(先回から続き)
オリンピックの一部会場となる青島も上海も、これに合わせて空港ターミナルビルが一新している。
上海浦東空港新ターミナルスポット
上海浦東空港は第2ターミナルビルが5月1日に供用を開始していて、成田や羽田と同様、航空会社ごとにビルが違うから、これからは注意が必要だ。
第2ビルに乗り入れている航空会社の案内板
魚眼レンズで撮っているように見える第2ビル内のデザイン
青島流亭空港も新ターミナルビルに変わっていて、8~90年代にプロジェクトで何度と通っていた頃と一変していたのでビックリした。
五輪開幕が近づくとなると、当然警備も厳しくなっていた。
持ち込み手荷物制限の厳守に関する通知
今、何か起こったら長い間費やしてきた準備が台無しになってしまう。
そこで
飛行機移動時の国内線は出発の3時間前、
国際線はなんと4時間前に空港ビルに入ること!!
という通達があったというのである。
かなり厳しそうだなぁ~ッ、と気が滅入ってしまいそうだ。
ビル入口での入念なチェック
空港ビルに入る時もまずチェックが入り、一定人数が集まるまで、中に入れないというこれまで体験した事がない厳重な警備がビルの入口から始まったので、これからどんな厳しいチェックが入るのだろうとさらに憂鬱になったが、実際は不愉快な思いはなかった上に、それほど気にするほどの検査ではなかった。
不愉快な思いをさせることなく乗客の安全を確保する
むしろゲートやカウンターの数が増えているから、あまり並ぶこともなく以前より却ってスムースだったくらいである。
同行の方が場内で搭乗券を落としたが、このサポートのお嬢さんが終始
笑顔で最後まで対応してくれた
入出国検査や税関でも笑顔を絶やさずサービスに努めていることが伝わり、むしろ日本の入管にも参考にしてもらいたいくらいだった。
もちろん空港内や機内、市街など僕らが気づかないところで厳しい警備の目が光っていたことだろう。
こんなものまで
東京五輪の時と世界情勢は一変している。
また大陸・多民族国家の持つ複雑な背景も、日本とは直接比較してはならない要素が十分にあることを忘れてはならない。
青島空港で
旧暦でネズミ年に変わった途端、中国は相次ぐ災難に見舞われている。
2月の広東を中心とする記録的な大寒波。
山東省での大規模列車事故。
南部の大水害。
チベットでの混乱。
世界を震撼させた四川の大地震。
そして今、連日38℃を越す猛暑。
上海の空港でも四川地震の募金箱が
また青島では、沿岸一帯、海草(藻?)の異常大発生で、海岸から見渡す海面がすべてゴルフ場の芝のように緑に覆いつくされてしまった。
藻の大発生で、全く水面が見えないほどだったという
先週まで解放軍など13万人を動員して人海での撤去作業は壮観だったという。
朝の5時半だというのに大勢の海水浴客が泳いでいた
この美しい海岸が・・・ 信じられない
青島で生まれ育ったおばあちゃんが、ここで80年暮らしていて、こんなこと初めてだと言っていた。
オリンピックは社会を近代化へ推し進めると共に、それまでに起こり得なかった軋(きし)みのようなものも露わにしている。
今や普通の乗り物となった飛行機 ― ごった返す待合室
優先席も近代社会の産物?
上海の終日の交通渋滞も激しさを増している
この巨大都市上海で、今何が起こっているのだろう?
田中 豊
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オリンピックも始まり、ホントの世界舞台に並びつつある中国。といったところでしょうか。しっかり頑張ってほしいモンです。