福岡県八女市で21世紀茶業青年の会の研究会が開かれ、私も招かれて参加させていただいた。
八女といえば高級緑茶「玉露」では全国的にも有名な産地であり、八女茶ブランドとしても確立している。
地元の青年の皆さんたちと一緒に、海外の市場開拓・マーケティングについて研修した。
講演の後、「おいしい緑茶の淹れ方選手権大会」が開かれ、私も志願して一選手として参加させていただいた。
5名の選手がひとつのテーブルに着き、各々グラム3000円もする玉露を同じ茶器で自分流に最高の淹れ方で5杯に分けて入れてから、自分の番号の上に置く。
自分で淹れた後、隣のテーブルに移り、同じように淹れられた異なる選手の5杯の玉露を飲んで、今度は審査員として一番美味しいと思う番号を投票するのである。
もちろん、誰が淹れたのかはわからない。
私以外は、緑茶生産者や茶商の青年やJAの緑茶担当者であり、その道のプロである。
中には日本茶インストラクターの資格を持った人や手もみ技術で全国大会を制覇したツワモノまで何人もいる。
私も一応、常識として玉露は入れる温度がとてもナイーブで、人肌くらいに冷ましてから急須に入れることくらい知っていたはず。
まずは茶器を十分に暖める・・・
気合を入れて試合に臨んだ。
しかし、温度計がある訳でもなく、頼れるのは自分の経験とカンだけ。
廻りはじっと腕を組んで待っているのに、私だけ辛抱しきれずに急須にお湯をさしてしまった。
その後もしばらく他の4名はジッと動かない・・・。
腕組みしたまま微動だにしない
その間の時間の経過がなんと長かったことか。
5人それぞれが淹れた茶碗の中の玉露の色を見たら一目瞭然だった。
完敗・・・・・。
私が淹れたお茶は、色も悪いし、冷めると一遍に風味を無くして不味くなってしまっている。
隣のテーブルの審査
初戦敗退である。
トホホ・・・
勉強し直します。
それにしても、私が審査したテーブルでも
5杯5様で、すべて色も香りも味も違った。
甘さ、旨み、渋み、あと口・・・
上手に淹れられたお茶は冷めても美味しいのだ。
いや、冷めた方が違いがはっきりしてしまうほどだ。
なんて奥が深いんだろう!!?
俄然、お茶に対して興味が湧いて来た。
茶葉の分量、湯の温度、浸出時間、茶器の暖め方、そして心を込めて・・・
知性と精神性の両方が求められるのだ。
このような競技(?)をぜひ大消費地や海外でもやってみてはどうだろうか?
いっぺんに高級緑茶ファンが増えるはずだ。
実は裏方の準備がとても大変なのだ
お茶席の抹茶も代表的な日本文化だけど、生活に根ざした美味しくお茶を頂く技法としても日本人の文化を再発見することができる。
ワインやコーヒーもいいけど、緑茶もいいぞ。
最近、料理の出来る若い男性が女性の間でモテているというが、
世の女性の皆さん!
「日本茶を美味しく淹れられる男性って素敵ッ!!」
と合唱してくれないだろうか。
きっと男たちはマイ急須などを持って研究に没頭するに違いない。
ペットボトル全盛の時代、お茶を美味しく淹れられる男性を、私は本当にカッコいいと思う。
もちろん女性もとても素敵だ。
バレンタインやホワイトデーにはチョコレートもいいけど、八女玉露のリーフ茶なんてのはオシャレじゃないかなあ。
特別に「水出しの玉露」というのを頂いたが、最高に美味しかった。
それにしても、八女地区の緑茶生産者の青年たちは皆イケメンぞろいで驚いた。
このまま渋谷の街を歩いても何ら違和感のないような、ルックスもいいし素直で明るいイイ男たちばかり。
輝いて見えるのだ。
この茶業青年の会は40歳が定年で、会員が90余名いるそうである。
それだけ若い後継者に恵まれている産業なのだろう。
自然を相手にモノ作りする青年は、これから地球レベルで物事を考える時代、もっとも先端を行くリーダー達なのだ。
優勝者の表彰 「おめでとう!」
ぜひ大きな志を持って、これから世界を相手に飛躍して欲しい。
福岡県は今、緑茶の海外輸出に向けて着々と作業をすすめている。
産地青年たちの行動が始まれば、きっと面白い事が起こせると思う。
田中 豊
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