見通せない時代に立ち止まって考える(その3)

れからは、世界の警察官であり続けることは出来ない。」

 
 
アメリカの次期大統領がこう宣言したことで、
わが国も冷や水を浴びせられたかのごとく
自主防衛論の是非についてにわかに騒がしくなってきた。
 
 
これまで社会や経済活動に無我夢中になって取り組んできた日本も、
改めて「アメリカの傘の下」という環境下で成り立っていたんだと
再認識させられた人も少なくないだろう。
 
 
まさにこの現実に向き合って
真の平和主義とはどうあるべきか、
今からこそ真価を問われることになろう。
 
 
 
このニュースを聞いて、まったく関係無いのだが
ふと連想したことがある。
 
 
今、地方の経済活動で、霞が関が突然、
「これからはもう政府は、金も知恵も出し続けることは出来ない。」
と宣言したらどうなるだろうか、と。
 
 
議員の要請に基づき、
政府の機関が最高度の知恵を絞って政策を練り、
それに沿った事業に名乗りを上げた事業者が
補助金を受け、専門家やサポータ―の知恵を授かり、
忠実に再現することが、全国津々浦々で当たり前のように行われている。
 
これが結構至れり尽くせりのサービス合戦になっており
何をすべきかのアイデアから、資金経費の提供、
専門家の派遣や情報、サポートまでレールを引いてくれる上、
実績を作るために、こんなおいしい話を出前で持ってきてくれるようなケースまで散見されるようになった。
 
 
みんな地域のためにと大真面目で熱心である。
 
と、いつの間にか事業者は、これが当たり前の経済活動だと感じて、これを待ち望んでいるかのようになり、行政側もさらに知恵を絞ってこれに応えようとする。さらに議員さんたちが張り切る・・・。
 
 
 
結果、地方は武士の商法のような事業も一部蔓延し始め、無駄な地域間競争もはびこってしまう。日本を代表する大都市の英知をもってしても、最新のアウトプットが、東京・札幌オリンピックに大阪万博だったりする。経済が縮小しているのに。過去の事例や他国の事例を「検索」するのを得意とするエリートが起案するからかな。
 
一歩日本の外から眺めてみると、
どこか変で、ガラパゴス化しているように映る。
すくなくともこれでは国際試合では勝つことは出来ない。
 
 
 
などと、行政側に対して批判批評ばかりしたり、不満だけを膨らませ、過度のサービスを要求する私たちにこそ根本の原因があると、ここは改めて一度、自立の道を探るべく、まず意識を切り替える時と考える。
 
 
もちろん国や自治体の支援策は大いに活用していい。ただ主体性と自立の精神をもって、自らが知恵を出し、行動するを基本としてもらいたい。当たり前のことである。行政もそれを望んでサポートしているのだから・・・。
 
 
 
わが国にもトランプショックが起こらないとは限らない。
 
否、ゆっくりではあるが、すでに始まっていると僕は観ている。
 

見通せない時代に立ち止まって考える(その2)

英国のEU離脱といい、トランプショックといい、
圧倒的な事前予想を越える結果となった。

 

現地の高名な専門家も、調査機関も、またメディアまでもが
大方の予測を外してしまった。

 

しかも、フェアでルールに忠実な国民が

一度でた結果を受け入れることが出来ず、
反対派が騒ぎ出すという光景にも驚いた。
   
  
世界の耳目を集めるこれだけの大事を、
最新の科学的、現場的分析をもってしても
国民大衆の変化を読みきれなかったということについて、
様々な事を考えさせられた。

 
 
自由と民主、多様性を最高の価値観と尊ぶ成熟した欧米で、
国益優先主義が台頭している。
 
 
それは、拡がり過ぎた、行き過ぎた経済現象に対する揺り戻しなのか?それとも、新たなステージへ移行する、夜明け前の序章なのか? 注視していこうと思う。
 
 
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NYCウォール街にて(2008年)
 
   
一般的には格差社会、移民問題、グローバル化、IT化等の原因が挙げられているが、底流ではもっと大きな大きな地殻変動が起こっているのかもしれない。
 
 
 
地殻変動と言えば、今年は全国で
本当に大きな災害に見舞われた一年だった。
地震、火山、台風、竜巻、豪雨。
全国安全なところは、どこにもないかのよう…
 
 
まさに明日、何が起こるか誰も予測できない不連続な時間を私たちは過ごしている。
 
 
立っている足元の地面が、 今、陥没するかもしれない・・・。
 
 
うであっても、突然怒り狂う大自然相手に、
共生の道を求めて頑張っている大勢のヒーロー、ヒロインたちがいる。
 

見通せない時代に立ち止まって考える(その1)

国のEU離脱に続き、

アメリカでトランプ現象が起こった。
 
 
途上国ではなく、あの「欧米」で
いわば反グローバル的な現象が、
あたかも何の前触れもなかったかのように
大きな流れが起った。
 
 
「不可逆的」で、「新世紀の趨勢」だから
乗り遅れてはいけないと思われていたグローバル化とIT化。
 
共にその計り知れない功罪は議論されてはいるが、
こんな形で表面化するとは・・・。
これも一種の市民革命なのかもしれない。    
 
 
産業革命以来、欧米列強は世界にその覇権を広げ、
戦後日本も国土が狭く、資源が乏しい国の生きる道は、
貿易立国だと信じ、世界に羽ばたいてきた。
 
 
長い不況とデフレにあえぐ日本が選択した処方箋が
FTAやTPPに代表される更なるグローバル化への深化のはずだった。
 
 
「オルタナティヴ(既存に替わる)でサスティナブル(持続可能)な社会を」なんて、滑稽なほどの言葉の変化にも必死で付いていこうとまでして・・・。
 
 
 
いずれにせよ、これまで世界が体験したことのない更なるステージを迎え、これからしばらくの間、このグローバル化と反グローバル化の狭間で、地方の元気な皆さんと共に乗り切っていこう。
 
 
ブレる必要なんてない。
  
柔らかな発想と高いアンテナを張り続けて
信念や夢を貫き通せばいい。
 
 
 
変化はチャンス」だ。
 
 
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ニューヨークにて

雑踏に埋もれて(その3)

                                       
旧市街の続き。

 

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やっぱり躍動感あふれるバイクに、どうしても目がいってしまう。

 

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道路を横切るのも技が要る…

 

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バイク用マスクもカラフルになった。

   
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片付けの真っ最中だった…

 

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モノクロが好きだけど、彩色の風景も また 一興 かな

 

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名残り惜しいけど、埋もれた雑踏から顔を出して、我に還る・・・

雑踏に埋もれて(その2)

ノイ旧市街ミニ散策。

 

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みんな眼にが入ってる・・・。 

雑踏に埋もれて(その1)

事の合間を縫って、
夕刻、ハノイの旧市街を歩いてみた。

 

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24年前に比べ、バイクもニューモデルになり、
人々のファッションンも洗練され、
驚くほどの物資の豊かさは、
まさに蒼海変じて桑田と成るほどの変わりようだが、
雑踏カオスのような、たくましいハノイの人々の熱気は
少しも変わっていないような気がする・・・

 

 

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ちっとも久しぶりの感じがしないのは、どうしてだろう?

ヒトがカナメ

この国も発展途上の段階では、
いかに優良な人材を海外や外資企業に供給出来るかがカギである。

 

以前から、ベトナム人は勤勉で真面目によく働くという
もっぱらの評判だったが、どっこい今も健在であった。

 

ここは工業団地にほど近い、
日系企業向けの人材派遣研修機関である。  

 

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もちろん日本にも研修生として派遣する窓口業務も行っている。  

 

 

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校内は、秩序正しい空気に包まれている、 
    

      
     

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校内の掲示板に反省文のコーナーがあるのには驚いた。
中には、日本語で書かれたものまである。

 

     
学生たちとすれ違うと、全員が立ち止って一礼し、
こんにちは!と笑顔で大きな声であいさつする。 

 

実に気持ちがいい。

日本式の挨拶の効用を、ここハノイで再認識するとは・・・。

 

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日本の若者をこそ、こんな機関で再教育しなければいけないと感じたのは、ひとり僕だけではなかろう。

 

   
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ごみの分別など、日本に行っても戸惑わないように
実際にシュミレーションしているほどのこだわりようだ。

 

 

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担当官に話を聞いたら、予想通り、
最近のベトナムの経済成長に伴い、
日本への研修を望む若者が頭打ちになりつつあるという。

 

 

中国もそうだ。あれだけ無尽蔵だといわれた
ワーカー人材が集まらないのが現状だ。

 

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そこで中長期的な戦略として、この機関は
二つの方向性を掲げている。

 

それは、いずれ枯渇する研修生をミャンマー、ラオスなどの
次のフロンティアに求めることがひとつ。
       

ただこの戦略は法の壁があるなど、意外に難しいのだそうだ。 

 

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もう一つの比較的現実路線が、
ベトナム人材の質的向上、高度化戦略なのだそうだ。

 

企業ニーズに合わせて、礼儀や習慣のみならず、
専門技能等の養成にも力を入れていくらしい。 

 

 

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時代の変化に対応しなければ、
ビジネスはあっという間に淘汰される。  

 

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4半世紀ぶりの訪問

に24年ぶりのハノイ再訪である。

 

1992年以来ということになる。当時は日本から直行便はなく、
行き帰りはバンコク経由しかルートがなかった。

ビザの手続きもベトナム商工会議所が一元的に管理しており、
全行程に現地のガイドの同行が義務付けられていた。

入国時は、荷物検査がやたら厳しく、
蒸し暑い税関を通過するのに2時間くらいかかったことを
覚えている。

 

そして月日は流れ、2016年
  
   

日本の援助で建てられたのだろうか?
ハノイ・ノイバイ空港は、日本の施設と見間違えるかのような外観と内装のとても近代的な空港ビルに変貌していた。
  

 

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今やイミグレや通関のスムーズさは、日本のそれを凌ぐかのよう・・・。

 

でも出迎えゲートの人混みとムッとむせ返るような熱気は当時のまま。

 

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空港から出迎えのバスに乗り、そのまま近郊の
タンロン工業団地」を視察した。
   

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ここは日本の商社が開発した北部ベトナムを代表する工業団地である。

 

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そのほとんどが日系企業で、錚々たる大手メーカーが整然と軒を連ねている姿は、
さながら30年前の大連や広東、江蘇などの経済特区や保税区を思い起こさせる。

   
企業のアジア展開も多様化している。

 

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先行モデルがあって、後発者が追いつくスピードは、
予想をはるかに超える速度で進み、そして過ぎていく・・・。

 

 

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