(前回から続く)
縁結びというといつも思い出す場所がある。
僕は「ニッポンを売る!」ミッションのために台湾に行くと、
必ず立ち寄る定点観測のポイントがいくつかある。
そのひとつに、乾物問屋街がある。
“批發”とは卸売りのこと
ここは、高級食材・業務用食材のほか、漢方薬草や健康食品までそろえている店もある。
いつも興味を持った店に入り込み、話を訊くのが僕の習い性。
北海道はここでもブランド
これが本物の日本産ならチャンスかも・・・
と、今回の話題は縁だから、市場の話はまたいずれにしよう。
この卸売街の一角に、小さな道教のお寺がある。
台湾全土にはこのようなお寺が散在しているから、一見何ということはないのだが、いつここを訪れても、若い人たちで一杯なのだ。特に若い女性が大勢お参りに来ている。
そう、日本で言えば、先回紹介した出雲大社や京都の地主神社のように、結構有名な縁結びの神様なのだ。
もっともメインは、城隍爺という街を災害などから守る神さまで多くの人たちに信仰されている。
城隍爺
でも、おそらくこの賑わいは、もうひとりの月下老という神さまに願い事をするためなんだろう。
月下老人は、以前日本でも結婚式のスピーチなどで、新郎新婦の仲を取り持った仲人さんのことを月下氷人などと呼んで文才をチラ見させている人がいたくらい、結構有名な中国の話に登場する。
皆さんは知ってましたか?
結ばれる男女は、生まれた時から赤い糸(紅絲線)でお互いの足首が繋がれている伝説 と言えば、多くの人が知っているのでは?
(日本では小指で結ばれているということになっているようだが、物語ではそうなっていない。足首ではロマンチックじゃないからかな)
この縁結びを司る神様が月下老で、手には誰と誰とが結婚すると
冥界で決められた婚姻簿とその二人を結びつける赤い糸を持ってらっしゃるのだ。
「続幽怪録」という唐代の伝奇集からの出典らしい。
とても短く、ほのぼのしてロマンチックなストーリーだから、下記のサイトなどをのぞいて読んでみては如何?
http://www.katch.ne.jp/~kojigai/gekkarou.htm
話は戻って、まあ沢山の善男善女が真剣な面持ちで参拝している。
まだ見ぬ相手を探すのか、憧れている人との成就なのかは定かでないが、未婚の人にとって最大の関心事のはず。
日本人の参拝も多いのだろう。このような説明書きも。
親切にも、好きな人がいない場合のノウハウについてまで…
一体、赤い糸は誰とつながっているんだろう?
夢見る乙女たちは、足首を撫でながら思いを馳せているのかな。
お守りには赤い糸と鉛製のコインを入れるのがお決まりらしい。
なぜ鉛なのかというと、鉛という字の読みがチエンで、牽と同じ発音で繋ぐという意味があるからだ。
考えてみると、鉛のもうひとつの読みでイエンとユエン(縁)でも韻を踏んでいるゾ。
いずれにしても、繋ぐ? つなぐ? 縁?
そうそう、僕の今年のメインテーマ、「連携」ではないかッ!!
お寺の入口では“平安茶”という甘茶のような飲み物が無料で振舞われている。赤ナツメとクコ、そして祈祷された砂糖が材料だとか。
砂糖というのは、人を縁付け、またその甘さが人の心を暖かくする物だと書かれている。
次回、台湾に行った時は、ぜひもう一度、月下老さまにお参りしよう。
「地方の元気つくりのため、農商工連携で多くの縁が結ばれますように・・・。」
僕も、これからの厳しい時代、もっと農・商・工業の現場に入って、赤い糸を結び廻る活動に汗を流さなければいけないな。
月下老さまに願いを込めて!
でも、まさか旧暦10月の神無月で出雲の全国会議に出張なさっている訳、・・・ありませんよね!?
(シリーズ終わり)
田中 豊
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こんにちわ[E:sign03]
ご無沙汰してました。。。
先日、宮崎にお越しの際は逢えなくて残念でした・・・お話し聞きたかったのですが[E:sweat01]
さて、『台湾』と見ると敏感になってしまうのは気のせいでしょうか[E:sign02]
台湾から嬉しいお知らせが来ました[E:notes]
また、メールにてお知らせ致します。
次回行ったときは
『月下老さま』に願いを込めてきます!
ベジさん ご無沙汰です。コメントありがとう。
ベジさんにとって台湾は特別の地になっているようですね。イヨッ国際人!
嬉しいお知らせとは一体なんでしょう?
まさか赤い糸ではないでしょうねえ。
いよいよ年末を控え、生産も販売も忙しくなりますね。体に気をつけて明るくがんばっていきましょう!応援してます。