前々回のエントリで、先月、成都にある武侯祠を訪ねたことを紹介した。
ここにはいくつもの歴史的遺産があるのだが、僕のお気に入りをひとつ案内しよう。
中国四川省成都市にある武侯祠
中国の知識人や文化人らしき人たちがひと際集まって、眺めている石刻の墨跡がある。
南宋の武将「岳飛」の書による「前出師(すいし)の表」がそれだ。
これは、227年に諸葛孔明が主君の劉禅に奉った上奏文で、
中国古典中の名文と称されている。
画像に出ているくだりの部分を読み下すと、
「(臣亮言す)
先帝創業未だ半ばならずして中道に崩殂せり。
今、天下三分し、益州は疲弊す。
此れ誠に危急存亡の秋なり。
然れども侍衛の臣、内に懈らず、
忠志の士、身を外に忘るるは、
蓋し先帝の殊遇を追い、之を陛下に報いんと欲すればなり。(後略)」
末尾にある岳飛の揮毫
不親切ではあるが語意は三国志の終盤部分を参照されることとし、
ここでは、日本でも広く使われている中国諺言である
「危急存亡の秋(とき)」は、ここが出典であることを紹介しておこう。
いま、我が国は、まさに内憂外患、危急存亡の秋である。
(注:「秋」をあきと読まず「とき」と読むのは、穀物が実る時が農民にとって最も重要な時期であることから「大事なとき」という意味を強調するために敢えて秋の字を使ったものと言われる)
多くの元気な若者が、自分の信念を持ってドンドンと立ち上がって欲しいと
強く願わずにはいられない。
僕が最も期待する農業経営者のひとりが遥々訪ねた蜀都で感慨深げだったのが頼もしく僕の目に映った。頑張れ。日本の若き英傑よ! 中国の地を我が庭たらんと駆け巡ることを祈る!!
田中 豊
最新記事 by 田中 豊 (全て見る)
- 人生で一番高いところに登った日(その3) - 2021年2月10日
- 人生で一番高いところに登った日(その2) - 2021年2月5日
- 人生で一番高いところに登った日(その1) - 2021年2月1日
田中さんご無沙汰しております。
ずっと見てなくてすみません。杉田さんや宮田さんのFBでお元気そうなお顔を拝見できてよかったです!お体大丈夫ですか?
私も紆余曲折ながらもいろいろな土地で勉強の毎日です。沖縄の食文化にもすっかりなじんできました。またAYAさんたちと一緒にお会いしていろいろとお話したいですね~どうぞ今年もよろしくお願いします。
いのさん ご無沙汰です。コメントありがとうございます! お元気そうで何よりです。
ぜひ糸満でお目にかかりたいと強く願っています。日焼けが似合う美人さんをイメージしていますよ。FBやツイッターやっていないんでブログだけが頼りなんです。楽しみにしていますよぉ~ッ。