日本の〝元気”がアジアを席巻する!?

月はスタートの月。

 
多くの人が気分一新して
「元気」に満ちていることだろう。 
 
 
この元気という言葉は、
これまで僕は講演の場で多用してきたキーワードでもある。  
 
 
地域の元気創りや全国の元気人たちの挑戦という風に
あまりアカデミックな言葉では無いけれど
自分らしくていいやと考えたし、
実際多くの人たちの共感を得た。
 
 
元はと言えば、この「」という字に長年興味を
持っていたからでもある。
旧字体では「」と書き、中国語の繁体字圏では
今でも使っている。 
 
 
この氣の字の成り立ちは、
大地を表す「」の部分と
天空と地面の間の空間を表す「」の
部分から構成されるという。
 
 
1301075
 
まさに大地に作用する眼に見えぬ
エネルギー
を表しているのではないだろうか。
 
 
 
僕の知る限り元気という単語は日本語であり、
中華圏では日常的には使わない。  
     
    
元気の訳語としては、
ニーハオ の好や精神、活力、精力などが普通だ。
 
 
が、台湾では元気ブームがあったのだろうか、
一時期、街のあちこちで元気の文字を見かけた。 
 
 
789998
台北の朝食スタンドの屋号にも使われている
 
 
 
日本語っぽい流行語としてはやったのでは
ないだろうか。
 
 
110310_19
 
 
とにかく元気な台湾の人たちにピッタリの表現かも知れない。
 
 
789550
 
 
Dscn0606
屋台のどら焼きまで元気の二文字が・・・
 
 
1301073
 
 
もしかしたら、この10年ほどの大陸への産業空洞化や
韓国ほかの途上国との経済競争によるお疲れ気味で
「元気だそうよ!」と自ら鼓舞しているのかもというと
勘繰りに過ぎるだろうか。  
 
 
0508_1_3
高雄のファストフード店で
 
 
 
元気ブランドといえば、
もう20年以上も前から香港や東南アジア各国で
成功を収めた日本の元気企業を忘れてはいけない。
 
 
Dsc_1513


香港にて
 

入社式に想う

昨日3日は、全国各地で入社式が行われた様子が
ニュースで報道されていた。

 
 
若い人たちを見ていると
なかなか頼もしく見えたのは僕だけではないだろう。
 
 
これから向こう10年もわが国を取り巻く環境は
決して生易しいものではないと思われるが、
ぜひ明るく乗り切って欲しいものだ。
 
 
記憶を辿れば、自分の入社当時の状況とは
すっかり様変わりしていることに気づく。
 
 
オフィス環境ひとつとっても35年前と比べると、
パソコンやスマホ、インターネットなどIT機器は
ないばかりでなく、ファクシミリやワープロすら無かった。
 
テレックスという通信機器はあったものの
海外とのやり取りは電報を使い、
これが大変面倒な新人の作業だったことを懐かしく思い出す。
 
土曜日も毎週半ドンで週休二日制ももう少し先だったし、
毎月の給料も現金で手渡しだった。
 
 
携帯電話もなく、今から思えば
どうやって仕事をしていたのかと不思議でならない。
 
 
しかも、当時は通信費や海外渡航費など
べらぼうに高くて、海外業務は費用がかさむもので
特別扱いされており、繊維産業を除いて
ビジネスのほとんどが東京でしか成り立たないもの
というのが当時の常識だった。
 
 
時代は移り、技術や産業イノベーションもあり、
グローバル化という潮流が生まれ、
今日のような社会が出現した。  
まさに、滄海変じて桑田と為るという感慨が強い。
 
 
身の回りでは効率アップのIT機器に囲まれ、
世界は確かに小さくなってきた。 
 
日本を取り巻く新興国の多くが経済成長を遂げ、
奇跡を起こしたのは決して日本だけではなかったことも
証明されたのだ。    
 
その上、成長後の国の在り方が見えず
少子高齢化や未曽有のデフレなどが加わったこの約25年、
その変革変容プロセスで旧来思考から脱却せず
もがくように活動してきた自分を含む老世代から、
全く異なる価値観を持つ若い世代の活躍に
バトンタッチしていくことが最大のテーマだ。
 
 
未来は明るい。
 
 
Dsc_8421
 

或る一日に想う

ょう4月3日は私の誕生日である。

 
 
365日の中の1日に過ぎないのだけれど、
この瞬間が何気なく愛おしく感じる自分だけの時。
 
 
昭和33年に生を受け
今日まで多くの人たちに支えられて生きてこられた。
 
高度経済成長、バブル景気、海外進出と
人類史上前例のない社会急伸期に
ちょうど居合わせた恵まれた50余年間。
 
 
私は志だけは大きかったが
果たして社会のため人のために
どれだけのことが出来たのかと自問すると
何一つ答えが見つからないのに愕然とする。
公立の小学校から世話になりっぱなし・・・。
 
 
これからもっと多くの人たちのお世話になりながら
生きていくのだろうと思うとなにやら恐縮してしまう。
 
 
目の前に座っている93歳になる老母を観て
自分の誕生日というより、
この人がお腹を痛めて生んでくれた記念日なのだ
としみじみ感じる。
 
 
また一枚の薄皮から脱皮する今日一日をいかに過ごそうか。
 
 
来年いよいよ還暦を迎える。
 
 
Dsc_8391
 

私の問題意識の原点

故知新。なぜ今過去を振り返ってこの先をみようとするのか?

 
 
それは、台頭する反グローバル主義、保護主義的な動きが
一過性のものなのか、それとも
大きな長い潮流の転換点にあるのかという
自分なりの視点をもちたいと考えるからである。
 
 
昨今の欧米先進国で相次いで生まれつつあるこれらの動きは、
単にトランプ氏に代表される
ひとりの愛国主義者が登場したことによる
大衆運動のようなものではないことが予見されるが、
その背景は、行き過ぎたグローバル化の反作用なのか、
それとも分化固定化されてきた支配層(いわゆるエスタブリッシュメント)
への挑戦など別の大きな要因と関わっているのか、
いずれにしてもこの保護主義的な動きが
どのように推移していくのかについて強い関心をもっている。
 
大航海時代以来を取ってしても、
世界はグローバル化と
反グローバル化を繰り返してきた。
私はどちらが一方的に正しくて、
どちらが間違いだという議論には組しない。
人が営む社会現象として捉えているからであり、
過去の歴史もまた有用であると考えている。  
 
 
 
元はと言えば、私の場合1989年11月まで遡る。
 
 
Mid2281817
時事ドットコムニュースから引用
 
 
狂喜した市民たちの手によってベルリンの壁が崩壊する姿を
万感の思いをもってテレビ中継を観ながら、
 
「次は必ず資本主義の番がくる…。」
 
 
と直感していたからである。
 
 
崩壊はしないかもしれないが、
いずれ大きな変化をきたすことになるだろうと予測していた。
 
 
 
「成長」を運命的に背負わされた企業の自由な活動を
維持する体制の行く末がどこかで息詰まることになるだろうと、
単純にいぶかってのことだったのかもしれない。
 
 
その後、数年して、それまで全く縁のなかった農林水産業のもつ
持続可能性を尊ぶ考え方に共感し、
効率追及の考えを廃して、生産者に学ぶ姿勢に転換した。
  
それが社会的な成功や貢献につながったとは言えないものの
振り返って観て、今また考えるきっかけを得た感がするのである・・・。
 
 
 
Dsc02449
ニューヨーク・ウォール街にて             2008年9月
 
 

4月を迎えて

新たになる4月を迎えた。

   

   
これまでのように新たなチャレンジもいいが、
敢えてその一貫として、
これまでの道程を振り返ってみるということに
初めてチャレンジしてみようと思う。
 
      
これまで35年間、
ささやかな範囲で
夢中になって突っ走ってきたが、
若干の経験も蓄積できたのかも知れない。
 
 
機会あれば、思い付くまま記録していこうと思う。
 
 
Dsc00727_2
自画像のアップを解禁する            札幌にて
 

Photo回顧2016 (その2)

つもビジネスでバンコクを訪ねる時は
空港とホテルとオフィスを行き来することばかりで、
最近は近代ビルのジャングルしか印象がないのだが、
今回、空き時間を利用して旧市街を歩いてみたら、
バンコクは「水都」だと改めて認識。

 

Dsc00468
     

バンコクの街をゆったりと流れるチャオプラヤー川の河畔に佇むと、なぜか心が落ち着いてくる。海原とも違う気分。

 

Dsc00434

大都会の河川にも人々の日々の生活が息づいている。  

 

 

 

時間が少しあるから、河川交通手段のひとつであるチャオプラヤエキスプレスというボート船に乗ってみた。

 

Dsc00501
   

切符を買って乗り込むだけ。バス感覚。

川面から吹いてくる風が、火照った体に気持ちいい。

 

 

 

当てずっぽうに、知らない船着き場で下船したら、
偶然、香辛料の卸売市場に踏み込んだ。
     

Dsc00625
     

僕には不思議なアンテナが備わっているらしく、
国内外どこへ行っても何故か市場やマーケットに出くわす。

 

予備知識も地図がなくてもである。実に不思議な習性。

犬も歩けば市場にあたる…

 

Dsc00606

     

界隈には、トウガラシ、ニンニク、エシャロット、ライムなど
タイ料理には欠かせない香辛料の数々が売られている。

 

Dsc00563

プリッキーヌと呼ばれるトウガラシの種類だけでも様々。

 

Dsc00553
      

 

Dsc00666_2
トムヤムクンやタイカレーに欠かせないバイマックルー(こぶみかん)の葉

 

Dsc00670
レモングラスに カー(タイショウガ)
   

 

Dsc00725
    

 

Dsc00767
               

   

Dsc00748

  
タイもまた地大物博の農産国だと改めて感じる。

 

 

隣接する花卉市場(フラワーマーケット)に潜入。

 

Dsc00770

    

Dsc00783

 

花卉の海外取引は、これからの課題でもある。タイもその舞台のひとつ。

 

Dsc00863

   

Dsc00869

Dsc00887
       

 

Dsc00757
プミポン国王崩御前だったが、とにかく広く敬愛の対象であった
               

Dsc00856

    

 

多忙なスケジュールの合間に、
時を忘れて川の流れに身を任せるのもいい・・・。

 

Dsc00475

Photo回顧2016 (その1)

はや今年も残すこと三週間となった。  

 

アップ出来なかった訪問先を
画像で回顧してみようと思う。

 

 

今年3月、支援業務でタイのバンコク・アユタヤを訪れた。

 

到着したタイのスワンナプーム国際空港で目撃した、
タイ人観光客の爆買いぶりには初日から驚いた。 

 

中国人に負けていない…。
日常風景になりつつあるとはいえ、
目の当たりにするとそれは壮観であった。

 

Dsc07842 

 

 

中心市街地に行くと、相変わらずの慢性渋滞。

 

ここで僕は頭をタイモードにリセットする。

 

 

イライラ・セカセカは、心のムダ・・・

 

Dsc08692
    

 

Dsc08664

すっかり近代都市に変貌した。

 

 

Dsc08670
夕方の退勤時間帯の自家用車は、高級車がめっきり増えた。

 

    1

今回も、バンコク市内の高級店舗やショッピングモール、郊外店舗を精力的に視察し、最新事情を紹介してもらった。

 

Dsc01109
既に見慣れた光景とはいえ、手ぶらが多い日本人観光客に代わって、ローカル消費者の購買が増えた。

 

 

ますます日本を含む世界中の一流品が集まると同時に
郊外のスーパーでも本物日本商品や外食店舗が広がっていることに驚く。

 

Dsc08403
バンコク郊外のショッピングセンターで。 お米の国タイで日本式おにぎりが

 

Dsc08480
新設のショッピングモールには、大抵日本食レストランがテナントになっている。
ラーメン、カレー、どんぶり、弁当、定食、スイーツなど、国民食レベルが次々と進出。

 

 

東南アジアの拠点として、
これからもしばらくバンコク市場はホットポイントであり続けるに違いない。

 

 

10月に逝去されたラーマ9世プミポン国王に
心からお悔やみ申し上げます。

 

活力蓄える沖縄農業の挑戦

つい先月、沖縄県那覇を訪ねた。

 

JAおきなわの皆さんたちとの勉強会に参加したのだが、
おりしもアメリカ大統領選挙の前日でもあり、
遠い海外の話題とはいえ、TPP交渉の行方も不透明で
その重大な影響が懸念される県農業ということもあって、
皆さん一際危機感を抱いており、
海外事情についても活発な質疑が飛び交った。

 

翌日、南部の産地や選果場を案内していただき
あちこちで新たなチャレンジに取り組んでいる姿を目にした。 

 

Dsc07785
  

肉厚でまるでパプリカのような「具志頭(ぐしちゃん)ピーマン」。

 

Dsc07772

   

生でかじっても甘くて、あのピーマン臭さがない。

ピーマン嫌いの子供でも食べられるに違いない・・・。

 

Dsc07997
   

他にも、ミニトマトやエンサイ、山東菜など珍しい品目も
紹介してもらった。  

 

       
Dsc07819
    

 

Dsc07803_2
道中延々と続くサトウキビ畑。TPPの行方が気にかかる

 

Dsc07944

   
本島南部の海岸に出た。

 

絶景が広がる海岸線に目を奪われるが、
ここも重要な戦跡の一部。

改めて過去の歴史に思いを巡らせ、沖縄の今を再認識する。

 

 

まるで家族のように温かく迎えてくれる沖縄のスタッフの手配で
様々な農業現場を案内してもらった。

  
全国的に農業生産額が低迷するなかにあって、
沖縄県は関係者の努力の甲斐あって、ここ数年増加に転じているという。

 

 

     
那覇の町に戻ったら、県庁前のショッピングモールでは
クリスマスツリーの設営が始まっていた。 

 

Dsc08377

   

外の気温27℃の汗がむしばむ南国風情のクリスマスに
思わず笑みが浮かんだ・・・。

 

Dsc08379
      

 

寄稿のご案内

日本政策金融公庫の月刊誌「AFCフォーラム」12月号に寄稿した拙文が掲載されたので、ご紹介します。

 

 

Img023

   

https://www.jfc.go.jp/n/findings/publish.html

 

 

「主張・多論百出」というコーナーです。

 

 

今、全国の自治体による農産物輸出は、
海外における各種プロモーションやマーケティング活動、
いわゆる川下戦術が花盛りですが、
これからさらに伸ばすために、
産地、商物流の川上・川中対策の必要性を訴えています。

 

 

同誌がお手元にある方はご一読いただければ幸いです。 

 

 

貴重な寄稿の機会を頂いた
日本政策金融公庫農林水産事業本部情報企画部各位に
厚くお礼申し上げます。