東京での輸出セミナーに参加して

9日に、東京四谷 主婦会館プラザエフで、
農林水産物等輸出促進セミナーが開催された。

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(会場のプラザエフ)

これは農林水産省が行なう支援事業の一つで
今年度は、名古屋、札幌、宮崎、那覇など全国9箇所で催されている。

さすが東京だけあって、大勢の参加者を集め、白熱した雰囲気でのセミナーであった。

051211izumi セミナー冒頭で、農水省輸出促進室和泉室長が挨拶し、今年度は全国的な事業展開の成果が現れ始め、今年1~9月の輸出額は前年同期比+7.6%増の2,226億円のジャパンブランドの農林水産物が輸出されたという。

全国版のセミナーだけあって、講師も経験実績が豊富で、大変実務的で有意義な内容だった。

㈱ホクレン通商取締役の坂井紳一郎氏による香港向け輸出の実践論は、非常に参考になった。豊富な情報とそのノウハウの一部に触れるだけで、さすが輸出最先進地・・・北海道だと再認識した。輸出成功の王道は、自ら日々の努力の積み重ねであるという指摘は、本当に説得力があった。

もう一人の講師である㈱日通総合研究所町田一兵氏の講演も、物流を切り口にした対中国輸出のポイントについて勉強させてもらった。今後の市場規模には大きな期待がある中国大陸だが、物流と決済など多くの課題に目をそらすことなく、冷静にアプローチすることの重要性を改めて確認させられた。

後半のパネルディスカッションでは、講師おふたりに加え、東京海洋大学の櫻井研先生がコーディネーターを務められ、より内容が深められた。

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櫻井先生は、農産物輸出、国際マーケティングの権威であり、80年代からの農産物輸出の指南役として、国の事業にも精力的に活動されている。

櫻井先生の専門家2講師に対する「ブランドの本当の価値について」「メイドインジャパンであることの本質について」の問いと、総括における輸出事業成功の姿勢に関するコメントは、やはり問題の本質を理解している方だからこそのメッセージであったと思う。

東京だけあって、生産メーカー、団体、行政に加え、商社の方が多く参加しているのが、私の目には新鮮に映った。地方では、輸出事業に関心をもつ物流、商流の事業者がまだ十分でないところが多い。

事業面でも、行政面においても、東京と地方の連携をすすめることが大切なのかも知れない。

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田中 豊

地域の元気づくりと海外ビジネスを通じて、日本を元気にしたい行動派プロデューサーです。 海外ビジネスの参謀役として長年活動してきました。 とりわけ農林水産業を振興にすることで地域が元気になることを現場の生産者、支援者の皆さんと共に日々実践していることをとても誇りに感じています。 「地域を活かし、そしてつなぐこと」をスローガンに訴え、いつの時でもチャンス(chance)ととらえ、絶えずチャレンジ(challenge)し、チェンジ(change)を果たしていくことの「三つのC」をモットーにしています。