古都恋情(その2)

(前回より続く)

       
台南に来ると、ほとんどの観光客が必ず足を運ぶ史跡が
赤崁楼(せきかんろう)である。

    
Dsc_9923

      

普通、観光名所なんて一度行けば、
後はしばらく訪ねることなど滅多に無いものだが、
連続3回台南に通って、毎回ここに来るなんて不思議な気がする。

   
Dsc_9826_2    

    

同行する方がその都度違うのが最大の理由だが、
なんとなく僕にとってのパワースポットなのかも知れない。
   
何故か引き寄せられるようにやって来る。
      

   
Dsc_9782
僕はこの扁額の字にとても惹きつけられる。パワーをもらってる感じだ

      

    
17世紀の初頭、オランダ人がこの街を支配していた時の
行政・商業の拠点として建造されたもので、
当時はプロヴィンシア城と呼ばれていた。

   
Dsc_6743
当時はきっと街を一望できる唯一の高楼だったに違いない

Dsc_6827
     
Dsc_9759      

        
その後、民族英雄として名高い国姓爺「鄭成功」が
1661年にこの地をオランダ人から奪還した当時の史実は
台湾史においてとても興味深いシーンのひとつなので
出来れば、ぜひここを訪れて実際に触れて頂きたいと思う。
   

Dsc_6727
建物の中にある鄭成功の胸像
    
Dsc_9761     
Dsc_9906
    
 
下の画像は、群馬出身の最後の台南市長だった羽鳥又男の胸像。

  
Dsc_9857      

戦時中、倒壊寸前だった赤崁楼を軍部の反対を押し切って
台湾人にとっての貴重な歴史遺産だといういうことで、
戦時下にもかかわらず多額の費用をかけて修復した。

   
そのおかげで、今こうして昔日の遺産に
私たちは触れることが出来るのである。

      
    
その功績は日本人としてとても誇り高いことでもあり、
またそれを今に讃える台湾の人の思いにも頭が下がる。

    

Dsc_9914

  
Dsc_6667

   

古都台南を紹介するのに、やはり筆頭に挙げたいシンボルなのだ。
       
            

古都恋情(その1)

                    
先回のエントリで京都を紹介したが、
おとなり台湾の古都と言えば、台南である。

   
Dsc_6488
在来線「台南駅」

  
200pxtainan_city_2010_location_map
Wikipediaより抜粋

    

     
400年にわたる台湾の歴史は、
ここ台南から始まったのだ。

      

Dsc_6492
駅前のロータリー

    

   

台湾では俗に、一府、二鹿、三艋舺と言われるが、
「府」とは台南府のことで、台南は別名「府城」とも呼ばれている。

   
Dsc_6721
Dsc_8058
府城(台南)では、泣かせるレトロな看板を見つけた   

             

ちなみに
二は鹿港(ルーカン)
三は萬華(マンカ)、すなわち今の台北の下町の一部で
       
はじめ台南に都が築かれ、その後、中部の鹿港、
そして台北に北上していったのである。

     

Dsc_7006    
       
      
台北・萬華の路地裏歩きについては、
昨年7月にアップしたシリーズ・エントリをご参照いただきたい。

http://asianet.cocolog-nifty.com/nippon/2010/07/post-2d1f.html

    
       

Dsc_6788
台南の路地裏で

   

    
また、その昔、台南の一部の地区を
先住民であるシラヤ族が「タイアン」と呼んでいたのが
現在の台湾という地名の語源となったということであり、
まさにルーツとしての地位を物語っている。
                              (「台南」日経BP企画より引用)

     

Dsc_6558
成功路で

      
     

台南は、その意味でも京都と同じ古都であり、
伝統に裏打ちされた古跡や文化にあふれている。

   
Dsc_8285
   
Dsc_0201          

                   

7月に約15年ぶりにこの街を訪れ、プロジェクト推進のために
わずかひと月の間に3回も通ってしまった。
    

僕は、いつもこんなもんである。

   
     
Dsc_8482
フルーツ天国 台南

       
      
    
もともと、僕がとても好きな街のひとつだったのだが、
またまたマイブームに火がついてしまったので、
今回から何度かに分けて、この街の魅力について紹介してみたい。
                              (次回に続く)

       

Dsc_0092        
Dsc_0104
      

心頭滅却の志

       
2ヶ月ぶりの京都。

   
Dsc_1685

    
    
盆地京都の夏の暑さは、つとに有名だが、
そういうもんだと覚悟が決まると、天候を恨めしく思うこともない。

    

Dsc_9367

   
Dsc_8828
汗がにじむほどの蒸し暑さだが、凛として美しいカップルだった

   
Dsc_1690
鴨川にかかる四条大橋も、そよぐ柳を通してみると涼味新らたに
     

       

僕は、知恵を働かせて涼を採る夏の京都が好きだ。

          
     
Dsc_1548     
Dsc_9212
   
Dsc_9437       
    

今年は節電が最大の関心事になっているだけに
いまこそ千年古都の心に学びたい。
  
そして世界に伝えたい。

    

Dsc_2252     

     
アツいと言えば、
今回出会った20社を超える皆さんの熱い想いには参ってしまい、
熱中症になりそうな有様だった。

   
Dsc_1574
僕が好きな言霊  五花街(ごかがい)のひとつ宮川町で

        
       
外人観光客も少しばかり回復傾向にあり、
This is ニッポンを売る!京都の元気人たちも動き始めたゾ。

   
Dsc_9329

    
   
関西に通い始めて、はや一年半が過ぎようとしているが
歴史が深い分だけ、まだまだ理解が足りないと痛切に感じる。

    
Dsc_2046
万願寺・伏見とうがらし、賀茂ナス、枝豆…夏の膳を彩る京野菜が並ぶ

      

Dsc_1648         
Dsc_1641

   
  

知識だけではだめ。
暑いさ中でも涼しいと感じきれる心にならなくては…。

      
Dsc_1486       

名産地で浴びるほどマンゴーを頬張った日(その5)

(前々回から続く)

      
「ああ、やっと戻れた…。」

    

くだんの知人社長は、僕の勝手気ままな動きに持て余しきっていただけに、安どの表情を浮かべた。

      
      
彼の会社は、マンゴーをはじめ台南県のあらゆる農産物を海外に輸出する
集荷、選別、検疫対応、貿易実務を取り仕切る組織で、地元政府や農協、生産者、需要家などの強力なバックアップを受けている。

      
     
「どうぞ、どうぞ、隅から隅まで、全部観ていって下さいね。」
    

いくら僕が素人だと分っていても、
広大な施設の深部まで全公開するとは大きな自信だ。

      

いや、むしろ
海外に対応している最新鋭の設備や運営の状況を公開することで
安心安全をより確かなものにしている。

      

    
Dsc_1912
外からこの選別作業場に入るまで、エアシャワーはもとより、お化け屋敷くらい長い、真っ暗な通路を通って初めて入室できる。何重にも厳重な措置が取られ、虫一匹なかなか侵入できないだろう。

    
     

台湾南部ののどかな田園風景とは打って変わっての近代設備と
従業員の効率よい作業風景に圧倒された。

   
Dsc_1835
海外向けの蒸熱処理設備。50数度の熱で4時間処理する。

   
Dsc_1937

    
    
この季節はなんといっても主力のマンゴー輸出の最盛期で
世界に向けて外貨を獲得するんだという強い意識が、清浄な空気を通してビシビシと伝わってくる。

   
Dsc_1856
    
Dsc_2036 

      
日本から検査に来る検疫官のための専用の部屋まで準備してある。

   

Dsc_2020

      

      

倉庫の中には、海外各国向けの輸出貨物が出荷を待っている。

   

Dsc_1978
韓国向けの荷姿だ
   
Dsc_1975

    
Dsc_1949_2
       
        

仕向け先を見ると、日本の有名な店舗の名前がぎっしり。

     
Dsc_1956
首都圏の消費者なら皆知っているストア向けだ

    

    
消費者ニーズ、規格、鮮度保持、検疫条件、出荷シーズン、競合国製品動向など日本市場に関して徹底的に調査し、設備、人員、資金など周到に準備している。
    

またグローバルGAP取得を目指して関連の作業も進めている。

       
Dsc_2013       

            
やはり農産物を本格的に輸出支援するということは、
ここまで徹するという、僕も認識こそしているが、
改めて、その凛とする現実に気を引き締めさせられた。

     

また、農産物のビジネスを成り立たせるための重要な要素が、規格外品の商品化

  
ここでは、最新鋭の乾燥機を導入して、ドライマンゴーを製造している。

   

Dsc_1879

作りたてを一口頂くと、これはもう最高級の干し柿に匹敵する自然な甘みと食感に驚いた。命を与えられたドライマンゴーは、もしかして生より美味しいかも!!
    
Dsc_1891       

     

         
さらに、この社長さんとは、今後いろいろな農産物貿易、農業協力など
広範な情報交換、意見交換を詰めていった。

      
Dsc_1992

       

マンゴーでいえば、ここ台南は、宮崎県や沖縄県、熊本県など国内産地にとっては、確かに強力なライバルともいえるのだが、ある意味、本場でもあり、栽培や利用法、技術革新などにおいて多くの集積と文化を持っているわけだから、大胆に交流してはどうだろうか

     

この社長氏も、大いに歓迎だと胸を張って答えてくれた。

      

     
日本と台湾、アジアとは、農業食品分野でも、
輸出だけでなく、様々な経済技術交流、人材文化交流、ビジネスチャンスが広がっている。

   

Dsc_2124
地元で大人気のドライブインで
   
Dsc_2102
   
Dsc_2128
生のマンゴーでお腹一杯の僕は、デザートを頬張る地元の人たちの健啖ぶりに 、ただただ見つめているばかり…。
      

        

       
それにしても、今日一日、いったい何個のマンゴーを頬張っただろうか?
   
       

もうしばらくは見るのも御免…、
とはいかず、ますます食欲をそそられるのがマンゴーの魅力である。

                                     (シリーズ終わり)

   Dsc_2067      

ご無沙汰失礼

          
またアップが遅れてしまって、ごめんなさい。

          
   
相変わらず途切れぬ出張行脚の毎日でした。

とはいえ出張なんて弁解の理由にもなりませんよね。

      

でも毎日毎晩、
全国のニッポンを売る!元気な皆さんと行動を共にしていると、
立ちはだかる高い壁を前にして、辛いこと、苦しいこと、八方ふさがりなど
逃げ出したくなるような状況でも、
皆さん笑顔とジョークを忘れず、果敢な行動をとっている人ばっかりで
早朝から深夜まで、楽しいお付き合いと日々の闘いに
充実した毎日を過ごしています。

       

      
直近のアクションは、昨日帰国したばかりの香港フードエキスポ2011

    
Dsc_9126
香港ビクトリア湾

    
    

6年前から毎年、地域のサポーターとして参加していて、
僕自身の参謀役としての実力試しの「真夏恒例の国際試合となっている。

     
Dsc_6358
今年もまた10万人を軽く超える来場者でごった返す会場
   

Dsc_6579
世界に誇る香港人の強靭な胃袋パワーを改めて見せつけられた

     
     

多くの人たちがお盆休みでリラックスしている時に、
3年後5年後の将来を目指して、全国の元気人たちが香港までやって来て
今や世界の食都となったこの街で自社商品のプロモーションに励んでいる。

    
    
Dsc_5383

    

ここはまさにワールドカップ状態だ。

   

今年は特に日本からの参加事業者が大幅に増え、
ニッポン専用フロアが設置されるほど。

   
Dsc_6845
今年もジェトロの応援を頂いた

    
Dsc_5562_2

北海道から沖縄まで全国各地から出展された

        
   

6年前の様子が昔の事のよう。

      
Dsc_5444
“常連”自治体の一つ熊本市は豊富な経験を生かして大盛況
     
Dsc_6820
ガイアの夜明けで「共演」した青森県弘前市の山野豊氏も大奮闘だ

    
     
76円後半という異常な円高、原発の風評、世界同時株安の再来など
大逆風が吹き荒れる中、本当に侍ニッポン、撫子ニッポンの皆さんは
大健闘していた。

   
    
Dsc_5738_2
事前の情勢分析、リスク対応を徹底した宮崎県の各社は、複数の輸入代理店契約、発注契約等を勝ち取り、逆風下でも好成績を収めた。皆さんの合言葉は「常に挑戦すること」「あきらめないこと」

   
Dsc_6444
つい先月、あのビニールハウスで見た富良野のメロンがうず高く積まれており、僕の目の前で次々と、
本当に「飛ぶように」売れていった。生産者の青年諸君やったぜッ!!

       
   

参加した全国の皆さん、お疲れさまでした。

   

皆さんは私の誇りです。

     

Dsc_5560
        
Dsc_5630
政府や香港の日本食材需要家の皆さんも連携して安全性アピールに協力してくれている
        

        

この貴重な経験をぜひ国内での活動にも存分に生かしてくださいね。

      

Dsc_4604
競争厳しい香港市場でも、一歩ずつ足場を築いていこう! (湾仔にて)