今日は月曜日。
バンコクの街に一歩外に出ると
右を見ても左を見ても、
黄色、黄色、黄色、黄色、黄色・・・
黄色一色になっている。
国中で販促キャンペーンでもやっているのか?
それともチームカラーが黄色の阪神かソフトバンクホークスの応援か!?
実は、今年6月、ラマ9世プミポン国王の即位60周年にあたり
日本の天皇陛下を含む各国王室が集うほどの式典を行ったのだが、この時に国民が敬意を表すために着た黄色いシャツについて、政府は、年内一杯、国王が生まれた月曜日には着用するよう奨励しているそうなのである。
プミポン国王
今年6月12日 世界の皇族が集まった。 中央:国王夫妻、前列右:天皇皇后両陛下
政府の奨励だけでこんなに皆が着るだろうか?
かなり自発的な行為だと感じざるを得ない。
プミポン国王の誕生日は12月5日。
なのに、なぜ毎週月曜なのか?
タイでは、生まれた日の曜日がとても重要なのだそうだ。
皆さんは
自分の誕生日の生年月日は全ての人が知っていると思うが、
生まれた日の曜日はご存知だろうか?
僕も一応は知っているつもりだが、心もとないし、
正確に知ろうという気持ちも特段にない。
占いでも信じている人は別だろうけど。
タイのプミポン国王は月曜日の生まれだそうだ。
今年の誕生日の12月5日は火曜だったが、月曜というのが肝心なのだ。
タイ名物のボートもこの通り
また黄色は王室の色とされ、とても崇高な色なのだそうだ。
中国でも、確か清朝時代は、黄色と龍の文様は皇帝のものとされ、
庶民がこれを使うと罪になると、聞いた事がある。
面白い。
ところで、私がバンコクを訪れたのは、
まだ誕生日には程遠い時にもかかわらず、
街中は慶祝ムード一色だった。
至る所に、国王の肖像や国旗などでデコレーションされている。
タイの人にとって国王陛下は、本当に敬愛する人物で
国王に対する尊敬の念は、どこの国にも負けていないだろう。
国民にとっては特別な存在で、日常はもちろん、先日のクーデターの時なども、国王の意向や言動が絶対的な裁定となることは周知の事実である。
軍といえど、政治家といえども国王に対する忠誠心は絶対だ。
どうも、教育による強制などではなく、
国王が若い頃から精力的に地域や庶民との交流を持ち、
政治的危機に及んでは、見事にこれを治めたなど、長い期間にわたる実績があって、国民の絶対的ともいえる崇拝を受けているのだという。
バンコクの街ではいたるところで
黄色のポロシャツやTシャツが売られている。
タイの人たちの想いをまた感じる事ができた一日だった。
田中 豊
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強制されてではなく、自発的に国民が黄色のシャツを着るって凄いですね。
僕は国王の偉大さも認めますが、それよりなによりその国王を本当に尊敬してそこまで行動に移す国民を尊敬しますね。
それがタイが独立国家として長年強固な基盤を維持していく力の源泉なんでしょうね。
どこかの国とは大分違うなあ。
luckymentaiさんコメントありがとうございます。教育改革で愛国心が議論されていますね。日本、タイ、北朝鮮、中国…どれも考えさせられます。経済も社会も間違いなくボーダレスが進んでいます。だから教育で必要なのか、それともだからこそ自発的な愛国心が醸成されるのか?とても難しいですね。少なくとも政治単位としての国家の意味は薄れていくでしょう。だからこそ各国で愛国心が強調されるのでしょうかね?環境問題・宗教問題などを考えると地球人としての自覚も必要になるのではないでしょうか。