恭喜發財!! 新年おめでとうにもお土地柄が

   

アジア各地で祝う旧暦元旦の翌々日の
2月12日から香港に行ってきた。

 
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元旦を挟んで台湾に二週間、
香港に一週間滞在したことになり
またほんの少しだけ異文化理解を深めることが
出来たのかもしれない。
 
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前年は中国大陸の経済も減速したためか
ひと頃の様なバブリーな感覚は影を潜めた感もあるが
新しい歳は景気良く迎えたいという人々の思いもまた
殊の外強く感じた正月期間でもあった。
 
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数多くの善男善女が初詣で
ここ紅磡(ホンハム)観音堂にも訪れ、
願い事や占いに真剣に向き合う姿が
日本人のそれとは違う印象なのだ。
 
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もちろん正月期間中、
中国大陸からの観光客も多数香港を訪れ
ショッピングに観光にと、見慣れた光景とはいえ
その凄まじさは少しも変わらない。
 
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ビクトリア港の夜景スポットには、大勢の中国人観光客の姿が…
 
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正月期間中も内外のニュースには事欠かず、
北朝鮮の核実験や尖閣沖での日中のにらみ合い
また、かつての宗主国イギリスで
牛肉に馬肉が混ぜられていたという事件は頻繁に報道され、
食の安全に対する香港市民の強い関心
改めて知らされることになった。
 
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正月の香港市場を巡って、イチゴだけでも
世界中から春節商戦に参入する様は
さながらワールドカップ大会のようだ。
 
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縁起担ぎが好きな広東系人は
大吉大利とよんで、吉と橘が近い発音であることから
金柑やザボン、ミカンなどの柑橘類を特に好むようだ。
 
    

また、旧暦正月のこの期間は春節と呼び
春の到来を祝う習慣でもある。
 
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花開富貴といって、広東人は
多くの家庭で鮮花を買い求めて部屋に飾る。
 
 
一年で最も賑やかで盛大な節句であり
また消費も活発になる一時的な季節とはいえ、
このような風俗習慣を知り、
生活に根ざした商品の発掘や改良に挑戦するのも
ひとつの考え方かもしれない。
 
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香港人も商売繁盛を一際強く願うようだ
 
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普通“新年快楽”が一般的な明けましておめでとうが
ここ香港では“恭喜發財”とストレートな表現。 
 
 
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この子にとっても今年は良い年になりますように…
 
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麗しの島でまた少し認識を深める旅(その6)

南門市場は、普段も南北貨や生鮮品以外にも
お惣菜を売る有名店があり、歳末の時期も

日本のおせち料理にあたる年菜を惣菜として売っていたり
仕出しの注文を受け付けている。
 
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年菜メニューの一例
 
一年の始まりにあたり、台湾でも縁起を担ぎ
おめでたい語呂合わせの料理名や食材が用いられる。
 
日本で言えば、よろコブ(昆布)、悪いことスルメ、マメに働けなどのようなもの。
 
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例えば魚料理は、魚(ユィ)という発音が、余禄の余と同じだからとか、肉団子(獅子頭)は丸く円満にとか、豚足は「歩歩高昇」と歩みを進めるといった具合だ。
 
他にも、いろいろ発見したよ。
 
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ズラリと並んだお惣菜の数々
 
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魚料理は「年々有余」で おめでたい食材の筆頭格
 
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鶏一羽をまるごと使った「全鶏菜」。鶏は台湾語で家と同じ発音で、一家の繁栄を表すそうだ。ご先祖様や神様へのお供え物の代表
 
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福建料理の最高峰「佛跳牆」。フカヒレやアワビなど高級食材を贅沢に煮込んだ料理も最近では年菜に加えられている。福も寿も皆揃っている縁起物のルツボなのだ
 
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エビは台湾でも縁起がいい食材。茹でるとサッと赤くなることから「一路長紅」となる
 
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日本と違うのは、おめでたい時に使う色は白ではなく、朱赤である
 
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麺も多様だ。台湾でも長寿のシンボル
 
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ヨダレが落ちそうな甘い芳香を発する豚の角煮。年菜には欠かせない
 
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どこか沖縄の市場に似ているような気もする
 
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しげしげと見つめるほどに自分に似ているなぁ、と情けなくなってくる。でもこのブタさんのように耳をそばだてて人の話を良く聴いてあげられる人間になりたい
 
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みなさん、両手に抱えきれないほどの食材を買い込んで、足早に帰っていく。
 
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台湾でも、先生が走り回るくらい忙しい季節なんだろうなあ。 
 
 
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麗しの島でまた少し認識を深める旅(その5)

廸化街と並んで
歳末に賑わう台北の台所といえば

僕は南門市場だと勝手に思い込んでいる。
 
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南北貨と呼ばれる中国全土、あるいはそれ以外の各地から集まる、山海珍味、乾貨物、保存食、調味料などを扱っており、特に歳末用食材の調達のための市場としてたいへん賑わう。
 
この日も平日にもかかわらず、買い物客でごった返していた。
 
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ご覧のとおり立錐の余地もないほどの混雑ぶりだ
 
 
やはり南貨の代表といえば、中国ハム(火腿)と腸詰(香腸)だ。
 
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中国式ソーセージも、広東式、香港式、台湾式、上海式、湖南式など様々だ
 
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濃い旨みのスープのダシも採れる中国式ハムには、金華ハム、雲南ハムなどがある。熟成した香りは脳天を直撃するくらい奥深い
 
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海の幸もいろいろ。
 
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フカヒレ、アワビ、ナマコ、ツバメの巣など高級食材も。
 
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ホタテ貝柱(干貝)は北海道がトップブランドを確立している
 
日本の水産品も中華系人の正月料理には欠かせない食材だ。
 
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ここでもカラスミを売ってるぞ
 
 
北貨の代表は、木の実や乾燥素材。
 
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若い女性は、ドライフルーツやナッツ類がお好きのようだ
 
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日本製のおかきやキャンディー、袋菓子も人気
 
 
新鮮な果物も正月バージョンだ。
 
柑橘のように縁起が良いとされるものや
この時期に合わせて糖度の高いフルーツが出回る。
 
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右の緑色したのが生のナツメ(棗)。左の赤いのがレンブー(蓮霧)。日頃は日本から来た人にはとかく評判の低いレンブーだが、この季節のものを一度食べてごらんなさい。とにかく甘くてサッパリしていて至上の美味だから
 
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他にも正月に必要なものは、何でも揃うかのようだ。
 
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おじさん、疲れちゃったねぇ。無理しないでね
 
 
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歳末の市場からパワーを充電して、また元気が湧いてきた。
 

麗しの島でまた少し認識を深める旅(その4)

日本と同様、四方を海に囲まれた台湾の

年貨(正月食材)には、海産品も多い。
 
 
なかでも、目についたのが
さきいかやスルメ、のしいか等の海産珍味
 
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“ごまさきいか”とでも書きたかったのかな?たしかに、「ま」も「き」も「さ」も似てて区別できないかもね
   
日本で売られている珍味は、ここ台湾でも
たくさん作られていた。
 
きっと台湾の家庭でも、根付いているんだろうな。
 
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今では、中国大陸、東南アジア、南米などでも
盛んに製造されている。
   
  
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チリ産のアワビやサザエも定番。
 
味付けは日式だ。
 
 
もうひとつ目についたのが、これ。
 
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烏魚子(カラスミ)だ。
 
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飴色に輝く、海の宝石。 左利きの人にはたまらない逸品。
 
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台湾でも、日本の数の子のように子孫繁栄のめでたい食材だと聞いたことがある。
 
  
ほかにも、味付け海苔や昆布、戻したナマコ、魚の頭など海の幸がたくさん売られていた。
 
ニッポンと縁のあるものばかり。
 
  
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わずか20分ほどの「立ち寄り」だったけど
対象国の文化、風習を肌で感じることも
理解を深めることに役立つことだろう。
 
  
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麗しの島でまた少し認識を深める旅(その3)

廸化街で目についた代表的な台湾の年貨(正月用品・食材)を紹介しよう。

 
 
最も目立ったのが
中国大陸とも共通するが、おつまみ・スナック系の乾き物である。
     
   
まずは、瓜子(クアズ)
 
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そう、ヒマワリやカボチャ、スイカなどの種や
落花生、ピスタチオなどのナッツ類である。
 
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独特の細長い袋に高く積んで売る。
 
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ここでも試食は常識。現地での売り方も観察。
    
 
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ナッツ店の店頭は、どこも足元に食べかすが散乱する。これも習慣のひとつか
 
お客はお腹が膨れるほど、あちこちで試食する。
どこの国でも同じだな。
 
  
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春節期間は家での団らんや年始客のもてなしに
瓜子やナッツ、キャンデーなどが供されるのだ。
 
   
  
次に、カラフルで目立ったのが
ドライフルーツドライベジタブル
 
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日本ではあまり口にしないが
アジアでは中華圏でも東南アジアでも中東でも
結構なじみの深い食べ物だ。
 
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気候や風土とも関係があるのかもしれない。
 
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アッ! 干し柿もヤマのように売ってるぞ。
 
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どおりでここ数年、長野や富山、島根などの干し柿が売れるか分かった。
 
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本当に日本産かどうかの真偽は別にして、並べ方が面白い
 
 
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乾燥ナツメやハスの実、クコなど漢方食材も人気
 
 
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次回は、海産物を紹介しよう。
 

麗しの島でまた少し認識を深める旅(その2)

    

今年の旧暦の正月(春節)の元旦は、2月10日に当たる。
   

だからこの時期、
台湾では歳末真っ只中ということになる。
 
 
台北市での歳末風景で真っ先に浮かぶのは
“廸化街年貨大街”である。
 
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日本で言えばアメ横に当たるところであるが、
普段はこのとおりあまり人通りが少ない問屋街だ。
 
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普段の廸化街       2011年6月撮影
 
    
ここは歴史的にも有名な問屋街で
乾貨物、漢方薬、茶、食材などの卸売りをしていて
実は、ニッポンを売り込んだり、調達のために
僕も数軒の卸商とビジネスをしたり、情報交換をしたことがある  。
 
 
それがこの時期ともなると・・・
 
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このように様変わりする。
 
まさに台北版のアメ横である。
 
平日のしかも朝早い時間でこの有様。
 
 
付近一帯は交通規制が敷かれており
ものものしい様相なのだ。
 
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この期間は、年貨と呼ばれる正月用の食材や飾り物、縁起物、ギフトなど、この季節ならではの商品が、飛ぶように、爆発的に売れるのだ。
      
     
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年画や春聯と呼ばれる正月飾りも目を引く
 
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台湾や中国ではおめでたい色は皆、だ。 しかも朱に近い赤。
  
お年玉を入れるポチ袋だって赤と相場が決まってる。
 
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すさまじい人の波。これが週末になると一体どうなるんだろう?
 
 
売り込みの大きな掛け声が歓声となり、
買い物客も黙っていないから
なんかトランス状態になってくる。 
 
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あっ! バンコクでも見かけた豚足だ。台湾でもなくてはならない正月用おせち食材だ
 
 
世界経済低迷のあおりを喰らい
ここ台湾も決して好景気とは言えないが
この通りの喧騒の中に埋没すると
不景気を忘れてしまうほどのパワーを感じてしまう。
 
 
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古代の金塊を模したチョコレート   お金が貯まりますように・・・
 
     
   
歳末の空気をちょっと触れたくて朝早くやって来たが
路地奥まで行けないまま仕事場に向かった。
 
  
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麗しの島でまた少し認識を深める旅(その1)

またまたご無沙汰失礼してしまいました。
 
先月の22日から、かつて麗しの島(ポルトガル語原義でフォルモサ・Formosa)
と呼ばれた台湾に行ってきた。
 
 
台南、新竹、台北と
途中2日間だけ一時帰国しましたが
昨年末のタイ・香港に次いでの2週間に及ぶ長丁場。
 
最後の数日は案の定、腰を痛めて情けない姿に。
 
 
 
台湾入りして、空港からそのまま高鐡(台湾版新幹線)に乗って僕のお気に入りの街・台南へ。
    
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車両は日本が担当。新幹線と同じ感覚
 
 
 
一昨年は3度も通った台南市(旧台南県)白河区、玉井区、六甲区を再訪だ。
 
     
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荒れ地が広がる台南一帯を穀倉地帯に変え、今でも広く敬愛されている日本人土木技師の八田與一が設計した烏山頭(うさんとう)ダムや記念館はこの近く
        
 
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台湾マンゴーの聖地である玉井郷も、今はオフシーズンでひっそり
 
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(ハス)では台湾を代表するブランド産地 -白河郷
 
 
 
各地で旧友の皆さんたちから温かく迎えてもらった。
 
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白河では蓮の花のお茶を頂いた。かつては皇帝だけが飲めた逸品だという。その高貴な色と香りに絶句した。中央の女性は地域の町長(里長)さんで、先回は自宅に招いて頂いた
 
 
なんとなく故郷に戻ったように思えるから不思議。
 
 
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六甲区の農会(日本の農協に相当)にも訪問
 
 
ここに来るたび、台北だけ見て台湾は語れない
と、つくづく思う。
     
  
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今回からしばらく旧正月(春節)を迎える台湾の様子も紹介していきたい。
 
  
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