旬の力・地元の力(その1)

   

台湾一、だから世界一のパイナップルを食べさせてあげるからねッ!

    

台北の友人がもう何年も前から会うたびに同じことを繰り返していた。
    

しかし、その話は旬の季節が限定されていて、タイミングが合わない時ばかりだから、「今度は、今度は」「信じられないような旨さなのに・・・」とずっとじらされていた。
     

好意で言ってくれているのか、それとも自慢話かホラ話?

しつこく言うわりには、どうせ機会はないさと大げさに言ってるだけなんじゃないの?ぐらいに気にもかけずにいた。

    
   

そして待ったが10年目。

台北の街でいよいよシーズン到来!というジャストタイミングに、僕はちょうど居合わせることになった。

   

Dsc_4383_2
ポップには台湾最高級品と謳われている

「旺来」とは台湾語で、鳳梨と発音が似ていて縁起の良い言い方なのだそうだ。

   
   

そんなに旨いと言うんだったら、食べてやろーじゃねえか。

たかがパインぐらいでッ。

    

確かに店のあちこちで「金鑽鳳梨」とか「関廟鳳梨」というポップが目に付く。ブランド名なのだろうか。

  

Dsc_5736_2

   
Dsc_5095

    

果実店はもとより、高級食品店でも、スーパーでも卸売市場の場外市場でも。

   
Dsc_5301
ここではパインの個数を「ひと粒」と数えている。面白いナ。
ちゃんと皮をむいてあるほうが安いんだネ、おじさん!

   
       
Dsc_5384
「チョー甘い」と宣伝してるゾ

    

軽トラックでの移動販売まで現れた・・・。

  
Dsc_7836

   

   
それでも僕にとっては、たかがパイン
     
   
パイナップルと正式に呼べるほどの代物でもない。

彼に会うまでは・・・。

    
   

その彼というのは南部・屏東県出身で、みんなから親しみを込めて「アージエ(阿傑)」を呼ばれるがっしりした体格の青年。
    

屏東でパイン生産に従事している若者だ。
   

夕方紹介され、一緒に卓を囲んだ。

  
Dsc_4442
     

誠実でナイスガイ。決して多弁ではないが、日々の頑張りが真っ黒に日焼けした全身からオーラを発しているヤツで、いっぺんで大好きになり、酔いも手伝ってとても親しくなった。

   
最近、日本の農業現場で頑張ってる青年生産者に対して抱く親近感や友情と全くおなじ

     
   
無口なくせにパインのことを話し出すととても熱い。

いろいろ面白い話を紹介してくれた。

  
   
   
パインって、生で食べる以外に美味しい食べ方って無いでしょ?

と、意地悪な質問をしたら、

     

    

アージエは得意げに

パイナップルの漬物を知らないでしょ??

甘くは無いんだよ。
しょっぱさがたまらないんだ。 

これを丸鳥の中に詰めてスープで煮たら最高に美味しいんだから!

     

確かにこいつは説得力ありそうだ。パパイヤだってそうだもの。

いつか食してみたい。屏東まで行かなくちゃ。
   

    
パイナップルとアージエの人柄が重なった。
     

      
   

明日午後2時に売り場に来てくださいよ。

実演やりますから

   
   

試食販売じゃなくて実演? 何のことか良く判らなかったが、 

必ず行くからね。楽しみにしているよッ!

 と、応える僕。
   
 

アージエと固く約束を交わした。

                           (次回に続く)

  
Dsc_7615
ドンドン売れていく
  
Dsc_5376
ドンドン買っていく
  
Dsc_5360
ドンドン運び込まれてくる

    

The following two tabs change content below.

田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。

“旬の力・地元の力(その1)” への5件の返信

  1. 毎度、ご苦労様です。
     パイン!旨そうですねぇ~
    実は、前回(3月末)に台湾に行ったとき
    シティースーパーでパインを発見[E:sign03]
    実演だったんです[E:sign03]
    内容は、生産者と思われる方が、大きな包丁を
    片手に、パインを見事に剥いていき
    食べたれる状態にするんですよ~
     勿論、試食しました[E:scissors]
     これがまた、旨い[E:shine]
    あのころのパインより完熟して美味しい
    んですかぁ~
     書き込みしながらも口内が、ヤバイです[E:coldsweats02]

  2. ベジタリーさん コメント深謝。
    あなたも台湾パインを食べたんですね。
    生産者はどこの国だろうと素晴らしい。
    なのにお互い警戒したりいがみ合ったり。
    本当に警戒すべき共通の敵は他にいると思うのですが。
    アジアの生産者が連帯することを僕は祈っているのです。
    お互いが不信でいがみ合っていると、金を動かす連中にいつも漁夫の利を持っていかれちゃいますよね。

  3. [E:airplane]お帰りなさい!!待ってましたよぉ~
    っていうか、パイナップルに熱い台湾・・・ブログ見ながら笑っちゃいました[E:happy02]
    台湾バナナ[E:banana]を熱く語るおばちゃんには出会ったことがあって、バナナなんてどこでも変わらないだろうって思ってたけど、そんなに言うなら買ってみようと思ったら、かなり高い!!びっくりしたよ。でもホント美味しいのね台湾バナナ[E:banana]
    あ、バナナでなくパインの話だった[E:sweat01]
    パインといえばね、高校生の時の彼氏が17歳のお誕生日に、the japan timesでおしゃれに包装したパインをプレゼントしてくれました。かなり変わった人だったけど、大好きだったし、ものすごい思い出です[E:heart04]
    ・・・あ。またくだらないコメントになってしまった。
    ニッポンを売るさん・・・おいくつですかね?
    たぶん、私子供くらいですよねぇ・・・そりゃ言いすぎだな。
    こんなバカなこと自分の父親とは話せない[E:sweat02]

  4. Aquariusさん コメントありがとう。
    いえいえ、実は台湾バナナはめちゃくちゃ美味しいんだよね。しかも何種類も形が違っていてそれぞれに味も違うし、味の濃さも違うんだよ。バナナについても今度熱く語りたいな。
    パインと彼氏が思い出に結びつくなんてロマンチックだね。うらやましい。
    ご想像のとおり僕はお兄さんという歳ではありません。でも父親と言われてもねえ。
    少しさびしいヨ。

  5. [E:coldsweats01]そ、そうなんですね?
    バナナも熱く語れるんですね!ふふふっ
    あら、ごめんなさい[E:sweat02][E:down]
    よく考えたら父親じゃなかったわ。ズバリ・・・47歳!!ビンゴ?

コメントは受け付けていません。