たかが家庭菜園、されど・・・

     

には、何か予感めいたものがあった・・・。

         
10年前、私がまだ中国ビジネスのコーディネーターとして活動していた頃、自宅の小さな庭は名前も知らない観賞用の庭木ばかりであった。

         

ところが、その後、庭師さんの制止を振り切って次々と庭木を切り倒し、その代わりに果樹を植えたり、畑にしていったのだった。

    
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我が家の自慢は果汁タップリのカボス
   
         

その後だ。私が日本の農業関係の支援事業に参画したのは。

           
    
今、庭には、梅、柿、柑橘類、タケノコ、ザクロ、イチジク、ブルーベリーなどの樹木が、畑には一年を通して夏野菜や万能ネギ、小松菜、大根、人参、玉葱、カツオ菜など様々な野菜を植えている。

   
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植えて4年目になるレモンが今年はたわわに実をつけた

      

今の季節、ちょうど夏野菜の収穫が終わった。

    
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唐辛子のことを九州では「こしょう」と呼ぶこともある   

   

トマト、ナス、きゅうり、苦瓜、バジルやルッコラなどのハーブ類、大葉、豆類などだ。

      
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バジルももう終わり

   

ところが、まだ残暑も癒えないうちに、もう秋冬用のために畑を耕さなければならない。
       

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これが辛い。 

     
年2回の重労働。10分も続けていると運動不足の体が悲鳴をあげてくる。

    
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明日から3日間ぐらいは筋肉痛で顔をゆがめるだろう・・・。
     
   

これに加えてもっと過酷なのが夏場の草取り灼熱地獄そのものだ。

    
Kusa

    
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草取りしないニラ畑のコーナーはこのとおり
       

もっとも草取りや手入れするのは、年老いた両親だから私は偉そうなことは言えないけれど。

     
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とにかく頑張って頑張ってこのような畑を数ヶ所作る

      

ところが、散々手をかけて育てた後、いよいよ収穫となると、カラスや野鳥がヒラリと飛んできて、熟した美味しいものから、さらっていかれる。
     
もうため息も出ない。

  
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大好物のイチジクは今年は豊作。だが、カラスとイタチゴッコだった

   
     

加えて最近は、無責任な餌付けをされた複数の野良猫が畑を荒らし、「何が動物愛護だッ!!」と、この程度ですら憤りを隠せない。

       

自家菜園だから無農薬は当たり前だけど、とてもまともな形にならず、近所におすそ分けすら出来ない有様だ。とにかく生産・栽培とはとても奥が深いことだけは体感して解る。
    
     
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この夏、重宝したシソの葉だが、このとおり・・・

       
    
日照りが続けば大量の水道水を撒き、毎年新しく高価な有機肥料などを試す一方で、素人で知識も情報もないから、結局収量などたかが知れている。

     

いったい、一本いくらのきゅうりになるんだろう!?
      

もし、労賃をまともにコストに入れたら????
   

痛めた腰をさすりながら、「これで生産者の苦労がわかる」なんて言ってたら農家の方からヒンシュクを買ってしまうだろう。

    

ましてや、かつて現地でトラウマになるほどの衝撃を受けた中国、東南アジアの農民の厳しい現実を思うと、なんとまあヤワな悩みだろうか。

    

これまで延べ何千人という生産者の人たちと日本の国際化とこれからの農業について議論してきた。

    
    

「私も少しは農業の厳しさを分かっているつもり…」
     

この感覚が一番危ないことを肝に銘じておかなければ。

     

Onion

       

          

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。

“たかが家庭菜園、されど・・・” への2件の返信

  1. 小梅さんお久しぶりです!コメントありがとうございます。我が家も、花が咲く前に食べてあげなければならないニラも観賞用になってます。広東料理では柔らかなニラの花の和え物は美味しいですけどね。こうまで高温が続くと、管理が大変ですよね。実際、多くの農産物や生花が高温障害で出荷が激減しているものもあるみたいです。でも、土に親しみ、季節を感じることが出来るのも菜園をしているからこそですよね。

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