悪夢再び?

     
国内で新型インフルエンザが発生した後、初めて海外に渡航している。(22日午前1時現在、国内で計292名の感染者が確認)

      

  
不要不急な渡航は極力控えたいのだが、「ニッポンを売る!」ために今日も多くの皆さんがチャレンジする以上、私に出来る事があれば何か役に立ちたいと気合を入れている。

        
出発の空港は、ソウル行きが若干目立つものの概ねガラガラ状態。     

         
特に僕の搭乗した台湾・香港便は、数十人程度でほとんどが空席。
つい数ヶ月前のように座席予約も難しかった時とでは大違い。

   

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これまでなら、機内サービスの便宜上なのか重量バランスのためなのか、少ない乗客を集中的に集められて座席を決められてたように記憶しているが、今日ばかりはポツンポツンと大きく間隔を離してバラバラに座席を振り分けられている。

   

そう、
万一感染嫌疑者が現れたら、前後3列などの座席の乗客も同時に隔離されるかも知れないんだし。

     

機内では、台湾衛生当局が発行した新型流感に関する注意喚起の一枚ビラが配られた。

   
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内容は、うがい・手洗いの励行、眼・鼻・口での接触感染の忌避、生ものを食べない、海外での濃厚感染地区に近寄らない、帰国時に不調の場合は検疫所に通報する、自分で7日間は健康観察を行う、などが記載されている。

   

実は、前日(21日)台湾でも感染者が初めて確認されたのである。世界で第41番目の感染確認だそうである。(報道より)

   
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18日にニューヨークから香港経由の便で台北の国際空港に入国した外国籍の医師だそうで、近隣座席の乗客や乗務員が濃厚接触者として追跡調査されたようだ。

    

   
 ゲホ、ゲホゲホっ!!

    
     

 ギクッ!

  

機内のどこかで誰か咳してる!!

    
  

その音を聞いただけで過剰反応してしまう。
   

やな心理状態。自分が嫌になるとき・・・。

   

     
2003年のSARSの時と違うのは、日本が比較的多量発生国であり、アジア各地の方が警戒していること。

   

なんとなくだが、申し訳ない気持ちもある。

     

SARSがアジア各地で発生した時、日本には中国や香港、台湾からの来訪者を露骨に嫌がる一部の人や三流マスコミがあったことを思い出す。

    

今日はわが身!?

      

     
いよいよ台湾の空港に着陸だ。

    

さあ、どんな水際対策が採られるのだろうか?

     

チョッピリワクワクしながら、身構えて臨んだのだが、

       
何にも無し・・・アレレッ!

     

サーモグラフィーのカメラを通るいつものアレと変わらない。

     
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WTO指定の第5フェーズであることを通知

      

違ったのは、パスポートのチェックの時に、滞在先の詳しい住所を訊かれたくらい。

    

    
概ね普段と変わらない。

   
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しかし、全くいつもと違う事が・・・。

     
    
たまたま、降り立った時間がそうだったのかも知れないが、

空港に人がガラガラなのである。

    

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入国審査も並ぶ必要なし。

   

荷物引き取りカウンターも税関チェックでも降機客が少ないのである。

     

いつもならごった返している事が多いのに。

   
   

異様な情景。

   
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きっと経済損失の方が大きいに違いない。

   

観光業の占める割合が大きい東南アジアなどの国は戦々恐々なんではないか、などとつい考えてしまう。

           
日本の観光業にとっても国内だけでなく海外誘客にも影響があるだろうことは容易に想像できる。

         
  
地場産品の輸出も観光誘致、投資誘致も足踏みしなければいいのだが。    

     

      

「ニッポンを売る!」行動は、

こんな予測外の課題といつも隣りあわせ

    
   

だから海外への挑戦は危険だからやらないという考えもあっても
いい。

     

      
これからも、経済も、文化も、環境も、そして未知の病原菌だって
世界中を駆け巡り続ける事をどう観るか? である。

      

             

星港に向けて

             
農水省の発表によると、

シンガポール向けの国産牛肉と豚肉の輸出が解禁されたそうである。

    

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魚尾獅(マーライオン)と高層ビルの夜景

           

    

これは一昨年の香港向けに続くもので、厳しい経済情勢ではあるが、付加価値が高く、品質競争力あるアイテムだけに輸出の増大が期待される。

   

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シンガポールのWet Market

     

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精肉売り場もすっかり衛生的に変わった・・・

  

    
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ここにも佐賀県産の化粧箱が・・・

   
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世界中のフルーツ事情にめっぽう詳しかった果物屋のお兄さん

  
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また、ほかにも、中国やタイ、ロシアに対しても国産肉類の輸出実現に向けて政府は交渉しているそうである(報道より)
            

輸出促進のため、国は行なうべきことを着々と進めている。

      
     
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この街はいつも芳しい花々で溢れている

   

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牛車水(チャイナタウン)にて

    

          

シンガポールは人口的には限定的なマーケットではあるが、広くアセアンやインド地域などに対するショールーム効果が高い商業・金融都市でもあるので、チャレンジする産地も出てくるだろう。
       
    

ぜひ戦略的に頑張ってもらいたい。
    

    

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街頭にもデザインがあるほど、寿司は普及している

  
      

          
ンガポールと言えば、マレーシアからの独立後、驚異的な成長を遂げた国であり、また最近は中国との活発な経済交流やバイオ、医療、ITなどへの重点政策で世界中から注目を浴びている。
     

    

現に、2007年の実質GDP成長率は7.7%で、一人当たりの名目GDPは36,384ドル(外務省HPより)で、なんと日本を抜きアジアナンバーワンに躍り出た。
      

        

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観光業も重要な産業

   

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もっとも、アジアにおける金融・貿易の中心地でもあったため、昨年の金融危機以来、成長にブレーキがかかっており08年の成長率も1.2%へと下降した。    

      
        

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急成長も一服

       

           

しかし、いつも柔軟・合理的でスピード感ある政策を採る国だけに、ピンチをチャンスに変えて意外に早く立ち直るのかもしれない。

     

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このSingapore smile さえあれば大丈夫 !

 
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      Clarke Quayにて

       

     
私たちも緊張感とスピード感を持って、これに対応していこうじゃないか。

         

      
   
アジア一お金持ちのお客様に、もっと日本を、そしてローカルを知ってもらおう!!

      

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一枚の看板が示すドラスティックな変化

     
今年に入って5回台湾に行っているから、
毎月1回のペースということになる。

    

さかのぼること、1月に今年初めて台湾に行ったときのこと。

   
    

空港に降り立った後、いつものとおりパスポートのチェックを済ませ
入国管理(イミグレーション)を過ぎた直後、
なんと言うことのない一枚の看板を見つけて
僕はアッと息を飲み込んだ。

      
    

ああああああああああああああああっ!!

     

    
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同行の日本人の方が不思議そうに僕の驚いた顔を見つめる。
      

「一体どうしたんですかァ??」

      

      

そう、中国の民間航空会社の広告だ。

    

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台湾の民用空港に大陸の航空会社の看板が掛かっている。

        

     

     
一昔前のことを知っている人には信じられない驚愕の事実

       

      

そう、昨年3月国民党の馬英九氏が総統選を制し、
8年ぶりに政権交代が実現した結果、
12月に大三通が実現したのであった。

    

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大三通とは、それまで断絶されていた台湾本島と中国大陸との間の通信、通商、通航の3つの分野での直接往来が解禁になったのだ。

    

(一部金門島などの離島との直接交流は2000年に解禁されていて、
これを小三通と呼ぶのに対して「大三通」と呼んでいる)

    
    

1949年以来の断絶からだから、長年の案件となっていたのである。

     

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空き室、貸家も目立つ台北の繁華街
大陸との経済交流復活に期待を寄せる・・・

       

         

私が最初に台湾を訪問したのが1980年だったが、
その頃はまだ台湾は戒厳令下で一触即発の可能性も残っていて、
中国へ渡航するのにパスポートに台湾の入国スタンプが押してあると、中国側では入国を拒否されるとの理由から、当時は特別に
別途、一次パスポートを取り直してから、そこに台湾のスタンプを押してもらっていたくらいである。

    
     

また、香港経由で中国大陸の人が台北の空港に降り立っただけで(降機しなくても!)、中国では大問題になり政治犯になってしまうというので、とても気を遣った記憶もある。

    

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この日も台北の街はバイクであふれ返っていた

    

    
    
そのくらい、つい最近まで大陸と台湾との間は緊張していたのに、
あっという間に交流解禁となったのだ。

    

だからこの空港での一枚の看板の意味するところは、
知っている人にとってはとても衝撃的な出来事のだ。

      

   
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相変わらず寿司の人気は変わらない・・・

    

     
   
海外では、予想外のことやかつての常識だったことだって
ドラスティックに変わり得る
ことをまたひとつ体験した。

     

     
   
静かに変わる日本とは様相が大きく違うことをまた学んだのだった。

         

 
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台湾は本当に軌道修正をしたのだろうか?