新年早々、あるニュースに目が留まった人もあるだろう。
昨年の中国での自動車販売数が日本を上回ったという記事である。
上海にて
中国汽車(自動車)工業協会の発表によると、
2006年の中国製自動車販売台数が、前年比25.1%増の721万6千台だったと発表した。
輸出を差し引き、輸入車を加えた正味の国内販売台数は約715万台で、日本の約574万台を抜き去り、堂々の世界第2位の市場となった訳だ。
今年は800万台を越える見通しとされる。
ちなみに、米国は1,655万台と圧倒的な自動車大国だが、中国が1000万台の大台に乗るのは、上海万博が開催される2010年には実現しそうだ。
参考までに、中国の昨年の生産台数は、前年比27.3%増の728万台で、ドイツを抜いて、アメリカ、日本に次ぐ世界第3位になったとみられている。
空港を結ぶ高速道路
今回も、上海の浦東国際空港から市街につながる数十キロの高速道路沿いにそびえる大型の広告は世界各国の自動車のものばかり。
日本車
ドイツ車
アメリカ車
韓国車
少し前までは、工業開発区や不動産の広告が多かったはずだが・・・。
街を歩くと自動車の洪水だ。
観ているだけなら壮観な眺めなのだが、
実際にビジネスで移動するとなると、街中渋滞だらけでまったく時間が読めなくなってしまった。
歩いた方が早い??
中心街では、移動手段としての自動車はもう期待できなくなりつつある。
昼間は慢性的な渋滞の上海
90年代のタイのバンコクを思い出させる。
また、夕方にもなるとタクシーも拾えない。
タクシーの台数は結構ありそうなのだが、市民が移動の足として気軽に使うようになり、繁華街などでは奪い合いなのだ。
バブル時代の新宿や渋谷がそうだった。
また、以前の中国は、一定の訓練を受けた職業運転手ばかりだったが、今は普通の市民が運転するようになったから、交差点や車線変更などで危なっかしいこと極まりない。
もちろん排気ガスのことを考えると大気汚染や温暖化のことが心配だが、日本人や欧米人ならいいが、中国やインド、ロシアの市民が自家用車の便利さは享受してはいけないという理屈はないはず。
なんとか技術革新で環境対策を急ぐべきだろう。
自動車や住宅は、経済牽引の役割を果たすものであり、その国の経済力を如実に反映している。
中国にもいよいよマイカーブームがやってきたようだ。
上海の高級ショッピングモールでは、新車のプロモーション活動も。
ライブ演奏も花を添える・・・
市民のライフスタイルも大きく変化していくことだろう。
中国の車社会はどこへ向かうのだろうか?
田中 豊
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