旬の力 地元の力(その2)

    
(前回より続く)
     
アージエが指定した時刻に出向くと
青果物のコーナーには熟れたパイナップルが山のように積まれている。

   
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しばらくすると、アージエがナタのような形をした包丁を持ってやって来た。
   

来てくれたんですねッ!

  
   
昨日とはすっかり変わって、自信に満ち溢れている柔らかな表情で迎えてくれた。
   

全身からオーラを発している。
      

隣にアシスタントの女の子を立たせると、
アージエはおもむろに大きなパイナップルを左手でわしづかみにして、
ナタのような包丁でばっさりと葉の部分を切り落とす。
   

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ヒョイと放り投げて上下を反対にすると今度はお尻の部分をスパッとカットする。

   

すると始めの一刀だけは慎重にナイフを立てにゆっくり入れて
皮を剥ぎ取るように一太刀入れたが早いか、
あとは一気に横にずらしてザクッ、ザクッと皮を剥いていく。

   
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あの縦長のパインの皮を一太刀で縦に剥いていくのだ。
   

ザクッ、ザクッ、

         
ちょうど半分皮を剥き終わったところで
傍らの女の子からビニール袋を受け取ると
皮を剥いてまっ黄色の果肉がむき出しになったところをビニール越しにつかんで残り半分の皮を剥く。
   

ザクッ、ザクッ、ザクッ、

   

ツルンと剥けたかのように円筒形のあのパインが出来上がり
そのビニールを表裏ひっくり返してそのまま袋詰め。
 

    

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動画でアップできればいいのになあ

             

なんとその間、十数秒!

    
これは職人技だ。

   
   
その後も次々とパイナップルの皮を瞬時に剥いていく。
   

ザクッ、ザクッ、ザクッ、ザクッ、

   

連続で10個くらいを休むことなく剥き終わった。
   

さあ、食べてくださいな。

    

アシスタントの女の子が試食用に細かく切ってくれる。
   
   
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アレッ?? いつも繰り抜いている中央の芯の部分も一緒に??
   
そう、芯が硬くないのだ。不思議不思議。

   
 

一口大のパインを待ちに待っていた口の中に放り込む。

   
   
う、う、う、うまいっ!

   

もちろん甘いし、果汁が口いっぱいに広がるんだけれど
これまで食べたことのないクリーミーな甘さなのだ。

    

    
わざとらしい甘さでなく、ねっとりとしていて、それでいて喉を潤すような・・・。

   
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ホテルの部屋でも止めどなく頬張った

         

なんだか高級アイスクリームでも食べているような感覚なのだ。

   

      
しかも、いつも生パインを食べる時悩ましい、あの歯の間に挟まる繊維質が全く無い。

   
    
もう我を忘れていくつ食べたか分からないほど頬張った。

   

     
自慢する訳だ。本当に美味しい。
  
何年も待った甲斐があった。

   

旬の力、地元の力に屈服した。

   

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次々と売れていくから、頻繁に補充しなければならないほど

    

アージエのパイン皮の早剥きも数年間の訓練の賜物だそうだ。

      

今年、日本に実演に行く計画だそうである。

   
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実演が始まるとあっという間に人だかりが

     
 

日本のどこかでこの味とアージエの技が堪能できるのだ。

   

台北で日本産のイチゴやメロンが、そして
日本で台湾産のパインやマンゴーが味わえる。

    

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とかく日本の農業者やマスコミは海外の農業を敵視するが
アジアの農業者、生産者も同じ素晴らしい人間。

         

敵対するのではなく、むしろ連帯して、
世界に、アジアに蔓延しているマネー経済の弊害、食の乱れを正していく原動力になるべき
であるという私の持論を再確認することになった。

           
   

旬の力・地元の力(その1)

   

台湾一、だから世界一のパイナップルを食べさせてあげるからねッ!

    

台北の友人がもう何年も前から会うたびに同じことを繰り返していた。
    

しかし、その話は旬の季節が限定されていて、タイミングが合わない時ばかりだから、「今度は、今度は」「信じられないような旨さなのに・・・」とずっとじらされていた。
     

好意で言ってくれているのか、それとも自慢話かホラ話?

しつこく言うわりには、どうせ機会はないさと大げさに言ってるだけなんじゃないの?ぐらいに気にもかけずにいた。

    
   

そして待ったが10年目。

台北の街でいよいよシーズン到来!というジャストタイミングに、僕はちょうど居合わせることになった。

   

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ポップには台湾最高級品と謳われている

「旺来」とは台湾語で、鳳梨と発音が似ていて縁起の良い言い方なのだそうだ。

   
   

そんなに旨いと言うんだったら、食べてやろーじゃねえか。

たかがパインぐらいでッ。

    

確かに店のあちこちで「金鑽鳳梨」とか「関廟鳳梨」というポップが目に付く。ブランド名なのだろうか。

  

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果実店はもとより、高級食品店でも、スーパーでも卸売市場の場外市場でも。

   
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ここではパインの個数を「ひと粒」と数えている。面白いナ。
ちゃんと皮をむいてあるほうが安いんだネ、おじさん!

   
       
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「チョー甘い」と宣伝してるゾ

    

軽トラックでの移動販売まで現れた・・・。

  
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それでも僕にとっては、たかがパイン
     
   
パイナップルと正式に呼べるほどの代物でもない。

彼に会うまでは・・・。

    
   

その彼というのは南部・屏東県出身で、みんなから親しみを込めて「アージエ(阿傑)」を呼ばれるがっしりした体格の青年。
    

屏東でパイン生産に従事している若者だ。
   

夕方紹介され、一緒に卓を囲んだ。

  
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誠実でナイスガイ。決して多弁ではないが、日々の頑張りが真っ黒に日焼けした全身からオーラを発しているヤツで、いっぺんで大好きになり、酔いも手伝ってとても親しくなった。

   
最近、日本の農業現場で頑張ってる青年生産者に対して抱く親近感や友情と全くおなじ

     
   
無口なくせにパインのことを話し出すととても熱い。

いろいろ面白い話を紹介してくれた。

  
   
   
パインって、生で食べる以外に美味しい食べ方って無いでしょ?

と、意地悪な質問をしたら、

     

    

アージエは得意げに

パイナップルの漬物を知らないでしょ??

甘くは無いんだよ。
しょっぱさがたまらないんだ。 

これを丸鳥の中に詰めてスープで煮たら最高に美味しいんだから!

     

確かにこいつは説得力ありそうだ。パパイヤだってそうだもの。

いつか食してみたい。屏東まで行かなくちゃ。
   

    
パイナップルとアージエの人柄が重なった。
     

      
   

明日午後2時に売り場に来てくださいよ。

実演やりますから

   
   

試食販売じゃなくて実演? 何のことか良く判らなかったが、 

必ず行くからね。楽しみにしているよッ!

 と、応える僕。
   
 

アージエと固く約束を交わした。

                           (次回に続く)

  
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ドンドン売れていく
  
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ドンドン買っていく
  
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ドンドン運び込まれてくる

    

アジアを感じる(その3)

   

タイのエントリが続いたので、
いつものお約束の市場探訪編を・・・。

   
バンコク郊外の青果卸売市場を訪ねた。
   
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今回は、(いちば)ではなく、(しじょう)である。

  
新設された大規模な市場で改めてタイ農業の変化の大きさに驚く。

  
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様々な品種が並ぶようになった

     

量から質への転換が進んでいることを実感。

   
ただただ驚くばかり。

   
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アジアに行くとよく皆で観光夜市に行くことがあるが、

朝の青果市場ほどその街の流通に触れることが出来るところはない。

  
できれば、行く度に通って定点観測するのが一番。

    

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タイを感じるコーナーだ  辛、辛、辛ッ!
   
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タイと言えばフルーツ。

   
その奥深さの一端を感じた。

    
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確か中国語では火龍果って言ったっけ。 - ドラゴンフルーツ

   
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ここではマンゴーだってポピュラーな商品

    
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で、で、で、でかいッ!

   

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な、な、な、ながいッ!

    

最近、日本をはじめ海外からリンゴやイチゴ、柿などの輸入品もよく売れるようになった。

   
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地元産のイチゴだろうか?
    
ここ数年、福岡のあまおうもよくタイ市民から買って頂くようになった。

    
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バナナの皮を丁寧に折りたたんでいる。何に使うのだろうか?
      

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伝統菓子だろうか、様々な形や色使いが印象的

     
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ここでは青果だけでなく、肉類、水産物、加工品、雑貨・日用品なども数え切れないほど売っており、広い敷地で迷ってしまいそうだ。

   

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よッこらショッと・・・

    

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市場は元気
     
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市場はひょうきん
    
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そして、市場には一生懸命働く微笑が・・・

    
 
どの国の市場でも
帰途には、決まって必ず元気をもらってくるのだ。
    
                              (シリーズ終わり) 

     

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アジアを感じる(その2)

(前回から続く)
     
アユタヤの農村を訪ね、農村でのゆっくりと時の流れるような生活ぶりに接し、アジア共通の文化と自然との共生に心和ませる一方で、これからこの土地にも荒波が押し寄せてくるかも知れないという肌寒い予感も感じた。

   
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タイはアセアンの統合が進めば進むほどその地位を確固なものにするため、世界中からの投資を呼び込むことに注力している。

   
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バンコクの街

    

特に自動車産業に対して積極的で、日本の自動車メーカーは勢ぞろいした上に、世界中の関連企業が集積し「東洋のデトロイト」になるべく国家戦略をすすめている。

    
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バンコク郊外の自動車ディーラー
  
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そのために貿易投資の制度改革を進め、世界各国とFTA・EPAなど二国間の自由貿易の協定を結んでいる。
    
    
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以前は道路事情が原因の渋滞も、今は明らかに台数増加が
      

農業大国である中国やオーストラリアともFTAを結んでおり、ますます近代化・工業化が進展しているようだ。
   
経済的な豊かさや利便性を求める気持ちは、どこの国だって同じ。

   
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高層ビルが林立するバンコク

   

その結果、今タイの柑橘類は海外からの輸入が増大し、壊滅的な打撃を受けていると聞いた。

    
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アユタヤの生産者から頂いたタイミカン
   
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同時に海外からタイ産農産物の買い付けも増え、特にユーロ高を背景にヨーロッパ勢や中国、ロシアなど新興発展国からの比較高額・大量の引き合いも多くなったという。

   

これまで日本向けに輸出していたタイのサプライヤーも、最近は日本側の品質に対する要求が尋常ではないほどの厳しさになっており、価格は安く、注文数量ロットも少ないという三重苦で、しかも日本国内では国産はホンモノ、海外産はすべて偽モノという排他的な意識が蔓延していると映り、今後急速に輸出マインドが下がるだろうと、むしろ今後の日本の食糧はどうなるのか心配だとすら漏らしていた。

    
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日本に向けて輸出する機会がドンドン減ってゆく・・・

      

私たちは輸入が減れば自給率が上がるからいい、と単純に喜べるだろうか?
     

そうなると、日本の生産者とスピード感を持って取り組まなければならない課題はあまりにも多い。
    

タイ・アセアン諸国の経済もいよいよ日本に追いつけと、その背中が見えるところまで来たようだが、おそらく農村ではかつての日本と同じ状況が待っているのかもしれない。

   
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アユタヤの畑
    

昨年、コメの輸出量世界一のこのタイが、輸出に制限を加えると発表した。
    

資源保護、価格維持など自国民の食を守る動きが輸出国にも広がっているのだろうか。
   

経済のグローバル化が進みゆく中で、資源ナショナリズムの台頭を恐れる。

   

私は、グローバル化が進むからこそむしろアジアの農業者や専門家たちが団結して、膨張したマネー金融至上主義の修正に立ち上がる時が来るだろうと予測している。

    

21世紀の新しい社会の枠組みや次世代の生き方・思想は、一次産業や環境視点から形成されると信じているからでもある。

  
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今、地産地消とか輸出促進といっているが、まだまだ日本の農業者にはアジアを舞台にそのリーダーとしてもっと大きな使命と可能性が潜んでいるに違いないと訴えたい。

    

偏向情報、感情論だけを根拠に、内向きの議論ばかりしていては正しい判断が出来なくなることを私たちは歴史的に体験しているはず。
   

         
過去の延長でしか将来の動向を読まなくなると、必ず悲観論・攘夷論になる。

    
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視察先で、レモングラスティーを振舞ってくれた。
あつあつのお茶を氷を張ったコップに注いでくれる。
   
その甘い香りと優しいいたわりの情に心が洗われる。
農業生産者の暖かさはアジア共通の財産・・・

    
    
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自然と共に生きるタイ農村の姿も変わっていくのか
     

その意味で「39」や「40」という数字が一体どんな意味を持つのか、私はいま再考させられている。

   
     

海外を観ることによって、日本の持つ財産を再認識し、将来の可能性の姿が見えてくることもある。

    

アジアを感じる(その1)

            
ここタイ・アユタヤ県
    

あの有名なアユタヤ遺跡からは程遠い農業地帯を訪ねた。
   

あちこちにクリーク水路が張り巡らされている。
   
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日本は寒い冬だというのにここは30℃をはるかに越える熱帯の地で、容赦なく降りそそぐ太陽の熱で全身から汗が滴り落ちる。

   
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ギラギラの太陽。今の日本の季節じゃイメージできまい

   

今は乾季だからだろうか、あちこちで農作業の様子を見ることができた。

    
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一面に広がる水田。
    

 「ああ、同じアジアなんだぁ。」と心が和む。
     

でも良く観ると何かが違う

    
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日本でなら南北の地方によって多少のずれはあるだろうが、
普通、田植えや稲刈りなど同じ土地なら農作業や田んぼの風景はほぼ同じなのが常識。

   
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しかし、ここでは、直播きの田植えをしているその横で稲刈りをしていたり、勢いの良い鮮やかな緑の苗がすくすく伸びていると思えば、隣では黄金色に稲穂が垂れていたりする。
  
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これら数枚の写真は、すべて同じ日、同じ時、同じ一帯なのだ
     

そうだよなあ。一年雨季と乾季の違いはあっても、四季の区別が無い訳だから、田んぼの作業によってバラバラでも良い訳なんだ。

    
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聞けば、年に4回は収穫出来るそうだが、このあたりでは3回が普通だそうだ。

  
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ここでは、これが農村の風景。

   
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いずれにしても、心が癒されるアジアの原風景なのだ。

   
しかしその後、この地の農業にもとんでもない大きな変化の波が押し寄せていることに衝撃を受けることになる・・・
                                (次回に続く)

    

   

アジアに近い!

      
昨年11月から全国各地で展開されていた農水省主催の農産物輸出支援事業である「輸出オリエンテーションの会」もいよいよ最後のブロックである九州地区でも熊本市で開催された。

  
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会場となったホテル

       
九州地区だけが唯一、越年開催となり、
特に中華圏での旧正月商戦後のタイミングであったにもかかわらず、九州全県から180名を越える多数の参加者を集め、商品の出展者もおそらく全国で一番多かったのではないかと思われる。
     

海外からの招待バイヤーも、中国、香港、台湾、シンガポール、中東、ロシア、欧州と多彩を極め、日本側の輸出者にとっては相当の情報収集、人脈構築に貢献したのではないだろうか。

          
事前準備の周到さや時期タイミング、企画進行など関係者の尽力大であることに加え、アジアに近いという環境が、日本側輸出チャレンジャー、海外側バイヤーともに積極的な意識醸成も背景に、この数年は非常に活発な動きが展開されているように思う。

      
午前のセミナーでは、中国、台湾、シンガポールからの招待者が「消費者思考と定番化」というテーマで最新の消費動向や継続的な輸出のための的確な提言を行なった。

   
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コーディネーターの櫻井研先生による専門的でも平易で、歯切れの良い進行で、充実したパネルディスカッションとなった。

     
   
午後は、まず「発掘会」と銘打った試食会を兼ねた出展者によるプレゼンテーションが行なわれる。

   
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とにかく参加者が多く、会場中で自己紹介やアピールを行なうから、もう「積極的」を通り越し、「熱気」に近い雰囲気だった。

   
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会場内は所狭しと熱気に覆われた
   
    

九州7県はすべて、官民挙げて海外との経済交流に熱心で、裾野も広く各JAや中小企業も海外販路開拓の可能性について関心は強い。それだけに各県がしのぎを削っているから結構シビアな競合状態でもある。

   
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九州で一元化して取り組む考え方もあるが、農産物輸出もまだまだ滑走段階であるだけに、むしろスピード感をもって活発に動くもの一法かとも思う。

   
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独自の工夫を凝らして懸命にアピールする
    
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県民益、地域益のために支援する組織の牽引から、ビジネスベースに移行するプロセスで自ずと次のフェーズが見えてくるはずだ。

地域連携はまもなく個別に現実化してくることだろう。

     

続いてメインイベントの商談会である。
   

ここ九州でも15分刻みの限られた時間での個別商談だが、スケジュールはビッシリ
     
事務方に聞けば、それでも枠が足りないくらいの応募があったそうだ。
    

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私も相談コーナーを設けて頂いたが、結局、昼から夕方の閉幕まで次々と面談をこなし、トイレに行けなかった。もう膀胱炎寸前だった。
    
    

他のブロックでも商談時間が短い、すべてのバイヤーと接触できなかったという意見があったからだろうか、商談終了後に、フリーの名刺交換会が設けられた。
          
意見あれば、すぐに改善する。とても重要な事だ。
   
    
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最後まで残っている人たちがとても多いことにもビックリした。

     
参加者が多いだけでなく、終日のプログラムを十分に活用する人たちが多いということは企画が有効だったという証しだろう。
     

現に、解散直後に海外、日本側参加者にコメントを求めたところ、すべての方が参加して良かったと評価していた。 

     

イベントの内容もさることながら、輸出を自分の問題として主体的に情報収集し、人脈開拓し、プレゼンするという九州の事業者のマインドに触れ、心強く感じた。

     

輸出実現の可否はともかくとして、九州はアジアの元気を取り込みながら、自らも元気になりつつあるようだ。

       

追い風?向かい風?

   
今日の関東地方はもの凄かった。

   
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地上60階から観た関東平野

      
平年より9日遅れの春一番が吹き荒れたのだ。
春一番と言えば、文字通り春の訪れを告げる季節の風物のように思えるが、とんでもない! 台風並みじゃないかと思うほどの強風だったのである。

     
立って風上に向かって歩けないほど。
   

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東京の北西部では畑の土が舞い上がり黄砂のように一面がまっ黄色。

   
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細かい砂埃が容赦なく目や鼻から突き当たってくるからたまらない。
    

鉄道ダイヤまで大幅に乱れるくらいだから、ホントに凄かったのだろう。

    
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西武線沿線で 

     
        
ころで、20日から22日まで東京ビックサイトで
2008スーパーマーケット・トレードショーが開催された。
    
      
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バイヤーや流通、食品などの関係者約7万人の来場が見込まれる本格的な展示商談会で、会場は熱気に包まれていた。
     
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フードショーなどと違って一般来場者がほとんどいないので、プロの関係者がじっくり商談できるイベントといえる。

    

実は、今年から地域資源活用プログラムの事務局でも専門コーナーを設け、認定された全国の企業が出展して積極的なプロモーションを行なった。

   
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私がお手伝いしている企業も3社参加し、プロのバイヤーの眼に適うかどうかチャレンジしたのである。

   
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おりしも中国冷凍餃子問題が発生し、食品・流通業界に大きなインパクトを与えた直後だっただけに、流通バイヤーは全国に埋もれている優れた商材を発揮しようと地方の食材、食品に対して、いつもより増して真剣に情報収集している様子を肌で感じ、これはスゴイ追い風になるかもしれない、と強い手ごたえを感じた。

   
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さっそくチャイナフリー(中国回避)を前面に押し出してきた・・・

    

同時に、食の安全性、トレーサビリティー(記録性)や情報の公開性(アカウンタビリティー)、法令の遵守(コンプライアンス)に対する需要家の要望はこれまでになく厳しく、単に素材のこだわりや国産の良さなどを工夫なくアピールするだけではとても相手にされないな、と逆風にもなりかねない厳しさも身にしみた。

     
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今年は各県のブースも特に人気

        
   
春一番の強風を追い風にするか、向かい風になるか、それとも乱気流なのか? そんな事を考えた一日だった。

       

畑の白いカーテン

      
一段と寒さが厳しくなるこの季節、
漬物大根の産地である宮崎市田野町では
(やぐら)に掛けた「干し大根」が畑のあちこちで見かけることが出来る。

   
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この風景は実に壮観だ。

  
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なんといっても漬物大根の生産量が日本一なのだそうだ。
     
   

てっきり東北か北関東がそうなのではないかと思っていただけに、南国宮崎の特産品だったんだ。

    
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竹のやぐらは高さが6メートルもあるらしい

     
   
霧島連峰から吹き降ろす寒風に約二週間さらして出荷するもので、「大根干し」とか「櫓干し」と呼ばれるそうだ。

   
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洗った大根を2~3本ずつ麻ヒモで束ねてやぐらに掛けてある。

   

寒い時期での作業に「大変なんだろうなあ」と、つい思いを馳せてしまう。

   
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乾いた冷たい風が適しているのはもちろんのこと、でも凍ってしまってはまったく価値が無くなってしまうという実はナイーブな代物なのだ。

  
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本当に冷え込みそうな時は、シートを全体に掛けてストーブを焚くのだそうだから気が抜けない。

   
     
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白く丸々太った大根も、二週間が過ぎたのだろうか、取り入れ前の列は干しあがっていて、すっかりスリムになっていた。

   
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乾燥前と乾燥後と

   

ここ数年、毎年この風景を観ることができるのも田野の町を訪ねる機会があるおかげ。

      
    
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たくわん漬けに美味しいご飯が食べたくなる。 ああ、ニッポン人!
      

       

すっかり私の冬の風物詩になってしまった。

        

      

元気宮崎に師匠現る

   
のこのブログの産みの親、そして育ての親であるやまけんこと山本謙治氏が宮崎を訪れ、農業経営戦略セミナーで講演をされた。

   
    
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会場は大勢の聴講者で満員  鹿児島から駆けつける人がいたほど

       

足掛け3年にわたる出演交渉の末、ようやく実現したのだ。

     
いま“やまけん”は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などありとあらゆるメディアから引っ張りだこで大忙しの身。

    
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地方の生産者たちこそ、いち早く食の乱れを正し、
伝統食の素晴らしさを自ら発信することの大切さを熱っぽく訴える

       

あるべき食の姿」を農産物流通を通して訴え、地方の活性化や環境問題に至るまで、多くの国民の幅広い共感を集めている若きコンサルタントである。

     

私も、昨年から地域資源を活用した農林水産物の発掘支援を行う政府機関のプロジェクトマネージャーの仕事でまさに農産物流通の現場に立っているだけに、久しぶりの再会は刺激的なものとなった。

      
この日の出来事をこれ以上多く語る必要はなかろう。
   

ぜひ人気日本一のブログで参照して頂きたい。

http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2008/02/post_1117.html
(やまけんの出張食い倒れ日記 2008年2月6日記事)

    
ただでさえ、熱く燃える宮崎の若き農業法人経営者たちの中でやまけん節が炸裂したのだから、この夜どんなことになったのか想像してみてくれたまえ…

    
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常に前向きな人たちの会話は刺激的。

     
やまけんも「宮崎は気温も熱いけど、皆さんの気持ちが熱いのにもっと驚いた」と再会を誓い合った。

      

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やまけんブログの素晴らしい画像には新たな秘密兵器が・・・

     

地域資源に注目

         
九州経済産業局、中小企業基盤整備機構九州支部の主催による「中小企業サポーターズサミット in Kyushu」が福岡市で開かれた。

    
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私は昨年7月から、経済産業省・中小企業庁による地域資源活用プログラム」事業の農林水産業部門のプロジェクトマネージャーの仕事をしている。
   

地域が誇る農林水産物、観光資源、産地技術を生かした新製品の開発や販売システム構築をハンズオン支援しようというもので、様々な困難やハードルが立ちふさがるとは言え、地方が活力を生み、自立への向かうために必須のプロセスと位置づけ、私も支援者の一人として試行錯誤の日々を送っている。
   

この日は、第一部の講演シンポジウムにNHKビジネス番組の人気キャスターでもある三神万里子氏も参加し、地元九州の元気企業経営者と共に興味深い議論が繰り広げられた。
    
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また第2部のビジネスマッチングには予想を超える来場者が集まり、事業認定された出展企業との間で活発な商談やプレゼンテーションが行われた。

   
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私が支援担当した企業も全社参加してもらい、バイヤー企業や専門家との情報交換やアピールを行った。

   
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農産物を有効利用した商品  安全性・有効成分にも特長が

   
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見慣れたイラスト。だが、苦境にあえぐ酪農への熱い想いが伝わる

     

新商品の販路開拓は容易ではなく、まだまだこれからの様子ではあるが、自らの力で活路を切り開く姿にはどうしても応援したくなる。

    
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また、地域資源を生かした事業への挑戦に大勢で広範囲の皆さんの注目を集めたことは、大きな自信につながることになろう。

   
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これからも参加者の期待に応えたい・・・

      

地方を元気にするために、国内・海外の販路開拓にぜひとも支援していきたいと決意を新たにしている。

   
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頑張れ 地方の元気人たち!!