歴史の都 成都紀行(その2)

成都は海抜500mの四川盆地にあり、周囲は4000mを越す山にも囲まれ、奥深い内陸にありながら、気候は温和でしのぎやすい地だ。

天府の国」と呼ばれるように、実は古くから物資が豊富で、コメ、麦のほか、菜種やゴマ、落花生、淡水魚、豚、綿花、シルクなど自己完結できるだけの豊富な経済作物に恵まれていたのだ。

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成都郊外の農村風景。菜種がいっぱいに実をつけている

この地も数千年の歴史をもっているが、豊かで温和な風土で比較的安定した社会が続いたため、戦乱続く江南など他の地域から多くの人が四川の地を目指してやってきたのだという。

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四川シルク(蜀錦)の手紡ぎの再現

成都の歴史といえば蜀の国。
そう、ここは多くの日本人も親しんでいる三国志の舞台になったところでもある。

060502sanngokuseiti_1 成都は三国志の聖地なのだ

日曜日に地元政府の案内で「武候祠(ぶこうし)」を見学した。

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もともとは、この地を収めていた劉備の墓のあるところなのだが、どうも地元の人は諸葛亮孔明が好きなようで、孔明の字(あざな)である「武候」を冠して偉業を称えているようだ。

060502koumei_2 諸葛孔明像

また、劉備と共に関羽、張飛を合わせた三傑も祭ってあり、桃園の誓いや三顧の礼など馴染み深いシーンも再現している。

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地元の人の説明を受けると、三国志に出てくるエピソードにまつわる文物を目の当たりにできて本当に感動ものだ。

中でも南宋の民族的英雄で書家でもあった岳飛が書いた出師の表などは、もう歴史ファンならずともたまらない魅力だ。

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(今も手本とされる岳飛が書いた出師の表)

もうひとつ成都で有名な歴史的旧跡といえば、詩聖といわれた唐代の大詩人「杜甫」が4年間住んだといわれる「杜甫草堂」だろう。

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060502tohozou 杜甫の像

草堂というから小さな庵(いおり)でもあるのだろうと思っていたら、広大な敷地全体が歴史博物館になっており、杜甫に関する文物はもとより、当時の遺跡の発掘状態をそのまま保存している展示館もあり、複合的に理解できるようになっていた。

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(唐代の発掘遺跡)

私は漢詩にはあまり造詣がないのだが、

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国破山河在
城春草木深

感時花濺涙
恨別鳥驚心

烽火連三月
家書低万金

白頭掻更短
渾欲不勝簪

春望の句を知っているくらいだが、それでも十分面白い史跡だった。

また、成都の西側には「青羊宮」と呼ばれる道教寺がある。かつて老子が青羊を引いてきたという言い伝えにより建立された道廟で、現存する建物は清代のものだ。入り口の幅の割には意外に奥深く、予定時間を大幅に超過してしまい、思った以上に見ごたえのある道廟だった。

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三清殿と呼ばれるひときわ荘厳な建物には一対の銅製の羊があるが、そのひとつは、十二支の各動物を表したという極めて奇怪なものなのだ。

すなわち、

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耳が鼠 鼻が牛

爪が虎 背中が兎 

角が龍 尾が蛇

嘴が馬 ヒゲが羊 

目が鶏 頭が猿

腹が犬 臀が猪

をあらわすとされているのだ。

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敷地の一角で道士が座禅を組んでいた…

どの建物も興味深いが、併設している広い喫茶コーナーは秀逸で、多くの老人たちが朝早くから思い思いに茶をすすりながら談話したり、編み物をしたりしている。ほんとうにのどかな風景だったが、とても印象深かった。

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北京や西安ほど史跡観光地としての認知度は高くないが、成都は歴史の街としても十分に面白いところだ。

(続く)

蜀は食都 成都紀行(その1)

港に降り立った瞬間、
ムッとくるいつもの湿気に
ああ四川に来たんだなぁ」。

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(いつも湿度が高い成都の街)

年間を通して晴天日数はわずか25日ほどしかなく、
曇りや雨の日が多いため、本当に湿度が高い。

日本を発つ時はまだ14℃と肌寒かったが
ここはもう26℃にもなっていた。
とにかく蒸し暑い。

久方ぶりに四川省成都を訪れた。

我々日本人にとって、四川といえば、
パンダ、三国志、そして激辛料理だろう。

四川の人が辛い食べ物を好むのは、
この湿度の高さと大いに関係があるといわれている。
不調になりがちな身体の新陳代謝を促すためらしい。

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(四川の代表的激辛料理-「水煮魚片」)

確かに辛いものを食べた後には発汗し、
誰でも神経が高揚するように感じる。

気候や風土と食べ物は本当に関係が深い。

四川では、子供の頃から辛い食べ物に少しずつ慣らしていき、
10歳になる頃には一人前に激辛が食べられるようになるそうだ。
スゴい。

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ご存知「麻婆豆腐」。
突き抜ける辛さとヒリヒリとしびれる刺激は、ここ成都ならでは。
上海や香港・台北などで食べるマーボドーフは全く別の食べ物だ。

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写真は、麻婆豆腐の元祖と言われている「陳麻婆豆腐」の支店。
看板メニューの「金牌麻婆豆腐」の味は一流だが、昔の国営レストランを思い出させるほどの接客の悪さには閉口した。 

成都の有名レストランをハシゴしてみる。

特に「成都名小吃」と呼ばれる伝統惣菜には旨いものが多い。

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私の好物である「蒜泥白肉」(上)と「夫妻肺片」(下)。
辛さの中にコクのある味付けがたまらない・・・。

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実は成都もワンタン(抄手)が有名。
「龍抄手」はブランドになっている。

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四川に来始めのうちは
「地元の人と同じ辛さじゃなきゃつまらないッ!」
と意地を張る割には、どうしてもこの辛さを受け付けず、
ビールやお茶で一度シャブシャブと洗ってから口に運んだものだが、数日も経つとすっかり慣れて、辛くないと食べた気がしなくなるから不思議だ。

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本場の担々麺には汁がないのかと思いきや…

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下には真っ赤なタレが潜んでいた。

日本のラーメンと同じく、担々麺の本場成都でも店によって味付けや麺の種類などがかなり異なる。

とにかく四川料理の奥は深い

北京・上海・広東と並ぶ4大料理と言われる中でも、四川料理は香辛料や調味料の使い方などに独特の技が秘められている。

辛いだけではなく、複雑さや深みのある味付けは脳の記憶中枢に強く残る

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(成都の市場にて)

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(「麻(マー)」と「辣(ラー)」。唐辛子と山椒の組み合わせが特徴)

日本はもとより、上海や香港、台湾などでも本場同様の四川料理が食べられるところは極めて少ない。

本場成都を訪れることなくして、川菜(四川料理)を語ることなかれ、だ。

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四川系の新作料理 -ローストガチョウの皮とフォワグラ・マンゴーペーストのせは絶品だった。

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あまり知られていないが、昔から四川でもソバ(蕎麦)が食べられている・・・

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ただし、麺は弾力に富み、スープは真っ赤で酸味もある。
酢とラー油をタップリ入れた激辛韓国冷麺のよう。
ところ変われば、である。

本場の味を堪能するために、ぜひ一度成都を訪ねてみることをお勧めする。
中華料理好きなら、絶対に満足すること請け合いである。
(続く・・・)

テーマパーク化する中華街

年ぶりに横浜中華街を訪ねた。

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平日の昼間というのに多くの団体客やカップル、家族連れで一杯。

以前から中華街は人出の多いところで、
土日に行ったら歩くスペースもないくらいだった。

その後、長期不況もあってしばらく停滞する時期があったと聞くが
この日見る限り、そんなことはない様子だ。

街全体が生まれ変わっていることが実感できるのである。

先回のエントリで、アメ横でアジア人観光客が急増していることを紹介したが、中華街もそうかと思ったら、日本人が圧倒的に多いのである。
しかも老若男女、団体・個人さまざまな訪問客を迎えている。

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つまり、アメ横は売っているのが日本人で、買っているのはアジア人であるのに対し、中華街では訪れるのが日本人でそこで働いている人のほとんどが中国人なのでまるでどこにいるんだか分からなくなる。その中国人というのも二世・三世の華僑ではなく、中国からの就労者や留学生アルバイトが多い。たどたどしい日本語が面白い。

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(売り子さんの多くが中国人!?)

地下鉄も渋谷から直接乗り入れるようになり、確かにアクセスが便利になったことも大きいだろう。
しかし、街づくりにも熱心に取り組んでいるし、昔の閉鎖的なコミュニティー特有のあのワクワク感というよりは、外からも受け入れる開放感が感じられ

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(オープンしたばかりの横浜媽祖廟

関帝廟に続き、今年立派な「媽祖廟」も完成し、またひとつ立ち寄りスポットが出来た。そういう意味では、以前は本格中華料理を食べに行くところ、他では売っていない食材を手に入れるところというイメージだった中華街も、飲食はもとより、雑貨や土産店を冷やかしたり、中国寺を詣でたり、占いをしてみたり、と単店舗目的ではなく、街全体の回遊性が高まり、さながら入場無料のテーマパークを散策しているよう。また、年間を通してイベントも企画されている。

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(イベントの呼び込み?)

20年前、私が横浜中華街の貿易商社協議会の皆さん方と貿易促進のお手伝いをしていた頃の社長さんたちは、今中華街のさまざまな組織の会長や顧問としてますます活躍されている。当時も日中貿易にはさまざまな障害があり、会社の利害を超えて数多くの難題を解決してきた。今の反日騒ぎどころのレベルではなかった。貿易そのものが出来なくなるほど、当時は中国の政治情勢や社会混乱の影響をいつも受けていたのだ。それでも、いつ私が訪ねても中華街の皆さんは快く迎え、共に汗を流していたことを懐かしく思い出す。

それにしても中華街散策は益々面白い。
特に目に付いたものは、肉まんや焼売など点心類のテイクアウトだ。持ち帰りやその場で歩きながら食べるなど随分と消費の姿も変わった。

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(ディズニーランドの家族連れと変わらない)

また占いも大変な人気で、女の子だけでなく若い男の子が集まっていたのは興味深い。

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他に、足つぼやエステなどの癒しマッサージ系、食べ放題、麺食、開運グッズ、健康ハチミツなども人気が高い様子だった。

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(開運ストラップも人気)

危機感をバネに常に挑戦と革新を続けていくことが発展のために必なのだ。
変革なき組織や地域が長期にわたり存続し続けることはありえない。

伝統を受け継ぎ、それを現代に生かしながら自己改革していくことが、地方ではいま特に求められている。

横浜中華街には熱い想いを持つ行動派が何人もいるのだろう。大いに参考になる。

アメ横に続き、ここ中華街も観光誘致、企業誘致、物産振興のアイデア満載の宝箱だ。

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(中華料理の七つの味は・・・)

日本でわかるアジア人の嗜好

東京でまとまった数の外人に出会うとなると
少し昔までは六本木や品川など港区と相場が決まっていたが、
今確実に、しかもアジアの人たちと出会おうとすれば
秋葉原かアメ横に行くのが一番手っ取り早い

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桜の満開を過ぎた上野公園ではなく
フラリとアメ横に立ち寄ったら、
いるわ、いるわアジアの団体ツアー客や常住者らしき人たちが
大勢買い物をしている
ではないか。

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もしかしたら日本人より多いんじゃないかと思うくらいの比率だ。

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(立ち止まって観光ガイドブックで場所を確認)

耳を澄ませば、韓国語、広東語、台湾語、北京語、タガログ(フィリピン)語、タイ語が聞こえてくる。

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それにしても旺盛な購買欲だ。これは最近、上海やバンコクなどの食品スーパーで見た光景とどこか似ている

変な人だと思われないよう彼らが何を買っているのかをコッソリと観察する。

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宗谷産干し貝柱、ドンコ椎茸、水産珍味、ワサビ味の豆菓子、うなぎ蒲焼、タラバガニ、イクラ、イチゴ、健康茶などを買っている。

海苔屋では、台湾人と思われる若い女性の二人連れが、家で寿司を作りたいからと英語で交渉して、寿司用海苔をまとめて数帖買っていたのにはビックリした。寿司がアジア人家庭にも入り込んでいるのだ。

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(家庭で寿司を作るらしい・・・)

ほかにもいろいろ興味深い消費行動をしていたが、 紹介はいずれ別の機会で。

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(電卓片手に値切り交渉は当たり前)

またここでは、食品だけでなく時計やアクセサリー、化粧品、薬品、ハローキティーのキーホルダーや携帯ストラップなども売れていた。

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何もいちいち海外に行かなくても、日本国内でテストマーケティングをしているようなものだ。アジアの華人や韓国人がどんな日本食材を求めているかを知りたければ、一度アメ横に行ってみることをお勧めする。

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継続性と革新性と

4月は言わずと知れた新年度の始まりの季節で、
多くの組織で人事異動が起こる。

一般的に2年か、長くて3年で人事が変わることがあり、
最近は数値目標などが設定された事業もあり、
日々、緊張感を求められることが多いが、
せっかくチーム内にそのノウハウやネットワークが培い始め、
さあ、これから、と言うところで人事異動することが多い。

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(桜の季節は異動の季節)

後任はまったく別の部署から配属されることが普通だから
振り出しとまでは行かないまでも、事業が巡航速度に戻るまでしばらく時間がかかるのは避けられない。

特に、新規事業やこれまで前例のない挑戦的な事業には、チームスタッフの「熱い想い」に支えられていることが多いからなおさらだ。

また、事業対象やパートナーがいる場合は、相手方が困惑することもあるので注意が必要。

それを少しでも回避するためにも、極力引継ぎをしっかりと行ない、十分に情報を伝え、継続性を持たせることが重要だ。

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(文京区小石川・播磨坂の桜並木)

しかし一方で、後任担当者が、全くの継続性踏襲ではなく、異なる視点から事業を組み直し、独自の方法論を用いることによって、事業がステップアップされることがあるから、この流れを封じては決していけない。

革新的な成果が生まれるのもこういう時だ。

ただし、これはあくまで正確な判断力や分析力、行動力がそろった場合。プロジェクトチームの親和性が加わると、さらに面白い結果が生まれる。

悪しき前例主義は、変化激しい昨今、何も対応できなくなる。
築き上げた基盤の上に、いかに新しい息吹を吹き込めるかが重要で
その意味では、変化は常に飛躍のチャンスだ。

私も4月は、仕事の進め方をリモデルしようと思う。

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(4月はスタートのとき・・・)

江南の春

江蘇省昆山を訪ねた。

ここは早くからアパレルや精密機械、電子工業など日系企業が
盛んに進出している地域で一時期よく通った所でもある。

揚子江(長江)下流南岸一帯を江南地方と呼ぶが、
詩人杜牧(とぼく)の詠んだ「江南の春」でも有名だ。

千里鴬啼緑映紅
水村山郭酒旗風
南朝四百八十寺
多少樓台煙雨中

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は、立春の一番良い季節にこの地を訪ねたのは初めてのこと。
のどかで、穏やかな風景に改めて感動した。

「周荘(しゅうそう)鎮」一帯は、観光開発もすすみ、外人観光客はもとより、国内ツアー客の多さが目立った。
 また、数千台の収容能力があろうかという広大な駐車場も週末には、上海や蘇州などからのマイカー族のドライブ客で駐車スペースがなくなるというから驚いた。ここでも時代の変化を実感した。

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(とにかく国内観光客の多いのには驚いた)

江南地方は別名「魚米の郷」とも呼ばれ、水稲、麦、綿、シルク、茶、魚、カニなど食材の宝庫でもある。

今回も淡水魚や上海ガニ、エビなどの養殖場、延々と広がる水田やビニールハウスが至る所で見られる。

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長江に繋がる大小の湖とそれらをつなぐ運河が網の目のように広がっているのである。

中国第一の水郷と呼ばれるこの街でも、その穏やかな流れと水と共に暮らす人々の生活を眺めていると本当に気持ちが和らいでくる。

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(水郷での生活風景)

上海から車でわずか1時間半ほどのところで春の息吹を体一杯に感じることが出来るエリアがあるのだ。

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(遠くに広がるのは淀山湖)

この20年ほどの間、海外からの投資も急増し、一帯では多くの工場も稼動している。国内観光客も飛躍的に増え続けるだろうから、この地も、もう穏やかでなくなる日が近いかもしれない。

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(昔の中国にタイムスリップ)

FOODEX JAPANでもニッポンを売る

14日から千葉県幕張メッセで
第31回国際食品・飲料展(FOODEX JAPAN 2006)が開催された。

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(会場エントランス)

期間中、10万人に迫る動員を誇るこの商談会は、世界三大国際食品展のひとつにも挙げられている。

思えば、今から22年前、私が北京に駐在していた当時、中国の食品貿易の唯一の窓口商社であった中国糧油食品進出口総公司から
「日本で事業効果の高い食品展示商談会に出展したい」と言われ、このFOODEXを紹介し、日本の主要輸入商社が共同で受け入れ体制を整えて、初めて中国ブースが実現したときのことを懐かしく思い出す。

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(今年の中国ブース)

久しぶりに中国食品館を視察したが、中国全土から出展者を集め、一大勢力となっていた。

て、ここでも初めてFOODEXにブースを展開した新コーナーがある。
それは、まさに「日本食品の輸出促進コーナーである。

「ニッポンを売る!」アクションに携わる者としては、とても嬉しいことだ。

ジェトロ(日本貿易振興機構)農水産課がプロデュースするもので、和のひろば」と称する一角にセミナー会場と輸出に挑戦する全国24団体による商品展示コーナーを設け、日本食品を海外に発信するブースがここに誕生した。

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(日本食品輸出促進コーナー)

私もジェトロの要請を受け、会期中、セミナーのパネリストと参加全ブースへのアドバイス活動を行なった。

食品輸出セミナーでは、台湾、香港、シンガポール、タイのバイヤーも登壇し、各地のマーケットや日本食品の販売事情などを紹介した。

日本食品がすでに定着しつつある香港・台湾とこれから次の可能性を含むシンガポール・タイ、そして誰もが関心を持つ巨大市場-中国のマーケット比較は、参加者の貴重な参考になったと思う。

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(日本食品輸出のパネルディスカッション風景)

展示ブースでは、北は青森から南は鹿児島まで、全国の食品企業や団体がバイヤーとの出会いや情報を求めて積極的にプロモーション活動を行なった。

すでに輸出実績の豊富な青森県の農業法人(リンゴ)や静岡県の製茶企業(緑茶)、各地の酒造メーカー(日本酒・焼酎)も参加し、さすが販促活動に習熟しているなといろいろ勉強になった。

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(経験豊富な出展者のブースには何故か次々と有力バイヤーが現れる・・・)

ただ、ほとんどの出展者が、輸出については初めての企業が多く、「どうしたら一歩が踏み出せるか?」「安心できるパートナーを探したい」という点で試行錯誤しているようだった。

海外の商談会では、来場者が当然、海外企業バイヤーばかりなので、一見、ストレートに商談や情報収集につながるように思われるのに比べ、FOODEXとはいえ日本での商談会では日本人の来場者が多く、外人バイヤーが少ないことが物足りないように感じられる向きもあるが、特に地方の企業にとっては、実は必ずしもマイナス点とは言えない事実もあのだ。それは輸出を始めてしばらくすると自ずと判ることである。

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(NHK「経済最前線」クルーも取材に来場)

しかし、今回は初めての試みったこともあり、輸出促進のブースであることの演出やより効果あるビジネスマッチング実現のための改善点はいくつかありそうだ。

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(輸出促進ブースにも多くの来場者が集まった)

とにかく、日本食品輸出促進コーナーが、このFOODEXでも中国館同様、近い将来、この巨大会場にあって、一大テーマ館を構成できるよう、今後の展開を期待している。

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(今年のFOODEX会場遠景)

毎年好評の食品ビジネスイベントが開催される

る3月20日、福岡市で「FOOD2006 in FUKUOKA」が開催される。

この事業は、福岡市福岡商工会議所、(社)福岡貿易会ジェトロ福岡貿易情報センターの4者で構成される「福岡アジアビジネス支援協議会」が主催するもので、在福岡の各国貿易代表機構も後援している。

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今年の事業は、中国、イタリア、カナダ、タイ、台湾、韓国、シンガポールから50社近くの企業が集まり、品質や価格、安全性などに特徴ある食品・食材を展示商談する「新食品・食材商談会」とその食材を用いてプロの調理人がアイデア料理を競うキッチンデモンストレーションが目玉の「福岡対話」の二つのイベントで構成される。

実はこの福岡市のFOOD事業は、過去6回にわたって毎年開催されており、すでに圏内の食品関係業者の間ですっかり定着した評判の事業なのである。

その理由は、第1回目からこの事業は、「個性も特徴もない商談会やセミナーにしない!!」「出展者にも来場者にも役に立たない、主催者の独りよがりのイベントにしない!!」というスタッフの強い意志があった。

東京や関西と異なる九州圏の食品企業のニーズを事前に徹底的に調査し、日本側需要家が求める商材をアジアの各企業に準備してもらうことと、福岡対話と称するシンポジウムでは、その時代の半歩先ゆくテーマ、たとえば、輸入食品の安全性、ITと食品、地場食品の輸出などを常に情報発信し続けてきた。

今年もアジアを中心に、欧米企業も一堂に会して、個性ある新商品を出展提案してもらい、食べ方のレシピも実演で提供するという新たなコンセプトで「食都福岡」「食品ビジネス拠点都市―福岡」を情報発信する。

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毎年毎回、進歩・進化する今年の事業には、すでに過去最高の来場希望者のエントリーが事務局に寄せられている。食品関連の企業、企画関係の方は、ぜひ参加されることをお勧めしたい。

開催日: 3月20日(月)
会 場: ソラリア西鉄ホテル8階大宴会場「彩雲」

プログラム:
「新食品食材商談会」 10:00~18:00
「福岡対話」キッチンデモンストレーション 10:30~16:00

参加: 無料

申し込み・問い合わせ:
福岡商工会議所経済部国際センター
TEL:092-441-1117  FAX:092-474-3200
E-mail:kokusai@fukunet.or.jp

ブランド対策セミナーに参加して(2)

…(1)から続く

ミナーの後半は、作家で金儲けの神様として知られる邱永漢氏が登壇して、「中国・台湾で勝負する農産物の日本ブランド確立に向けて」と題する講演をされた。

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実は、邱先生が9年前に福岡で基調講演をされた後、パネルディスカッションのパネラーとしてご一緒した時以来、2度目の再会となった。それ以来、邱先生の著作や行動については、ずっとチェックを入れている。

だから、邱先生の言論や発想は多少知っていたつもりだったから、日本の農産物を中国や台湾に輸出するというテーマについて講演されるとはとても意外だったのだ。

060311Qsan2 なぜなら、邱さんはこれまで、永田農法の中国での展開を提案したり、コーヒーや日本そばの中国での栽培に挑戦されているから、日本からの輸出ではなくて中国に移って生産せよという、発想としては逆なのではないか、と感じていたからだ。

講演は相変わらずの名調子で、会場を大いに沸かせた。まるで名作落語を聴いているような心地良ささえ感じてしまう。パワーポイントに頼る私の講演などは、まだまだ修業の余地がありそうだ。

060311Qsan3 やはり日本産の農産物の輸出について、邱さんは、とても難しいのではないか、と本音を漏らされた。生産コストが大幅に安い中国に対して、高コストの日本産農産物を恒常的に販売することは、邱さんの原理原則では、やはり反対なのだろう。

私はそれを聞いてむしろホッとしたほどだ。ホッとすると同時に、ますますファイトも沸くというものだ。

でも、最後には
「私は日本産の農産物がどうしたら中国で売れるのか、その答えは持っていない。普通に考えれば、とても難しいと思うからだ。もし、売れるような情報があったら、むしろ私に教えて欲しいくらいだ。皆がグズグズしているうちに、私はサッサと行動に移しますから」と。

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会場は大いに沸いた。さすが邱先生。
齢82歳にして、この発想と行動力。脱帽する他ない。

同行の方が、講演終了後に邱さんに題字を求めたら、丁寧に一字一字筆を走らせてくれた。

毎日、聞いたことのないことを聞き
毎日、見たことのないものを見る
          邱 永漢

また、大いに刺激を受けた。

ブランド対策セミナーに参加して(1)

東京・虎ノ門で、農水省、関東農政局等の主催によるブランド保護対策セミナーが開催された。

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(セミナー会場)

中国・台湾への農水産品の輸出に関わるブランド保護対策に関するセミナーは、国内でも新らたな試みらしく、たいへん勉強になった。

やはり東京、大阪には、このような情報収集の機会があるから
私のような活動をしている者は
平素出来るだけフットワークを軽くしておき
情報源を広げておかなければならない。

セミナーの前半は、中小機構国際化アドバイザーの太田光雄氏による「中国・台湾における日本産農産物のブランド保護対策」についての講演だった。

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実は、太田先生は、私が20年ほどまえ前職当時、住友商事の中国食品関連のご担当をされており、数年間にわたり、よく一緒に仕事をしていたのだ。

早くから中国に対してとても造詣が深い方で、まだ駆け出しだった私に、いろいろと教えていただいたことを思い出す。

講演では、中国における商標・ブランド戦略など知的財産権に関する様々な情報や事例を挙げて、広範囲な紹介がなされた。中国での「青森」に関する商標権の争議無印良品をめぐる日中間の侵害事例の経緯など細かく解説され、非常に参考になった。

海外における販売戦略において、日本産農産品や食品などは高級商品として扱われるだけに、ブランド維持やコピー対策などでも、「守りとしてのブランド対策」と、積極的に販売を展開するための「攻めのブランド戦略」のふたつの視点があることを再認識した。

ルート開拓にどうしても関心が偏りがちだが、このブランド構築と保護対策は、これからますます重要になると感じた。

多くの関係者が懸念するアジア市場でのコピー商品の出現は、当事者だけでは解決できないので、ぜひとも国の支援が必要な分野である。地方で輸出を展開するには、国や専門家との連携を強化すべきである。

このような情報は、私もぜひ地方で発信していかなければならない。 (続く…)