「憶えていますかぁ~ッ」と
嬉しいメールが届く。
そう、今年始め
「10月の収穫の季節になったら、必ずお知らせしますからね」と
約束していたことをすぐに思い出した。
収穫の季節・・・
知らせてくれたのは、JAに勤務するKさん。
農業技術や経営に造詣が深いだけでなく、
海外事情をはじめ、専門外の世界にも広く関心を払う、とても柔らかな頭の持ち主だ。
ここは、福岡県八女市の立花地区。
八女は、あまおうなどのイチゴをはじめ、ミカンやぶどう、緑茶や様々な野菜・フルーツを産出する農業王国だ。
もうひとつ、町単位としては日本一の収穫量を誇るキウイフルーツの産地でもある。
キウイ専用の選別設備を持っているのもここだけだそうである。
ちょうど栽培30年目を迎える当地のキウイは、年間4~5000トンを栽培するまでに成長した。
主な品種は「ヘイワード」という果肉が緑色をした、私たちにもなじみの深いあのキウイだ。
JA全農ふくれんでは、「博多完熟娘(うれっこ)」というブランド商品化をしており、一部アジア市場に向けて輸出もされている。
ところで、私が首を長くして待っていた今日の主役は、「レインボーレッド」という数年前からお目見えしている新品種のキウイだ。
いよいよ今年もご対面。
袋に入ったままでも、プ~ンと広がる甘い香り。
ヘイワードのように表皮の表面に毛が無いのにまず違いを感じる。
確かにツルンとしている美人系の概観!?
期待に胸を高めながら真ふたつにナイフを入れると、断面は見るも鮮やかな黄色と真紅のグラデーション。
「うおおおお~ッ。」
つい声が出てしまう。
いつもより気を遣いながらスプーンですくって口に運ぶと、甘い味わいに全身が反応する。
本当に五感が目覚めるくらいの糖度の高さと美味しさなのだ。
今年からキウイの担当をしているKさんも自信たっぷりの表情で僕を見ている。
「素晴らしい! 早く多くの人に食べてもらいたいね」
と僕も応酬。
“恋するキウイ”がキャッチフレーズ
しかもレインボーレッドには、あのジャリジャリと口に残るキウイ独特の食後感が無いのも大きな特長だ。
もっともヘイワード種のあのジャリ感こそがタンパク質分解酵素で、パパイヤやパイナップル同様、肉などと一緒に食すと柔らかく、消化にも良いそうだ。
それに、お腹にもとっても良く効き、便秘に悩む人には2個も食べるとテキメンに効果が現れる自然薬だ。
ビタミンCが豊富であることは周知の事実。お肌にも良い。
正真正銘、女性の大きな味方だ。
なんか“食べる宝石”といった感じ
レインボーレッドは、この数年で倍増ペースで生産しており、元祖静岡県に並ぶまでになっているが、それでも今年はわずかに100トンで、限られた需要家らからの要望にも応じきれないのだそうだ。
それでも高級果物店やデパートで、今の季節お目見えしているかも知れない。
10月末までだそうだから、見つけたらぜひ一度お試しあれ。
様々な工夫とノウハウを凝らして完熟状態で出荷されていることを教えていただいたが、食べるタイミングをしっかり見極めることも肝要だ。
より美味しく食べるためにネ。
Kさんはじめ選果場の皆さん、ありがとうございました。
N国産に負けず、頑張って全国・海外に広めていってくださいね。
応援しています。
ここは棚田でも全国的に有名な土地 -残そう自然!
国指定重要無形文化財である八女福島燈籠人形
時代の香りそのままの伝承芸能に感動!
田中 豊
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レインボーレッドって、イチジクみたいですね。食感も似ているんではないですか?
一度食べてみたくなりますね、おいしそう。
確かに言われてみると、イチジクみたいですね。福岡県はイチジクも「とよみつひめ」という品種を開発し、販売を始めています。イチジクもアジアに輸出しているのですよ。国産果実をたくさん食べてくださいね!