群馬で盛り上がり

群馬県前橋市で講演をさせていただいた。

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      (会場の群馬ロイヤルホテル)

主催は、製造、物流、ITソフトなど
県下の元気企業で構成される「群馬国際ビジネス協同組合」で、
海外ビジネスに関する共同事業や情報交換を行なっている。

昨年度は、中国から研修生を受け入れ、
日本式のビジネススキルやマネジメントを研修させ、
関連企業に派遣することで目立った功績を挙げている。

今日の講演では、やはり時節柄、
4月に発生した中国の反日運動について関心が強く、
中国ビジネスにおけるカントリーリスクに対する質問や意見が多かった。

ただ、私のコメントとしては、
1.テレビ報道を通じて繰り返して流される
中国人デモ参加者による暴力的行為が、
必ずしも全中国の意思を反映していないという事実にも目を向けること

2.確かに、今後もかなり長期間、
反日感情に起因するビジネスリスクが常に存在することを忘れてはならないこと

3.日中ビジネスのチャンスは、
むしろ今のような逆風の時にこそヒントが落ちていることが経験的にあること
などを挙げた。

また、全国的なうねりになりつつある
「ニッポンブランド」のアジア市場向け輸出についても紹介したが、
参加者から強い関心を引き、大いに盛り上がった。

「群馬国際ビジネス協同組合」のようなビジネスアライアンスこそ、
これからの日本の輸出事業は、
機動的で実現可能な組織形態かもしれない。

今後の活動が大いに期待される。

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                      (JR高崎駅)

本組合の事務局を担当している
㈱群馬中央総合研究所というシンクタンクの研究員の方に話を伺ったが、
群馬県の景気は全般的に堅調に推移しているという。

若者の就職率も順調で、中央学園という専門学校グループの全就職率が90%を超え、日本一になったということで経済誌にも紹介されたという。

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                    (高崎にて)

高崎から夜9時ごろ、新潟発の新幹線で東京に帰る車内は、
金曜の夜ということで、新潟や群馬の赴任先での仕事を終え、
週末に東京の自宅に戻るビジネスマンで満席だった。

大牟田市で講演

福岡県の南部、大牟田市で
大牟田市、大牟田商工会議所、三池貿易振興会の主催による
中国経済セミナーで講演をさせていただいた。
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(会場の大牟田文化会館)
大牟田市はもとより、県南の家具の街 大川や水郷柳川、
高田、筑後の各地、また熊本北部の玉名などからも
大勢の企業や貿易関係者が集まった。
演題は「激変する中国ビジネス環境をどう捉えるか」と題し、
2時間にわたって最近の中国特需を中心に
それに関わる日本企業の活動について紹介した。
大牟田と言えば、やはり三井三池炭鉱で、
近代日本の産業振興を支えたエネルギー基地である。
今は、すべての炭鉱が閉鎖され、
金属精錬や素材加工、ケミカル工業などが立地する。
また、エコタウンとしても整備され始めており、
環境リサイクル産業の街として生まれ変わろうとしている。
かつての石炭黄金期の繁栄に比べれば
かなり静かな街となったのであろうと容易に想像がつくのだが、
昨年来の素材需要の好転により、
やはり関連産業で業績が回復しているという。
中国のエネルギー逼迫や環境汚染の実情、
リサイクル、リユースのニーズについても話題に触れたが
やはりエンジニアリングの街だけあって
大変熱心に話を聴いていただいた。
また、ここから20キロほど南に行った「玉名」は
昨年、台湾市場に温州みかんを輸出し、
積極的な販路開拓を行なっている。
乾物・万能調味料製造販売の地元企業も
香港・台湾に向けて積極的に売り込みをかけている。
国際貿易港である三池港を有し、
有明海沿岸を周回する無料高速道路の計画や
九州新幹線の新大牟田駅など、
将来の交通・物流インフラは着々と整いつつある。
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(JR大牟田駅)
農産物・食品から、素材・金属工業、環境エコ産業、家具などの
産業を有するこの地も、またアジアを目指して復活・飛躍してもらいたいものである。
050208karutaちなみに、大牟田市は
日本のカルタ発祥の地とされている。
16世紀後半にポルトガル人によって伝えられ、日本カルタが、ここ三池の人たちのよって作られたのだそうである。

デパート催事から情報収集

福岡のデパートで「博多うまかもん市」が開催されている。
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福岡商工会議所の主催による
今年で23回目になる恒例の食品催事で、
和洋菓子、調味料、明太子、ラーメン、惣菜など
福岡の食品関連企業が多数出展している。
私は、九州の食材を
香港や台湾、韓国、中国へ輸出する
支援サポートをしている関係上、
どうしてもチェックしておかなければならないイベントなのだ。
海外の日系デパートやスーパーでは
頻繁に日本食品を集めたフードフェアを企画するからである。
「どうしたら九州や博多について情報発信ができるか?」
「注目されるフェアはどう演出すべきか?」
「フェアを通じて消費者ニーズを調査したり、
掘り起こすためにはどうしたら良いか?」
など、テーマや仮説を持ちながら、観て廻るのである。
輸出の安定化のためには、一時のお祭り騒ぎではなく、
定番商品として日常的に売り場において頂くことを
最大目標にしているが、
海外催事も、市場開拓のためには
有力な戦術のひとつとなっているのだ。
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台湾での食品フェアの筆者。自らハッピを着て売り場に立つことも…
正月も明け、次のバレンタイン商戦までのこの時期、
やはり目に付いたのは、
「イチゴ」を食材として
和洋菓子メーカーはいろいろ工夫していることである。
海外でも日本の農産物を売る場合、
ただ商品を並べただけでは
売れ行きにも限界がある。

「新しい食べ方の提案」
がなされていなければならない。
また、福岡の主だった有名ホテルの
デザートや惣菜の出展が目に付いた。
ホテルも、新しい販路開拓にチャレンジしている様子がわかる。
国内、しかも地元で開く食品催事と
海外で行なう催事とでは
商品扱いから企画、運営に至るまで
異なることも多いが、
「定番輸出を目指すためにも、
近いうちに必ずこのような人気催事をアジアでも実現してみせる!」
と秘かに誓うのであった。