札幌で滞在したホテルは、ビルの林立する街の中心地だったが、
部屋の窓から遠くの景色を見ると、山の麓に何やら建造物のようなものが見える。
3日間毎朝、目に留まるので、札幌を離れる日に地元の方に尋ねたら、じゃあ、ご案内しましょう、ということになった。
遠いのかと思ったら、案外近くてビックリした。
そう、ここは大倉山シャンツェである。
あの札幌冬季オリンピック大会(1972年)で、
多くの国民を沸かせた舞台である。
一面白銀のジャンプ台は、テレビでは観た事はあったが、
オフシーズンはこうなってたんだ。
山の頂から広げた絨毯のようなジャンプ台を繁々と見上げた。
よく観ると、観客台や風向計、電光掲示板、音響設備など
結構システマチック。
飛行場を連想させるほど、システムで構成されているのだ。
いよいよリフトに乗ってみる。
とっても気持ちいいよぉ~ッ、なんてお気楽に叫んでるが、
これがオリンピックの大舞台だったとしたら、
選手はいったいどんな気持ちでリフトに乗っているんだろう、と
フト考え込んでしまう。
ジャンプ台の上からの眺めは、もう最高。
北海道のすがすがしさが体全体に思いっきり伝わってくる。
遠くに札幌の街を望み、このまま飛行機のように街を眼下にして
飛び出してしまいそうな錯覚に陥る。
おりしも紅葉が始まったところのようで、それはもう絶景であった。
ウインタースポーツの舞台の秋のひとコマでもある。
着地点を注目してみると、あったあったK点が。
みんなこの赤い目印を目標にして、
力強く飛び出していくのだろう。
僕にとってのK点ってなんだろう、と考えてみた。
当たり前だと思われている常識や習慣?
その業界や地域の固定観念?
過去の成功体験?
みんながそう思うような一般的な考え方?
それとも、その道の専門家の見解?
そのどれに対しても
僕はこの一線を超えるべく、これからも邁進していきたい。
世界に誇る札幌の大ジャンプ台を目にして、これからは、このシーンを思い出しながら常に僕にとってのK点越えを狙ってチャレンジしていくぞッ!
今、野球のクライマックスシリーズに燃えるドラゴンズの根拠地
名古屋に来ている。
中部国際空港ロビーで
明朝、中部国際セントレア空港から海外に向けて出発の予定である。
大ジャンプにもなるかもしれない前人未到プロジェクトのスタートである。
離れて眺めているだけなのに、なぜか緊張する
目もくらみそうな高台のスタート位置につき、
ゴーグルを付け直して、さァ!いよいよ滑り出すゾ。
田中 豊
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