非常時だからこそ見えたという人のこころ

        
地元紙によると
口蹄疫問題で宮崎県は1日、
県内全域に出していた非常事態宣言を44日ぶりに一部解除した。

   

これにより外出やイベントの自粛が緩和される事になったという。
        

完全に気を緩めるわけには行かないだろうが、
ひとまず安堵できるニュースであることには違いない。

    

        
翌2日朝、宮崎空港に降り立った。

      
もちろん消毒用マットは常備されてはいるが、
なんと空港内の催事スペースでは、
さっそくイベントのオープニングセレモニーが行われていた。

   
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ずっと静かだっただけに、
マイクの明るい声が新鮮に心に響き渡る。

   
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宮崎らしさが戻ってきた…。

   
  
もっとも、いつもは観光客やビジネス客でにぎわう空港ロビーも
口蹄疫後はまだまだ閑散としているが。

  
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夜、国内・海外で一緒に汗を流している多くの仲間が集まってくれた。

  
  
この3月以来、
地元でも仲間が集まることはこれが初めてなののだという。

   
  
話題はやはり口蹄疫にまつわる話。

      
口蹄疫問題を通じて、皆口々に
このような緊急事態になって改めて感じた人々の暖かい善意
逆に、風評や根拠の無い差別意識など、いざと言う時の冷淡さを身をもって感じるなど、沢山の生々しい体験を伺った。

   
   
とりわけ毎週現場に動員されている県職員の方のお話は、想像を絶するものばかり。

     
もちろん心が引き裂かれそうな畜産農家の皆さんの辛い心情や
阿鼻叫喚の殺処分の現場の話は涙なしに聞くことが出来ない。

    

この職員の方も、生きた子豚を抱きかかえて眼を背けながら獣医による処分の注射を打つ苦悩や実際に消石灰を大量に扱うことで火傷(水と反応して高熱を発するのだ)や眼・鼻の炎症や不眠症など肉体的、精神的な苦痛が常に付きまとうのだそうだ。

   

一方、テキパキと作業を進める頼もしい存在の自衛隊隊員さんたちへの感謝の念も忘れられない。

   

圧巻だったのは、多くの牛や豚を殺処分して埋設した土の上に、誰とも無く作業をした方が、涙を流しながら焼酎を撒き、花束を捧げて両手を合わせて頭を垂れている姿を観た時には、その場でこらえきれずについ声を上げて泣いてしまったというシーンだった。

   

命に対する日本人の情け、ありがたく頂きますという経済動物への慈しみの情を感じないわけにはいかない。

     

      
その日集まった若い仲間も、草の根的に義捐活動を展開している。
   

それは極めて自発的であり、誰から求められたものでもない。

  
   
本ブログにもコメントをくれるAYAさんデザインの「HOPE」バッジ。

http://www.kitenn.jp/hope/

  
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またAYAさんからは、
入手したばかりの義捐リストバンド「モーブーバンド」も頂いた。

   
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http://hopstep.miyachan.cc/e178811.html

    
     
   
宮崎県人はいざと言う時だってスゴイぞ。

   
   
絶対に県内で封じ込めるとあらゆる努力を払った
その後の宮崎県の防疫対策は高く評価されていいと思う。

       

順調に進めば、むしろこれからの経済復興が正念場だ。

      

地域経済は本当に深刻な打撃を蒙っている。

      

   

みんなで応援しよう。

    
  

がんばろう宮崎

  
     

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京野菜その1 ネギ狂い(3)

                     
(前回より続く)

もう一軒の法人さんを訪ね、栽培の現場も見せていただいた。

      

ここの社長さんも、京野菜生産のプロフェッショナルということで
全国的に有名なお方である。

    

その福福しい笑顔と常に新しい物づくり、消費者ニーズの情報感度が傑出していて、すさまじい好奇心とチャレンジスピリットの塊だ。

      
      
桂川河川敷に広がる圃場。

    

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様々な京野菜が整然と栽培されている。
   

プロ向けの多品種少量生産ですわ。」

   
       
賀茂ナス、万願寺トウガラシ、伏見トウガラシ、京かぼちゃ・・・
    
 

         
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他にも、まだなじみの無い新品種や
同じ野菜でも特別に味の濃い野菜など
ビックリするような商品を次々と紹介して頂いた。

       

まるでエジソン・・・。

       
    

整然と定植されている九条ネギの畑は、
まるで豪華な西洋の庭園のよう。

    
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青々としてスラリと伸びた肢体は、目にもまばゆいばかり。

   

観て美しいものは、もちろん食しても素晴らしく美味しいはず。

   
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その証拠に、フランスやイタリア等から有名シェフが頻繁に訪れ、
絶賛していくというから、その実力はまさにニッポン代表。

   

より日本的なものほど世界に通用する、 という
僕の持論がまたここでも証明されたような気がする。

    
      
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一法人で、300店舗を超える和洋中の料亭やレストランと契約しているというからスゴイ。

         

有機肥料へのこだわりも半端ではない。

            

徹底した需要重視(マーケットイン)の哲学で、
次々と世の中に受け入れられる商品を送り続けている。
        

       
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先回のエントリで紹介したY社長と共に、
僕の知らなかった京都農業人の底知れぬパワーとチャレンジスピリットに触れ、ネギ狂いの僕もますます京野菜の魅力に取りつかれてしまった・・・。
                                      (シリーズ終わり)

   
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京野菜その1 ネギ狂い(2)

             
(前回より続く)
   

京都伏見区で
あのしなやかで艶やかな肢体の九条ネギに逢うことが出来たのだ。

   
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ここは九条ネギを専門に生産している農業法人さんの作業場。

        

社長さんをはじめ従業員さんたちの笑顔と元気な挨拶が心に響く。
      

やはりKYOTOは違う・・・。

     
     
 
九条ネギについて伺った。
         

京都を代表する九条ネギは、西暦750年から品種保存に努めたもので、
丈が長くて柔らかく、とても甘くて風味の良い青ネギである。

   
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一年を通して周年栽培されており、
こちらでは有機肥料、減農薬栽培にこだわっているという。

    

春は若ネギ、夏秋は薬味にも向くピリッとした辛さが特長だが
旬はなんと言っても冬で、
この時期は葉の裏側に、特有の旨み成分の「ぬめり」がある。
    
     

ああ、想像しただけでよだれが落ちてきそうだ。

    
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また、ビタミンCやカリウム、食物繊維も豊富で、民間療法でも
食欲増進はもとより、肩こり防止や疲労回復、鼻づまりや便秘の改善などが期待されるという。

   

京野菜いうもんは、京料理によってはじめてその美味しさが
引き出されるんですわ
。」

    

説得力ある・・・。

           

         
九条ネギが一段と味わい深い存在になった。
       

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ダンディーなY社長さん、ご案内ありがとうございました。

                                         (次回に続く)
             

お知らせです(ガイアの夜明け放映日)

          
またまたご無沙汰してしまいました。

        
先月末から海外に出張していたんですが
もともと一度帰国する予定が、
北京・天津地方の降雪で、交通マヒが懸念されたため、
急きょ帰国を取りやめ、そのまま南下。
南部4都市を廻ってきました。

       
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宵の口から未明にかけて突然の降雪   -天津

     

中国北部が寒いのは当たり前のことですが、
降水量の少ないこの地方での雪なんて想定外。
    
その後のスケジュールはすべて変更。

    
厳寒体制の冬支度のまま香港入りしたから、
またまた亜熱帯の地でエスキモー姿???。

    
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一転、夏の風物に    -香港

    
         

暑い、暖かいにようやく慣れたかと思ったら、
台北では今度は寒気団が再び南下して、街中がブルブル。

  
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みんな防寒着で   -台北

     

マイナス15℃からプラス28℃まで行き来しましたから
もうナンとでもなれ、という感じでした。
    

だから、温度感覚は完全にマヒ。
    

頭の中もボオ~ッとしたままです。(あっ、ず~っとか!)

    

       

        
さて、お知らせがあります。
      

     
先日から収録していた「ガイアの夜明け」が
いよいよオンエアだそうです。
   

3月16日(火曜)午後10時から

「日経スペシャル ガイアの夜明け」
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview100316.html
     

テレビ東京、テレビ北海道、テレビ愛知、テレビ大阪、テレビせとうち、
TVQ九州放送

         
     
BSジャパン 金曜日午後9時から

日経CNBC 土曜日昼12時から

            
前半は、青森県の片山リンゴさんの海外での活躍ぶりで迫力ものです。
後半の一部に私も顔を出します。

        

           
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取材クルーをはじめ、収録にご協力くださった各地の皆さんには
たいへんお世話になりました。

        

この場を借りて、厚くお礼申し上げます。

       
ありがとうございました。
           

ハラハラ・ドキドキのスタート

        
縁あって、「ガイアの夜明け」というテレビ番組に出演させていただくことになりそうだ。

          
日経スペシャル 「ガイアの夜明け」 テレビ東京系列
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/

      
              

今日から、収録がスタートした。 

         

不安と動揺で地に足が着かない。 いや、足が地に着かない。

あれれッ、どっちだったっけ???

      

僕は、20年ほど前、日本のテレビ局の取材のコーディネーターとして、何度か中国での取材を裏方でお手伝いしたことはあるが、まさか僕に声がかかるとは思いもよらなかった。

      

取材はまだ始まったばかりなので定かでないが、日本の元気な農業生産者が海外市場開拓にチャレンジしていく姿に焦点を当てて、2元的に追っていくという構想だと聞いている。

     

その一方側として、僕が野菜の生産現場を訪ねて
個別に戦略を練っていくというストーリーですすんでいる。

   

このあとも国内で2回収録し、海外出張にも同行して頂けるそうである。

   
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優しくて切れ味鋭い女性ディレクターUさん、世界をほとんど回りつくしたベテランカメラマンYさん、若くて凛々しい音声さん3名の取材チームの皆さんの細かい配慮と心遣いのおかげで、スムースに、そして楽しくスケジュールをこなすことが出来ました。ありがとうございます。

   

また、取材を快く良く引き受けてくださった経営者の皆さんに心から感謝しています。

   

      
番組制作は水物だから、どういう風に展開するかは今後の取材次第だが、これから仕上がりが楽しみだ。

  

      
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撮影快調!  乞うご期待 !!

   
   

順調に行けば、3月上旬頃に放映予定だそうである。
                 

七草の日に思いを馳せる町(その2)

                     
(前回より続く)

    
愛媛県西条市は、名水も全国的に有名だが、僕がこの地を三度も通って、未だに強い思いを残しているのが、「西条産業支援センター」(通称サイクス)に集う元気な面々である。

  
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個性豊かな会員企業の経営者・担当者、そして使命感強いサイクス事務局の皆さん。
    

一人ひとりの顔がすぐに思い浮かぶほど名優(!?)ぞろい。

   

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毎週開催される「うちぬきサロン」は、さながら梁山泊に集まる水滸伝の英雄たちの百家争鳴状態である。

   
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もっと近くに住んでいたら、ぜひ仲間に入れてもらいたいと熱望するほど羨ましいグループだ。

   
        
    

豊富で清浄な水を有していることから、半導体や食品工業など大手の製造業が集積しており、西条市の工業出荷額は高知県全体を上回るという。

    

合併により農業地区も加わり、農商工連携が唱えられるずっと前から、工業技術と農産物栽培や加工を行う面白いプロジェクトが次々と展開されている。

   
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また3年ほど前から、地域や四国産の農産物や加工品をタイや香港などに向けて輸出も始めているのだ。

         

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自分たちのもつ地域資源や技術をしっかりと把握している

       

          
決して人真似でも、押し付けでもない「熱い志を持ったプレイヤーのいる」元気集団のこれからの活躍に期待したい。

   
   
熱々の七草粥をすすりながら、西条の名優(盟友?)たちに思いを馳せたのだった。
             

旨いもの王国で(その2)

      
(前回より続く)

       

今年は露地物の生育期に苦労しました・・・。

  
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福井県坂井市でスイカを生産しているあらいやの新井さんは6年来の友人である。

    

2000年に脱サラして、今で言う新規就農された元気生産者の一人である。

      
     

サマーオレンジという果肉が赤でも黄色でもなくオレンジ色をしていて、しゃりしゃりした食感が特徴のとても美味しいスイカなのだが、この品種を新井さんほど大きく甘く育てることのできる人は、当時は誰もいなかったらしい。

  

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とはいっても、脱サラしたばかりで、近隣で盛んに栽培されているスイカ農家から見様見真似で技術を確立させたのだそうだ。

  
      

スイカの栽培は簡単そうに見えて、実はとても日常管理が難しい作物のひとつだ。開花を迎えると旅行にもいけないほど気の抜けない毎日なのだという。

      

大手電気メーカーの支店長を通じて、6年前に僕と新井さんは知り合ったのだが、ようやく完成した福井・東尋坊産のサマーオレンジをこれからどうやって売っていこうかと考えておられた時、それなら海外でまず名を上げてみませんか?と僕が提案して、香港で試験販売することになった。

     

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今から5年前に始まったチャレンジ!

   
   

初年度は20玉の試験販売。
     

      
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海外輸出には様々な経費がかかるから、結局現地高級デパートでは、ひと玉約7000円にもなってしまう。

   
  

しかもコーナーの裏側には、中国産の超格安の甘いスイカが並べられる。

   

十倍近い値差が立ちはだかる。

   

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破格値のスイカに地元の消費者にも関心を呼ぶ
         

        
やってみなければわからない・・・。
      

        
正直、不安ばかりだったが、ふたを開けてみるとすぐに完売

      

その後、順調に数字を伸ばし、定番商品として作付け前に予約注文を受けるほどまでに成長し、去年は年間計500玉に達した。

      
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日本各地のプレミアムスイカが並べられる(2004年)
香川産の四角いスイカが日本円で2万円を超える!?

     

    
当時の香港の好景気も追い風ではあったが、もちろんこの間の新井さんの栽培、販売に対する不断の努力がいかばかりであったかは想像していただけると思う。

   

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これから冬の間、地力回復に努める畑

         
   

残念ながら、今年は露地物が気候など様々な要因で苦戦した。

       

それでも、このときがチャンスとばかりに、再度勉強を始めたり、外部ネットワークを広げたり行動を起こして、地元の加工販売のパートナーと農工連携して新商品開発に余念が無い。

     
  

新井さんのスイカが地元の支援を受けてブランド化される日もそう遠くないことだろう。

   
   
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来年はまたやりますよお~ッ!

   
   

新井さんの笑顔に満面の自信が覗いている。

    

       
前向きな話を酒の肴に、さあ、福井の美味しいものを食べに行きましょうよ!

    

新井さんに誘われて、地元の人が通う「隠れ家」に案内してもらうことになった。
                                   (次回に続く)

5th Anniversary

     
いつからブログを始めたんだっけと、さかのぼって調べてみたら、
2004年11月17日に第一回のエントリをアップしていた
   

ちょうど、まる5年になる訳だ。

    

    
そのころはブログなんて、ほとんどの人が知らない存在で
もちろん僕もそのひとりだった。

    

おりしも、今や押しも押されぬ全国的に有名になった農産物流通コンサルタントのやまけんこと山本謙治君が独立を果たした頃、僕にブログという面白いものがあるからぜひやってみて下さいよ、と勧められて始めたのがきっかけだ。

   
       

パソコン音痴の僕が何のことだか訳も解らずオロオロしていると、
やまけん君が10分もたたないうちに、チョチョッとブログのフォームを立ち上げてくれたのだ。

   

5年経った今でも、その当時のフォームのままで、相変わらず慣れない手つきでカチカチとアップしている。

      

まさか、紆余曲折しながらも、飽きっぽい僕が5年も続くとは思わなかった。

   
   
毎日ひとりでも見てくれる人がいたら続けていこうかな、程度に思っていたら、全国、海外から信じられないくらい沢山の方々が、毎日何らかの形で立ち寄っていただいているようで、本当に嬉しく、また心からありがたく感じています。

    

ブログを通じて知り合いになった友人や、今でも親しくさせていただいてる方も本当に増え、ブログの持つ潜在力の大きさに改めて驚いてます。

     

最近、出張先で初対面の方から、ブログチェックしていますよ、と言われることが続いて、もう涙が出るほど嬉しい気持ちになります。

   

改めて、読者の皆さんに、心から厚くお礼申し上げます。 

   

   
これからも頑張りますので応援してくださいね。

      

水に暮らす(その1)

           
ブログに頻繁にコメントを入れていただく尊敬する先輩じーこむらさんと、過日、カンボジアとベトナムを訪問したときの事。

   

    
ホーチミン、プノンペンの経済事情を視察してから、歴史文化面での最大イベントであるアンコールワット訪問を終えた後、
遺跡見学の拠点都市シェリムアップでのひとコマである。

   

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明け方のアンコールワット

     
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      心を奪われたレリーフ群

        
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バイヨン遺跡    

    
※プノンペン、アンコールワットでの体験談については、

後日改めて紹介したいと思う。

   

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シェムリアップの街頭

     

    
ベトナム・カンボジアを舞台に幅広く活躍する実業家のY社長がみずから全行程をアレンジ、随行してくれたのだが、

     
そのY社長が、

翌日、シェリムアップでの最後の一日を控え

    
あしたは終日、湖を観に行きますッ!」

   
と、口火を切った。

    

    
エッ、 エッ、 エエ~ッ ???

    

   
僕は、信じられないくらい憂鬱な気分になった。

    

       

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シェムリアップの市場で

   

   

日本を離れて今日まで、完璧以上の最高のアレンジをしてくれた
Yさんが、事もあろうに湖見物だって?

       
    

自然科学に弱い僕とは言え、

    
そりゃあネエだろう~ という気分だ。

     

    
なんだか、鼻孔の周りが淡水独特のあの生臭い匂いでも漂ってくるかのような、そんな不快感に襲われた。

   

     
Yさんは、ただ エッヘッへ とほくそ笑んでいる。

    
   

確かに、ホーチミンからプノンペンに向かう陸路の移動では、
数年前までゲリラが出没していたとか、国境地帯ではまだ地雷が埋まっているかも知れないからあちこち歩き回るな、とか、プノンペンではキリングフィールドの生々しい痕跡をもういいというほど触れてみたりで、アドベンチャー気分満載の行程だったが、ここまで来てまさか湖見物だなんて…。

     

   
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刺激にはより強い刺激を求める今、

僕はすっかり意気消沈してしまった。

       

      

     
その湖に着くまでは・・・。

      

        
まさかこの数年間あちこち訪ね歩いたアジアの旅で、
これほどまでに印象的な一日になるなんて予想だにしなかった。
                                     (次回に続く)

      

世界に広がる日本のハーブ

     
湾チマキを堪能して、僕たちも日本文化を見直してみよう
などと考えてみたら、この季節、そうだそうだこれがあった

  
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写真は昨年の我が家自家製の梅を梅干し用にと、庭先で干している様子である。

   

庭には3本の梅の木があって、毎年この時期になるとわんさか梅の実がなるから、面倒だァとこぼしながらも老母がまんざらイヤでもなさそうな様子でせっせと梅を漬ける。

   
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日本人の知恵は素晴らしいなあ、と実感できる瞬間。

   

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この食欲をそそる鮮やかな赤さは、なんと言っても赤シソのなせる業。

    

    
   
先日、熊本県北部の合志市にある吉川農園にお邪魔した。

        

中小企業庁の「地域資源活用プログラム」の認定事業で、
私が担当のプロジェクトマネージャーを務めている。

     

一戸の法人としては、おそらく日本でも5本の指に入るほどの規模を持つシソ(大葉)専門の生産者である。

      
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何棟にも及ぶハウスの中は、年中、赤シソ、青シソで一杯。

   
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壮観な光景・・・。

    
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紫蘇という漢字を当てるくらいだから、体も蘇(よみがえ)るほどの薬効があるとされている和のハーブである。

   
   
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徹底した管理の下で生産された大葉は特別に日持ちも良い

     
    
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社長の吉川さんの話を聞くたびにシソに対する興味を呼び起こされる。

  

         

販路開拓の議論をしていると、吉川さんの口から次から次へと様々なアイデアが湧き出てくる。

     

シソの用途なんて梅干しの色付けやお刺身のツマくらいだろうと思われているが、なんのこれから色々な商品として世に出てくることだろう。

     

          

生の大葉や、ジュースや麺類などのシソ関連商品は、すでにアメリカ、香港、シンガポールなどに定番商品として定期的に輸出されている。

    
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ロサンジェルスの商談会場にて

      

世界的な寿司ブームなどで大葉の需要も伸びているという。

   

シソではなく、“SHISO”として世界に広がっていくことを一緒に夢見て行動している。

     

     
   
吉川農園では、世界で唯一の最新鋭自動化ラインを導入して、
更なる飛躍を遂げようとしている。

   
   
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厳しい時代にあっても「打つ手は無限」というスローガンを掲げ、
常にチャレンジを続けている。