(前回より続く)
今年は露地物の生育期に苦労しました・・・。
福井県坂井市でスイカを生産しているあらいやの新井さんは6年来の友人である。
2000年に脱サラして、今で言う新規就農された元気生産者の一人である。
サマーオレンジという果肉が赤でも黄色でもなくオレンジ色をしていて、しゃりしゃりした食感が特徴のとても美味しいスイカなのだが、この品種を新井さんほど大きく甘く育てることのできる人は、当時は誰もいなかったらしい。
とはいっても、脱サラしたばかりで、近隣で盛んに栽培されているスイカ農家から見様見真似で技術を確立させたのだそうだ。
スイカの栽培は簡単そうに見えて、実はとても日常管理が難しい作物のひとつだ。開花を迎えると旅行にもいけないほど気の抜けない毎日なのだという。
大手電気メーカーの支店長を通じて、6年前に僕と新井さんは知り合ったのだが、ようやく完成した福井・東尋坊産のサマーオレンジをこれからどうやって売っていこうかと考えておられた時、それなら海外でまず名を上げてみませんか?と僕が提案して、香港で試験販売することになった。
今から5年前に始まったチャレンジ!
初年度は20玉の試験販売。
海外輸出には様々な経費がかかるから、結局現地高級デパートでは、ひと玉約7000円にもなってしまう。
しかもコーナーの裏側には、中国産の超格安の甘いスイカが並べられる。
十倍近い値差が立ちはだかる。
破格値のスイカに地元の消費者にも関心を呼ぶ
やってみなければわからない・・・。
正直、不安ばかりだったが、ふたを開けてみるとすぐに完売。
その後、順調に数字を伸ばし、定番商品として作付け前に予約注文を受けるほどまでに成長し、去年は年間計500玉に達した。
日本各地のプレミアムスイカが並べられる(2004年)
香川産の四角いスイカが日本円で2万円を超える!?
当時の香港の好景気も追い風ではあったが、もちろんこの間の新井さんの栽培、販売に対する不断の努力がいかばかりであったかは想像していただけると思う。
これから冬の間、地力回復に努める畑
残念ながら、今年は露地物が気候など様々な要因で苦戦した。
それでも、このときがチャンスとばかりに、再度勉強を始めたり、外部ネットワークを広げたり行動を起こして、地元の加工販売のパートナーと農工連携して新商品開発に余念が無い。
新井さんのスイカが地元の支援を受けてブランド化される日もそう遠くないことだろう。
来年はまたやりますよお~ッ!
新井さんの笑顔に満面の自信が覗いている。
前向きな話を酒の肴に、さあ、福井の美味しいものを食べに行きましょうよ!
新井さんに誘われて、地元の人が通う「隠れ家」に案内してもらうことになった。
(次回に続く)
田中 豊
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ケノーベルからリンクのご案内(2009/12/02 10:11)
坂井市エージェント:貴殿の記事ダイジェストをGoogle Earth(TM)とGoogle Map(TM)のエージェントに掲載いたしました。訪問をお待ちしています。
少し留守にしている間に、たくさん更新されていてビックリ!&読みごたえがありました。スイカなのに・・・サマーオレンジ、是非一度、味わってみたいです。
ニッポンを売る!さんがなさっているお仕事は、夢をカタチに変え、継続して結果を残し、生産者の方々の活力になっているのですね。そして海外でも日本の美味しい作物が販売され、喜ばれており、これは私たちにとっても誇らしいことだと思います。来年の夏は、『サマーオレンジ』に会ってみたいです!
はなさんコメントありがとうございます。サマーオレンジ美味しいですよ。ぜひご紹介したいです。プレミアム品として販路を拡大することは、新井さんのような研究家で自立指向の生産者にとって様々なプラス要因となって反映されていくと思います。僕が出来ることは小さなきっかけ作りに過ぎませんが、「ニッポンを売る!」を通じて、様々な元気人たちと出会えることでメチャやりがいのある仕事だと感じています。もちろんはなさんとのこの交信もね。謝謝!