルで一杯

      

洋風化の波はどの国もものすごい。    

 

         

おそらくは・・・

と、深夜、台湾最大の屋台街である士林観光夜市に行ってみたら
     

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やっぱり!!
   

というか、予想以上の人出でごった返しており、通りに一歩も踏み込めなかったのには驚いた。

    

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ここには何十回も足を運んだだが、
こんなにごった返した士林夜市を見たのは初めてだった。

     

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若者パワーはどこに行っても物凄い。

    

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屋台のカットフルーツもドンドン売れる

      

でも、どうも年配の人たちには、クリスマスはあまり関係がなさそうで、日本とも違って、家庭でケーキやチキンを囲んで団欒するというのもあまり無いらしい。

     

一様に「僕らの世代は旧正月を祝うんだ」と漏らす。

     

それでも、高級スーパーや百貨店を廻って見学したり、
専門家の方々に話を伺って、何が売れるのか、どのように使うのか、どんな背景があるのかなど多くの情報を得る事ができた。
      
      

東洋の習慣と西洋の習慣をクロスオーバーさせながら、
アジアの大都市の消費行動は、これからもどんどん変化していく
ようだ。

      

      *          *

      

そう言えば、帰国前日の夜8時半過ぎ、
台湾南部の恒春という町を中心に震度6.7の大地震が発生し、私も揺れを感じた。

   

居合わせた人たちもビックリして、しばらくは大騒ぎとなった。

    

台北の街は幸い揺れだけで済んだが、
恒春では、速報で死者2名、負傷者38名と報道された。
     
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地震発生翌日の朝、現地で求めた新聞の一面

     

恒春百年大地震」とニュースでは夜通し緊急報道が続いた。

     

海外での天災遭遇は滅多に無い事だが、
台湾では夏に台風直撃も体験したばかりで、
難しい事だが、常に出張リスクも気にかけていなければならない。

       

天災は日本だけではない。
モンスーン気候、太平洋プレート上の東アジアは何処も同じ
   

地震も台風も大雨も旱魃も・・・
   

その結果、物資も商品もどんどん移動していく

      

今年もいろいろなことがあるのだろうか・・・

     

          

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年頭ご挨拶

       

新年明けましておめでとうございます

    

今年はイノシシ年

    

猪突猛進の精神で、日本中がこれまで貯めた力をフル回転して突き進む年にしたいものだ。

    

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多摩地区にある神社の初詣風景

     

実は、お隣の中国では「」という漢字は豚の事を指すので、ブタ年ということになる。

    

豚は富を表す動物であり、豊作も招くといわれている。
       

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台北の繁華街では金豚を飼っていた!?

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中国で肉といえば豚肉を指すくらい身近な存在でもある。

   

     

特に、今年は60年に一度巡って来る「金猪年」というとても縁起の良い年で、この年に生まれると豊かになれる信じられており、中国ではにわかベビーブームが起きるだろうと言われているくらいだ。

   

まだまだ財物に対する欲求が強い中国の豊かさとは、イコール経済発展力であり、一方、成熟社会を迎えた日本人が求める豊かさは、なかなか分かりづらく、まだ多くの人たちが視界不良の中をさまよい求めているかに見える。

   

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初売り2日の新宿界隈

  

しかし、我が日本もいよいよ大回天の時代に突入する。
    

これをリードしていくのは新しい感覚を持った若い世代なのか、それとも第2の人生を歩み始める世代なのだろうか?

     

いずれにしても前例の無い「日本式の社会の構築」「日本の素晴らしさが表現される文化や技術」の実現が非常に重要だということにはかわりない。

     

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大晦日の夕刻、機上から見た富士山  

    

イノシシ年にしてもブタ年にしても、「」という両種の動物の骨格を現した象形では、同じアジア的な発想でとても面白い。

    

   

金猪が我が国およびアジアにもたらす真の豊かさについて、今年一年、皆さんと一緒に考えていきましょう。

   

     

本年もよろしくお願い申し上げます