ソロライブ in Shanghai

イブと言えば、9日に松浦亜弥が「上海新天地」でソロライブを行なうらしい。

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会場の新天地のライブハウスの前では写真のような立派な看板が出ていた。「上海新天地」は、都市再開発・レトロモダンなどで世界的な注目を集めた商業・不動産プロジェクトで、上海で働くセレブたちの集いの場でもある。

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上海セレブが集まるところ ―「上海新天地」

たまたま新天地を管理する会社の広報部長氏と話したのだが、社内の上海人女性社員の間では、このライブの話題で持ちきりらしく、一枚450元なり(約6800円)のチケットを買うことなんてなんでもない様子で、もちろんすぐに完売したそうである。ゴージャスな食事代は別らしく、なんとも都会の消費ぶりにはビックリする。

日本のバブル時代に、アメリカの超人気コンサートやハリウッドスターが次々と日本市場開拓のためにやってきたように、これからエンターテイメントの分野でも日本を含めた世界の芸能人たちが中国を目指してやってくる時代になったのかも知れない。

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消費の主役は、やはり若い女性

海外ライブに大興奮  from Shanghai

私はIT関連の仕事にも関わっているにもかかわらず、パソコンの扱いは電子メールとホームページ閲覧くらいだ。

そんな私が、今回初めて上海からブログをアップすることができて、今、静かに興奮している。

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7日の上海の風景

ホテルの自室でインターネットが初めて通じたことによるもので、なんとも不思議な感じだ。

私が1984年に北京に長期駐在していたころはまだFAXもなく、テレックスや写真電報が通信手段で、国際電話も通話料が高い上に、滅多に通じないので使い物にならなかった事がまるでウソのようだ。

上海で商談をしたその日のうちに、街の様子をこのようにアップできるのがいまだに信じられない。

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モノトーンが良く似合う上海の街

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考えてみれば当たり前のことが、こんなに便利だと感じるのは、昔の不便さを知っているからこそのこと。

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でも、今日だけは昔話は横に置いといて、メールの交信を楽しもう。

末尾に“from Shanghai”などと余計なことを付け加えそうだ。 (続く)

内陸を疑う 成都紀行(その5)

家用車の普及やファッションへの関心の高さに触れて
私営経済の活発さを感じたのだが、
地元政府(役所)に行って、また驚いた。

省や市の人民政府の本庁ビルとは別に
四川省と成都市は連合して、巨大な市民サービスセンターを新設している。

日本で言えば、県庁と市役所が共同で行政窓口を運営するようなもので、普通にはとても考えられない。

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四川省&成都市連合の行政サービスセンター

これがまた立派な建物で、すべての行政サービスの窓口が揃っており、ここへ来ればほとんどの行政関係の手続きをワンストップで解決してくれる。

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すべての行政窓口が揃う

教育や医療、公安、衛生、交通、計画生育、会社登記などあらゆるサービスであり、もちろん成都市や四川省に投資を行なう外国企業に対するサービスもここで一元的に行なう。

060528gaisyo_1 外国企業の投資を一元的にサポートする

市民が窓口で相談すると、その内容によって、その場で解決や翌日までとか一週間以内など規定のタイムリミットが示され、それまでに行政が解決できなければ、相談者は別途独立した苦情相談部門で提訴することも出来るのだ。

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大勢の市民が来庁していたが、どこもスムースな感じで手続きが行なわれている様子だった。
もしこれが本当だとすると、革命的な変化だ。

現に、ここまで徹底して行政サービスを一元化ているところは成都だけで、これまでも北京や上海、江蘇省、広東省の各都市からも行政幹部がひっきりなしに視察に訪れて来るという。

また、ちょうどここを訪れた日に、成都市政府では新たに商務局が誕生し、それまで国内流通管理部門と対外経済部門が合併し、内外の経済商業部門を一手に管轄することになった。

新商務局の高官たちも大変熱意を示し、日本企業とのビジネス交流を活発化させたい表明した。

都市の中心部に華西医科大学という古くから有名な医学系の名門校がある。現在は四川大学と合併しているが、この大学病院を訪ねてまたビックリした。

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一日1万人が来院するという。とにかくデカイ

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広大な駐車場が自家用車で満杯

とにかく大きな病院で、ベットが4000床を超え、これは世界一のギネスものなのだそうだ。設備も最新鋭の機器を揃え、独立経営で一日約1万人の患者がここを利用するのだそうだ。

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日本の大学病院と少しも変わらない

大学病院の漢方製剤開発室長で、西洋医学・漢方医学一体治療(中西結合)の責任者でもある李教授と知古を得、中国医学と今後の日中ビジネスの件で情報交換を行なった。

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医学部キャンパス正門

また四川省は古くからの漢方薬材の宝庫で、成都市の北地区の漢方原料卸売市場は中国一の規模を誇るという。

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とにかく広かった・・・

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日本人の多くも健康・長寿を願い、中国医学や漢方に強い関心を持っているが、このネットワークを通じてまだ知られていない様々な知識や情報をこれから発信していこうと思う。

驚きのファッション先進地 成都紀行(その4)

れまで3回のエントリでは、四川省成都の料理や歴史遺産などを紹介したが、もちろん今回の訪問目的はビジネスだ。

3日間で政府をはじめ、様々な機関を精力的に訪問し、
多くの収穫を得た。

中国の西南地区といえば、
西南大開発という国家的な地域発展戦略の地であり、
交通不便で多民族が住む貧しく遅れた地域のイメージがある。

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このくらいの都市景観は想像していたのだが…

それでも、雲南省の昆明や直轄市となった人口3000万の重慶市などは、ビルが林立する大都市だろうという映像イメージを持っていたが、想像通りだったのはその近代的な都市景観だけで、都会としての機能やそこに住む人々のあか抜けた姿には予想を裏切られっぱなしだった。

とにかく訪問前の想像以上に進んでいるのだ。

成都市は自家用車の保有比率は全国第三位だそうで、とにかく公用車より自家用車ばかり目立つのだ。

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知り合う誰と逢っても、車で送り迎えはあたりまえ。完全に車社会といってもよいだろう。

四川人はとにかく消費が大好きのようだ。

天府の国のおおらかさがあるからだろうか、あまり後先を気にせず、
消費に走るのだそうだ。

都心のシンボル的なポイントである天府広場を中心とする中心街に行ってビックリした。

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とにかく道行く人がオシャレなのだ

一部の特別なレベルの高さではなくて、一般市民のファッションに対する意識の広がりという意味では、上海や大連、広東、はたまた台北などよりも高いんじゃないかと思う。

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確かに一部の金持ちや若い女性がファッションセンスがいい大都市は、いまや珍しくない。

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しかし、ここ成都では、若い男の子や年配女性たちもファッションに強い関心を持っている人が多いことが見て判る。

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服装はもとより、髪型、化粧品、バッグなどの持ち物にいたるまで気を遣っている人がやたらに多い。

よく成都や重慶は美人やハンサムが多いと言われるが、素質の上に自己演出が巧みなのだろう。

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本から進出したイトーヨーカ堂も平日というのに買い物客で満員。しかも実際に商品を買っている。昨年も巨大な売り上げと納税額をあげてくれたと地元政府の官吏も笑みを隠さない。

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現在、伊勢丹が進出予定の大型ショッピングセンターも建設中で、さすが日本企業も見過ごしていないようだ。

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伊勢丹出店予定の工事も着々とすすむ

「ニッポンを売る!」スピリットをもってして、これを見逃す手はない。

ウソだと思うのなら、ぜひ成都へ行ってみることをお勧めする。内陸中心都市の従来イメージを見事にぶち壊してくれる。

元気と忍耐と

馬県前橋市で講演させていただいた。

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会場の群馬ロイヤルホテル。手前は利根川

主催は「群馬国際ビジネス協同組合」といい
海外と非常にアグレッシブな活動を展開している会員組織だ。

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メーカー、物流、商業サービス、教育機関など幅広い分野の企業から構成されており、共同で国際ビジネスを展開している。

対中ビジネスでの人材育成をテーマにした活動を活発に行なっており、この一年で西安市などから200名を超える中国人研修生を受け入れて各企業に派遣したり、江蘇省張家口市に日本語学校を設立するなど、日中間で活躍する人材育成に熱心に取り組んでいる。

今回で私も4回目を数える講演会だったが、ますます熱気を感じ、具体的なアクションを起こしているからなのか、アジアビジネスに対する関心の内容も非常に現実的で、とにかく積極的なのに驚いた。

少々おっとりした群馬県人のイメージが変わりそうなくらいだ。

ホットな精神とクールな思考を持った元気人たちの組織だから、交流していても話題が未来ビジョンまで弾む。

今後、農業や観光分野についても、関東広域とアジアとの交流を目指して計画が進行中だというから、これからの活動が楽しみだ。

橋での講演に先立ち、高崎で時間があったのでしばし散策した。
これまで何度が立ち寄ったことがあったのだが、仕事ばかりでじっくりと街を歩いたことがなかった。

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JR高崎駅前

高崎市は新幹線、高速インターと交通の要所にあり、今は県都・前橋市とほぼ同じ人口だが、9月にはまた合併があり、人口では群馬県一の都市になるそうだ。

060522pasta_2 高崎はパスタで町おこしをしているらしい

郊外にある少林山達磨寺を訪ねた

名前といい、また黄檗宗であることから中国の影響を受けた禅寺らしく、総門はやはり特徴的だった。

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少林山総門

本堂に至る参道から観る境内の景色は、言葉にならないくらい美しかった。

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写真術が未熟なので表現できないのが悔しいくらい実物は素晴らしい。

なんと言っても、この寺の特徴は境内に沢山のだるまが納めてあるのが面白い。

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奉納といっても、いわゆるお札やお守りの納めどころと同じで、役目を果たしただるまさんを引き取ってもらう所なのだ。

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両目が黒いものもあれば、片目のダルマもいる。選挙必勝もあれば、営業目標必達、合格祈願など大小様々なダルマが納めてあった。

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高崎といえば全国の約8割を占める日本一のだるまの産地で有名だが、初めて縁起だるまを生み出したのがこの達磨寺で、特徴は、マユは鶴、鼻から口ヒゲは亀をあらわしているおめでたいだるまなのだという。知らなかった。

本堂の隣には、達磨堂という木造の平屋があるが、出入り自由のちょっとしただるま陳列館になっていて、全国のダルマや達磨大師に関する収集物が所狭しと陳列してあって、ついつい長居してしまった。

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達磨堂は面白かった

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群馬三宰相の選挙ダルマと思われる実物も鎮座している。

僕もダルマのように忍耐強く不屈の精神で、困難と思える事業にも挑戦し続けていかなきゃ…。

この日は多くの元気人たちと再会を果たし、思わぬダルマ様との出会いに心洗われる一日だった。

会津を訪ねる

材関係の仕事で福島県会津若松市を訪れた。

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JR会津若松駅前                    (出所:あいづ観光情報館)

初めての訪問地だったが、この街にも元気印の企業が頑張っている。

途中、猪苗代町に立ち寄った。

確か今月初め小泉総理がアフリカ・ガーナのアクラ市を訪問した際、
野口英世博士が通ったという研究室に立ち寄ったことを思い出し、
生家のある猪苗代の野口英世記念館を訪ねたのである。

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僕ら世代の幼稚園や小学生の時の偉人といえば
圧倒的に野口英世だった。
伝記を読んで、みな医者や科学者にあこがれ、そして世界で活躍することを夢見たのである。

060514hideyo_1 僕らはこの姿に憧れた…

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英世が幼少の時に落ちて大やけどをしたとされる囲炉裏

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今日も生家には未来の科学者たちが見学に来ていた

それにしてもあの伝記に読んだ猪苗代湖と磐梯山の景色の素晴らしいこと!!
あまりの美しさにしばし言葉を失った・・・。

060514mtg_2 磐梯山

060514lake_1 猪苗代湖

遠くに残雪冠する山々も眺め、東北の山河を堪能した。

また、大の幕末史ファンの私は、仕事の合間に無理をお願いして会津若松市の飯盛山に白虎隊の史跡をわずかの時間、見学することができた。

060514iimori_1 飯盛山

改めて説明するまでもない会津藩公に殉じた19人の若者の悲劇は、日本人なら誰でも深く思いを馳せることだろう。

060514jijin_1 白虎隊自刃の地

自刃の地を踏みしめると、やはりその場に身を置かないと感じないような「気」に触れた。

なんだか旅ブログのようになってしまったが、
午後陽も傾きかけた頃、蔵の町として有名な喜多方市にも足を運んだ。時間がなかったのでサッと町を縦断した。

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味噌や醤油、日本酒などの蔵が確かに多そうで、もっとゆっくり歩きたい街だなと思った。

また、喜多方ラーメンでも全国的に有名だが、なんと午後3時を過ぎるとスープがなくなるのか、多くが店じまいしてしまっているのだ。もちろん、夜まで開いている店もあるそうだが、次の予定が入っていてタイムアウト。

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喜多方まで来て本場のラーメンにありつけないなんてッ!?

今度はいつ再訪することが出来るんだろうか。

福島県といえば、昨年秋、
上海の有名百貨店で赤ナシの販促活動を熱心に行なっていたのに遭遇した。

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上海の百貨店でのプロモーション風景

聞くところによると、
県知事をトップに上海への売込みに大変熱心な地域のようで
上海事務所を拠点に活発な活動を行なっているという。

ナシのほかにもモモやブドウ、柿、リンゴなども有名な農業県だけに
今後の元気な活動が注目される。

世界遺産に触れる  成都紀行(その3)

川人のお国自慢の一つに中国で最も世界遺産が多い省だ、というのがある。

九寨溝(きゅうさいこう)峨眉(がび)山、黄龍、都江堰(とこうえん)などが有名だ。

そのもうひとつに1996年に世界遺産に認定された「楽山(らくざん)大仏」がある。

成都から約140キロほど離れた楽山市にあるが、今は高速道路も整備され一時間半ほどで行くことが出来る。

実はこの楽山大仏、私がまだ高校生の頃、とある写真を見てガツンと衝撃を受け、ぜひ行ってみたいと心底願っていた場所なのだった。もしかしたら万里の長城以上だったのかも知れない。

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学生の頃、一枚の写真を見て衝撃を受けた楽山大仏

だから30年以上も恋焦がれ、とうとうやって来たこの日は、感動のあまり暫く声も出ないくらいだった。

ところでこの大仏像だが西暦713年から建造が始まり、なんと90年の歳月をかけて完成した楽山大仏。頭の部分だけで10年を要したという。

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どれだけの大きさかが分かってもらえるだろうか

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足指だけでもこのくらいだ

全長72メートルで12階建てのビルに相当するという。もちろん磨崖坐像としては世界最大である。

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まさに「山が仏、仏が山」と言われる所以だ

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壁面から観るとこんな感じになる。まさに断崖絶壁!

この地はちょうど、揚子江の支流にあたる岷江大渡河、そして青衣江が合流する大河の難所で、長年洪水に見舞われ、多くの犠牲者を出していたという。説明によると、この川の氾濫を鎮めるために大仏が建立されたわけだが、大仏建立後、目立った洪水は発生していないのだそうだ。まったく科学的根拠がないのに

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右側が岷江、左側が大渡河が合流するところ。川の色が違う

それにしても、このハンサムというか個性的というか、大仏様の顔は印象的だ。

また、普通なら座禅を組むとか、手は印を結ぶなどするはずなのに、ここの大仏様は椅子に腰掛けているようでもあり、また手もお行儀良く膝の上に乗せてあって、とにかくユーモラスだ。

大仏の壁面だけでなく、対岸から船に乗って、岷江の水面からも大仏様全体を俯瞰したが、とにかく素晴らしかった。

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大仏は船上からと山上、足下から眺めた

30年前、中国渡航すら特別な事だった時代に、まさか仕事もあってここを訪れるなんて思いもしなかった。

いま観光開発の真っ只中だった。もう数年もすると立派な観光地になっているに違いない。 (続く)

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ゆったりした時間が流れる楽山の街
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ミス福岡に感謝

多どんたくの行事の中でも、人々の関心を集めるイベントのひとつに「ミス福岡」の選出がある。

毎年5月2日に開かれる「どんたく前夜祭」で最終審査が行なわれ、その年のミス福岡が3名選ばれるのである。

ミス福岡は一年間、福岡の親善使節として内外の各種行事に参加するのだが、県産農産物の海外販路開拓にも大いに貢献していただいた。

今年1月末には、旧正月休みの台湾・中国・韓国から来日する観光客向けキャンペーン活動として、福岡空港でミス福岡の宮田さんに県産イチゴ「あまおう」を空港に降り立ったツアー客に振舞っていただいた。

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やはりミス福岡がいてくれると、その場の雰囲気がパッと華やかになる。

台湾からの観光客もはじめはビックリしていたが、ミスの宮田さんから試食用のイチゴを受け取るととても嬉しそうにしていた。

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空の玄関では大いに注目を集めた

また、2月には台北の高級デパートや量販店9店で「イチゴ尽くしフェア」を展開した時には、ミス福岡の毛利さんも同行してくれて、各店舗で大いに歓迎された。

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連日朝から晩まで次々とキャンペーンを渡り歩き、本当に疲れ果てているはずなのに、最後まで笑顔を絶やさず好印象を与え続けてくれたのには感心した。本人曰く、「楽しくて仕方がない」のだそうだ。

もうひとつ嬉しかったのは、このように国産農産物の消費を少しでも拡大し、地域農業を元気にするために、農業団体や県庁の人たちが海外にまで日本ブランド農産物を苦労して販路開拓していることにミス福岡も共鳴してくれて、その後も事あるごとに県産イチゴの素晴らしさを訴え続けてもらっていることだ。

生産者にとって心強い味方だと思う。

今年もさる2日に第46代ミス福岡が3名選出された。

毛利さん、宮田さん、一年間本当にお疲れさまでした。プロモーションでは大活躍して頂きありがとうございました。

これからも郷土が育んだ農産物をみんなに紹介してくださいね。

博多どんたくのオープンマインド

3日と4日に、福岡市では「博多どんたく港まつり」が行われた。

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ゴールデンウィーク期間中、弘前の桜まつりと並んで約200万人の人出を記録する日本一のイベントである。

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今年も大勢の観客でごった返した

この人出の数値について関係者の人に聞いた話だが、結構意外な算出法みたいだ。もちろんここでは言えない。

博多どんたくは820年の歴史を持つ民俗行事を起源としているそうだが、今のような港祭りに発展してからもすでに45回目を数える歴史ある祭りだ。

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同じく全国的に有名な夏祭りである博多山笠が、限られた町内の格式と規律によって統制される地域伝統行事であるのに対して、博多どんたくは市民総参加型のオープンマインドの開放的なイベントである。

だから時代の変化に従って参加者も多種多様となり、現在のようにアジアとのゲートウェイとしての福岡・博多を反映して、どんたくパレードに参加する外国人も年々増えている。

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今年も大勢の外国人居住者や参加のために来日したアジアの人たちがパレードに参加した。観るのと参加するのでは感じ方がが大違いだというから、参加した人たちはきっと感激したに違いない。外国人の福岡ファンが着実に増えることだろう。

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姉妹都市の広州市からもパレードに参加

おりしも中国もまた5月の第一週は、メーデーのゴールデンウィークとして一週間の連休になっているので、数年後には大勢の中国人観光客で賑わうはずだ。

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今年は特に2016年夏季オリンピックの候補地に福岡市も名乗りを上げていて、なお一層海外へのアピールを強めている。

また、どんたく直前には、台湾から観光誘致のために関係者が来日し、福岡市の繁華街でGW直前の観光宣伝活動を行なった。

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双方向のアジア交流が活発化し、地方も活気が出てきたように思う。

歴史の都 成都紀行(その2)

成都は海抜500mの四川盆地にあり、周囲は4000mを越す山にも囲まれ、奥深い内陸にありながら、気候は温和でしのぎやすい地だ。

天府の国」と呼ばれるように、実は古くから物資が豊富で、コメ、麦のほか、菜種やゴマ、落花生、淡水魚、豚、綿花、シルクなど自己完結できるだけの豊富な経済作物に恵まれていたのだ。

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成都郊外の農村風景。菜種がいっぱいに実をつけている

この地も数千年の歴史をもっているが、豊かで温和な風土で比較的安定した社会が続いたため、戦乱続く江南など他の地域から多くの人が四川の地を目指してやってきたのだという。

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四川シルク(蜀錦)の手紡ぎの再現

成都の歴史といえば蜀の国。
そう、ここは多くの日本人も親しんでいる三国志の舞台になったところでもある。

060502sanngokuseiti_1 成都は三国志の聖地なのだ

日曜日に地元政府の案内で「武候祠(ぶこうし)」を見学した。

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もともとは、この地を収めていた劉備の墓のあるところなのだが、どうも地元の人は諸葛亮孔明が好きなようで、孔明の字(あざな)である「武候」を冠して偉業を称えているようだ。

060502koumei_2 諸葛孔明像

また、劉備と共に関羽、張飛を合わせた三傑も祭ってあり、桃園の誓いや三顧の礼など馴染み深いシーンも再現している。

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地元の人の説明を受けると、三国志に出てくるエピソードにまつわる文物を目の当たりにできて本当に感動ものだ。

中でも南宋の民族的英雄で書家でもあった岳飛が書いた出師の表などは、もう歴史ファンならずともたまらない魅力だ。

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(今も手本とされる岳飛が書いた出師の表)

もうひとつ成都で有名な歴史的旧跡といえば、詩聖といわれた唐代の大詩人「杜甫」が4年間住んだといわれる「杜甫草堂」だろう。

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060502tohozou 杜甫の像

草堂というから小さな庵(いおり)でもあるのだろうと思っていたら、広大な敷地全体が歴史博物館になっており、杜甫に関する文物はもとより、当時の遺跡の発掘状態をそのまま保存している展示館もあり、複合的に理解できるようになっていた。

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(唐代の発掘遺跡)

私は漢詩にはあまり造詣がないのだが、

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国破山河在
城春草木深

感時花濺涙
恨別鳥驚心

烽火連三月
家書低万金

白頭掻更短
渾欲不勝簪

春望の句を知っているくらいだが、それでも十分面白い史跡だった。

また、成都の西側には「青羊宮」と呼ばれる道教寺がある。かつて老子が青羊を引いてきたという言い伝えにより建立された道廟で、現存する建物は清代のものだ。入り口の幅の割には意外に奥深く、予定時間を大幅に超過してしまい、思った以上に見ごたえのある道廟だった。

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三清殿と呼ばれるひときわ荘厳な建物には一対の銅製の羊があるが、そのひとつは、十二支の各動物を表したという極めて奇怪なものなのだ。

すなわち、

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耳が鼠 鼻が牛

爪が虎 背中が兎 

角が龍 尾が蛇

嘴が馬 ヒゲが羊 

目が鶏 頭が猿

腹が犬 臀が猪

をあらわすとされているのだ。

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敷地の一角で道士が座禅を組んでいた…

どの建物も興味深いが、併設している広い喫茶コーナーは秀逸で、多くの老人たちが朝早くから思い思いに茶をすすりながら談話したり、編み物をしたりしている。ほんとうにのどかな風景だったが、とても印象深かった。

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北京や西安ほど史跡観光地としての認知度は高くないが、成都は歴史の街としても十分に面白いところだ。

(続く)